ボードゲームレビュー第104回「メディバル・アカデミー」

「メディバル・アカデミー」(原題:Medieval Academy)
発売元:iello/日本語翻訳:ホビージャパン
作者:ニコラ・ポンサン
プレイ人数:2~5人
対象年齢:8才以上
プレイ時間:約30分

 


 

毎週木曜日はキウイの日ーっ♪
さあ、今週もやって参りましたよーっ! ってなワケで、本日のレビュー担当は私、三家原なのです~♪

今回ご紹介するのは、我らのホビージャパン様からリリースされた「メディバル・アカデミー」なのですーっ!

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プレイヤーはあの超有名なアーサー王に仕える騎士となるべく、騎士養成学校にやってきた見習いっ子となり、腕っ節と鍛えたり、礼節を学んでいくというゲームなのですよーっ!

……とここまで書くと、「結構がっつり系の育成シミュレーションなんでしょう?」と思いきや、意外や意外。
このゲーム、結構簡単なんですよ。
ほら、プレイ時間も30分って書いてあるでしょう? 実際プレイしてみたら、本当サクサクと進んじゃって、あっという間に終わったのですよー。

○ ゲーム準備

まずは各プレイヤーは自分の色を選択して、その色のディスク10枚を取ります。
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ディスクを取り終えたら、テーブル中央に7つのゲームボードを決められた位置に配置したら、紋章トークンを種類ごとに分けて、それぞれ対応するゲームボードの側に置きます。

各プレイヤーは、各ゲームボードのスタート位置スペースに、自分のディスクを1枚ずつ配置します。
配置が終わると、ディスクが3枚残ると思いますが、これは自分の前に置いておき、もしも自分のディスクがトラックを一周した場合、これらを使用します。
まあ、このゲームでトラックを一周することは滅多にないと思いますので、ほとんど使わない子扱いになるんですよねー。

ゲームボードの設置が終わったら、羊皮紙ボードのラウンドⅠに砂時計トークンを配置。この砂時計トークンが、現在のラウンドを示すのですよ。

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そして、習得カードデッキをシャッフルしたら、準備はほぼ完成!

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さあ、そして最期にスタートプレイヤーを決めるワケなのですが、この決定方法はなんと一番騎士っぽいポーズを決められたプレイヤーになります……って、え? 騎士っぽい……!? えっ!? どゆことですか!? 一番騎士っぽいポーズってどんなんですか!?(混乱)

と、とりあえず、判定基準がわかりにくいですが、参加者全員一斉にポーズを決めて、一番それっぽい人がエクスカリバーを受け取って、スタートプレイヤーとなります(笑)。

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立派な剣ですが、ただ単にスタートプレイヤーを示すだけのエクスカリバーさん(笑)。

○ ゲーム進行

さあ、準備が整ったら早速ゲーム開始なのですよ。
このゲームは1ラウンド6フェイズで構成されていて、以下の通りにゲームは進行していきます。

フェイズ1.カードを配る。

まずは、習得カードデッキから、各プレイヤーに5枚ずつ習得カードを裏向きに配っていくのですよ。

フェイズ2.カードをドラフトする。
配り終えたら、プレイヤーは与えられた5枚の中から1枚を選択して、自分の前に裏向きにして置きましょう。
そして、残った4枚は左隣のプレイヤーに手渡すことで、自分の手元には右隣のプレイヤーからカードを4枚受け取る形となります。

そうしたら、さらに受け取った4枚のカードの内、1枚を選択し、さっきと同じように自分の前に裏向きに置いていき、また左隣のプレイヤーに3枚を手渡すと、右隣から3枚を受け取って……という感じで、ぐるぐると回していく内に、自分の前に5枚の裏向きカードが出来上がりますので、これでこのラウンドに使用する自分のカードとなります。

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果たして、どんなゲーム展開になるのか……運とドラフトの流れが全てを決めるのですよ。

フェイズ3.カードをプレイする。

さあ、ここからが勝負なのです! 自分の作り上げた最強(もしくは最弱?)のカードを駆使して、各ゲームボードのディスクを育成していくのです!
スタートプレイヤーから時計回りに、プレイヤーは手持ちのカードから1枚表向きに出すことによって、そのカードの数値と同じ分だけゲームボード上に置かれたディスクを上げていく事ができます。

ちなみに、習得カードの種類は全部で6種類なのです。

① レディへの奉仕
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数値は2~5、数値が大きい程、レディへのプレゼントが豪華になっていくのですよ(笑)。

② 馬上槍試合/剣術トーナメント
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取得カード内で、唯一3・4・5と3種類しかないのです。このカードを提示したら、馬上槍試合かトーナメントのどちらかと選択して、ディスクを上昇させる事ができるのです。

③ 学問

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数値は2~5、この数値がないと後で困るので、しっかりと上げていく事をオススメします。

④ 王の務め

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数値は2~5、下積みピエロからスタートして、最後は近衛兵になるのですよ。

⑤ クエスト

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数値は2~5、やっぱり数字が大きくなっていくと、騎士らしい格好いい装備になりますね。

⑥ 慈善

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数値は2~5、人を助ける心こそ騎士の心得! それにしても、2の素っ気なさがなんとも(苦笑)。

さあ、こうして取得カードを次々と繰り出して、ディスクを上昇させていき、全員のカードの手持ちが残り1枚となったら、このラウンドは終了となります。
そう、最後の1枚はプレイせずに終わるんですよ、このゲーム。
まあ、考え方によっては、配られたカードの中で一番最弱なカードを1枚なら無かった事にできるんですけど、最強ぞろいだった場合は、どのカードを無かったことにするかでまた悩ませてくれるんですよねー(汗)。
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高いポイントの習得カードが連続で出せれば、ライバルとの距離を一気に広げる事も可能なのですよ!

さてさて、それでは次のラウンドを開始する前に、各ゲームボードの状況に合わせて得点計算を行いましょう!

フェイズ4.得点計算

この得点計算は、ラウンド終了時に毎回行う事になっています。
ただし、ゲームボードによっては、毎ラウンドではなく、指定のラウンドでのみ計算を行うところもあったりするので、間違わないように気をつけましょう-!

「レディへの奉仕」
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毎ラウンド計算対象でゲームボードで唯一、直接得点にはつながらないのが、この「レディへの奉仕」です。
なら、何がもらえるのかというと、このゲームボードで上位になったプレイヤーは、他のゲームボード上に置かれているディスクを進められるのです。つまり、ブーストができると言うことなのですよ。
一位だと3スペース、二位だと2スペース、三位だと1スペース進める事が可能ですので、接戦となっているところを逆転に持ち込む事ができたりしますね!

「馬上槍試合」「剣術トーナメント」
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毎ラウンド計算対象、上位三名に紋章トークンが与えられます。

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一位は3点、二位は2点、三位は1点となります。また受け取った紋章トークンは、他人から分からないように、裏向きにして配置するのを忘れないようにしましょう!
ただし、三人プレイの場合、三位には得点はありませんので、頑張って最低でも二位に着けるように頑張らないといけないのです(汗)。

「学問」
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毎ラウンド計算対象、7つの項目の中で、唯一マイナスの紋章トークンが与えられる項目なのです(汗)。
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紋章トークンが与えられる条件は、最下位に-3点、最下位か二番目に-1点が与えられるので、プレイヤーはできるだけ、このトークンをもらわないようにディスクを上昇させておかないといけないのですよ!

「王の務め」
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3ラウンドと、6ラウンドが計算対象となります。
上記のゲームボードの計算方法とはちょっと違っていて、このゲームボードでは、ディスクをどこまで進めているかで取得できるポイントが変わってきます。

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ディスクが0~5までにあったら0ポイント、6~11にあったら6ポイント、12以上だったら12ポイントと、全ゲーム中2回しか計算がないということもあって、ちょっと高めにポイントが割り振られているのですよ。

「クエスト」
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6ラウンド目で計算の対象となる、最大17ポイントも稼げちゃう逆転要素が、この「クエスト」なのです!

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一位には17ポイント、二位には10ポイント、三位には4ポイントと、それまでに常にかせげるのが3ポイントとかだから、このポイント配分はでっかいのですよー。
ぜひともゲットして、一気にライバルを引き離すか、一発逆転を狙いたいですね-!

「慈善」
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6ラウンド目で計算の対象となる、マイナス要員です。

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紋章トークンの与えられる条件は、学問と同じなんですが……さすが、最後のラウンドで計算するだけの事があって、マイナスの額が違いますね(汗)。

ちなみにカードを使ってディスクを進めていく際に、もしも他のプレイヤーと同じスペースになる場合、先にいたプレイヤーのディスクの上に、後から来たプレイヤーのディスクを乗せるようルールが決まっています。
これはどういう意味なのかと言いますと、もしも得点計算時に同着だった場合、上に乗っているディスクが上位になるというルールが存在するのですよ。

そう、先にリードをしていても、後か来たプレイヤーに踏みつけられて、順位を抜かされるという危険があるのです……!
つまり、各プレイヤーは騎士らしく、正々堂々他人を踏みつけにしてのし上がっていけとゲームが教えてくれているのですよ!!(まてこら)

得点計算に違いがあるので、毎ラウンド計算が存在する「馬上槍試合」「剣術トーナメント」でコツコツかせぐか、それとも「王の務め」や「クエスト」のようにがつーんとかせぐかで、けっこうゲームのスタイルが変わってくる気がしますね-。

あと、このゲーム中で気をつけないといけないのが「学問」と「慈善」です。

ゲーム中に存在するゲームボードの中で減点になる枠ですから……1ラウンドで稼げるポイントがそれほど高くないので、この減点がかなり響いてくるんですよ。
特に学問は毎ラウンドありますからねー。下手すると最大で18もマイナスされる可能性があるのですよ(汗)。
やっぱり、騎士には、学と慈善の心がないとダメなんですね?(違)

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フェイズ5.リセット

さあ、コツコツと修行を重ねて、良い具合にポイントもたまってきた頃だと思いますが、ここで思わぬ落とし穴が存在します!
実はこのゲーム、3ラウンドが終了した時点で、「慈善」「クエスト」以外のゲームボード上にあるディスクを一旦0にリセットするというルールが存在するのですよ!
そう、どんなにその場でリードしていても、元に戻されてしまうという無慈悲なリセット!

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頑張って貯めたのも、全部無かったことに……(涙)。

まあ、一見すると無情な気もしますが、カードの巡り合わせで圧倒的な差ができてしまう事もありますし、不利を強いられたプレイヤーに逆転の可能性を与えてくれるので、最後まで油断できないゲーム展開が楽しめるのですよ。
これを見越して「クエスト」をコツコツ貯めて、一発逆転を狙うのもありなんじゃないかなーっとも思いますねー。

フェイズ6.スタートプレイヤーを変更する

毎ラウンドの最後に、スタートプレイヤーの左隣のプレイヤーがエクスカリバーを受け取り、次のラウンドのスタートプレイヤーとなります。
また、ラウンド数を示す羊皮紙ボードに乗せている、砂時計トークンを1つ進めたら、完全にこのラウンドは終了となります。

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こうして次のラウンドが開始されるのですが、注意しないといけないのが、ラウンドが変わるとエクスカリバーを持っているプレイヤーを基準に、前のラウンドの逆回りになるという事ですねー。
なので、そのラウンドでどっち周りになるのか確かめたい時は、羊皮紙ボードのラウンド数に書かれている矢印で確認するといいのですよー。

○ ゲーム終了

さあ、こうして次々と得点を稼いでいって、計6ラウンドが終わったら、このゲームは終了となります。

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各プレイヤーはラウンドでかせいだ紋章トークンを合計して、もっとも多くの騎士道ポイントを獲得できたプレイヤーが勝者となり、アーサー王により騎士に叙任されるのです!

○ 総評

個人的に、まず最初のゲーム開始時の「一番騎士っぽいポーズを決めれた人がスタートプレイヤー」というのが、ツボにハマりましたねー。
ボードゲームって、そのゲームの題材になったものに関連した事からスタートプレイヤーを決めたりしますから、不思議ではないんですけど「騎士っぽいポーズって何さ!?」って、思わず笑ってしまったのですよ(笑)。

ドラフトしたカードを使って、各ボード上のポイントを稼いでいくというシンプルな流れですけど、出し方によっては不利になってしまう事もあるので、いつそのカードを出すのかという駆け引きがあったりして、けっこうタイミングが重要だなーっと思いました。

「馬上試合」や「トーナメント」で地道にかせいでいくのか、それとも「クエスト」で一発逆転を狙うのか? でも、そっちばっかりに割り当てていると、「学問」で地味に痛いマイナスを稼いでしまうという罠があったり。
だけど、バランスよく割り振っていても、他のプレイヤーに勝てなくてポイントが全然かせげない、というこのバランスが絶妙なんですよねー。

最初のうちは、初級ルールでわいわい楽しんで、物足りなくなったら上級ルールで、ガスガス遊んでいったり。
二人用の簡易版や一騎打ちなんていうヴァリアント(変更)ルールも豊富なので、これを一つ購入するとなかなかに長く楽しめるゲームなんじゃないかなーっと思いますねー。
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やっぱり、ボードゲームっていいお値段しますから、しっかりと長く遊べるゲームが欲しいですよね。
そういう点では、今回ご紹介した「メディバル・アカデミー」は比較的簡単なのに、ルールが豊富で長く遊べそうなので悪くないんじゃないかなー。

さあ、可のアーサー王の宮殿で円卓の騎士になりたい、そこの貴方! 今こそ、立ち上がる時なのですよ!(まてこら)
ってなワケで、ご興味のある方は、ぜひぜひ一度遊んでみてくださいませなのです~♪

 

ライター紹介

三家原優人(みけはら ゆうと)
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ゲームシナリオライターだけでなく、映画会社にて長編映画の脚本や出演など多岐に渡って活動中。
 趣味はガジェット集め。国内・国外問わずの気になるガジェットを集めては愛でる日々。
 実は某公国の爵位を持っていたりする。

代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ。
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」。
 長編ホラー映画「腐女子」。
 その他多数。