ボードゲームレビュー第105回「ザ・ゲーム」

「ザ・ゲーム」(原題:THE GAME)
発売元:ニュルンブルガー・シュピールカルテン/日本語翻訳:ゲームストアバネスト
作者:ステファン・ペンドルフ
プレイ人数:1~5人
対象年齢:8才以上
プレイ時間:約20分

 


 

お久しぶりです。ライターの松風でございます。

さて、ボードゲーム・カードゲームにも色々種類があるものでして、ルールが重いものや頭を使うものなんかをプレイした後には、気分転換に軽いゲームが欲しくなったりするものです。
というわけで、今回はちょっとした待ち時間の間なんかに手軽に遊べるカードゲーム『ザ・ゲーム』をご紹介いたしましょう。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

数あるゲームの中において、タイトルにごくシンプルな「ザ・ゲーム」とつけるあたりに、製作者のこれでもかってくらいの自信がうかがえますね。
その自信のゆえか(?)今年のドイツ年間ゲーム大賞に『街コロ』や『コルト・エクスプレス』なんかと一緒にノミネートされているそうです。
はたしてこの「ザ・ゲーム」とは、どんなゲームなのでしょうか?

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

箱を開けてみると、中身もかなりシンプルな感じ。
2から99までの数字が書かれたカード計98枚と、『1→99』と書かれた昇順カード、『100→2』と書かれた降順カードがそれぞれ2枚ずつ入っています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

まず卓の中央に昇順カードと降順カードを並べて4つの列を作ります。
あとはプレイ人数に応じた枚数の手札を配り、残った数字カードを山札として列の横に置けば、もうセットアップは終わりました。
とっても簡単ですね。

ああ、最初に述べておきましょう。
このゲームは個々人の勝敗を競うゲームではなく、プレイヤー全員による協力ゲームです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

まず各プレイヤーはお互いに話し合ってスタートプレイヤーを決めましょう。
この時、具体的に手札の数字を口にするのは禁止です。
というか、このゲーム中はずっと、具体的な数字を口に出して会話するのはご法度になります。
まぁ、なんとなく極端な数字を持ってそうな人に当たりをつけて、その人からはじめるのがベターでしょう。
以降は時計回りに手番が変わっていきます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

手番となったプレイヤーは、手札の中から2枚以上のカードを、4つの列のどこかに置かなければいけません。
2枚以上であれば、手札が無くなるまで何枚でも置くことが出来ます。
カードはそれぞれ別の列に置いてもかまいません。

カードを置く際のルールですが、昇順カードの列には前のカードよりも大きい数字を、降順カードの列には前のカードよりも小さい数字を置いていく事になります。
カードとカードの間の数字は、いくつ飛んでもかまいません。
ただし、なるべくカード間の数字は小さくしたほうがいいでしょう。
また、無情にもこのゲームには手番のパスはありませんので気をつけてください。
例えどんなに手札の数字に大きな開きがあろうとも、カードを置けるなら必ず置かなければならないのです!

好きなだけカードを置き終わったら、置いた枚数と同じ数だけ山札から補充して、次のプレイヤーに手番を回します。

基本はこれだけ、というシンプル極まりないルールですね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

山札がなくなっても手札が尽きるまでゲームは続きますが、山札がなくなった時点から、置くカードは『1枚だけでも構わない』というルールに変わります。
手札が無事になくなったプレイヤーは除外され、残りのプレイヤーだけで回していくことになります。
どうしても『手番中に置かなければならない最低枚数』を場に出せなくなったプレイヤーが出たら、そこでゲームは即終了です。

ゲームが終了したら、プレイヤーたちは合計で何枚のカードが置けずに残ったのかカウントします。
えー、ルール上では『残りが10枚以下なら優秀。全部置ききれたら勝利』と書かれています。

「カードは98枚だけなのに99枚置けるスペースが4つもあるんでしょ? 楽勝じゃない?」と思われるかも知れませんが、これがなかなかどうして難しいんです。

そうそう、あと一つ大事なルールとして、各列に置かれた一番上のカードよりもちょうど10大きい(小さい)カードは置くことが出来る、というものがあります。
例えば、自分の手番が回ってきた時、昇順の列の一番上に56というカードが置かれていた場合、手元に46のカードが有れば、それを置くことが出来ます。
降順の列であれば、22という数字が置かれていれば、通常なら21以下のカードしか置けませんが、32のカードなら置いても構わないのです。
この、ちょうど10差のカードなら置ける、というルールだけが唯一、列を若返らせる事ができる方法になりますので、戦略上、非常に重要になってくるでしょう。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

プレイしてみたら分かるのですが、手札に回ってくる数字は当然ランダムになりますので、必ずしも思ったようにカードを置いていけるわけではありません。
「このカード、ちょっと間が空いてしまうけど、でもこれしか置けないしな~」と思ってカードを出すと隣から悲鳴が上がる、という光景がよく見られるようになるでしょう。
相談しようにも、具体的な数字を出すのはご法度です。
というわけで、「この列、ちょっとそのまま置いといて!」「いやでもそこしか置けないし……」といった議論が白熱していくことになります。

ルール自体はすごく簡単ですし、運の要素は強いものの完全な運ゲーというわけでもありませんので、軽くワイワイ遊ぶには持って来いかもしれませんね。
協力型のゲームなので、みんなで目的を共通して盛り上がれる、というのもいい感じだと思います。
コンポーネント自体もコンパクトにまとまっていますので、UNOやトランプの代わりとして、行楽のお供などにちょっと目先の変わったものが欲しいと思っている方にいかがでしょう?
ぜひ全てのカードを置ききって、その達成感を分かち合ってみてください。
「ゲームが楽勝? ならカード置く枚数は最低3枚な!」という上級ルールもありますよ!(鬼か)

といったところで、今回のゲームはいかがだったでしょうか?
それでは、また次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
 アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
 世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。

代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
 大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
 大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
 その他多数。