ボードゲームレビュー第129回「さまよえるオランダ人」

「さまよえるオランダ人」
発売元:ニューゲームオーダー
作者:クラウス・トイバー
プレイ人数:3~6人
対象年齢:12才以上
プレイ時間:60分

 


毎週木曜日はキウイの日♪
どもども~、三家原です。

それにしても、急に暑くなってきましたねー。
ちょっと外を歩いているだけでくらくらしますし、この調子だと夏が来る前に夏バテしてしまいそうですよ(汗)

うーん、やっぱり、こういう暑い時は海が恋しくなりますね!
そう、白い砂浜! 蒼い空! そして希望を胸に大海原!!

ってな訳で、今回ご紹介するのはニューゲームオーダー様より発売中の「さまよえるオランダ人」なのですーっ!(強引)

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……さまよえるオランダ人。そう、今回のお題はあの有名な幽霊船(フライングダッチマン)です!
プレイヤーは一捜千金を夢見て、僅かな軍資金を元に海洋貿易を始める商人となり、積み荷を積んだ船を無事に陸に届けるのが目的なのです。
そして、その商売を邪魔する恐ろしい相手こそが、今回のタイトルにもなった「さよまえるオランダ人」なのですよ。

開発は、前回の「カタンライバルズ」に引き続き、クラウス・トイバー様。
あのカタンが制作される3年前、1992年にリリースされて、その年にゲームファンが優秀な作品を選ぶ「ドイツゲーム大賞」にて一位を獲得したのが本作なのですよ。
その前年には、未開の海域に探検船を送り込み、島を発見して点数を稼ぐ、「エントデッカー」という作品を作っていますし。
トイバー先生はちょうどこの頃、お船がマイブームだったんですかね?

○ ゲームの準備

ゲームボードを中央に置いたら、、幽霊船駒を“HOLLAND"(オランダ)と記された島の上に置きます。

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次に、6色全ての商船駒をゲーム盤外周の2の港に置きます。また、八角駒は商戦駒と扱いが少し違うので、港の◎のところに設置しましょう。

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商品の価値を示す商船駒さん。

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ゲームの残りラウンドを示す八角駒さん。

これで、ゲームボードの準備は完了♪

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次にプレイヤーは、35ドゥカート分のコイン、鍛治屋カード、商館カードを3枚ずつを受け取ります。

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ドゥカートは、中世から20世紀後半あたりまでヨーロッパで使用されていた硬貨。
1ドゥカート十万円くらいみたいなので、35ドゥカートあると……ちょっと、お金持ちになった気分ですね(笑)

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商館と鍛冶屋カード。

プレイヤーに配り終えたら、残りのコインはゲームの脇に、カードは使用しないので片付けちゃいましょう。

次に、蹄鉄チップを全て伏せてよく混ぜ、中身を見ずに各自9枚ずつ受け取ります。
受け取ったチップはスタンドに立てて、他のプレイヤーに見えないようにしておきましょう。

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それぞれ違う数字の書かれている蹄鉄チップ。この数字が重要なのですよ。

残った蹄鉄チップのうち、プレイヤー人数と同じ枚数を伏せたままゲーム盤の脇に置いて、残ったチップは使用しないので、数値を見ずに布袋に入れて片付けちゃいます。

最後に、プレイヤーに株券カードを配ります。
全部で30枚ある内から、各色「参加人数-1」枚のみ使用するため、使わない分は先に抜き出して箱に戻しておきましょう。
使用するカードはよくシャッフルして、各プレイヤーに3枚ずつ伏せた状態で配ります。

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船の形ですけど、これが株券。船の形ではなく、色が重要なのですよ。

残りの株券は山札として、ボード傍に伏せます。
この山札の隣を「捨て札置き場」として、ゲーム中に消費した鍛治屋、商館カードをここへ置くようにします。

このゲームでは、手持ちのコインの金額が常に公開情報となります。
またカードと蹄鉄チップは、枚数は公開情報ですが、中身を隠して持つようにしましょう。

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適当な方法で最初のラウンドのスタートプレイヤーを決め、そのプレイヤーはダイス2個を持ちます。
これで、ゲームの準備は全て整いましたので、早速ゲーム開始なのですよ~!

○ ゲームの流れ

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ゲーム開始時はこんな感じ。ここから幽霊船に捕まらないように、必死にあれこれしていくのですよ。

本作の1ラウンドは、以下の手順によって構成されています。

手順1 ラッキーナンバーの決定
手順2 行動選択
手順3 幽霊船の移動
手順4 次のラウンドへ

■手順1 ラッキーナンバーの決定。

スタートプレイヤーが2つのダイスを振ります。
その合計値が、このラウンドの「ラッキーナンバー」となります。

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この場合だとラッキーナンバーは「20」となります。

また、一度決まったら、スタートプレイヤーはこのラウンドが終わるまで、手元にこのダイスを表示し続けなければなりません。

■ 手順2 行動選択

スタートプレイヤーから時計回り順に、4つの行動から1つ選んで行います。

A 株券カードの交換
手持ちの商館カードを1枚消費することで、株券の山札から2教引き、手札に加えます。
次に5枚になった手持ちの株券から2牧選び、株券の山札の下に戻します。

B 蹄鉄チップの補充
鍛治屋カードを1枚、自分の前に出し、全員が行動終了になるまで終わるまで待ちましょう。
行動終了後、鍛治屋カードを出した全プレイヤーで、伏せられている路鉄チップを獲得します。
もしも1人だった場合、置かれている踏鉄チップを全て取得。
2人以上いたら、蹄鉄チップが同じ枚数になるように分け、各自中身を見ずに取ります。
もしも余りが出る場合、次のラウンド用に持ち越しとなります。
最後に、プレイヤーは自分の前に出していた鍛治屋カードを、捨て札置き場に移します。

C 蹄鉄の力にすがる
恐ろしい幽霊船を、自分の思う方向に動かすチャンスを得られます。
その為に、蹄鉄チップを1枚以上手元に伏せて使用します。
ただし金の蹄鉄は使用できるのが1回につき1枚だけなので、ここぞ! という時に使うのがいいでしょうね。
でも、この行動の結果がどうなるのかは……“手順3”の段階で判明するのですよ。

D パス
蹄鉄チップが4枚以下のプレイヤーに限り、この行動が行えます。

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■ 手順3 幽霊船の移動

全員の行動が終了したら、いよいよ幽霊船が移動を開始します。
手順2で蹄鉄チップを出したプレイヤーは、自分の前に伏せた腕鉄チップをオープンにして、数字を確認しましょう。

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運命の別れ道、蹄鉄オープン!

蹄鉄の合計値が、ランキーナンバーに最も近い(または同数)プレイヤーが、この幽霊船の行き先を決められます。

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幽霊船がきたどー!(逃)

ただし、注意しないといけないのが、幽霊船はひとつ前のラウンドにいたマスに移動させることはできません。必ず前のラウンドとは違う方向に移動させなければならないので、逆に考えれば先に被害あった場所は連続で被害に合うことはないって事ですね。
なので、プレイヤーは前回いたマスを忘れない為にも、幽霊船の船尾を移動前のマスに向けておいて、記録しておきましょう。

また単純な数字の大きさではなく、ラッキーナンバー以下でもっとも大きな数の蹄鉄チップを出すのが判定基準なので、ラッキーナンバーを越える蹄鉄チップを出しても、そのプレイヤーに優先権は移動しません。

どうしてもチップの関係で越えてしまっても、銀の蹄鉄は値を減らすためにも使えるので、上手く計算してラッキーナンバー以下で近い数字を出していきましょう。

もしも、ラッキーナンバーに最も近い数値を出したプレイヤーが1人だけだった場合、そのプレイヤーが幽霊船を海図上の線に沿って1マス動かします。

また、複数だった場合……ここからが、急にプレイヤーの交渉力が試されることになるのですよ。
まず該当者は、このラウンドの手番順に、幽霊船をどちらに移動させたいかを宣言します。ここで、満場一致ならそのまま移動で済むのですが……それでも、ダメだった場合……レッツ交渉タイム開始なのです!

ここがまさに、ゲームの一番のポイントですね。
多数決はNGなので、満場一致になるまで話し合いをするんですが、これがなかなか決まらない決まらない(笑)

そこで登場するのが、袖の下なのですよ(まてこら)
いや冗談抜きで、これが結構重要なのです。なんたって、ゲームの勝利条件は、誰が一番儲けられるかなので、ここで相手の資金を奪っておくのも一つの戦法でしょう。
まあ、ほどほどにしておかないと、あとで復讐されてしまうかもしれませんが……(滝汗)

とまあ、そんな風に話し合いをした結果、満場一致で合意に至ったら(多数決は不可)、幽霊船をその方向に移動させます。

ただし、話し合いだけで、必ずしも満場一致になるとは限りません。
その場合は、延長戦に突入します。

再び現在のラッキーナンバーを目指し、プレイヤーは新たに手元から蹄鉄チップを伏せて、一斉に公開しましょう。その結果、勝利したプレイヤーが幽霊船の移動権を獲得します。
ただし、この延長戦で蹄鉄チップを消耗したくないと思ったら、脱落を宣言して不参加にする事は可能なので、無理せず離脱するのも選択の一つですね。

1.幽霊船が船のマスに移動した場合

さあ、幽霊船がやって来たら災い発生なのですよ。
移動先のマスと同じ色の株券を持っているプレイヤーは、すぐさま全て公開し、1枚ごとにその色の商船駒が置かれている港の数字と同じ額のコインを支払わないといけないのですよ。
しかも、支払いができないプレイヤーは破産となって、ゲーム失格となります。
なので、2枚、3枚と持っていると……そのままストレートに破産なんて事になってしまう恐れも(汗)

支払いが済んだあと、その色の船の価値は暴落となり、商船駒を0の港に動かされます。
しかも、プレイヤーが公開した株券をそのまま自分の手札に戻すので、相手にバレバレのままゲームは進行していくのですよ……。

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そして今回は、紫の船が狙われたので、紫の株券を持っている人は罰金対象に(汗)
その上で、コツコツ積み上げていた価値ば暴落へ……お、鬼や! 幽霊船はん、鬼や!(幽霊です)

2.幽霊船が島のマスに移動した場合

島は心落ち着く安全地帯なのです。ここに幽霊船が移動した場合、幽霊船を移動させたプレイヤーは全員、自分の持っている株券カードを1枚だけ公開することで、現在の価値分だけコインを臨時収入として得られます。
ただし、公開した株券はそのまま手札に戻るので、他のプレイヤーに狙われてしまう危険大なのですよ(汗)

 

手順4 次のラウンドへ

手順3で幽霊船がマスに移動した場合のみ、全ての商船駒を次の港に動かしましょう。
なので、幽霊船にさえとっ捕まらなければ、ラウンドが進めば進むほど、各色の価値は上昇していくのです。
そして、各色の駒と一緒に、黒の八角駒も次の港に動かします。

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八角駒は残りラウンドを示すだけなので、着々と進んでいくのですよ。

ただし、幽霊船が島に動いた場合は、商船駒も八角駒も動きません。
そう、島に移動させて逃げ切ろうなんて思っても、そうは問屋がおろしてくれないのですよ(吐血)

各駒の移動が全て完了したら、現在のスタートプレイヤーの左隣のプレイヤーがダィスを受け取って新たなスタートプレヤーなって、次のラウンドを始めます。

■ゲームの終了
八角駒が18の港まで移動したら、そのラウンドでゲーム終了となります。

ゲームが終了したら、各自の持ち株券を公開し、それらの株券の価値と、手持ちのコインの金額を合計して、最も多くの財産を手にしたプレイヤが勝者となります。

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果たして、最後に笑うのは誰なのか……!?

以上が、「さまよえるオランダ人」の遊び方なのです!

遊んでみた感じとしては、お手軽にできる競り&交渉ゲームという感じですね。
幽霊船をいかに自分の優位な方向に移動させるのかが鍵ですから、蹄鉄をいつどこで有効的に消費して補充するのかっていうタイミングを定めたり、移動を決めるのには基本的に全員一致が原則なので、そこで周囲に対してどう立ち回っていくのか判断したりと、常に頭をぐるぐる回していく感じではありますね。

交渉が推奨されている作品ですので、ガンガン交渉して自分が有利になるように進めていくわけですけど、上手く行っていると思ったら実は墓穴を掘っていたなんて流れもあったり(苦笑)
こうやって、交渉がゲームの展開を左右していくという部分なんかは、後のヒット作であるカタンにも通じるものがあるような気がしますねー。有利にする為に、お金を払う部分なんかも、ものすごく似た場面をカタンで経験した覚えがあります(笑)

あと、その時その時の瞬発性よりも綿密に計画を練っていく方が、成功の鍵のような気がしますね。
「数ラウンド先には、あの幽霊船をここに移動させておきたい」と予定を立てて、その為にはどういう風に周囲から気づかれず、最低限のリスクでさりげなく移動させるのかを考えて、いざ成功した時の達成感はもの凄く気持ちがいいのですよ。

ゲーム自体はやはり昔の作品というのもあって、とてもシンプルなのですが、逆にそれがすぐに覚えて遊べる要素になっていると思うので、ちょっとボードゲーム経験のある人なら、すぐに覚えて本領を発揮できるんじゃないかなーっと思ったり。

ご興味のある方は、ぜひぜひ遊んでみてくださいねー♪

 

ライター紹介

三家原優人(みけはら ゆうと)
ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
ゲームシナリオライターだけでなく、映画会社にて長編映画の脚本や出演など多岐に渡って活動中。
趣味はガジェット集め。国内・国外問わずの気になるガジェットを集めては愛でる日々。
実は某公国の爵位を持っていたりする。

代表作
歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ。
恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」。
長編ホラー映画「腐女子」。
その他多数。