ボードゲームレビュー第133回「ダイスシティ」

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「ダイスシティ」
発売元:アークライト
作者:Vangelis・Bagiartakis
プレイ人数:1人~4人
対象年齢:14歳以上
プレイ時間:約45~60分


皆様、初めまして。もしくはお久しぶりです。
ゲーム&シナリオ制作チーム「Team・Birth-tale」代表の綺月と申します。
今回もよろしくお願い致します。

ご紹介するのは「ダイスシティ」。
けっこう本格的な対戦型戦略ゲームです。

とはいえ、ダイスと言えばサイコロ。
直訳すると「サイコロの街」と、なんだかカワイイですね。

しかし「ダイスシティ」の舞台となるコロガリヤ王国は、いきなり国家存亡の危機からスタートします。
攻めてきた蛮族に首都が占領され、女王陛下は有力貴族であるプレイヤーの都市を、新たな首都にしたいと望まれたのです。これこそ更なる躍進のチャンス!
プレイヤーの皆さんは、自分の都市を首都にすべく、都市の拡張競争を始めるのでした。

本作は5つのダイスを振り、そのダイスを消費してアクションを行い、自分の街であるプレイヤーボード上に建物を建ててその能力を使ったり、交易を行ったり、軍事力で蛮族や他プレイヤーを攻撃して、勝利点(VP)を得ていく、勝利までの手段が豊富ながっつり系の競争ゲームです。

国家存亡がかかってるのに、なんで足の引っ張り合いをするんだ、と思ってはいけません。
これは富国強兵のための競争です。
二度と蛮族に踏みにじられない、強く豊かな首都を築くために、プレイヤーたちはあえて競い合うのです!
もちろん自分の街が首都になったら女王陛下の覚えめでたく、一族の繁栄間違いなし! なんて下心もあるようですが……(笑)。

ちょっとレビューが長いと思われそうですが、それはこの「ダイスシティ」がカードゲームの楽しい要素と、対戦戦略ゲームの面白い要素を内包しているから。

本格派のゲームなのに、遊び方はまあまあシンプル。
初心者の方でもパッケージの雰囲気そのままに楽しめるよう、うまくまとめられているのでご安心ください。

それではゲームの内容物から、説明してまいりますね。

■ゲームの内容物

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●プレイヤーボードは、一人に1枚ずつ、計4枚。
このボードが、あなたの育てる街です。
この上に「建物カード:を置いて、町を発展させていきます。
プレイヤーボードの縦の段は、ダイスの色に合わせて5色の段に塗り分けられています。
横の列も、ダイスの目の数に合わせて、1から6までの列に区切られています。
プレイヤーは自分の手番が来たら5つのダイスを振り、色と出目に合わせて、プレイヤーボードの各マスにダイスを置くのです。置かれたダイスは、そこにある「建物カード」の能力を使うこともできます。
「建物カード」を建てるだけでなく、ダイスの出目で使える能力が変わるのが、本作の面白いところです。
ボード上には「初期建物」が書かれていますが、この「初期建物」は後述の「建物カード」とはあつかいが別になるので、ご注意下さい。

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●5種類に色分けされたダイスも、一人に各色1つづつ、計20個。
プレイヤーは、自分の手番にこの5つのダイスを消費して、様々な行動を行います。
要注意なのは、ダイスが置かれたマスの「建物」の能力が使える反面、ダイスが置かれてないマスの「建物」の能力は、基本的には使えないこと。
ダイスを消費したり、別の「建物」の能力を使って、ダイスが置かれていないマスの「建物」の能力を使うこともできます。
なので手番をダイス運まかせでも大丈夫なようにするか、うまくコントロールできるように街を育てるか。
このダイスによるランダム要素によって、本作はVPを獲得するための戦略、街をどう育てるかの戦術、ダイスの目から最善手をみちびく作戦の三つを、同時に楽しめるのです。

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●「建物カード」が、合計105枚。
プレイヤーが、街に建設する建物です。
「建物カード」には、プレイヤーボード上に建設するためのコストが右上に書かれており、左上にはタイプを示すアイコン、上真ん中に建物の名前、中段にカードの能力、右下にはその建物のVP、左下に防御力、下真ん中にも建物のタイプが書かれています。

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「建物カード」は5種類のタイプに分かれて、様々な能力を持つ「建物カード」が60枚あります。
資源(緑)、軍事(赤)、経済(黄)、文化(紫)、公共(青)の各タイプで、強力な効果を発揮します。

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それに加えて、街を育てるのに必要な資源を増やす「採集建物カード」が3種類。木材を生み出す「製材所」15枚に、石材を生み出す「石切場」15枚、鉄材を生み出す「製鉄所」15枚です。この「採集建物カード」は、資源タイプに含まれます。

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「正規軍カード」も軍事タイプの「建物カード」で、15枚あります。あなたの街に駐留し、使われれば軍事力となる「攻撃」の基本的なカードです。
これらの「建物カード」をうまく使いこなし、その能力を最大限まで引き出すのが本作の醍醐味の一つでしょう。
強力なコンボも発生するので、いかに自分の街に組み込み、あるいはライバルのコンボを阻止するか、丁々発止の駆け引きを演じる事になるのです。
「建物」の能力にはいくつか種類があります。基本的にはダイスを使用して能力を発動しますが、建てるだけで効果を発揮し続ける「継続能力」や、建てた時だけ能力が発揮される「建物」があります。それに能力を使うことで「活動停止」になる「建物」もあります。
また「建物カード」は、他のプレイヤーから防御力以上の「攻撃」を受けると、「活動停止」となり能力が使えなくなります。他のプレイヤーの妨害を防ぐのが、「建物カード」の防御力です。これが高いほど妨害しにくくなるので、同じ効果の「建物カード」でも、価値が変わってきます。
そして「建物カード」が持つVPは、ゲーム終了時に計算されますので、やはり勝利のために重要です。

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●「蛮族カード」が、計18枚。
プレイヤーの街が、蛮族を撃退したことを示すカードです。
「蛮族カード」は2VP、3VP、4VPの3種類あります。
それぞれの使用枚数ですが、プレイヤーの人数+2枚を、表向けて山札にします。残りは使用せず箱に戻します。
プレイヤーは「蛮族カード」の左下に書かれた防御力以上の軍事力を消費して「攻撃」するたびに、その「蛮族カード」1枚を獲得できます。
獲得した「蛮族カード」は、裏返して手元に置き、他のプレイヤーにVPが分からないようにしましょう。
「蛮族カード」はVPを獲得する手段の1つなので、都市の軍事力を大きく用いるならば、有力な攻撃目標になるでしょう。

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●「交易船カード」が、計11枚。
プレイヤーの街が、交易を行ったことを示すカードです。
「交易船カード」は、5VP、10VP、20VPの3種類あります。
それぞれの使用枚数ですが、5VPはプレイヤーの人数+2枚を、10VPはプレイヤーの人数枚、20VPは1枚のみ、表向けて山札にします。残りは使用せず箱に戻します。
プレイヤーは「交易船カード」の左下に書かれたコストを支払うたびに、その「交易船カード」1枚を獲得できます。
獲得した「交易船カード」は、裏返して手元に置き、他のプレイヤーにVPが分からないようにしましょう。
「交易船カード」から得られるVPはかなり大きいので、激しい争奪戦が予想されます。しかし支払うコストも膨大なので、入手は困難を極めるでしょう。「交易船カード」を得るか、そのコストを他に使うか、悩ましいジレンマです。

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●資源トークンが、計30個。
木材トークン10個、石材トークン10個、鉄材トークン10個の3種類です。
この資源トークンを消費して、プレイヤーは建設や能力の使用、交易などを行います。
資源トークンは無制限に存在するあつかいですので、足りない時は何かで代用して下さい。
プレイヤーが獲得していない、またコストの支払いに消費した資源トークンは、みんなの手の届く場所に「銀行」としてまとめて置いて下さい。
また手番終了時に残った資源トークンのうち、各種類1つは自分の手元に「倉庫」に保存しておけます。余った資源トークンは、「銀行」に移して下さい。

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●活動停止トークンが、計16個。
「建物」が活動停止の状態だと、示すトークンです。
活動停止トークンが乗っている建物は能力が使用できず、継続能力であっても無効化されます。活動停止トークンが取り除かれたら、その瞬間に能力は使用可能になります。
「建物」に置かれた活動停止トークンを1つ取り除くには、ダイスを1個消費する必要があります。
1つの「建物」に、2個以上の活動停止トークンを置くことはできません。
活動停止トークンも無制限に存在するあつかいですので、足りない時は何かで代用して下さい。
プレイヤーが使用していない活動停止トークンは、みんなの手の届く場所に「銀行」としてまとめて置いて下さい。

●パストークンが、計16個。
パストークンは自分の手番のダイス使用ステップ中、、2個消費して特殊なアクションが行えるトークンです。
パストークンが足りるなら、以下のアクションを何度でも行えます。
・任意の資源トークン1個を、銀行から獲得する。
・手番中、自分の軍事力に1軍事力を加える。
・他の各プレイヤーの、プレイヤーボード上のダイス1つを指定し、振り直しと再配置をさせる。
パストークンも無制限に存在するあつかいですので、足りない時は何かで代用して下さい。
プレイヤーが獲得していない、また消費したパストークンは、みんなの手の届く場所に「銀行」としてまとめて置いて下さい。

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●VPトークンが、計30個。
1VPが8個、2VPが8個、3VPが8個、5VPが6個、4種類です。
獲得したVPトークンは、裏返して手元に置き、他のプレイヤーにVPが分からないようにしましょう。
資源トークンは無制限に存在するあつかいですので、足りない時は何かで代用して下さい。
プレイヤーが獲得していない、またコストの支払いに消費した資源トークンは、みんなの手の届く場所に「銀行」としてまとめて置いて下さい。

●スタートプレイヤーマーカーが、計1枚。
スタートプレイヤーを示すマーカーです。
ゲーム終了条件が満たされた時に、誰の手番まで行うか示すのにも使われます。

●ルールブックが、計1枚。
●早見表が、計4枚。
各プレイヤーに1枚、配ります。

内容物は、以上です。
次にゲームの終了条件と勝利条件を、説明しましょう。

●ゲームの終了条件
ゲーム中に次の終了条件が1つ以上、発生したら最後の手番プレイヤーの手番まで行ってゲームを終了します。
A)「蛮族カード」の山が3山全て、無くなった。
B)「交易船カード」の山が2山以上、無くなった。
C)「建物カード」の山札が、無くなった。
D)いずれかのプレイヤーのプレイヤーボードで、全ての場所に活動状態の「建物カード」が建てられている段が2段以上ある(初期建物は無視します)。

●ゲームの勝利条件
ゲームが終了したら、自分が獲得したVPを全て合計します。
・自分が獲得したVPトークン。
・自分が獲得した「交易船カード」のVP。
・自分が獲得した「蛮族カード」のVP。
・自分のプレイヤーボード上にある、建物のVP(活動状態かどうかは無関係です)。
以上を合計して、最も多くのVPを獲得したプレイヤーの勝利です。
VPの合計点が同点の場合は、自分のプレイヤーボード上にもっとも多くの「建物カード」を立てているプレイヤーの勝ちで、それも同点なら、手番順の早いプレイヤーが勝者となります。

さて、それではゲームの準備から手番の流れまで、説明に移ります。

■ゲームの準備

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●プレイヤーボード1枚と5色のダイス1つずつを、各プレイヤーに配ります。

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●3種の「採取建物カード」と「正規軍カード」を、皆の手の届く場所に表向きで積みます。この側に「銀行」と「捨て札置き場」のスペースも用意すると良いでしょう。
残りの「建物カード」を良く混ぜて、裏向きで積み、山札にして、「銀行」の側に置いて下さい。そして上から8枚を引き、山札の側に表向けで並べて展示して下さい。

●「蛮族カード」と「交易船カード」をそれぞれVP別に、プレイヤーの人数分の山札に分けて、「銀行」の側に表向きで並べて下さい。

●トークンを各種類ごとにまとめて、「銀行」に置きます。

●スタートプレイヤーを決定します。もっとも最近、ゲーム中でダイスを振ったプレイヤーが、スタートプレイヤーマーカーを受け取ります。あるいはランダムに決めても構いません。

●使わないプレイヤーボードやダイス、カードは箱に戻します。

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●全プレイヤーは自分のダイスを振り、色と出目を確認してプレイヤーボードに配置して下さい。

これでゲームを遊ぶ準備は整いました。
スタートプレイヤーから、手番を遊んでいきましょう!

■ゲームの流れ

自分の手番が来たプレイヤーは、以下の4ステップを順番通りに行います。

・1、ダイス使用ステップ
・2、攻撃ステップ
・3、建設、交易ステップ
・4、終了ステップ

この順番には、きちんと遊びやすくする意味がありますので、自分のペースで1つずつ進めて行きましょう。

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●1、ダイス使用ステップ
プレイヤーボード上に置かれたダイスを、1つずつ取りのぞいて手元に置き、アクションを行います。
計5回までアクションが行えるわけですね。

使用するダイスの順番と、行うアクションは自由に選べます。
アクションの説明は以下の通りで、回数制限が記されてなければ、ダイスが使用できる限り何度でも行えます。

資源を得る能力を使用した場合、その資源トークンを個数分、「銀行」から受け取って下さい。
自分の手元にある資源トークンは、自分の「倉庫」にあると考えます。

軍事力を得る能力は、次の攻撃ステップで合計した軍事力を使うのですが、能力はこのステップで使用することになります。
なので軍事力を得る場合、「建物」の能力を使用した宣言だけ行い、ダイスは攻撃ステップまでそのマスに置いておくハウスルールなどを、例外的に用いても良いかも知れません。
そうしないとどの「建物」で軍事力を得るのか、分かりにくくなるからです。別のコマなどを用意するのもいいかと思います。

VPを得る能力を使用した場合、同じVPになるVPトークンを「銀行」から受け取って、裏向きで自分の手元に置いて下さい。
自分が獲得したVPは、いつでも確認できます。

・使用するダイスのマスにある、「建物」の能力を使用する。

・使用するダイスとは別の自分のダイスを、そのダイスが置かれた段で左右1マス分だけ移動させる。

・展示された「建物カード」4枚を捨てて、山札から4枚を新たに引いて並べる。これは1手番中に1回のみです。

・自分のプレイヤーボードの「建物」から、活動停止トークン1個を取りのぞき、「銀行」へ戻す。これでその「建物」は即座に能力を使用できます。

・パスを宣言して、パストークン1個を「銀行」から受け取る。これは1手番中に1回のみです。

またパストークン2枚を消費して行う、アクションもあります。パストークンの説明で説明しましたが、より詳細に解説しますね。
これもパストークンが足りるなら、何度でも行えます。
このパストークンの消費アクションは、このダイス使用ステップのみ行えます。他のステップでは行えないので、忘れずに考えましょう。
ただしパストークンのアクションは、2手番でダイス2つを消費して、ようやく行える計算のアクションです。
その損得には、ご注意を。

・任意の資源トークン1個を、「銀行」から受け取ります。
資源を自由に選んで入手できるのは、本作では強力なアクションです。

・この手番中の自分の軍事力に、1軍事力を加える。
次の攻撃ステップで軍事力を使用する場合、軍事力を上昇させる効果は有効でしょう。
このアクションで得た軍事力も、次の攻撃ステップまで、何らかの方法で覚えておく必要がありますので、ご注意下さい。

・他の各プレイヤーの、プレイヤーボード上のダイス1つを指定し、振り直しと再配置をさせる。
他のプレイヤーの予定を台無しにする、かなり強力な妨害アクションです。
これは能力を使わせたくない、他のプレイヤーの「建物」にダイスがあれば、積極的に妨害するのも良い手です。一度にライバル全員の妨害ができる、効率的なアクションでもあります。

ダイスを全て使用し終わったら、次の攻撃ステップに移ります。

●2、攻撃ステップ
ダイス使用ステップで得た軍事力を合計して使用し、3種類の「攻撃」を行います。
「攻撃」すると、軍事力は消費します。
ですが軍事力が足りるなら、何度でも「攻撃」できますし、同じプレイヤーをくり返し「攻撃」しても構いません。

・蛮族を「攻撃」します。
選んだ「蛮族カード」1枚の防御力以上の軍事力で「攻撃」すれば、防御力の分だけ軍事力を消費して、その「蛮族カード」を手元に裏向きに獲得できます。
自分の軍事力より防御力が高い「蛮族カード」への「攻撃」はできません。
また山札が残っていない「蛮族カード」への「攻撃」も、他のプレイヤーの手元にある「蛮族カード」への「攻撃」もできません。
「蛮族カード」への「攻撃」は、他のプレイヤーへの影響が少なく、消費する軍事力も少なめなので、簡単にVPを獲得できる手段でしょう。
それでも「蛮族カード」には限りがあるので、積極的に行えば獲得競争に打ち勝つ側面もあります。

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・「建物」を「攻撃」します。
他のプレイヤーのプレイヤーボードに建てられた「建物カード」1枚を、「攻撃」します。
「攻撃」できる「建物カード」は、防御力が書かれていて、活動停止トークンがまだ置かれていないものに限ります。
指定した「建物カード」の防御力以上の軍事力で「攻撃」すれば、防御力の分だけ軍事力を消費して、その「建物カード」に活動停止トークンを置けます。
決して「建物カード」を破壊するのではなく、活動停止にするだけですから、お間違えなく!。
自分の軍事力より防御力が高い「建物カード」への「攻撃」はできません。
また「攻撃」した「建物カード」にVPが書かれていれば、「銀行」から同じ分のVPトークンを受け取ります。
「建物カード」への「攻撃」は、他のプレイヤーを積極的に妨害し、同時にVPを得る衝撃的な「攻撃」です。
その分、他のプレイヤーから警戒され、敵対されやすくなるでしょう。軍事力を高めたプレイヤーに要注意です。

・「倉庫」を「攻撃」します。
2軍事力を消費して、他のプレイヤー1人の資源トークン1個を自由に選び、その手元の「倉庫」から奪います。
指定したプレイヤーから資源トークンを奪う、問答無用の「攻撃」です。
自分の資源不足をおぎなうこともできますし、指定されたプレイヤーの予定を崩すでしょう。
ただ資源の争奪戦が、戦争の火種になるのは歴史が示すとおりです。
奪った資源を活用し、十分な備えをするべきでしょう。

必要な「攻撃」を終えた、あるいは「攻撃」を行わないなら、次の建設、交易ステップに移ります。

●3、建設、交易ステップ
このステップでは、建設と交易が行えます。
どちらをどの順番で行っても、大丈夫です。
建設も交易も、コストが支払えて、山札にカードが残っているなら、何度でも行うことができます。

・「建物カード」を得て、建設します。
「採集建物カード」と「正規軍カード」の山札からと、「建物カード」の山札のそばに展示された8枚の「建物カード」から、建てたい「建物カード」を選び、コストを払って自分のプレイヤーボードに置きます。
獲得した「建物カード」を置く自分のプレイヤーボードのマスは、自由に選べます。
「建物カード」を置いたマスの「初期建物」の能力は、無効になります。
すでに「建物カード」が置かれているマスも選べますが、その場合は先に置かれていた「建物カード」を捨て札置き場に移し、新しい「建物カード」を置きます。
展示している「建物カード」は、常に8枚になるよう、山札から補充します。
「建物カード」の建設は、能力を使ってゲームを有利に進めるための基本になります。
高いコストの「建物カード」の能力は、ゲームの勝敗を左右するほどに強力ですし、ゲームの終了条件にも関係しています。
そして何よりVPも獲得できるのです。
ただ、闇雲に「建物カード」を建てれば勝てる、と言うわけでもありません。
能力のコンボ性や必要不必要の取捨選択、建設にかかるコスト、ダイスの出目への対策、他プレイヤーの「攻撃」など、自分の戦略にそった街の建設計画や、状況に応じた臨機応変などが求められる、奥深さを楽しんで下さい。

・「交易船カード」を得て、交易します。
「交易船カード」の3種類の山札から1枚の「交易船カード」を選び、コストを払って自分の手元に裏向きに置きます。
すでに無くなっている山札の「交易船カード」は、選べません。
「交易船カード」の交易から得られるVPは大きく、どのプレイヤーも無視できない価値があるでしょう。
必然的に争奪戦が始まりますが、必要なコストも高く、そして得られるVPは1回限り。
何度も使える「建物カード」の能力と、どちらが自分の戦略にあっているか考える必要があります。
ですがVPこそが勝者の条件ですので、やはり「交易船カード」は魅力的なのです。

建設と交易を終えたら、最後の終了ステップとなります。

●4、終了ステップ

・まず、手番プレイヤーの手元の「倉庫」にある資源トークを、各種類1つだけ残して「銀行」に戻します。
ある種類の資源トークンが手元の「倉庫」に1つもない場合は、そのままです。
こうして手元の「倉庫」に残った資源トークンが、他のプレイヤーの攻撃ステップで虎視眈々と狙われるわけです。
奪われないよう使いつくしておくのも、牽制になるかも知れませんね。

・パストークンは、そのまま次の手番に持ち越します。
所有数に上限はありません。
またパストークンは資源ではないので、「倉庫」にあるとは見なさず、「攻撃」で奪われません。
ここぞという時のためにパストークンをためておくと、他プレイヤーへのプレッシャーになるでしょう。

・ダイスのふり直しを行います。
ダイスは全てプレイヤーボードから取りのぞかれているので、手番の最後に全て振り直して、マスに置きます。
そして他のプレイヤーがゲームを進めている間、次の手番を考えるのです。
もちろんパストークンや「攻撃」など、何か妨害があるかも知れません。
そんな時はけしてあわてず、作戦を練り直しましょう!

これで終了ステップ完了です。
次のプレイヤーに手番が回り、順番が来れば自分の手番と、終了条件が満たされるまで繰り返していきます。

全てのプレイヤーが手番を終えたらゲームが終了し、VPの計算をして、勝者を決定!

以上が「ダイスシティ」の、ゲームの流れでした。

■ゲームの感想

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やはりカードゲーム的な能力の連鎖と、戦略を練って戦術を組み立てていく勝利への道筋の多さが、本作を本格的な対戦ゲームにしています。

ですが手番の手順はさくさくと慣れやすく、ゲームの雰囲気もあってか、みんなで手助けし合って進めて行く気軽さもあって面白いところ。

実のところ、ルール自体はお手軽で、駆け引きや街の育成に頭を使うゲームなのですが、それをうまく軽減させているのが、ダイスのルールですね。

肝心のダイスがある場所の能力しか使えないので、考えるべきはダイスの場所と、それをどう動かしたり活用するかに考えが集中するのです。

またダイスのランダム性が、ゲームの先を読ませない作りになっているので、最後まで競争できる余地があるのも良いところでしょう。

他プレイヤーへの「攻撃」や「妨害」も、良い感じのバランスだと思います。
「攻撃」のメリットが大きく競争を過熱させますが、一方で場の雰囲気を悪くするほどの被害は与えません。
また「攻撃」や「妨害」にかかるコストはやや大きめだったり、その狙いが分かりやすかったりするので、公平感をそこないにくいかと思います。

また「ダイスシティ」の面白いところは、1人でも遊べる1人用ルールがあること。
デザイナーさんとの知恵比べや、1人で練習もできるお得感がありますね。

なにより本作のいちばんの魅力は、自分が育てた街が狙い通りの効果を発揮した時の爽快感と達成感!
「建物カード」の能力がうまく連鎖し、あれよあれよという間にすごい結果をみちびき出すコンボ!
軍事力や資源の生産を育て上げ、「蛮族カード」や「交易船カード」などの競争に打ち勝つ充実感!
資源がダメなら軍事力、いや文化によるVP獲得、など逆転の芽がいくつもあり、うまくダイスの出目がハマるとドラマチックな手番を披露できる喜びがあるのです!

もし戦略型対戦ゲームを気軽にワイワイ遊びたいなら、本作をおすすめいたします。
そして気づけば、がっつりとした本格派のゲームだって、楽しく遊べるようになりますよ。

「ダイスシティ」は、その入り口になってくれるのです。

それではまた、次の楽しいゲームでお会いしましょう!

 

ライター紹介

綺月鏡水(きづき きょうすい)
ゲーム制作/シナリオライティングチーム「Team・Birth-tale」代表。
ゲームシナリオライター・プランナー・シナリオディレクター
専門学校講師「ゲームシナリオ」「ゲーム企画」など。
アナログ、デジタルを問わずゲーム好き。
メカアクションやファンタジー、戦記物、ラブコメなどのゲームシナリオを主に執筆。

代表作
テーブルトークロールプレイングゲームリプレイ小説
「神我狩リプレイ 四神凶歌譚」
歴史シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」
「三極姫」「出撃! 乙女たちの戦場」各シリーズ
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その他、多数。