ボードゲームレビュー第134回「ポーションエクスプロージョン」

「ポーションエクスプロージョン」
発売元:ホビージャパン
作者:ロレンツォ・シルバ/アンドレア・クレスピ/ステファノ・カステッリ
プレイ人数:2~4人
対象年齢:14才以上
プレイ時間:約30~40分

 


毎度どーも、松風です。
さて、世の中のボードゲームにはコンポーネントに凝ったギミックを導入したものも色々ございます。
今回ご紹介するゲームも、そういったギミック部分が楽しい一品です。
その名も『ポーションエクスプロージョン』!
エクスプロージョンといえば「爆発」という意味ですから、なんだか大惨事になりそうなタイトルですね!!

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プレイヤーは、なんだか長ったらしい名前の魔術学校の生徒として、卒業前の最終試験に挑みます。
その試験の内容というのが、つまり「ポーションの調合」というワケです。
薬品の調合……爆発……導き出される結論は……そう、バカゲーの予感!!

まずはマニュアルに従って『排出器』を組み立てましょう。
結構パーツが多いですが、作り方はルールブックに詳しく載っています。

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完成すると、5つの『レーン』と呼ばれるスリットがある変な箱が出来上がるはずです。
箱の上部にはレーンに合わせて5つの穴が空いていますね。
ここにポーションの素材である『材料玉』と呼ばれるビー玉を適当に流し込みます。
ビー玉には4色ありまして、それぞれ青:『ユニコーンの涙』、赤:『ドラゴンの煙』、黒:『オーガの鼻水』、黄:『フェアリーのフケ』だそうです。
ルールブックには、各素材の解説と集め方なんかも書かれているのですが、大抵ろくでもないことが書いてあるので、読み物として楽しいでしょう。
これらのビー玉4色各20個の合計80個をゲームで使用します。

メインとなるポーションを表す『薬品タイル』は全部で8種類あります。
この内、適当な方法で2種類を抜き取って箱に戻しましょう。もうこのゲームでは使いません。
それぞれの薬品は、完成時の特殊効果が違っています。
プレイヤー間で話し合って、抜き取るタイルを決めてもいいですし、ランダムに決めても構いません。

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残ったタイルから、☆のシンボルがついた『初期薬品タイル』をランダムに抜き出し、決められた手順に従って2枚ずつ選び取っていきます。
タイルには勝利点も描かれていますので、点数を取るか薬品効果を取るかが悩みどころでしょう。
全員が取り終わったら残りのタイルは全てシャッフルし、『配合面』(2~3段に色分けされている面)を上にして5つの山を作ります。

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もらった2枚の初期薬品タイルは、各プレイヤーに配られる『研究台ボード』の上に、配合面を上にしたまま配置してください。
ちょうどポーションの底がバーナーで炙られている感じになると思います。
こういう視覚的に分かりやすいボードって面白いですよね。

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2種類あるトークンは、それぞれまとめて排出器のそばに置いておくのですが、『技能トークン』(店長註:写真右)と呼ばれる方は参加人数によって枚数が変わってきます。
なぜなら技能トークンは、いわば制限時間を表していて、無くなったらそのターンでゲーム終了となるからです。

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ここまでがセットアップ。
さて、いよいよゲームに入って行きたいと思います。

このゲームは、スタートプレイヤーから時計回りに各プレイヤーのターンが回ってきます。
やる事はすごく単純で、排出器のレーン上に見えている材料から1個を選んで取り除き、それを自分の薬品タイルの同じ色のエリアへ置いていくだけ。
薬品タイルに空いている穴は、この材料玉を置いておく場所になります。
全ての穴に材料玉が置かれたら、見事その薬品は完成です!

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ですが、この排出器から材料玉を取り除く瞬間にこそ、このゲームのキモである『爆発』が発生するのです!

プレイヤーが玉を1個取り除いた結果、その前後に「同じ色の玉」があったら、それらは衝突しあって爆発します!
爆発した玉は全て取り除いてプレイヤーの手元に来ます。
もし、爆発した玉を除いた結果、さらにその前後の玉が同色であったなら……そう、それらもまた連鎖して爆発するのです!
連鎖し続ける限り爆発は続き、手元には大量の材料がやって来ることになります。

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連鎖すればするほどウッハウハ……我々は、このギミックを知っている!
そう、誰しもが「落ち物パズル」と呼ばれるタイプのビデオゲームで見たことがあるはずッ!
完全に余談ですが、筆者は「ぷ◯ぷよ」よりも先に「対戦ぱ◯るだま」を思い浮かべてしまいました。

さて、連鎖が重要なのはお分かりいただけたかと思いますが、実際プレイしてみるとなかなかうまいこと連鎖させるのは難しいと思われます。
そこで使える選択肢が『教授からのささやかな助力』です。
これを使う場合、先ほど説明しました技能トークンとは違うもう一つのトークン、『助力トークン』を1つ取って研究台ボードの側に置いておきます。

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効果としましては、『材料玉を1個抜き取る』というもの。
ただし、教授の助力では材料玉の衝突による爆発は起こりません。あくまで1つ取り除けるだけ。
ですが、ここで重要なのは「手番として玉を取る」前と後、どちらで使用しても構わないという事です!
ほとんどの場合、手番前に連鎖の邪魔になる玉を1つ取っておいて、自分の手番で複数回の連鎖を狙う、といった使い方になるでしょう。
しかし、世の中旨い話ばかりではありません。
教授から助力を受けてしまうと、助力トークン1つにつき最終的な勝利点が-2点されてしまうのです!

首尾よく連鎖によって大量の材料をゲットできたら、それを使って薬品タイルを完成させましょう。
出来上がった薬品タイルは、上に乗っている全ての材料玉を取り除いた後、裏表をひっくり返してボードの下側に置いておきます。
ここで注意なのですが、薬品タイルを完成させた後、研究台への薬品タイルの補充はターン終了時となります。つまり自分ターン中に完成させられる薬品タイルは、2枚までです。お気をつけ下さい。

また、取ったはいいけどボード上の薬品タイルに対応する色がない場合や、数が多すぎてあぶれてしまったビー玉は、ボード右側の『プール』と呼ばれるフラスコにキープしておくことも出来ます。
いわゆるストックエリアですね。
薬品が完成して取り除いた玉や、プールにも置ききれずにあぶれた玉は、ふたたび排出器の穴に投入してレーンに補充してください。

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完成したポーションは、自分のターン中ならば好きなタイミングで飲む事ができます。
効果は色々あるのですが、「惚れ薬」で他人のプールを根こそぎ奪うとか、「ちょっとハイになって飛んじゃう薬」で材料の色を無視して玉を置けるようになったりだとか、まぁ強力な効果が目白押しです!
使用したポーションは上下を逆さまにして、使用済みであることを明示します。

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最後にターン終了時の処理として、研究台に薬品タイルが1枚以下なら、5つある内の好きな山から薬品タイルを1枚ずつ取って、所定の位置に2枚置かれるように配置します。
なるべく点数の高いタイルが欲しいところですが、今後のために使い勝手のいい効果で選ぶのもいいでしょう。

次に技能トークンを獲得できるかチェックします。
技能トークンは、最後に一律4点の勝利点になります。
獲得できる条件は、『同じ種類の薬品を3つ完成させた時』か『5種類の薬品を1つずつ完成させた時』のどちらかのみです。

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技能トークンが全てなくなれば、ゲーム終了は間近です。
最後の技能トークンが誰かに獲得されたら、そのターンを最後のプレイヤーまで回してゲームは終了します。
完成させたポーションの点数と技能トークン、助力トークンの全ての点数を合計し、最も高得点だったプレイヤーが「主席卒業生」として勝利します!

ビー玉の連鎖ギミックが目を引く本作ですが、「どの玉を優先的に狙うか」や「何を優先させてタイルを選ぶか」など、戦術として悩むポイントは色々あり、ゲームとしてしっかり遊べるものに仕上がっています。
ゲームが進んでいくと、もっとポーションを作って点数を稼ぎたいプレイヤーと、さっさと終わらせて技能トークンによるリードを広げたいプレイヤーのチキンレースになっていく事でしょう。
このへんの駆け引きもなかなか熱いですね。
教授の助力は、うまい事使えば2連鎖くらいは普通に狙えるので大変強力ですが、マイナスポイントになる分を考えて計画的に利用しないと、思わぬ逆転負けを喫することになるかもしれません。

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ですが、何といってもやはりビー玉による連鎖爆発ギミック。
これが本作を象徴する目玉と言ってもいいでしょう。
ザラザラ~~っと玉を再装填するのも気持ちいいですが、隠れて見えない9列目以降に何が出てくるか、そこで上手く連鎖が作れるか、などシンプルなドキドキ感が味わえます。
ルール自体も簡単で理解しやすく、遊びやすいので、どんなシーンでもワイワイと盛り上がれることでしょう。
注意点としましては、排出器が少し入り組んだ組み立て方をする割りに結構バラけやすいので、購入された方はしっかりと固定される事をおすすめします。

立体を活かした独特ビー玉ギミックがアイデアとして秀逸なこのゲーム、テイストはバカゲーですが、プレイフィールは意外とガチです。
さあ、皆さんも魔術学校の生徒になって青春を爆発させてみませんか?

といった所で、今回のゲームはいかがだったでしょうか?
それでは、また次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。

代表作
歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
その他多数。