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ボードゲームレビュー第15回「心臓発作にならないための10の方法」

「心臓発作にならないための10の方法」(原題:INFARKT)
発売元:アークライト
作者:ウラジミール・ブルマー
対象年齢:10歳以上  
プレイ人数:2~5人
プレイ時間:30~60分


 

<ご挨拶>
 どうも、はじめての方、はじめまして。
 前回、あるご縁からアナログゲームのレビューを書かせて頂いた、高円寺と申します。

 自身初のレビューの仕事を無事終えて、ホッとしていた僕をある恐怖が襲います……。

『なんとなく、好みのゲームかも』

 アナログゲーマーの方々からのリアルな反応。

 掲載されてからしばらくは生々しい声に怯える日々でした。

 ――このお仕事、心臓に悪いですね(苦笑)

 そう言う僕にキウイゲームズ様は、とてもいい笑顔でコレを差し出してきたのです。

『心臓発作にならないための10の方法』

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 もう僕がレビューを書くのは運命としか思えませんでした………。

<概要>
 皆さん、仕事と家庭は日々を生きる私達の時間と体力を奪っていきます。
 さらに、ナイトライフや大人の嗜好品はもはや健康生活への挑戦と呼べるものでしょう。
 さらに予測できない災害、迷惑事、パーティ、友人の来訪といったストレスの元凶が常に私達の心臓を脅かしています。

 このゲームはこのような脅威に満ちた大量消費社会を生きていく中で、いかに人生の勝利者になるのかを競い合うゲームになります。

 パーティボードゲームとの銘が打ってありますが、なかなかどうして奥深いではありませんか!

※注意事項※
 このゲーム、『購入された方の家庭環境によっては、リアルファイトに発展する恐れ』がございますが、当方およびキウイゲームズ様は一切の責任を負いかねますので、どうかご注意ください。

<スタートアップ>  まずプレイヤーはそれぞれ自身の変わり身となるプレイヤーボードを受け取ります。

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 もうすでにこの時点で怪しげなパラメーターが見えますが気にしてはいけません。

 次にテーブル中央にゲームボードを配置します。

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 これが人生の縮図、あ、いえゲームの基盤となります。

 では、大まかにこのゲームボードのエリアについて簡単にご説明させていただきます。

 画面向かって、右上の『?』マークが書いてあるカードが置かれているエリアが『イベントエリア』です。
 これはつまるところ、貴方を待ち受ける出来事の数々を表すものです。

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※『イベントカード』それは日常生活に潜んだ精神的、肉体的脅威の数々。

 そして左隣にあるエリアが『職場エリア』

 さらにその下にあるのが『スーパーマーケットエリア』

 その右隣にあるのは、『フィットネスエリア』と『自宅エリア』になります。

 画面右中央にあるのが、『薬局エリア』、その下に配置されているのが『フリーマーケットエリア』になります。

 このゲームの勝利条件、敗北条件はいたってシンプルです。
 はい、単に『カードに書いてある効果を実行する』とプレイヤーの健康状態が変化しますので、死んだら負け、死ななかったら勝ちです。

<ゲームの進行>
 プレイヤーボードを受け取ったプレイヤーには以下の物が配られます。

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 画面向かって左から『親マーカー』
 次に各プレイヤーの健康状態を示すのに使う『インジケーター6枚』、『アクションコマ3つ(5色×3)』、『コイン1$(残りのコインは銀行)』

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 そして、『薬品カード』と『商品カード』をそれぞれ1枚ずつ。

 さあ、これで準備完了です。
 最近、病気になったことがあるプレイヤーからスタートします。
 病気になったことがあるプレイヤーからスタートします。

 ――大事なことなので、2度言いました。

<イベントフェイズ>
 プレイの手順において真っ先にくるのが、先にあげた日常の脅威『イベントカード』の消化です。
 イベントエリアの各スペースにイベントカードを表向きで配置し、親から順に、各プレイヤーは一人ずつ、配置されたイベントカードの中から1枚を選んで受け取り、その内容を実行します。

 例)『叔母の襲来』
 実行したプレイヤーは血圧のインジケーターが+2、鬱(うつ)のインジケーターが+3。

 全員消化した時点で『イベントフェイズ』が終了します。

<配置フェイズ>
 次に行うのは『配置フェイズ』です。
 各プレイヤーはアクションコマ3つをゲームボード上の好きなエリアに配置して、その日の一日の行動を決定します。
 全プレイヤーのアクションコマ3つを配置し終わったら、次のフェイズに進みます。

<アクションフェイズ>
 各プレイヤーは親マーカーを持つプレイヤーから順に一人ずつ手番(アクションコマ3つ分のスケジュール)を
1.ボード上の自分のコマ一つを選ぶ。
2.そのエリアのアクションを実行する(あるいは実行しないことを選択する)
3.そのコマを手元に戻し、次のコマを消化する。
 以上の手順で行います。

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 例)職場エリア
 ここで働くことを選択すれば3$を確保できますが、鬱(うつ)のインジケーターが+2されます。

 例)薬局エリア
 2$を支払えば、山のいちばん上の『薬品カード』を引いて手元へ置けます。
『薬品カード』には『悪化した健康を直す効果』が書かれてあります。

 例)フィットネスエリア
 ここでは、かける時間と金次第で貴方の体調と気分と自信を強化できます。
 1$支払えば肥満が-1、鬱(うつ)が-1など。

 例)自宅エリア
 自宅で過ごせば、貴方は精神的に癒され(鬱が-1)、さらに、1人で食事するか、友人を招いてパーティを開くこともできます。

 A)1人で食事
 手持ちの『商品カード』の左上に書かれてあるシンボル(食べ物、飲み物、喫煙)の異なる2枚のカード持ちの中から選び、カードの効果を適用します。

 B)友人と食事
 上記と同じ要領で、『自分の両隣にいるプレイヤーを招待しもてなしましょう』  『『この招待は断れず、食事の効果は招待主の健康には適用されません』』

 このようにそれぞれ金と努力次第で貴方の運命は大きく変わっていくのです。

<最後に>
 はい、ここまで一通りの流れを紹介しましたが……勘のいい方はすでに気づかれたかもしれません。

 「あれ? このゲーム、体調回復する割合よりも、悪化する割合のほうがはるかに多くね?」

 はい、そうですね。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 ――いったい、いつからこれが体調管理のゲームだと錯覚していた?

 『心臓発作にならないための10の方法』?

 耳障りのいいタイトルに騙されるな!

 これは『相手の心臓を止めるゲーム』なんだ!!

(僕にはもう意図的にそういう翻訳をしたとしか思えませんww)

 うっかり人生ゲームの類と思ってはじめたプレイヤーは、プレイして行くに従ってこの真実に気付いて、愕然とするでしょう。

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 そう………これは夫婦間が冷め切った妻が、夫に脂っこい食事を出すがごとく、若い後添いが、年老いた夫に餅を食わすがごとく、相手プレイヤーのインジケーターを死へと誘導していくゲームなのです!

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 死亡例)死因:心不全。
 隣人のパーティ参加中に突然体調が悪化し、心不全で亡くなられました……ご冥福をお祈りします。

 ――もう間違いありません。

 もう、このゲームを遊ぶときはフィクションと割り切って楽しんでください!
 それがお互い「心臓発作にならないための10の方法」なのです!

 

ライター紹介

高円寺 克洋(こうえんじ かつひろ)
 コンシューマゲームのシナリオライターやプランナーを経て、現在はゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ハードボイルド作品や時代小説をこよなく愛するヘビースモーカー。

代表作
 シミュレーションRPG「ベルウィックサーガ」
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
 その他多数。