ボードゲームレビュー第16回「エイトミニッツエンパイア」

「エイトミニッツエンパイア」(原題:eight-minute empire)
発売元:RedRavenGames/日本語翻訳:テンデイズゲームズ
作者:ライアン・ラウカット
対象年齢:13歳以上  
プレイ人数:2~5人
プレイ時間:8分以上(註:一人あたり8分ほどが目安です)

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 初めまして&お久し振りです!
 ゲームを楽しく遊んでます。
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」
 代表の綺月です。

 最近は海外産に加えて、国産のゲームもたくさん出て、すごく盛りあがってますね!
 今回もレビューにあたり、楽しく取材させて頂きました!
 取材以外でも温泉旅行でゲーム三昧とかしてきたり。
 勝っても負けても温泉でリフレッシュ!
 その後はキウイゲームズ様で延長戦。
 一度お試し下さい☆

 さて今回のレビューですが。
「エイトミニッツエンパイア」
 訳して「8分間の帝国」。
 タイトルにいつわり無くお手軽で、ボードゲーム初心者にも分かりやすいゲーム進行。
 なのに気が付くと、その奥深さをじっくり楽しんでしまう。

 「箱を開けて8分で覇王!」
 素敵な征服ゲームなのです!

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 箱の中身は、両面に地図の書かれたゲームボード1枚。
 特殊な効果を発揮し、さらに勝利点も生み出すカード42枚。
 カードを得る資金源となるコインが44枚。
 プレイヤーの軍隊となるキューブ14個と、建設する都市のディスク3つが、5セット分。
 そしてルールブック1冊と、選択ルールを遊ぶ際に使う産物トークン10枚。
 たったこれだけのお手軽な内容なのに、しっかりと2人から5人で世界征服を競えます!

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 ではでは、その面白さを順に説明させて頂きますね。
 まずは準備から。今回は4人でプレイです。
 エイトミニッツエンパイアは、遊ぶ人数によってコインの枚数や終了条件が変わります。
 4人の場合、コインはそれぞれに9枚が配られます。
 残りはストック置き場を決めて、置いて下さい。
 そして全プレイヤーがカードを8枚取りプレイしたらゲーム終了です。
 8ターンですね。
  そしてプレイボードですが、遊びたい面を上にして置きます。
 面ごとに変化はありますが、難易度は大きく変わりませんので、どちらを選んでも大丈夫。
 ボードは海で大陸がいくつかに区切られ、大陸は境界線でマス状に地域が仕切られています。
 海は、船の航路である点線で地域につながっています。
 それぞれの大陸の支配者は、地域を多く軍隊で支配したプレイヤーです。
 どの地域も複数のプレイヤーが、同時に幾つでも軍隊や街を置く事ができます。
 その地域を制するのは、最も多くの軍隊と街を置いたプレイヤーです。
 いかに軍隊を操り、地域を独占し、大陸を支配するか。
 壮大な戦略を錬りましょう!

 次にカードを山札として裏向きに積み、ボードの近くに置きます。
 この時、プレイ人数が4人以下の場合、右上に「5」と書かれたカードは使用しないので、取り除いて下さい。

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 エイトミニッツエンパイアでは、このカードの上に書かれた記号が産物となり、中央の表が発生する勝利点、下に書かれた内容がアクションになります。
 カードは同じ産物を集めると、勝利点が変化します。
 中央の表に書かれた産物の数に応じて、盾の数=勝利点を発生させるのです。
 例えば人参のカードは3枚でも1点で、8枚でも5点です。
 ですが赤いクリスタルだと1枚で1点、4枚で5点と高い!
 また産物が複数描かれてるカードは、描かれてる数だけ産物を数えるのでお得です!
 しかしカードの価値は、産物だけでは決まりません。
 なぜなら、軍隊を移動させ、新たな軍隊をボードに置き、街を築き。
 誰かの軍隊をボードから取り除く!
 これら全てのアクションは、カードを取った瞬間に1回だけ行えるのです!
 エイトミニッツエンパイアは、産物の勝利点だけでなく、大陸や地域を支配した数でも、勝利点が手に入ります。
 産物を取るか、アクションを取るか、重要な選択です。
 なので準備の時、皆でカードの産物やアクションを、きちんと確認し合いましょう!
 アクションは、以下の通り。

 軍隊のみ書かれたカードは、開始地域か街のある地域に、軍隊を配置できます。
 カードに書かれてる軍隊の数は、そのアクションで配置できる軍隊の合計 です。

 軍隊と矢印のカードは、軍隊を隣接地域に移動させます。
 移動できる軍隊の合計が書かれる ので、同じ軍隊を連続で動かしても、また離れた地域の軍隊をそれぞれ動かしても大丈夫です。
 ただしこのカードでは海を移動できません。

 軍隊と矢印と船の書かれたカードは陸と海を移動できる、万能な移動手段です。
 海を越え点線でつながった地域に軍隊を移動できますし、海と接しない内陸の地域でも、軍隊を隣接地域に移動できます。

 都市の書かれたカードは、自分の軍隊のいる地域に、街を1つ置くことができます。
 他人が街を置いている地域でも、自分の軍隊がいれば、街を置けます。
 街を複数置いても良いですが、軍隊の配置ができる貴重な場所になるので、お気を付けて!

 軍隊に射線を引いているカードは、任意の軍隊をボードから取り除ける攻撃的なカードです。
 斜線を引かれた軍隊が複数書かれてる場合は、異なるプレイヤーの軍隊を取り除けます。
 取り除かれた軍隊は、そのプレイヤーの手元に戻ります。
 なので自分の軍隊に使う事もあるかも知れません!

 またカードのアクション部分には、「or」か「and」と書かれてる場合があります。

 「or」は書かれた二つのア クションの内、どちらかを選ん で行えます。
 どちらも行わないというのも選べます。

 「and」は書かれた二つのアクションを、両方同時に行えるお得なカードです。
 どちらか片方だけ行う、両方行わないのも可能です。

 皆でカードを確認できたら、最初のターンのカードを用意します。
 ボードの上部に書かれたカードの並べ方に合わせて、上から6枚引いて表向きで順に並べて下さい。
 並べ方の下に書かれた数字は、カードを手に入れるときに必要なコインの数です。
 左端のカードはコイン無しで手に入りますが、右端だと3枚も払わないと手に入りません!
 手持ちのコインは9枚で、8ターンを戦うので要注意!!
 ゲーム中、プレイヤーの持つコインは増えないのです!
 しかも別の用途でもコインが必要になります。
 なので上手くやりくりしないと……またも奥深さが顔を出してきました!

 最後に各プレイヤーは、それぞれ好きな色の軍隊(キューブ)を14個と、都市(ディスク)を3つ手元に置いて下さい。
 ボードの「Start」と書かれた開始地域に、全員の軍隊を3つ置いて準備完了。
 皆さんの軍隊はここから世界中に進撃し、征服するのです!

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 では、ゲームを始めましょう。
 まずはスタートプレイヤーの決定です。
 スタートプレイヤーは、コインを使った競りで決めます。
 各プレイヤーの手番はスタートプレイヤーから、時計回りに巡るのです。
 このスタートプレイヤーの競りは、この1回限りです。
 なので最初に狙ってるカードがあれば、競りで負けるわけにはいきません。
 一方、競りを競わずコインを温存するのも手です。
 皆が競りのコインを手に握ったら、一斉に公開。
 一番多い人だけがコインを置き場に支払い、スタートプレイヤーになります。
 手番が来たら、まずボードの側に並べられた6枚のカードの内、1枚を選びましょう。
 支払うコインの数も、悩ましい所です。
 手番のプレイヤーがカードを取ったら、左詰でカードを山札から補充しましょう。
 こうして思わぬカードがそのターンに出現したり、少ないコインでカードを取れたりするのも、エイトミニッツエンパイアの醍醐味の一つです。
 手番プレイヤーがコインを支払い、カードを取ったら、アクションを行えます。

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 開始地域から軍隊を移動させていき、地域を占領したり、街を立てたり。
 入手したカードの産物を揃えるか、軍隊を増やして占領地域を広げるか、より遠く別の大陸に進出するか。
 開始地域も占領できますよ!
 手番プレイヤーがアクションを終えたら、次の番の人へ。
 こうして時計回りに手番が一巡したら、ターン終了。
 全員が同じ枚数のカードを、持っているはずです。
 では再びスタートプレイヤーから手番を続けましょう!

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 全員が終了条件のカード枚数をプレイし終えたら、ゲームは終了。
 勝利点の得点に入ります。

 まず地域ですが、その地域の中でもっとも軍隊と街の合計数が多いプレイヤーが支配者となり1点を得ます。
 もっとも合計 数の多いプレイヤーが複数いた場合、その地域では誰も得点をもらえません。
 そう同数では両雄並び立たず、しかし漁夫の利も発生しない。
 唯一の最大多数となったプレイヤーがその地域の勝利点を独占するのです!
 これは思わぬ計算違いや番狂わせ、逆転を狙えるポイントなので、気をつけて下さい!

 次に大陸ですが、それぞれの大陸の地域を最も多く占領した、唯一最大多数のプレイヤーが1点を得ます。
 地域と同じく大陸ごとに、その大陸の支配者を決めて、それぞれ1点を得て下さい。

 最後に産物の勝利点を計算しましょう。
 産物はカードに描かれた個数の合計で計算します。
 表より個数が多かったり、端数が出る場合は、組み合わせを分けて、それぞれの組の個数で計算します。

 地域、大陸、産物の勝利点を合計し、最も高いプレイヤーが勝者です!

 このようにエイトミニッツエンパイアは、使うカードやコマが少なく、手番で行うアクションもカードの記載されてて単純。
 とても手頃な内容なのに、いくつもの勝ち方、戦略の組み立て、逆転要素がたくさん詰まった傑作なのです!

 そして私はこのエイトミニッツエンパイアが、ボードゲーム初心者の方に、ボードゲームをより深く理解してもらうのにも向いていると思います。
 なぜなら手番での選択肢が明快に示され、他のプレイヤーの狙いも分かりやすく、それでいてゲームの変化に気づきやすいからでしょうか。
 込められたゲーム性の表現力が、とても豊かなゲームなので す。

 悩まず、考えられるゲーム。

 エイトミニッツエンパイアをお奨めする、一番の理由です。

 しいて難点を上げるなら、さすがに8分では終わらないことかと。
 1人8分、手軽に軽やかに戦略を楽しめると思って、遊んで頂ければ幸いです☆

 では次回まで、素敵なゲームと楽しい時間をお過ごし下さい。
 エイトミニッツエンパイアが、皆様の良き友の一つとなりますように!!

 

著者紹介

綺月鏡水(きづき きょうすい)
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」代表。
 ゲームシナリオライター・プランナー・シナリオディレクター
 専門学校講師「ゲームシナリオ・ゲーム企画等」
 アナログ、デジタルを問わずゲーム好き。
 メカアクションやファンタジー、戦記物、ラブコメなどのゲームシナリオを主に執筆。

代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ。
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」。
 対戦立体パズル「コンボる?」
 対戦カードゲーム「ぺあぺあ☆エクスチェンジ!」
 その他、多数。