• KIWIGAMES
  •   >  
  • ボードゲームレビュー
  •   >  
  • ボードゲームレビュー第171回「アグリコラ:ファミリーバージョン」

ボードゲームレビュー第171回「アグリコラ:ファミリーバージョン」

「アグリコラ ファミリーバージョン」
作者:ウヴェ・ローゼンベルク
メーカー:ホビージャパン
プレイ人数:1~4人
対象年齢:8才以上
プレイ時間:約45分

 


どーも皆さんこんにちは。毎度おなじみライターの松風でございます。
今回は「ついに出たっ!」といった感じの、あの名作ゲームのライト版をご紹介致しましょう。

そのタイトルとは『アグリコラ ファミリーバージョン』!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

アグリコラといえば、ボードゲームに慣れた方なら一度は耳にしたことのあるタイトルではないでしょうか?
17世紀ヨーロッパの農夫となって畑を耕し牧場を拡げ、家族を増やしていくという牧歌的なテーマながら、豊かな戦略性によってワーカープレイスメントゲームの傑作の一つとして挙げられる作品です。
海外では数々の賞を受賞しており、日本でも拡張セットや二人用ゲームなど数多くのバージョンが出ています。
このジャンルではもはや定番中の定番となった感もあるビッグタイトルと言えるでしょう。

そんなアグリコラですが、ルールやコンポーネントがちょっとヘビーな事もあり、ゲーマー向けのゲームと思って敬遠していた方もいらっしゃるのでは?
大丈夫です! そんな貴方の為に、今回のファミリーバージョンはあるのです!
実際、アグリコラのエッセンスはそのままに、色んなところが簡略化されて遊びやすくなっています!

では早速、セットアップに行ってみましょう。
まずはメインのゲームボードを卓の中央に置き、プレイ人数に応じた『追加ボード』を連結します。
チェスのポーンのような『ラウンドマーカー』をボード上の1のマスに置き、風車やカゴ製作所などの『進捗タイル』を決められたラウンドスペースに配置してください。
ゲーム中にラウンドが進めば、各ラウンドスペースに描かれたアクションが追加で行えるようになっていく、という寸法です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

元のアグリコラでは、手札に来る進捗カードによって取れるアクションが変化していましたが、ファミリーバージョンでは一律となったわけですね。
テキストを排して、パッと見で分かるようになったのも良い変更です。

各プレイヤーは自分で選んだ色の『家族コマ』を2つ持ち、最初の『家タイル』の上に配置します。
こういった『家タイル』には原則として一部屋につき一人、入ることが出来ます。
家族が増えると住む場所が必要になりますので、まずは家の拡張を目指しましょう。
ちなみに『家タイル』は、深緑色をした方が表向きになります。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

その他のタイル類は、それぞれ種類ごとにまとめてボード脇に置いておきます。
ランダムにスタートプレイヤーを決めたら、そのプレイヤーは『雄鶏マーカー』と『食料』2つを、その他のプレイヤーは『食料』3つを受け取ってゲーム開始です。

これでセットアップは完了。
コマやタイル類が多い割には、拍子抜けするほど簡単です。

さて、ボード上のラウンドスペースの数を見てもらえば分かる通り、ゲームは14ラウンドで終了です。
1ラウンドは『準備』『労働』『帰宅』の3フェイズからなり、決まったラウンド間には『収穫』というフェイズが挟まれます。
順にご説明しましょう。

『準備』フェイズは、前のラウンドで獲得されて減ってしまったコマを補充するフェイズです。
『レンガ』や『木材』といった『資材コマ』、『羊』や『牛』などの『動物コマ』、あるいは『食料』などを所定のマスに置き直します。
何をいくつ置くかは各スペースに描かれていますので、ご安心を。
注意ポイントとして、この時、前のラウンドでコマが減ってないマスにもコマは補充されます。
旨味がイマイチな『アクションスペース』も、気がついたら資材が溢れてオイシイスペースになっている事もあったりして……。
ですので置き忘れや重複を避けるためにも、補充担当のプレイヤーを決めておいた方が良いかもしれませんね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

次の『労働』フェイズは、このゲームの最もキモになるフェイズでしょう。
『雄鶏マーカー』を持っているプレイヤーから順に、時計回りで自分の『家族コマ』を取りたい『アクションスペース』に置き、即座にアクションを解決します。
欲しい資材や動物が色々あって、迷うところですね!
畑を耕すのか、牧場を作るのか、その他の施設を建てるのか、最初に何を重視するかでプレイヤーの性格が出るところだと思います。
自分もあまりやり込んでいないので「まずコレがおすすめ」と言えるほどセオリーがあるのかは分かりませんが、『収穫』フェイズに備えて『食料』の確保は念頭に置いておきましょう。
食い扶持の確保は重要ですよ!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

アクションによって、『畑』や『牧場』、『部屋』などのそれぞれの施設を建てる時は、最初の『家タイル』に繋げるようにして置いていきます。
注意すべきなのは、追加の『部屋タイル』は必ず『家タイル』から繋がっていなければならない点です。
間に牧場やその他の施設が挟まった状態では、『部屋タイル』は置けないのです。
それ以外は組み合わせ自由なので、思う存分自分のテリトリーを拡げていきましょう!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

プレイヤー全員が『家族コマ』をすべて置ききるまで、周回は続きます。
当然のことながら、他のコマが置いてあるスペースには置けません。
『家族コマ』が増えれば増えるほどアクションの回数が多くなりますので、ラウンド中に回収できるリソースも多くなりゲームが有利になります。
ただし消費する『食料』が増える事にはご注意を。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

あとラウンドスペース上に置かれた『進捗タイル』は、早い者勝ちです。
これは特殊な建物で、ゲーム終了時に資材を直接得点に変換できる能力を持ってものが多いです。
取られてしまうと同じものは建てられなくなってしまいますので、狙ったタイルがあるならその前に『雄鶏マーカー』をあらかじめゲットしておくのも一つの手ですよ!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

最後に『帰宅』フェイズです。
各ラウンドの最後に、自分の『家族コマ』を家に戻しましょう。
ラウンドマーカーが次に進むのも、このタイミングです。

基本的にはこの3フェイズを、毎ラウンドやっていくだけ。
実質、考えるのは『労働』フェイズだけですので、ゲームとしては随分シンプルです。
とはいえ、『労働』フェイズに出来ることを考えているだけで、あれもしたいこれもしたい……と夢は広がり、必要な資源の確保に奔走することになるでしょう。
これこそアグリコラの、引いてはワーカープレイスメントゲームの醍醐味ですよね!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ラウンドマーカーが、ボード上にいくつかある『収穫マーク』を通ったら、『収穫』フェイズが始まります。
このフェイズが始まると、まず『畑フェイズ』として畑に置かれた『小麦』を1つ取って自分の手元にストックできます。
『小麦』は食料の基本となる重要なリソースですので、優先したいコマの一つです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

次に、こわーいこわーい『食料供給フェイズ』がやって来ます。
このフェイズでは、「家族一人につき『食料』を2つ消費」します。
なんとかして効率よく食料を確保する手段を講じないと、あっという間に食料が尽きることになるでしょう!
実際、他のことを優先させていると、『食料』はかなりカツカツになりがちです。
必要な食料を支払えなかった場合、足りない食料一つにつき『物乞いマーカー』を1枚受け取ります。
この『物乞いマーカー』、1枚で得点が-3点されるという超キツいペナルティですので、食い扶持の確保は本当に重要です!

収穫の最後には『繁殖フェイズ』と言うものもあります。
自分の『牧場』に「同じ種類の動物が二頭以上いれば」、その『動物コマ』が一頭追加できます!
『動物コマ』は一頭が1点の得点になる他、『進捗タイル』を通して捌けば『食料』にもなってくれますので、使い所が多いリソースです。
ただし、『牧場』に置ける『動物コマ』の数は決まっていますので、溢れてしまうようならもう増えません。
できれば飼える動物の数を倍にする『厩』コマを建てて、上限を増やしておきたいところです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

最終的に得点は『家族コマ』1つにつき3点、タイルは大きさに関わらず1枚1点、畑にある『小麦』と牧場の『動物コマ』はそれぞれ1つ1点となります。
物乞いの-3点がいかに大きな失点か、お分かりいただけるでしょうか?

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ボヤボヤしてると14ラウンドは、あっという間に過ぎていきます。
腰を据えてじっくりプレイするには、本家「アグリコラ」を。
さっくりと味わうには、この「ファミリーバージョン」がおすすめでしょう。
ただ、プレイが早ければ早いなりの戦術が求められるのが、ゲームの面白いところ。
ですので、どちらにもそれぞれ違った楽しみ方があると言えるでしょう。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

プレイしてみた感じ、『物乞いマーカー』だけは絶対に取らないように必要最低限の『食料』を確保しつつ、牧場を伸ばしていくのが堅実かな、と思います。
もちろん『かまど』や『調理場』といった『進捗タイル』を建てて、ストックしてある『小麦』や『動物』を有効に『食料』に変換するのも大事です。
とはいえ部屋や『進捗タイル』を建てるだけの資材を集めるのも、なかなか難しいんですけどね~。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

この「ファミリーバージョン」、ライト感覚のお手軽版とは言え、名作のエッセンスを充分に味わえるだけの遊びごたえはしっかりありますよ!

といったところで、今回のゲームはいかがだったでしょうか?
それではまた次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。

代表作
歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
その他多数。