ボードゲームレビュー第174回「いろどりシティ」

「いろどりシティ」(原題:MultiCity)
作者:ジーン・クラウデ・ペリン&スティーブ・ブリュック
メーカー:LOGIS/日本語翻訳:すごろくや
プレイ人数:2~4人
対象年齢:5才以上
プレイ時間:20分

 


 

みなさん六度目まして。作家でフリーライターの新井淳平です。
最近は毎日、ふらっと近所に散歩に出たくなるような、ぽかぽか陽気ですね~。
寒い季節と違って、街並みを眺めているだけでも、なんだか明るい気分になってきます。

というわけで、今回はそんな「街並み」を豊かにしていくゲームをご紹介したいと思います。

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その名も『いろどりシティ』。
ポップなデザインで楽しげなパッケージですね。
ゲーム内容もそんな見た目のとおり、親しみやすい簡単ルールです。
何作か遊ぶときの1、2本目のウォーミングアップや、お子さんと遊ぶときなんかに、もってこいの一本です。

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【セットアップ&勝利条件】
まずプレイヤーカラーを決めて、その色の〈街駒ピース〉を持ちます。
イラストは、黄=自動車、赤=建物、青=住人、緑=樹木。

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2マスのものから7マスのものまで1つずつ、計6個で1プレイヤー分です。
ゲームを通じて、いち早く6個全部を置ききった人が優勝。
……街並みデザイン貢献賞、って感じかな?

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お次は、〈街駒ピース〉を設置する街路となる〈敷地カード〉。全部で36枚あります。
これを裏向きでシャップル。山札にして、1枚目をオープンして置きます。
そこへ、「最近、近所で猫を見た人」=スタートプレイヤーが、1枚めくって並べます。
すでに置いてある〈敷地カード〉に隣接していれば、上下左右、どちらにつなげてもOK。
そして、どの向きでつなげてもOK。

準備ができたら、さっそくゲームスタートです。

【ゲームの流れ】
プレイヤーが手番にできる行動は、2種類。

1、〈街駒ピース〉を街路に置く。

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置き方はこんな感じ。
ピースの両端のマスが、ピースと同じ色になっていると、そこに〈街駒ピース〉を置くことができます。
縦横どちら向きでもいいけど、斜めはダメ。
あと、三角形のアイコンの上には置けません。そこは「工事中」なのです。

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2、〈敷地カード〉を山札から1枚引いて、並べる。
ピースを置ける場所がないときは、カードを引いて敷地を広げましょう。
置くときはもちろん、次の手番で手持ちの〈街駒ピース〉が置けるように、考えて繋げるのですよ~。

あとは、誰かが手持ちの〈街駒ピース〉をすべて置ききる=優勝するまで、この繰り返しです。

ちなみに、もし山札がなくなるまで勝負がもつれたら。
最後の〈敷地カード〉が置かれたところから、手番を1周――1人1つずつ、置ける〈街駒ピース〉を順番に置いていきます。
それでもまだ、街駒をすべて置ききったプレイヤーがいないときは、残った手持ちの街駒の「マス数」が少ない人の勝ちです。

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【実践とコツ】
3マス、4マス、辺りの〈街駒ピース〉は簡単に置けるので、基本的にまずその辺から置いていくことになります。
ひと手間かかるのが2マスのピース。置くためには、自分の色が2マス続きになっていないといけません。
偶然、誰かがその状況を作ってくれれば助かりますが、だいたいは〈敷地カード〉を並べるときに、自分で作ることになります。
そして高難易度なのは、やっぱり7マス。
1枚の〈敷地カード〉が縦横3マス分なので、7マスを置くためにはカード3枚にまたがることに。
それほどの直線はほとんど偶発しないので、何手か先まで見越して計画的に作っていかなければなりません。
しかも、先に他の人に置かれて潰されないか、も注意。

例えば――
●■○■□●○■

この状況なら、■が7マスのピースを置くことができます。
しかし、■より先に●の人が6マスのピースを置いてしまったら。
■の7マスはもう置けなくなってしまいます。
これが、潰される=邪魔される、ということ。

逆に言うと勝つためには、他のプレイヤーの進行を邪魔する戦略も必要になってきます。
リードしているプレイヤーの手持ちの街駒と、現在の敷地状況を照らし合わせて、置けなくなるように自分の街駒を置く。
または、置ける状態にしないように〈敷地カード〉を設置する。

このゲーム、ルールは人を選ばない簡単さですが、本気でやるとけっこう思考力が要ります。
特に考えるのは、前述の〈敷地カード〉の設置の仕方――どこにつなげるか、どの向きで置くか。
手持ちの〈街駒ピース〉が1、2個ずつくらいの「後半」になると、みんなつい長考してしまいました(汗)。

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さて一方、勝ち負けを離れて見てみると。
ゲームが進むにつれて、敷地がゲームボードのように広がっていきます。
盤上には、赤や黄色、青、緑――人に車に家や木々がアトランダムに並んで、その光景はまさに「彩りシティ」。
見た目からして楽しそうな街並みが出来上がります。
プレイヤーみんなの行動の結果が自然と街並みを作っていくので、人工的な感じではなくて「味わい深いなぁ」って思ったりしますね。

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【まとめ】
コンポーネントはわずか2種類、マニュアルもたった2ページ。
というか、このレビューを読んだだけで普通にプレイできます(笑)。
お子様にもやさしいこの親しみやすさったらもう……アメイジング!
そして一方では、大人も満足の思考性。おすすめです。

さて、今回の「いろどりシティ」、いかがだったでしょうか?
こんなにお手軽で楽しいゲーム、遊ばない手はないですよ。
ぜひ皆さん、お試しください。
……てか、やらねばダメだよ~♪

と、いったところで、今回はここまで。
以上、新井淳平がお送りしました。ではでは、また~。

ライター紹介

新井 淳平(あらい じゅんぺい)
【小説家】兼【フリーライター】。
代表作は、実写映画化もされた小説『シンデレラゲーム』。
最近は、携帯アプリゲームのテキストライティングにも携わる。
ボドゲのプレイスタイルは追い上げ型。ダイス運は最悪。でもドラマチック。

著書
『シンデレラゲーム』(オリジナル小説・映画化)
『猫侍 久太郎、江戸へ帰る』(ノベライズ小説)
『猫侍 玉之丞、争奪戦』(ノベライズ小説)