ボードゲームレビュー第19回「アイム・ザ・ボス」

アイム・ザ・ボス!(I’m the Boss!)
発売元:ニューゲームズオーダー
作者:シド・サクソン(代表作:アクワイア)
プレイ人数:3~6人
対象年齢:11才以上
プレイ時間:60分


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HEY! YO! 兄弟!
良いもうけ話があるんだが乗らないかい?
なぁに、そう難しく考える必要なんてないさ。 少し手を貸してくれるだけでたんまりと金が転がってくるんだから、こんなBIGチャンスを逃す手はないだろう? HAHAHAHAHA!!

明けましておめでとうございますー。 どもども、三家原です。

なんだか下っ端ギャングの怪しげな勧誘みたいな冒頭でお送りさせて頂きましたが、今回ご紹介するのは、ニューゲームズオーダー様より発売中の「アイム・ザ・ボス!(I’m the Boss!)」です。
プレイヤーが大小様々な商談に対し有力な投資家を集めたり、儲けをどう分配するか決める陰の黒幕の一人となっていくワケです。
まさにアイム・ザ・ボス!!

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デザイナーは「アクワイア」や「メトロポリス」などを手掛けたシド・サクソン様。
本作は1994年に発売され、ドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた「ゼニ、ゼニ、ゼニ(Kohle, Kie$ & Knete)」をリニューアルし、日本語に翻訳した作品です。

ゲームの準備は、まずよく切った影響カードと、#1を一番上にして#15まで順に並べた商談タイルをボードの中央に設置すると、誰か一人をゲーム中の銀行役に決めます。
そして次に各プレイヤーに影響カード5枚と投資家を一人お供を決めるのですが、そのお供につけた投資家の名前がABC順で見て一番早い人がスタートプレイヤー(ボス)となるので、お供は慎重に!
そしてスタートプレイヤーの右手側の人が$の形をしたマーカーを盤面の好きなマスに置いたら準備完了なのです。

一見するとモノポリーみたいな盤面なので、ゲームもそうなのかな~っと気軽に構えていたのですが、では早速サイコロを振ってみましょうか。

サイコロを振った目の分だけマーカーを移動させた後、プレイヤーは止まったマスの商談をまとめるか影響カードの補充かを自由に選択できます。
ルール上この間、他のプレイヤーには発言権はありません。あれですよ、「俺の決めた事に文句あっか!?」とばかりにボスの威光を放ってるのですよ!(まて)

商談をまとめる場合、プレイヤーはまとめる為に必要な投資家を集めるのですが、止まったマスには、必要な投資家の人数・必須となる投資家・追加で必要な投資家の3つが記載されていて、その条件を満たさないと商談は成立となりません。
また商談成立の報酬金額は、「マスに書かれた$の数×商談タイルの金額」となります。

 

さて、成立条件と報酬金額を確認したらプレイヤーは「さあ、交渉を始めよう」と宣言をして商談が開始されます。

そう、ここからがこの「アイム・ザ・ボス」の本番なのですよ。

商談が始まれば、各プレイヤーは一斉にボスに発言を許されます。
商談成立には投資家が必須なので、ボスに
「へっへっへっ、お困りなようですねボス。
 Aならウチに居ますから、ぜひ○○$でどうですか? 
 なぁに、無理にとは言いませんよ(ニヤリ)」
と自分の投資家を推薦する為にアピールする訳ですよ(まて)

でもボスとしては、1ドルでも多く儲けたいし、他のプレイヤーも儲けたい。
なので、ここで報酬をどう分配するのかという交渉が起こってくるわけですね。

仲良く分けるのか、それとも恩を売るために多く分けるか、それとも少なく分けるか……
あ、そうそう、決めた金額はきっちり払ってくださいね? 
嘘、誤魔化しはダメですよ?

でも、商談の席はそんな投資家の推薦だけでは終わらないのです。
そこで登場するのが最初に配れたこの影響カードなのですよ!!

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このカードがどうゲームに影響してくるかといいますと、例えば「旅行中」というカードでは、ニヤリと笑顔でちらつかされていた投資家に対してこんな事ができます。

「ん? A? Aなら、確か旅行に行ってるだろ? だから、この交渉中には顔を出せないよ?(ドヤァ)」

旅行……そう、思いっきり商談に影響出てくるワケですよ。
そしてさらに「親族」というカードもあって、

「いや~、ボス。Aが旅行中とは災難でしたね。
 でも、ご安心ください、私の所にAの『親族』が居ましてね? 
 ぜひ、こいつを代わりに使っては頂けませんかねぇ?(クックック)」

と、他のプレイヤーに成り代わって商談の席を奪ってみるなんて事もできたり。
各プレイヤーが保有している投資家に対して、

「やあやあ、そこのBくん。今日からウチの傘下になるといいよ」

と、他のプレイヤーが保有している『投資家』(親戚には効果なし)を移籍させてしまうという、後で仁義なき戦いとなりそうな『移籍』というのもあったり。

そして究極なのが、

「悪いがボス、今から俺がボスだ。全て俺が決めさせてもらうぜ!」

と、商談の決定権を横取りしてしまう『ボス』カード!!
これを出されちゃうと、最初に決めた報酬金額の分け前も変更可能なので、他のプレイヤーも思わず慌てふためくという事態になったり。

影響カードは1つ1つが桁違いの威力を持っているので、本当に使うタイミングが重要になってくるのですよ。
ただ、『ストップ』という一つ前の影響カードを打ち消すのもあるので、これを使って危機を脱する事も可能だったり……ただし、『ストップ』に対して『ストップ』を使うことはできないのでご注意を。

……今、思いましたけど影響カードってまんまな名前ですよね(おい)

金額の分け前や、誰に恩を売るかという取引も重要ですけど、影響カードもしっかりと手にしておかないと、肝心の商談で失敗するという事態もあるので、しっかりと確保しておくのが得策ですね。

こうして無事に商談が成立したら報酬の分配が終了したら、マスに商談タイルをひっくり返した状態で置いて、もしも失敗した場合は商談タイルはそのままにして、ボスの権利が左隣のプレイヤーに移動となります。
商談タイルを置かれたマスは商談できなくなりますので、マーカーを移動させる時はこのマスを飛ばして進むようになります。

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そう、ゲームが進めば進む程、商談できる場が減っていくので、わざと良い条件の場所を交渉せずに残していくというのも一つの手ですね……大抵、他のプレイヤーに潰されてしまいますが。

ちなみに、この商談タイルの裏にはゲーム終了条件というのがあるのですが、条件というのが、ダイスの出た目というのがユニークなのです。
ある時は数回で終わったり、最後まで続いたりと流れが違うので、どのタイミングで勝負を仕掛けるかなど判断する部分が少し難しいのですが、1回やれば大体感覚が掴めるんじゃないかと思います。

ゲームが終了したら、手持ちのお金を数えて一番多かったプレイヤーが勝利です。
交渉に成功した数だとか、投資家が何人いるかなんて関係ありません。

まさに金こそが勝利の条件なのです!!

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交渉ゲームというと、口が上手い人が一方的に勝ちそうなイメージがありますけど、このゲームに関しては他のプレイヤーの影響力が大きいので、必ずしも口が上手い=勝てるではないところが面白いですね。
むしろ墓穴を掘っていくような気がします。

個人的には大まかなプランを組みつつも、その時の空気や相手プレイヤーの性格によって柔軟に進めて、影響カード1つ1つの能力が強いので、それをいかにバランスよく使うのかが勝負のカギを握っていると思ったり。

ルールやコンポーネントはシンプルなんですけど、交渉という部分があるおかげでお金に執着していくのか、それとも周囲から支持される優良なボスとなるのか、それともそれとも……と人によってプレイスタイルが違うので、ゲーム毎に違った展開になるのが面白いです。

さあ、それでは商談しましょうか(笑顔)

 

ライター紹介

三家原優人(みけはら ゆうと)  
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ゲームシナリオライターだけでなく、映画会社にて長編映画の脚本や出演など多岐に渡って活動中。
 趣味はガジェット集め。国内・国外問わずの気になるガジェットを集めては愛でる日々。
 実は某公国の爵位を持っていたりする。

代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ。
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」。
 長編ホラー映画「腐女子」。
 その他多数。