ボードゲームレビュー第18回「レリックランナー」

レリック・ランナー(原題:RELIC RUNNERS)
発売元:Days of Wonder/日本語翻訳:ホビージャパン
作者:マシュー・ダンスタン
プレイ人数:2~5人
対象年齢:10才以上
プレイ時間:40~80分


 

 毎度、お目にかかるのは三度目になります。
 松風志郎でございます。
 はじめましての方は、以後よろしくお見知り置き下さい。

 こないだ自分が住んでいる地域でも雪が降りまして、いよいよもって冬を実感させられました。
 というか、この冬はじめて雪を見た気がしますね。
 寒さが苦手な身としては暖房器具から離れられない日々であります。

 さて、今回ご紹介しますのはそんな冬景色とは無縁の熱帯ジャングルが舞台。
 欲に目がくらんだ、もとい、古代のロマンを追い求める探検家となって神秘の遺物が眠る密林を爆走する、その名も「レリックランナー」でございます。

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 このジャングルの奥地には、さまざまな古代遺跡や神殿と共に、お宝である遺物が眠っています。
  プレイヤーは探検家となって、遺跡発掘に東奔西走することになるのです!

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 まずはゲームボードを広げ、そこに描かれたとおりに神殿タイルや遺跡タイルなどを並べていきましょう。
 神殿には紫、青、象牙の三種類あって、それぞれ三階層分のタイルがありますので、ランダムでタイルを選びます。
 そうして色ごとに4つずつの神殿を作ってボードの神殿マスに置いていきます。 遺跡タイルは3枚の山を8つ作り、これもボードの指示のある場所に置きましょう。
 あとは川沿いに道具箱トークンを置き、ボード中央のベースキャンプにプレイヤーごとに2つ、食料コマを置けば完成です。

★ボード写真(kiwi_blogreview021_photo06F_140123a)

 プレイヤーは、それぞれ色分けされた探検家チャートと探検家コマ、道具箱コマ3個に小道コマ10個、食料コマ3個を受け取ります。 探検家チャートには特殊能力が書かれた面と、書かれてない面がありますが、最初は能力ナシでプレイするのが推奨されています。

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 勝利点を示すコインと、やたら気合の入った立体の遺物コマは最初は使いません。

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 さて、これで準備は完了しました。
 ゲームの目的は単純明快。
 さまざまな手段で勝利点を稼ぎ、最終的に一番勝利点の多かった人が勝ち、というシンプルなものです。
 勝利点は、主に遺物をゲットして稼ぐのですが、その他にも神殿の効果や発展テーブル(探検家チャート中央に描かれたアイコンの列)の効果でも貰えたりします。

 そしていよいよここからがゲーム開始です。

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 まず、プレイヤーは自分の手番に移動をしなければなりません。
 中央のベースキャンプからはじまって、小道沿いに1回だけ移動できます。
 この移動がクセモノで、プレイヤーは『絶対に』移動しなくてはならないのです!
 同じマスから動かないとか、移動した結果同じマスに戻ってきた、なんてのはルールで却下されています。
 タイトルに「ランナー」と付いているのは伊達ではありません。

 小道には、普通の小道と川の二種類ありますが、移動方法に変わりはありません。
 ただ、川沿いには道具箱トークンというものがあり、川を通った探検家は、このトークンをひっくり返して使うことにより、発展テーブルを進める事ができます。
 発展テーブルにはマチェット(山刀)、コンパス(方位磁石)、シャベルの3つのコースがあって、どれを進めるかで効果が違います。
 この効果はいつでも使えて、おおむね、奥に進めるほど強力な効果が得られます。

 そして移動の次には調査があります。
 移動した先にある遺跡や神殿は、食料コマ1個を支払うことで一番上のタイルを自分のものにできます。
 この時、ゲットしたタイルが遺跡だった場合、そのタイルは捨てて自分の小道コマを隣接する小道に置く事ができます。
 通常の移動では、あるマスから隣りのマスへ移動するだけで終わりですが、自分の小道コマが置かれた小道は、連続して移動することができるのです。
 つまり、小道コマを繋がるように置いていけば、ものすごい距離を1ターンで駆け抜けることもできるという事!
 タイトルに「ランナー」と付いているのは伊達ではありません。(二回目)

 はたまたゲットしたタイルが神殿だった場合、これはその神殿の色によって効果が変わってきます。
 青い神殿の場合、裏には勝利点が書かれています。
他のプレイヤーには伏せたまま、自分の探検家チャート上に置いておきましょう。
 紫の神殿の場合、一番上のタイルは最初からオープンになっています。
 これを得たら、そこに書かれた効果を即座に受けて、タイルは捨てられます。
 象牙の神殿の場合は、階層ごとに色々特殊な効果が書かれています。
 永続効果もあれば、任意のタイミングで使用して捨て札にされるものもあります。
 おおむね強力な効果が多いので、探検家が殺到しやすい傾向にありますね。

 ちなみに、食料コマが無くなった場合、調査はできずに手番が終わります。
 ベースキャンプに戻れば食料は補充できるので、ゲーム中は頻繁に遺跡とベースキャンプを行ったり来たりすることになるでしょう。
 タイトルに「ランナー」と付いているのは伊達ではありません。(三回目)

 さて、遺跡や神殿は同じ場所を三回調査されるとタイルが無くなってしまいます。
 ここからがいよいよ遺物コマの出番です。
 空っぽになったマスには、象牙の神殿があった場所なら水晶ドクロが、遺跡があった場所ならエメラルドのカエル像が、といった具合に、その場にあった色の神殿(や遺跡)に対応した遺物コマが置かれます。
 ちなみに青いのはサファイアの極楽鳥、紫は魔除けの神像だそうです。

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 この遺物をゲットするには、少し手順を踏む必要があります。
「遺物コマがある場所に探検家コマがいる状態で手番を開始し、同色の遺物コマがあるマスで移動が終わった時、その場にあった遺物コマを取得できる」 といったもので、つまり、同じ遺物コマがある異なる二点間を繋いで、その間を移動しろという事ですね。
 ここで、今まで小道コマをどう置いてきたかが重要になります。
 せっかく掘り当てた遺物をどう取ろうか思案してる内に、次のプレイヤーに横からかっ攫われる、なんて事も普通にあって、つくづく小道の配置は大事ですよ!
 単にいち早く遺物を掘り出しただけではゲットできないあたり、タイトルに「ランナー」と付いているのは伊達では……いい加減しつこい?
 ちなみに「真ん中のベースキャンプに小道を繋げたら手っ取り早くどこでも行けるんじゃね?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、ここで残念なお知らせです。
 なんとベースキャンプに入ればそこで移動は強制終了となる、というルールがあるのです。
 このゲーム、なかなか一筋縄では行きません。

 無事に遺物をゲットできたら、遺物ごとに5点の勝利点を得られます。
 ただし、同じ遺物は何個ゲットしても得点にはなりません。
 あくまで最初の1個だけが得点になるのです。
 このため、いろんな遺物を手に入れようと、探検家はまたジャングルのあちこちを駆けまわる事になるでしょう。
 さらにボーナスとして、遺物をゲットした時に通った小道コマの数の2倍の勝利点も入ってきます。
 実はコレが結構重要だったりするので、小道コマはなるべく長く遠くへ繋げたくなりますが、ルートをしっかり考えないと、他の遺物を狙う時に小道コマが足りない、なんて事にもなりかねません。

 

 こうしてプレイヤー全体で、決められた数の遺物コマを得たら、もう1ターンだけプレイしてゲーム終了です。
 いくつ取れば終わるのかは人数によって変わってきます。

 神殿や発展テーブルの効果をうまく使いながら、ジャングルを駆け巡って遺物をゲットする流れはお分かりいただけたでしょうか?
 とにもかくにも小道コマの繋ぎ方が重要で、これがとても戦略的な部分です。
 道をつなげるという意味ではカタンやカルカソンヌなんかを思い浮かべますが、それらよりはもうちょっとライトな感覚で遊べるゲームだと思います。
 一発逆転の要素はほとんど無いので、いかに遺物をゲットするか(もしくは神殿などの効果でチマチマ稼ぐか)をしっかり考える必要があるでしょう。
 とはいえ、神殿タイルをめくる時のドキドキ感や、ジャングルを駆け巡る疾走感など、熱い盛り上がり要素はしっかりと入っています。
 なにげに妙に凝った立体物の遺物コマなんかも見どころの一つですね。
 個人的にはカエルの置き物と聞くと、別のダンジョンゲームを思い出したりして……。

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 てなところで、今回のゲームはいかがだったでしょうか?
 それでは、また次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
 アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
 世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。

代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
 大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
 大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
 その他多数。