ボードゲームレビュー第180回「ダイスフォージ」

「ダイスフォージ」
作者:レジ・ボネセ
メーカー:ホビージャパン
プレイ人数:2~4人
対象年齢:10才以上
プレイ時間:約45分

 


毎度どーもこんにちは。ライターの松風でございます。

さて、皆さんはご自分のダイス運って信じますか?
「オレが振ると、出目が偏っちゃうんだよね~」なんて事を言った経験があったりしませんか?
とことん出目に裏切られてサイコロ振るゲーム全般に苦手意識を持ったりしてませんか?

大丈夫、そんなアナタにオススメなのが今回ご紹介する『ダイスフォージ』です!!
大きな特徴となるのは、自分でダイスをカスタマイズできるという画期的なシステムなのです!

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どういう事かと申しますと、このゲームで使うサイコロ(光と闇の二つのダイス)はそれぞれの面を入れ替える事ができる仕様になっているんですねー。
なかなかコンポーネントに凝ったゲームのようです。

プレイヤーたちは、神々の仲間入りを夢見て神秘の島々にやってきた英雄となって、様々な偉業を成し遂げてトーナメントでの勝利を目指します。
見事優勝すれば、神様から『半神』にしてもらえるそうなのですが、その権利をもらえるのは一人だけ。
ゲームの目的は、様々な手段を使って勝利点を稼ぐことです。

ではセットアップから行ってみましょう。
このゲームの中箱は、次に遊ぶ時にさっと準備できるように、どこに何が収まるかちゃんとマニュアルに明記されています。
一見、カードやトークン類がごちゃごちゃしているヘビーゲームにも見えますが、実はとてもスッキリと収納が考えられていてわかりやすいんです。
こういう作りは大変ありがたいですね。

まず、折りたたまれた『島々ボード』を拡げ、『基壇』(このゲームの中箱の事です)と並べて配置します。
それから『英雄の偉業カード』を『島々ボード』の決められた場所に置いていきます。
『英雄の偉業カード』は各4枚ずつが24セットありますが、最初にプレイするときは青い丸印がついた入門用のカード15セットのみを使用するのが推奨されています。
カードの背景がボードのイラストと地続きになっているのも、配置する時に視覚的にわかりやすくていいですね。

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スリーブに入っていた『神殿』と呼ばれるボードを『基壇』の上に置き、決められた『ダイスフェイス』を並べます。
この作業は、前回のゲーム終了時に使った分を並べなおしておくと、次のプレイがスムーズです。

『島々ボード』上のラウンドトラックの「1」のスペースに『ラウンドトラックマーカー』を置けば概ね終了。

あとは各プレイヤーが『英雄の資産ボード』、自分の色の『リソースマーカー』5個、『英雄コマ』と2色の『ダイス』を受け取ります。
『リソースマーカー』はそれぞれ『英雄の資産ボード』のゼロの位置へ、『英雄コマ』は『島々ボード』上の『スタート地点ポータル』へ置きましょう。
そして初期所持金として、『ゴールドトラック』にある『リソースマーカー』をプレイ人数に応じた数値分動かします。

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光と闇、2つのダイスはそれぞれプレイ開始時の『ダイスフェイス』が決まっています。
遊んだ後は、入れ替えたフェイスは外して、初期状態に戻しておきましょう。
ちなみにどっちのダイスも特に扱いに違いは無く、入れ替えられる『ダイスフェイス』に縛りみたいなものはありません。

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最も年下のプレイヤーがスタートプレイヤーとなり、『スタートプレイヤー・トークン』を持ちます。
このゲームではスタートプレイヤーはラウンドが変わっても持ち回りせず、最初の人がずっと担当します。

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では、ここから実際のプレイに入っていきます。
1ラウンド中、手番プレイヤーは4つのステップを進行していきます。

まずはステップ1。
全てのプレイヤーは『神の祝福』を受けます。
これは、自分のダイス2個を振って、出た目のリソースを獲得できるというものです。
手番プレイヤーが移るたびに、この『神の祝福』は発生します。
各プレイヤーのターン開始時に、全員にある程度のリソースが入ってくるという事ですね。
ゲーム中では、他にも『神の祝福』が発生するタイミングがあるのですが、それはおいおいご説明いたしましょう。

次にステップ2。
もし手元に歯車のマークがついた『英雄の偉業カード』を持っている場合、手番プレイヤーは任意の順番でそれらの効果を1回ずつ使用できます。
歯車マークのカードは使い捨てではない永続効果ですので、集めていくとその恩恵も大きくなっていくことでしょう!
カードを持ってない場合は、このステップは無視します。

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そしてステップ3。
ここがメインのアクションを行うステップです!
プレイヤーはAとB、2つある行動のうち一つを選んで実行します。

A-神々に捧げ物をする
プレイヤーはゴールドを支払って、『神殿』にある『ダイスフェイス』を購入し、手持ちのダイスの好きな面と入れ替えることが出来ます。
充分に支払えるゴールドがあるなら複数のフェイスを一気に買っても構いませんが、1ターンに同じフェイスを2個以上購入することはできません。
このフェイスを入れ替える作業を『鍛造(フォージ)』と言いまして、これがタイトルの『ダイスフォージ』の由来というわけです。
基本的に『神殿』にあるものは、初期フェイスよりも強力な効果を持ったフェイスばかりですので、積極的に『鍛造』して自分なりのダイスを作り上げていくのが勝利への近道となります。

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B-『英雄の偉業』を1つ実行する
プレイヤーは『島々ボード』に並んだ『英雄の偉業カード』から、欲しいカードを1つ選んで(必要なリソースを支払い)その場所にあるポータルまで自分の『英雄コマ』を移動させます。
前のターン、既に欲しいカードのある場所に移動していたら、改めて動く必要はありません。
『英雄の偉業カード』には、ゲームに勝つのに必要な勝利点の他、特殊効果も色々と書かれていますので、これを集めるのが主な目的になります。
うまくいけば一気に大量の勝利点とリソースをゲットできたりもするので、プレイヤーの戦術が試されることでしょう。

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またこの時、移動先に他のプレイヤーのコマがあった場合……それを「押しのける」ことになります!
押しのけられたコマは『スタート地点ポータル』に戻されてしまいますが、賠償として『神の祝福』を1回受けることができます。
「あーあ、次のターンもここで勝利点のおいしいカードを取るつもりだったのになー」なんて時に、他のリソースが増えるのなら悪くはありません。
逆に言えば、相手にリソースを与えてでも欲しいカードを独占させないようにする、という動きが求められるということですね。
なんといっても1つのポータルに同じカードは4枚しかないのですから。

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最後にステップ4。
手番プレイヤーは、毎ターン1回だけ『太陽の欠片』と呼ばれるリソース2個を支払って、追加アクションを取ることが出来ます。
ここで行えるアクションはステップ3と同じ内容ですので、AかBか、どちらかを選んで実行することになります。

プレイ人数によって決まった規定ラウンド数プレイしたらゲームは終了。
得点計算フェイズに入りましょう。
獲得した勝利点を全て合計し、最も多いプレイヤーの勝利となります。

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箱のデカさやコンポーネントの多さで、どんなヘビーゲームかと思いきや、やる事は主にダイス目を入れ替えるかカードを獲得するかの二択、というのが拍子抜けするほどシンプルですよね。
ですが、勝利点を稼ぐ方法、いわゆる勝ち筋が複数あるのがこのゲームの一筋縄ではいかないところなのです!

例えば、ゴールドはダイスフェイスの購入に必要ですが、ある程度フォージし終わった後半になるとダダ余るリソースでもあります。
ところが、『鍛冶神のハンマー』というカードを獲得した時に『資産ボード』に追加されるトラックでは、貯まったゴールドが勝利点に変換されるのです!

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また、カードを購入するには『太陽の欠片』か『月の欠片』のどちらかが必要になるのですが、それらを得るためにダイスフェイスをどう偏らせるかという点に、プレイヤーの個性が大いに出て来ることでしょう。
もちろん、カードに頼らずダイス目でひたすら勝利点を出し続ける、というのも一つの手です。
「片方の出目を三倍にする」とか「全部のリソースからどれか選んで1個獲得」なんていう強力な効果を持ったフェイスもありますので、本当に『鍛造』のバリエーションは広大ですよ!

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全てを充分に楽しむためにはダイスフェイスやカードの効果を覚えなければいけない、というのがややハードルの高い部分ではあるのですが、しかしそうでないと楽しめないというわけではありません。
むしろルールそのものはとても単純ですので、あまりボードゲームに慣れていない方でもすんなり入っていけると思います。
「なんかガチっぽい雰囲気だけど、そこまでマジにならずに気楽に遊べるゲームとかない?」と聞かれたら、まずこのゲームをオススメしたいところです。
アートワークもポップな雰囲気ですので、見た目で敬遠される心配も少ないでしょう。

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ダイス目に一喜一憂するといういつもの行為が、自分のカスタマイズしたダイスによるものというだけで、また違った意味合いを持ってくる。
そんな不思議な感覚のゲームですが、何度もプレイしたくなる奥深さも備えていると思います。

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ダイス運が悪いと嘆くあなた!
このゲームなら、もうそんな言い訳なんて必要ありません。
なんせ自分で決めたダイス面なんですから。

それでもあなたはきっとこう叫ぶでしょう。
「ああ、あの時こうしてれば良かった!!」
多分それがこのゲームの醍醐味なのかもしれません。

てなわけで今回のゲームはいかがだったでしょうか?
それではまた次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。

代表作
歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
その他多数。