ボードゲームレビュー第184回「エルドラド」

「エルドラド」(原題:EL DORADO)
作者:ライナー・クニツィア
メーカー:ラベンスバーガー/日本語翻訳:メビウスゲームズ
プレイ人数:2~4人
対象年齢:10才以上
プレイ時間:約30~60分

 


 

毎度どーも、ライターの松風です。
八月も半ばを過ぎて夏本番って感じですね。
皆さま旅行などには行かれましたでしょうか?
「そんなの行ってねーし!」って方もまだまだ諦める事はありません。
ちょっとした外国へなら、ゲームの中でいつでも行けるじゃないですか!

そんな訳で今回ご紹介するのがこちらのタイトル。
『エルドラド』でございます。

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エルドラドとは……南米ジャングルの奥深くにあるという幻の黄金都市のこと。
かつては栄華を誇った王国も既に滅び、忘れ去られた彼らの都市には黄金をはじめとした数え切れないほどの財宝が眠っていると言われています。
プレイヤーは、この失われた黄金の都を求めて危険なジャングルに挑む探検隊のリーダーとなり、誰が最も早くエルドラドを発見するかを競うのです。

というわけで早速セットアップに参りましょう。

誰が一番先にエルドラドに辿り着くか、というゲームコンセプトですので、当然このゲームはレースゲームになります。
なので、『スタートボード』と『ゴールボード』を繋ぐ形で、コースを作って行きます。

まずは六角形のヘックスが連なった『地形ボード』を組み合わせていきます。
最初のプレイ時には推奨されるボードの並び方がありますので、それを見てボードの向きや並びを整えましょう。
慣れてくれば、完全にランダムなボード配置を楽しむのも大いにアリです。

ボードとボードの間には『バリケードタイル』という仕切りが挟まります。
これは勝利点に関わってきますので、並べるときは裏向きにしてランダムに配置します。
余りは箱に戻してOKです。
『地形ボード』を並べ終わった時点で『バリケードタイル』は表向けていいでしょう。

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それから『市場ボード』を作ります。
54枚ある『探検カード』を種類ごとに18個の山札にし、ボードのすぐ上に並べておきます。
この時、右下に丸印のあるカードの山札は、スタート時点で市場に並んでいる初期カードとして『市場ボード』の上に並べます。
ボード上のいずれかの山札がなくなって枠に空きができたら、ボード外に置かれている山札が補充されるという仕組みになっているのです。

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プレイヤーは自分の色を選び、同じ色の『探検ボード』と初期『探検カード』デッキ8枚、探検家コマを受け取ります。
初期デッキはよくシャッフルして4枚を手札に、残りを山札にして『探検ボード』上に置いておきましょう。

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スタートプレイヤーを決めたら、『スタートプレイヤーマーカー』を渡し、『スタートボード』の1のマスから順に時計回りでコマを置いていきます。
このゲーム、結構スタートプレイヤーがゲームのペースを握っていると言っても過言ではないので、順番は大事ですよ!

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さて、それではいよいよゲーム内容に入っていくのですが、その前にひとつ。
『探検カード』についてご説明させていただきましょう。

『探検カード』のルールギミックは、このゲームのメイン要素といっても過言ではありません。
プレイヤーの初期デッキは『水夫(パドル)』『探検家(マチェット)』『旅行者(コイン)』の三種類の『探検カード』で構成されています。
ゲーム中では、これらのカードを駆使して、ボード上を駆け抜けることになります。

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具体的には、『地形ボード』に描かれた水地(パドル)・ジャングル(マチェット)・砂漠(コイン)を進むのに、同じシンボルのカードが必要になるというわけです。
他にも、描かれた枚数分捨て札にする荒れ地や、同じく枚数分リムーブ(ゲームから除外)しないと入れないベースキャンプといった特殊なマスも存在します。

基本的には手札の『探検カード』はボード上を進むために使用しますが、コインマークの『旅行者』だけは使い方がもう一つあります。
それが市場にあるカードの購入です。
初期デッキのカードは貧弱な効果しかなく、レースを有利にすすめるためには市場からより強い効果を持った『探検カード』を購入し、デッキに入れていかなければなりません。
そのためのコストとして『旅行者』カードが使用されるというわけですね。

市場に売られているカードの中には、3つのシンボルのかわりに特殊効果を発揮する紫の『アクションカード』なんかもあったりします。
どれもなかなか強力なカードですので、買えるチャンスは逃さないようにしたいものです。
特にあらゆる移動コストを無視して一歩進める『現地人』のカードは、見たら即ゲットくらいの勢いで取りに行くべきでしょう。

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では、ここからがプレイの手順になります。

各プレイヤーの手番は3つのフェイズから成り立っています。

1:手札をプレイする
2:プレイしたカードを捨て札にする
3:カードを山札から補充する

これだけ。
とってもシンプルで分かりやすいですよね。

ではまずフェイズ1からいきましょう。
ここではカードを使った『移動』と『購入』が行えます。
先ほどご説明しました通り、手札の『探検カード』は移動コストとして使います。
1手番での使用枚数に制限はありませんので、手札にあるだけ全部使っても構いません。
コストとして使用したカードはすべて捨て札になります。

一枚カードをプレイするたび、コマを1マス進めることが出来ます。
ただし『地形ボード』上には、オールやマチェット等のシンボルが2~4個描かれているマスが存在します。
これらは、そのマスの『強さ』を表していて、同等かより強いカードでないと進入できないのです!

例えば、マチェットが二本描かれているマスにはマチェットが2か3と書かれた『探検カード』でしか入れません。
つまり手札にマチェットが1のカードが二枚あったとしても、組み合わせて二本分にはできないという事です!
もちろん、強さが2以上のカードは市場で購入するしかありません。

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もし移動した際に『強さ』に余りがあったら、続けてもう1マス進むことも出来ます。
例えば、強さ3のマチェットで強さ2のジャングルに入った場合、強さが1余っているので、さらに隣りの強さ1のジャングルにコマを進める事もできる、というわけです。

また、移動のルールとして他のプレイヤーのいるマスに入ることは出来ませんし、プレイヤーのいるマスを飛び越えて追い抜く事も出来ません。
あと『山』のマスも進入禁止のマスになっています。

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『地形ボード』同士は『バリケードタイル』で繋がっていて、これを越えないと次のボードには進めません。
各バリケードには地形マスと同様に移動コストが描かれています。
最初にこれを満たしたプレイヤーは、見事先頭ランナーとしてこの『バリケードタイル』を獲得します。
まぁ、最初の通過者を見るチェックポイントのようなものと思っていただければいいんじゃないでしょうか。
『バリケードタイル』には数字が書かれていて、これはゲーム終了時に意味が出て来るかもしれませんので、なるべく多く集めておくといいでしょう。

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しかし、いくらレースとは言え、初期デッキだけで進むのには限界があります。
そんな時には『購入』を行うべきです。
既にご説明した通り、コインのマークの『旅行者』カードは『市場ボード』上のカードの購入に使えます。

『旅行者』カードは、カードに書かれた強さ分の価値があります。
つまり、強さ3のカードなら3コイン分というわけですね。
その他のカードは、すべて半コイン分の強さとみなします。
ちなみに『探検カード』の下部中央に描かれているコインと数字が、そのカードの購入コストとなっています。
一つの山札は3枚しかない早い者勝ちなので、移動するか購入するかのタイミングは、かなり状況を読まないとジリ貧になっていくかもしれません。

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任意の枚数のコインを支払って『探検カード』を購入したら、そのカードはまず捨て札の山に置かれます。
買ってすぐ使えるわけではありませんのでご注意を。

『購入』は基本的に『市場ボード』上にあるカードしか買えませんが、どれかの山札が全部買われて空きができたら、ボード脇の山札から一つをそこに補充することが出来ます。
空きができる度に、次に購入する人は自分の欲しいものを選んで持ってこれるので、ちょっとラッキーです。

ちなみにフェイズ1は『移動』→『購入』という流れになっていますので、先に購入を済ませてから移動はできません。

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続いてフェイズ2:カードを捨て札にする、ですね。
フェイズ1で使ったカード、購入したカードは捨て札の山にまとめられます。
また、使い所がなくて余った手札を捨て札にすることもできます。
要は手札調整のフェイズだと思ってください。

最後にフェイズ3:カードの補充、です。
デッキの山札から、手札が4枚になるようにカードを引いてください。
山札が尽きたら、捨て札の山をシャッフルし直して新たな山札にし、不足分を引きます。
そして次のプレイヤーに手番が移ります。

なんだかルールは意外とシンプルにまとまっているんじゃないでしょうか。
つまるところ、ドミニオンのようなデッキ構築ゲーにレース要素を組み合わせた、というのがこのゲームの正体のようです。

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ゲームの終了条件は、誰かがゴールマスに到達することです。
ゴールしたプレイヤーが出た時点で、それが最終ラウンドになります。
まだ手番の残っているプレイヤーが最後までプレイしたらそこでゲーム終了となります。
つまりですね、スタートプレイヤーの右隣(ラウンド最後の手番プレイヤー)が真っ先にゴールしたら、そこで有無を言わさずゲームが終わってしまうんですよ!
先行有利なスタートプレイヤーといえども、のんびりとデッキの調整なんかしてたらゲーム終盤にサクッと追い抜かれてノーチャンスのままゲーム終了、なんて事になりかねません。
このルールのおかげでレースに緊張感が生まれていて、なかなか熱い展開が繰り広げられるようになっていると言えるでしょう。

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最終ラウンド中に複数のプレイヤーがゴールした場合は、『バリケードタイル』の出番です。
手持ちの『バリケードタイル』の数字を合計して、最も大きいプレイヤーの勝利になります。
単独ゴールした時には意味がないとはいえ、『バリケードタイル』は集めておくに越したことはありませんよね?

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この他にも、ルールに慣れてきたら『洞窟トークン』と呼ばれるトークンを『地形ボード』に配置して遊ぶオプションルールもあります。
これは市場に売られている強いカードと同様の特殊効果を持った使い捨てのトークンでして、中には『洞窟トークン』にしかない特殊効果もあったりします。
トークンの置かれたマスに隣接するマスを通過すればもらえますので、使い捨てとはいえ市場のカードと同等の強さがあるこのトークンをゲットするために、またレース展開はぐっと熱くなる事でしょう!
(中にはまぁ、ハズレっぽいトークンも当然あったりします)

随時デッキ構築をしながらレースを行う、というけっこう欲張りなルールですが、意外とシンプルでプレイフィールは軽く、各種のランダム要素によって何度も遊べるゲームに仕上がっています。
慣れてきたら、マニュアルに描かれたマップ以外にも自分たちでオリジナルコースを作ったり出来ますので、楽しみ方の幅は広いと言えそうです。

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割りとマップの早い内から強さが1のカードだけではにっちもさっちも行かなくなってきますので、移動と購入のタイミングはホントに重要です。
移動ばかりだとデッキが貧弱だし、購入してばかりだと他のプレイヤーに置いてきぼりにされてしまうかもしれません。
反面、ここぞという場面では全力で移動しないといけませんし、たっぷりと購入でデッキを太らせたら一気にまくれる可能性は高くなるでしょう。
デッキが増えて欲しいカードがなかなか回ってこなくなったら、圧縮のためにベースキャンプを利用するのも一つの手です!

盤面をよく見て、どこで仕掛けるかの読み合いがなかなか熱いゲームとなっています。
割りとじっくり考える系のゲームですので、デッドヒートの鍔迫り合いのような緊張感はあまりありませんが、それでもきちんとレースゲームとして成り立っているのが面白いところですね。

この夏は、卓上で財宝を求めてジャングルクルーズと洒落込んでみませんか?
黄金都市のロマンがあなたを待っています!

といったところで今回のゲームはいかがだったでしょうか?
それではまた次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。

代表作
歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
その他多数。