ボードゲームレビュー第196回「狂気山脈」

「狂気山脈」
作者:ロブ・ダヴィオー
メーカー:ホビージャパン
プレイ人数:3~5人
対象年齢:12才以上
プレイ時間:約60分

 みなさんおなじみまして! もしくは、はじめまして。
作家でフリーライターの、新井淳平です。
担当13回目となる今回ご紹介するのは、人気の題材「クトゥルフ神話」を扱ったゲームです。念のため解説しますと、「クトゥルフ神話」はアメリカの小説家「H・P・ラヴクラフト」が創作した「暗黒神話体系」です。
ジャンルとして「宇宙的恐怖〈コズミックホラー〉」なんて言われたりもしていますね。
多くの人々が感銘を受け、のちに世界観を同じくする作品が数多の人々の手によって描かれてきました。
近年は、日本のマンガやライトノベルでも、「クトゥルフ」をモチーフにした作品をちょいちょい見かけます。
……ハイ、ご存知の方には釈迦に説法ですね(汗)
あ、ちなみにゲーム自体は「クトゥルフなんて知らない・興味ない」って人でも楽しめる内容ですので、ご安心を。
とにかく、まずはパッケージから見ていきましょう。

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 『狂気山脈』。
このタイトルを聞いて、ピンときた方も多いのではないでしょうか?
そう、このゲームは、ラヴクラフト作品の中でも最高傑作と呼び声の高い『狂気山脈にて』という小説を題材にしています。
現在、某マンガ雑誌で同作品のコミカライズも連載されており、一部で人気を博しています。
その物語世界を追体験できるとくれば、これはやるっきゃない!
……Let’s イアイアっ!
【ゲーム概要】
このゲーム&原作小説は「南極探検」を巡る内容の作品です。
――以下、あらすじ。
ミスカトニック大学のダイアー教授は、南極地下の岩石などの調査のために探検隊を組織して、南極を訪れる。……しかし。
そこで一行は、人類が誕生する以前の太古の時代に高度な文明が存在していた形跡を発見。
謎を追って、探検隊は未知の巨大山脈「狂気山脈」へと歩を進めていく。
彼らはそこで革命的な発見を重ねていくが、同時に、言い知れない数々の恐怖と狂気にも直面していくのだった……。
……てな感じ。

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 プレイヤーたちは、このミスカトニック探検隊の一員となります。
協力して、なるべく多くの「遺物」を発見し、狂気山脈から脱出することを目指します。
……つまり、みんな仲間でポジピースな「協力ゲー」ねっ☆見事成功すれば、人類史上類を見ない発見をしたとして、歴史に名が刻まれること間違いなし。
しかし、探検は険しい道程。負傷することもあれば、チームが内部崩壊することも、気が触れてしまうことさえあります。
生還するのも命からがら。そのうえで、失ったものを上回るだけの「遺物」を持ち帰ることは、至難の業です。
――ゲーム的に言うと。
山脈脱出を成功させたうえで、〈負傷カード〉の枚数より〈遺物カード〉のほうが多くないといけない、ということ。
これが、かなりの難易度なんですよ。……まあ、だからこそ燃えるんですがね(ニヤリ)……勇気とは、臆病と無謀の中間にある美徳だ。‐by『ドン・キホーテ』書いたスペインの人。

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【コンポーネント紹介&ゲームの準備】
まず、プレイヤーは担当するキャラクターの〈プレイヤーボード〉を持ちます。
生物学者とか物理学者とかいろいろいるんですが、ゲーム上の能力は均一なので、迷ったら顔で選びましょう(笑)
ちなみに、原作では探検隊は全員男性なんですが、こちらのボード裏面には「女性化版」も用意されています。
……むさいオッサンチームより、やっぱり華があったほうがいいですもんね~。ザ・親切設計☆
親切設計といえば、ボードの右側に「ゲーム進行の早見表」があるのも助かります。
なお、のちほど詳しく触れますが、1ターンは基本的に「移動」「遭遇」「解決」「ドロー」の4フェイズ構成です。
 キャラが決まったら次は、最初のリーダー=スタートプレイヤーを決めましょう。条件は「最近、登山した人」です。
ちなみに、リーダーはいわゆる手番のようなもので、ターンごとに時計回りで交代していきます。
協力ゲームなので、チーム行動の際には当然話し合いをすると思うのですが、最終決定権は常にこの「リーダー」が握ります。
……責任重大だ~、あわわわわ(汗)
 リーダーが決まったら、その人の前に〈犬ぞりボード〉を置きます(写真上部)。
また、〈犬ぞりボード〉の指定の位置には〈リーダーシップ・トークン〉を重ねておきます。
このトークンは、さまざまな失敗回避に重要なもので、初期数は6個。使用できるのは、リーダーのみ。
相談時間を延長したり、狂気を一時的に無効化したりするために消費し、捨て札になったりゲームから除外されたりします。
なお、6個全部がゲームから除外されてしまうと即ゲームオーバーなので、気をつけましょう。
……ご利用は計画的に!

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 さて、こちらがゲーム盤面となる〈山脈ボード〉。
中央、山型に各種〈遭遇タイル〉を並べます。下から「海岸」「山脈」「都市」「狂気の果て」の順。
そして、頂上から右に向かって、飛行機の描かれた「脱出」が3枚。
これは、原作で探検隊が通った道程とおよそ同じです。ちなみに、都市というのは現代都市ではなく、古代文明の都市のことね。
 ボード左上には、〈負傷カード〉×15、〈遺物カード〉×11、〈太古のアイテム〉×8、をストックとして置きます。
右上には〈アイテムカード〉×40を山札にしてセット。
この山札から、プレイ人数に応じた枚数を各自引いて、自分の手札にします。
《 3人=5枚 / 4人=4枚 / 5人=3枚 》
 次に、アイテム山札の下方にある「捨て札置き場」。
ここには、ゲームスタート前に、プレイ人数分の〈負傷カード〉を置いておきます。今回は4人でプレイしたので、4枚。
これはつまり「のちに山札をシャッフルするタイミングで〈負傷カード〉というリスクが山札に紛れ込む」ということを意味します。
どうリスクなのかは、またのちほど。
 ボード右下には、〈狂気カード〉をレベルごとに分けて山札にしておきます。レベル1~3(各20枚)の3つですね。
レベルが上がるごとにプレイヤーたちはより強い狂気に侵されていき、意思疎通ができなくなっていく、と。……フフフ。
なお、スタート時の〈狂気カード〉の所持は、プレイ人数に応じて決まっています。
《 3人=全員なし / 4人=スタートプレイヤー以外はレベル1×1枚 / 5人=全員レベル1×1枚 》手札と〈狂気カード〉の内容は、他のプレイヤーに見せてはいけないので、注意してね☆

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 探検隊=プレイヤー一行の現在地は〈飛行機コマ〉で表わされます。
最初のターンは、ゲームボードの一番下方の段に並んだ「海岸」タイル6枚のどこかへ進行することになります。
どのタイルにするかは、もちろんみんなで相談したうえで、最後はリーダーが決定するんですよ~。
……♪おまえが決めろおまえが決めろおまえが決めろ! おまえが舵を取れー! お、ま、え、が、決めろーーっ!!♪

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【ゲームの流れ】
……さて。ちょっと、ある種の狂気に取り憑かれましたワタクシですが、改めまして……(キリッ!)
ここから具体的なゲームの流れをご紹介していきたいと思います。
●移動フェイズ
リーダーは〈飛行機コマ〉を、現在地に隣接する場所へ1マス移動させる。
(最初のターンは、最下段〈海岸タイル〉6枚のうちのどこかへ)
移動先にタイルがある場合は、それを伏せたまま自分の手元に持ってきます。移動は、上下左右どこへ進んでも構いません。一度「山脈」に到達してから「海岸」に戻ってもいいわけです。
ただし、頂上であるところの〈狂気の果てタイル〉に到達したら、もう下山はできません。
次のターンでは必ず、右隣りの〈脱出タイル〉へ進むことになります。
3枚目の〈脱出タイル〉を獲得したら、そのターン終了時にゲーム終了。見事「脱出成功」というわけですね。

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 また、リーダーは、各フェイズ中に〈リーダーシップ・トークン〉を任意の枚数、捨て札にすることができます。
発動する効果は使用するフェイズごとに異なっていますが、どれもプレイを有利にしてくれるものです。
――移動フェイズなら。
捨て札にしたトークン1個につき、リーダーが選んだプレイヤー1人の持つ〈狂気カード〉の効果を、ターン終了まで無効化できる。
3個捨て札にしたら、3人の〈狂気カード〉を無効化できるわけですね。
……これは贅沢な使い方!

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●遭遇フェイズ
続いての「遭遇フェイズ」では、コンポーネントの「砂時計(30秒)」を使用します。
リーダーは、先ほどの「移動フェイズ」で自分の前に持ってきた〈遭遇タイル〉をオープンし、同時に砂時計をひっくり返します。
タイルのオモテ面には「チャレンジ」と呼ばれる内容が記されていて、30秒でコレに挑戦するわけですね。
なお、移動フェイズで、タイルのないマスへ進んでいた場合は、ボード上のそのマスに書かれている「チャレンジ」に挑みます。
 さあ――ここからがいよいよ、このゲームの肝となる「チャレンジ」!

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こちらの写真が、タイルのオモテ面の例です。
上部に「チャレンジの名前」と「原作引用のテキスト」があり、右下には帯状に「成功報酬」が書かれています。
そして、主に左下に描かれている「アイコンと数字」が、チャレンジの内容です。

アイコンには4種類あります。
・物資(荷箱のアイコン)
・道具(ピッケルのアイコン)
・武器(銃のアイコン)
・書物(本のアイコン)
これらは、手札としてプレイヤーに配られている〈アイテムカード〉の内容と対応しています。

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 プレイヤーたちは、砂時計の砂が落ちきる30秒の間に「誰が何を何点分出すか」を大急ぎで話し合う。
そして、リーダーの前に置かれている〈犬ぞりボード〉の上に、プレイする手札を伏せた状態で提出。
話し合いの途中でも、誰かが手札を出したら、その時点で話し合いは強制終了。
もう意思疎通することはできません。
提出が終わっても時間が余っているときは、じっと黙って砂が落ちきるのを待ちましょう。
 逆に、もし手札の提出が終わっていなくても、砂が落ちきってしまうとチャレンジは強制終了です。
なお、手札の提出は、何枚でも構いません。0枚でも全部でもOK。タイムアップしたら、リーダーはここで、このまま次の「解決フェイズ」へ進むか、時間を延長するかを選びます。
延長の場合は〈リーダーシップ・トークン〉を1個捨て札にして、もう一度砂時計を返します。
この30秒が終わったら、また同じ選択が発生します。
トークンのある限り延長し続けることができるわけですが、トークンは全部で6枚。
そんなに気安く使えるわけではないので、迅速な相談と行動が求められます。
……たった30秒ですから、相談を完了させるだけでも大変です。そのうえ、提出も完了させないといけないという難関(汗)
 ――だがしかし!!
 それだけじゃない。
チャレンジ中は、例の〈狂気カード〉の効果が、各プレイヤーを蝕みます。
果たして、その内容とは。

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 写真は、レベル1〈狂気カード〉の内容の一例です。
「絶対音感:話すときは歌いながら(たとえヘタでも)」
……なんじゃそりゃ(゜□゜;
 他にも「右隣りのプレイヤーとしか会話できない(他の人は存在無視)」みたいのや「数字は英語で言わないとダメ」とか。
「話し相手にビシッと指を突きつけないと話せない」とか……てそれ、まるで名探偵ですやん(笑)そんなこんなな具合なので、話し合いといっても実際は「ケイオス・ケイオスっ☆」
この混沌ぶりが……も~、アメイジング!
つい笑ってしまって話し合いが進まないなんてことも、しばしばですよ。

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●解決フェイズ
さあ、リーダーがチャレンジ時間を延長しないことを選んだら「解決フェイズ」に進みます。
〈犬ぞりボード〉上に提出された〈アイテムカード〉をオープンして、チャレンジが達成できているかどうかを確かめます。例えば。
「物資8/書物10~13」がチャレンジ内容だった場合。
提出カードが「物資5/物資3/書物4/書物5」なら。
物資のチャレンジは達成、書物のチャレンジは失敗、となります。
1つでも達成できていたら、成功報酬は獲得できます。
ちなみに、カードは無意味な提出もOKなので、開けてみたら「武器2」みたいのが紛れ込んでいたりもします(笑)
あと、何の効果もないカード=〈負傷カード〉も、ね。
〈負傷カード〉は持っているだけ手札や山札の回転を悪くするので、さっさと処分してしまうに限ります。
……私は相談でパニくって、うっかり手札から出し忘れたりしましたが(爆)
 ――チャレンジに失敗した場合。
失敗1つにつき、以下のABどちらか1つを実行します(2つ失敗なら2つ実行)。
 A:リーダーに指名されたプレイヤーが、新たに〈狂気カード〉を1枚引く(リーダー自身でも可)。
引くのは、今持っている〈狂気カード〉より1レベル上のもの。
元々持っていたほうの〈狂気カード〉はゲームから取り除き、以降は新しい〈狂気カード〉の効果を適用。
(もし全員がレベル3〈狂気カード〉を持っている場合は、このペナルティは選択できない)B:〈ペナルティダイス〉を1回振って、出目の効果を適用する。
ちなみに、このとき〈リーダーシップ・トークン〉を使用することで、ダイスを振り直せます(使用できる限り何回でも)。
出目の種類は、以下の通り。・事故(ケガ印)
負傷カードのストックから〈負傷カード〉2枚を、捨て札置き場に加える。
もしこれでストックが0枚になったら、即ゲームオーバー。

  ・混乱(?印)
失敗したチャレンジの「目標値」マイナス、該当種類の提出カードの数字の「合計値」分の枚数、アイテムカードの山札から捨て札にする。
例えば。
目標値「書物10~13」で、合計値「書物9」なら。
「10-9」=1枚、山札から捨て札にする。
目標値が範囲指定の場合は、合計値に近いほうの数字を採用します。
  ・不信(渦印)
〈犬ぞりボード〉上の〈リーダーシップ・トークン〉を2個、捨て札にする。
もし元々1個しかなかったときは、上記の代わりに、その1個をゲームから除外する。
これにより全〈リーダーシップ・トークン〉がゲームから除外された状態になったら、即ゲームオーバー。

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 ――達成報酬の内容は以下の4種類。
 ・回復
捨て札から〈負傷カード〉を1枚取り除き、負傷カードのストックに戻す。
ゲームに勝つか負けるかの一因は「遺物カードの枚数:負傷カードの枚数」なので、けっこう重要。
 ・称賛
使用済みで捨て札置き場にある〈リーダーシップ・トークン〉を最大2枚、〈犬ぞりボード〉上に戻す。
ピンチを凌ぐ機能のある〈リーダーシップ・トークン〉の回復ですね。
 ・遺物(標本/遺跡/知識)
指定の〈遺物カード〉を手に入れます。ただし、同時に対応した〈遺物トークン〉も入手。
〈遺物トークン〉の効果によって、特定のフェイズに〈リーダーシップ・トークン〉が使えなくなったりします。
 ・太古のアイテム
〈太古のアイテムカード〉(各種10点のアイテムカード)を1枚、ストックから捨て札置き場に入れる。
〈アイテムカード〉の山札をシャッフルする際に、山札に加わるわけですね。
1枚で10点は大きいので、チャレンジの達成確率をぐんとアップできます。
 ちなみに、報酬処理が先で、失敗処理が後です。

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●ドローフェイズ
このフェイズは、いわゆる次のターンの準備。
規定の上限枚数まで、手札を山札から補充します(4人プレイなら4枚まで)。
もし、全員が上限枚数になるだけの枚数が山札にない場合は、誰が手札補充をするか、リーダーが指名します。
なお、山札がなくなっても、このフェイズではシャッフル(山札の作り直し)はできません。
「えっ? じゃあ、いつ山札は補充できるの?」
その疑問はごもっとも。
そこで、もう一つのフェイズをご紹介します。
●休憩フェイズ
実は、マストの4フェイズの他にもう一つ、リーダーが任意に挟み込める「休憩フェイズ」というのがあります。
このフェイズを行いたい場合、リーダーはフェイズが変わるタイミングで「休憩」を宣言。
〈犬ぞりボード〉上に置かれているか、捨て札になっている〈リーダーシップ・トークン〉1個をゲームから除外します。
 上記実行のうえで残っている、捨て札の〈リーダーシップ・トークン〉を〈犬ぞりボード〉の上に戻す。
その後、アイテムカード山札と捨て札をすべてまとめてシャッフル。山札を作り直します。
 というわけで、この「休憩フェイズ」の挿入は、主に以下のタイミングで実行することになるわけです。
山札がなくなりそうorなくなったとき。
〈犬ぞりボード〉上の〈リーダーシップ・トークン〉がなくなりそうorなくなったとき。

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【ゲームの終了】
中途ゲームオーバーのパターンはここまでの中で一通り紹介してきたので、ここでは主に、ゲームに勝利するパターンを説明します。
 まず、狂気山脈からの脱出を達成します。
具体的には〈飛行機コマ〉を3枚目の〈脱出タイル〉のところまで進める。
そのうえで、ゲームオーバーにならずにそのターンを終える。
それができたら次。
山札と全員の手札と捨て札置き場にある〈負傷カード〉の枚数を数えます。
そして、全員が持っている〈遺物カード〉の枚数も数えます。●「上記〈遺物カード〉の枚数<上記〈負傷カード〉の枚数」の場合。
探検隊は生還こそ遂げたものの、失ったもののほうが多く、たいした探検成果をあげられなかった。
つまり、結局ゲームオーバーです。
 ●「上記〈遺物カード〉の枚数=上記〈負傷カード〉の枚数」の場合。
いわゆるプラマイ0。せっかく探検を実行したけれど、成果もいまいちで、現状維持な人生が待っていた。
つまり、結局ゲームオーバーです。
 ●「上記〈遺物カード〉の枚数>上記〈負傷カード〉の枚数」の場合。
探検は大成功。皆は偉大な発見を成し遂げ、歴史に名を刻んだ。
つまり、ゲームに勝利した、ということです。
 今こうしてレビューを書いていても、ゲーム勝利がいかに難しいかを感じますねぇ。
実際、今回私たちは、脱出こそ達成しましたが、ゲーム勝利はならずでした。
……でも楽しかった~(笑)

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【まとめ】
このゲームの核は、なんといっても遭遇フェイズでの「チャレンジ」と〈狂気カード〉です。
なお、通常ルールでは〈狂気カード〉は1人1枚ですが、上級ルールでは最大1人3枚まで蓄積したりもします(死)
また、システムとしてよくできていると思うのが〈遺物〉と〈遺物トークン〉。
ゲームに勝利するためには、より多くの〈遺物〉を獲得しなければならない。
でも、獲得すればするほど〈遺物トークン〉の効果によって、プレイが縛られていく。
……これ、ジレンマですよね。
また、いっぱい〈遺物〉を取ろうとボード上をうろうろしているうちに脱出自体が達成できなくなってしまったり、とか。
どこまで探索を続け、どのタイミングで脱出に踏み切るか。
その判断が問われるところは、まさに探検隊の心情です。……やりがいあるぜぇ~。
 また、コンポーネントやマニュアルを問わず、各所に原作の引用文や原作シーンのイメージイラストが描かれていて、
フレーバーをとても大切にしていることが伝わります。
おかげで、プレイする際にも、作品の雰囲気が直感的に伝わる。
原作既読の人には嬉しいですし、未読の人には原作への興味が湧きます。
なにしろ、未読だった私自身がプレイした翌日から原作小説を読み始めたんだから、間違いない(笑)

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 ルールは簡潔なので、気軽にプレイできます。
そして、チャレンジ中の話し合い風景が、まーおもしろい! まー狂気!(笑)
仲良く笑ってゲームしたいときに、オススメの一作です。
 といったところで、今回の『狂気山脈』いかがだったでしょうか?
正直、爆笑必至です! 「狂気」で絶対盛り上がるから、ぜひやってみて★
……SAN値ピンチ!SAN値ピンチ!
 以上、リアルでは南極探検どころかコタツで丸くなっている、新井淳平がお送りしました。ではではまた~。
ライター紹介
 新井 淳平(あらい じゅんぺい)
【小説家】兼【フリーライター】。
最近はゲームシナリオのライティングにも携わる。
ボードゲームのプレイスタイルは、出遅れ追い上げ型。
ダイス運は、最悪だけどドラマティック。
 著書
『シンデレラゲーム』(オリジナル小説・映画化)
『猫侍 久太郎、江戸へ帰る』(ノベライズ小説)
『猫侍 玉之丞、争奪戦』(ノベライズ小説)