ボードゲームレビュー第199回「ダイスエイジ:ザ・ハント 」

「ダイスエイジ:ザ・ハント」
デザイナー:佐藤敏樹
メーカー:ホビージャパン
プレイ人数:2~4人
対象年齢:8才以上
プレイ時間:約30分

 みなさんおなじみまして! もしくは、はじめまして。
作家でフリーライターの、新井淳平です。
担当14回目となる今回ご紹介するのは、いわゆる「ダイスゲー」。
ダイスの出目=運の要素に大きく左右されるゲームです。

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 『ダイスエイジ‐THE HUNT-』。
パッケージに描かれているのは、マンモス狩りの風景。
……う~ん、ギャートルズ的な世界観ですね~。
というわけで、こちらは「原始時代の狩り」を題材にしたゲームです。
プレイは主に、多数のダイスを一斉に振って、それを出目に応じた獲物に割り振っていく、という形。
往年の名作ゲーム『Vegas(ベガス)』に近い感じですね。
詳しくは、のちの【ゲームの流れ‐1】の段落でご説明します。

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【ゲーム概要】
プレイヤーは自分の部族を率いて、マンモスやドードー鳥、木の実、などの獲物の獲得を競い合います。
4つの世代=4ラウンドを通じて狩りを行い、最も成果の大きかった部族が最強。
繁栄を極めた原始時代の覇者となる、というわけですね。
……オレたちは強い!!(くわっ)

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【コンポーネント紹介&ゲームの準備】
まず、担当カラーを示す〈プレイヤーコマ〉と、同色の〈ダイス〉を受け取ります。
ダイスには大小の2種類があって、スタート時は各自「大×1、小×4」。
大ダイスは、獲物の獲得を競う際に「1.5個分」として換算することになります。
また、ダイスの数はゲームを通じて増やしていくことができて、最大で「大×3、小×7」になります。

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 ゲームボードを広げ、ラウンドごとに使用する〈世代カード〉(Ⅰ~Ⅳ)をそれぞれ山札にしてセット。
まずは「Ⅰ」を、プレイ人数×2枚、オープンにして上下2段で並べます。今回は4人プレイだったので8枚。
これは、狩りを終えた人から順にGETしていくことができるボーナスです(上下2枚でワンセット)。
内容は、ゲーム展開を有利にする「繁栄ボーナス」と、ゲーム終了時に得点を付与する「名誉ボーナス」の2つに大別されます。
――具体的な効果は、のちほど。

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 〈獲物カード〉全28枚を山札にしてセット。
上から7枚をオープンにして、ボード上の1~6のダイス目が描かれた場所に、順に配置します。
7枚目は、矢印アイコンが描かれた「エクストラハント」という場所に配置。
〈獲物カード〉は全部で5種類あって、内訳は以下の通り。
キノミ :10点(全7枚)
ドードー:20点(全6枚)
シカ  :30点(全6枚)
サカナ :40点(全5枚)
マンモス:50点(全4枚)
なお、マンモス以外の獲物には、ゲーム終了時に追加得点となる「最多獲得ボーナス」というものがあります。
カード右上の、炎マークとともに書かれている数字がそれ。
キノミなら200点、サカナなら50点、といった具合に、基本点が低いカードほどボーナス点が高くなっています。
また、5種類全部を揃えることでも50点のボーナスが得られます。全種2セット揃えれば100点、3セットなら150点。
ボーナスを見据えて計画的に狩りをすることで、勝者を目指しましょう。
……計画というものは、目標が定かでないから失敗に終わるのだ――byローマ帝国の政治家さん。

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【ゲームの流れ‐1】
他にもいくつかコンポーネントがありますが、あとは追って紹介するとして。
ここからは実際にゲームを始めていきましょう。
スタートプレイヤーとなるのは「最近、狩りをした人」です。
……それって「最近モンハンした人」と同義では(汗)……ん? ポケモンも狩りか?
 手番プレイヤーはまず、野営地(パッケージの箱)に手持ちの全ダイスを投げ入れます。
次に、出目に応じた獲物にダイスを割り振ります。
最低1ヶ所には割り振らないといけませんが、逆に上限は決まっていません。
6ヶ所に割り振ることも可能なので、極端な話、いっきに全部のダイスを割り振ってしまうことも可能です。
……実際は、後出しのほうが有利なのでやめておいたほうがいいですが。
とにかく、任意の箇所へのダイス割り振りを終えたら、手番は終了。
今度は、時計回りで次の手番の人が同じようにダイスを振って、割り振りを行っていきます。
これを繰り返して、全員が全ダイスの割り振りを終えたら「獲物の獲得処理」に移ります。
――と、そちらに進む前に、もう少し「割り振り方」について説明しておきましょう。

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 写真を例に見ていきます(以下、ダイスの「小」表記は適宜省略します)。
出目は、2×大1個、3×4個、4×1個。獲物は基本的に、その獲物に「より多くのダイスを割り振ったプレイヤー」が獲得することになります。
ただし、割り振るときには同じ出目のダイスすべてを割り振らなければいけません(4個ある3を2個だけ、とかは無理ってこと)。
写真の場合、3を割り振ると獲物を獲得できる確率が高いです。
3の獲物がマンモスのような高得点なら得策ですね。
でも、キノミのような低得点だったら、失策です。
多くダイスを割り振るとその分、次に振れるダイス数が減ってしまい、他の獲物を獲得できる可能性が低くなってしまう。
なので、コストパフォーマンスを考えることが大事です。

ちなみに「2×大1個」を割り振った場合。
他のプレイヤーが小ダイス1個を割り振ったとしても、大は1つで「1.5個」として数えるので、獲物を獲得できます。

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 もしダイスの個数が同じだった場合は?
あとから割り振った人の勝ちになります。――ここ、『ダイスエイジ』の特徴です。
割り振ったダイスは該当の獲物のところに一列に並べて置くのですが、後方にあるダイスの所有者のほうが、優先権が高い。
ちなみに、のちの手番で割り振り足して同個数になった場合も、後方にあるダイスの所有者が獲物をGETすることになります。
 では、こちらの「2×大1個」に対して、他の人が小2個を割り振った場合はどうでしょう。
実質「1.5vs2」なので、当然、獲物は相手に取られてしまいます。
しかし、実はその場合でも無駄ではないケースがある。
――ここが『ダイスエイジ』の……い~い~と~こ~っ!
 各出目の場所=狩場で、競り負けたダイスのうち、次点にあたるプレイヤーのダイスは「エクストラハント」のところに移動します。
次点がいない場合は「エクストラハント」へ移動するダイスはなし。
ちなみに、誰も割り振らなかった狩場の〈獲物カード〉は、獲得処理の際、ゲームから取り除かれます。
……我々から逃げ切るとは、運のいいヤツめ。獲得処理は、出目1の狩り場から6の狩場まで、順に行っていきます。
そして最後に、惜しくも負け残ったダイスたちが集まった「エクストラハント」の狩場でも、同様の処理が行われる。
獲得を競うルールは、他の狩場とまったく同じです。
まず個数。次に順番。
ちなみに、前述の通り、列の後方のほうが優先権が高いので、6の狩場から落ち延びてきたダイスの持ち主が若干有利です。
「エクストラハント」では、ある意味1~6の狩場で多く負けた人ほど、獲物をGETできる確率が高い。
一人が大負けしない親切設計です。
……抽選に落ちたあとのダブルチャンス、みたいな、ね。

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【ゲームの流れ‐2】
さて、説明の順番が入れ子になってしまいましたが、実際のゲームの流れでは「獲得処理」より前に「世代カードの獲得」があります。
〈世代カード〉は、手番終了時に手持ちダイスがなくなっていた場合にGETできます。
ダイス数が少ないという劣勢にある人ほど、先においしいカードを選べる確率が高いわけですね。……よくできてるわ。
では、具体的に〈世代カード〉の内容をご紹介します。
《繁栄ボーナス》
・出産:小ダイス+1個
・成長:小ダイス1個を大ダイス1個に交換

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・来訪:無色の〈旅人ダイス〉(一時的に使えるダイス)をGET
獲得した次のラウンドのみ、自分のダイスとして一緒に振ることができます。

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・交易:〈貝殻タイル〉1枚GET
裏面に「20/30/40」の点が書かれており、ゲーム終了時に得点として加算されます。
……プレイ中は持ち主以外、点を見ないようにね☆

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・相談:手番に使用できる同名〈アクションタイル〉をGET(効果は下記)
野営地に振り入れた自分のダイスを任意の個数、1回だけ振りなおすことができる。
・威嚇:手番に使用できる同名〈アクションタイル〉をGET(効果は下記)
すでに狩場に置かれている他プレイヤーのダイス1個を振りなおさせる。
持ち主のプレイヤーは即座にそれを振りなおし、出目に応じた狩場へ改めて置きなおす。・転進:手番に使用できる同名〈アクションタイル〉をGET(効果は下記)
すべての狩場にすでに置かれている自分のダイスから2個を選び、手元に戻す。
もしダイスを振る前ならば、その戻した2個も含めて野営地に振り入れる。
振った後ならば、手元に戻したままで、次の自分の手番で、振り入れる。

《名誉ボーナス》(ゲーム終了時に加点する効果のもの)※ここではいくつかだけ紹介します。
・偉大な強きものたち:大ダイス1個につき30点
・富める一族:〈貝殻タイル〉1枚につき10点
・長老の知恵:未使用の〈アクションタイル〉1枚につき30点
・狩人の誉れ:獲得した「獲物ボーナス」につきプレイ人数×10点

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全員が〈世代カード〉の獲得を終えたら、先ほど説明した「獲物の獲得処理」に入ります。
「エクストラハント」の分まで処理を終え、狩場に並べていた〈獲物カード〉がなくなったら、ラウンド終了。
次のラウンドの準備として、新たに山札から〈獲物カード〉7枚を、各狩場へセット。
〈世代カード〉も山札から新たに、4列2段で8枚、セット(4人プレイの場合)。使う山札はラウンドに応じたローマ数字のものです。
2ラウンド目なら「Ⅱ」の山札、3ラウンド目なら「Ⅲ」の山札、という具合。
スタートプレイヤーマーカーを左隣りの人に移して、ラウンドスタート。いざ、野営地にダイスを振り入れろ!
……新時代の幕開けじゃ!

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【ゲームの終了】
ゲームは4ラウンド目が終わった時点で終了です。
ゲームボードを裏返すとそこが「得点計算ボード」になっているので、サクサクっと得点計算しちゃいましょう。
……暗算が苦手なオイラも安心。こういうところも何気に親切ですね~。
獲物基本点、獲物ボーナス、貝殻点、名誉ボーナス、の順に足していきます。
なお、獲物ボーナスの同種類最多獲得枚数が、複数人で同数の場合は、折半(1の位は切捨て)。
最終得点が同点の場合は、貝殻が多いほうの勝ち。
それも同じなら、勝利を分かち合いましょう。
……ポジピースっ☆

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【まとめ】
今回、万年ダイス運なしの私は、トーゼン勝てませんでした。
でも「エクストラハント」など、よくできたゲームバランスのおかげで、いいセンいきました(嬉)
冒頭でも名前を挙げた類似作『Vegas』も何回かプレイしていますが、個人的にはこちらが好みです。
ダイス運だけでは勝負にならない自分としては、「獲物ボーナス」などの程よい戦略性があるのが素敵。
楽しかったので、勇んでレビュー担当の名乗りを上げました。
……ダイスゲーのレビューに進んで名乗りを上げるとは、我ながらアメイジング(笑)
プレイ時間も軽すぎず重すぎず、いい感じの満足感です。
日に何本か遊ぶときの、1、2本目くらいに向いてるんじゃないかな?
もしくは、重ゲーのあと疲労しきったところで、サクッともう一作、といった感じ。

なお、今回は4人プレイでしたが、2~3人プレイでは「蛮族襲来」というバリアントルールが追加できたりします。
機会があれば、ぜひこちらも試してみてください。

 ――電子ゲームの狩りもいいですが、ときにはボードゲームの狩猟もいかが?
 といったところで、今回の『ダイスエイジ』、いかがだったでしょうか?
以上、ハンタータイプ診断なら「特質系」の、新井淳平がお送りしました。ではではまた~。
ライター紹介
 新井 淳平(あらい じゅんぺい)
【小説家】兼【フリーライター】。
ペンネームでゲームシナリオのライティングにも携わる。
ボードゲームのプレイスタイルは、出遅れ追い上げ型。
ダイス運は、最悪だけどドラマティック。
 著書
『シンデレラゲーム』(オリジナル小説・映画化)
『猫侍 久太郎、江戸へ帰る』(ノベライズ小説)
『猫侍 玉之丞、争奪戦』(ノベライズ小説)