ボードゲームレビュー第207回「カヴェルナ:洞窟対決」

「カヴェルナ:洞窟対決 」
デザイナー: ウヴェ・ローゼンベルク
メーカー:ホビージャパン
プレイ人数:1~2人
対象年齢:12才以上
プレイ時間:約20分

毎度どうもコンニチハ、ライターの松風です。
最近ちょっと重いめのゲームばかりご紹介してましたので、ここらでいっちょサクッと軽く遊べるゲームでも行ってみましょうか!
というわけで今回のタイトルはこちら、『カヴェルナ:洞窟対決』です!!

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『カヴェルナ』といえば、ドワーフ一族を率いて洞窟を開拓したり森林を伐採して農場を作ったりしながら、生活圏を拡げていく箱庭系ワーカープレイスメントゲーム。
2013~2014年にかけて世界各地で数々のゲーム賞にノミネートされ、同じ系統の『アグリコラ』と比較してより完成度が高いと評されることもあるくらい、このジャンルでは名作と言われています。
まぁ、同じデザイナーの後発作品なので、当然といえば当然かもしれませんが!
ただ、元の『カヴェルナ』では最大7人までプレイ可能ということで、コンポーネントの数が膨大になったり、プレイ時間が伸びたりといった難点もありました。
今回の『カヴェルナ:洞窟対決』では、思い切ってプレイヤー人数が2人になったことで、より簡単かつスピーディに遊びやすくなっています。
そういえば『アグリコラ』にも、2人用ゲームがありましたね……。
「どの辺が変わったの?」と、気になる方もいらっしゃるでしょう。
主な点としましては、重ゲーだった『カヴェルナ』から、畑を耕したり家畜を飼ったり家族を増やしたり、といった煩雑になる要素はバッサリカット。
洞窟を掘って部屋を建てていくことに特化したゲームへ、生まれ変わりました。
「シンプルすぎてもはや別ゲーじゃない?」と言われるかもしれませんが、個人的にはそれでいいと思います。
ギミックの一つに特化したゲームは初心者にもオススメしやすく、本家のゲームへの導入にもなるので歓迎したいトコロですね!
ではセットアップから見ていきましょう。

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まず『アクションボード』を広げます。
ボードは表裏両面にマスが描かれていますので、プレイ人数に合わせた面を上にして置きましょう。
そして『アクションタイル』の中から、裏面にドワーフが描かれている4枚を表向きにして、左端のマスから好きな順に置いていきます。
残りは全部適当にシャッフルし、数字に従って裏向けたまま、対応するマスに並べます。
これらがラウンドごとに選べるアクションの種類になるのです。

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次に各プレイヤーに『洞窟ボード』を配り、『品物トラック』の1のスペースに最初の所持品(木材、石材、小麦、亜麻、食料、金塊)を置いておきましょう。
金塊のマーカーは裏面に「+10」と書かれていますが、最初はその面を下にしておきます。

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『品物トラック』を見てもらえれば分かる通り、各『品物マーカー』は最大9個までしか持てません(それ以上獲得しても無くなってしまうのです)。
例外的に、金塊だけは10個を越えて持てるので、そういう書き方になっているわけですね。

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さらに『部屋タイル』を分類しましょう。
はじめに裏面が薄い灰色をした6枚は表向きにして『アクションボード』の近くにプレイヤー共通の『タイル置き場』を作り、そこに並べます。
裏面が濃い灰色をした18枚は裏向きのままよく混ぜて、こちらはお互いの『洞窟ボード』の空いているマスに並べていきます。
ただし、エントランスホールのすぐ上にある禁止マークの描かれたマスは、空けておきましょう。

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その他のマーカーやタイル類は、まとめてお互い手の届く所に置いておきます。
適当にスタートプレイヤーを決めたら『スタートプレイヤーマーカー』を渡して、ゲーム開始です!
慣れれば5分とかからずセットアップが終わる、このお手軽さは魅力の一つですね。

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さて、このゲームでは毎ラウンドの頭に『アクションボード』上の『アクションタイル』を順にめくって、アクティブな状態にしていきます。
そして裏向きになった『アクションタイル』を数えれば分かる通り、このゲームは8ラウンドプレイされたら終了となるのです。

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手番プレイヤーは、初期からオープンになっているタイルと新たにめくられたタイルを合わせた中から、決められた回数のアクションを行います。
具体的には、ボード上の『アクショントラック』のすぐ下に描かれているドワーフの人数が、アクション回数を表しているのです。
つまり、最初の3ラウンドは2回、続く4ラウンドは3回、最後の8ラウンド目には4回のアクションが行えるというわけですね。

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使うアクションが決まれば、そのタイルを取って自分の手元に置きましょう。
先手プレイヤーに取られたタイルに描かれたアクションは、当然ながら後手プレイヤーには行なえません。
なので相手に取らせたくない行動は、あえて率先して取りに行くのも一つの手です。
ただし、ラウンド数が限られた中で、今必要なアクションを放棄してまで邪魔をしに行くのは、あまり得策ではないと思われます。
規定の回数アクションを行えば後手プレイヤーのターンを回し、お互いアクションをし終えたらラウンド終了です。
使用したアクションタイルを元の場所に戻し、『スタートプレイヤーマーカー』を相手プレイヤーに渡します。
(つまり同じプレイヤーが、後手と先手を続けて行うことになります)
基本的にはこれを繰り返すだけですので、ゲームの流れ自体は拍子抜けするほど簡単ですよね。
では、具体的に『アクションタイル』にはどんなアクションが書かれているのかと言いますと、以下の9種類に分けられます。
・品物を受け取る……『品物トラック』上で該当する品物の数を増やします。
・品物を交換する……いくつか品物を消費して、別の品物を手に入れます。品物の種類はタイルによって決まっています。
・壁を作る……部屋を作る条件として壁を作ります。詳しくは後述。
・壁を取り除く……邪魔になった壁を壊します。
・洞窟を掘る……新しい部屋を作る下準備として、スペースを確保します。
・部屋を作る……作った部屋は固有のアクションを発揮するようになります。
・部屋タイルのアクションを使う……『アクションタイル』の効果で『部屋タイル』のアクションを行えます。
・品物を補充する……一定数まで全ての品物を確保します。当然、指定された数以上持ってる品物は変動しません。
・いつでもできるアクション……1アクションで何度でも小麦、亜麻、金塊の1つを食料1つに交換できます。これのみ『アクションタイル』を使いません。
主な行動としては、やはり『洞窟を掘る』と『部屋を作る』になるでしょう。
なんせ『部屋タイル』の右上に描かれた盾のアイコンにある数字が得点になるので、部屋を建てるのが勝利への近道と言っても過言ではありません。
最終的に、建てた『部屋タイル』の得点と、持っている金塊の数を合計し、多いほうが勝者となります(金塊以外の品物はいくら持っていても無関係です)。

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部屋のスペースを確保するためにも、なるべく早い段階から『洞窟を掘る』のがオススメです。
『洞窟を掘る』際は、(当たり前ですが)入り口から通路がつながっているマスしか掘ることが出来ません。
いきなり奥まった場所に空洞が出来たりはしないのです。
掘ったスペースにあった『部屋タイル』は、ボード上から取り除かれ、一旦共通の『タイル置き場』へと表向けて置かれます。
こうやって作ることのできる部屋の種類が、増えていくわけなのです。

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それから『部屋を作る』ためには2つほど条件がありまして、それが『壁の位置』と『建設コスト』です。
『部屋タイル』の上半分、木の板みたいな背景の部分に描かれているのが『建設コスト』で、右側に描かれた箱みたいな図が『壁の位置』になります。
要はこの通りに壁がある場所でないと、この部屋は建てられないよ、という縛りですね。

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黒い壁は絶対に必要ですが、白い壁はあってもなくてもOK。
ただし壁の描かれてない方向に壁があるのはNGです!
タイル自体は回転させて置くのもOKですので、ある程度置き場所に融通は利きます。
しかし、中には四方を壁に囲まれてないと建てられない部屋なんかもあったりして、一筋縄ではいかないでしょう。
『壁を作る』のは『アクションタイル』で行いますが、『壁チップ』は枚数が限られているので、作るなら早い者勝ちでもあります。
一度建てた部屋は『壁の位置』が変わっても効果が無効になったり壊れたりしませんので、邪魔になった壁はどんどん取り壊してもいいかもしれませんね。
ちなみに洞窟の内周は全て、取り除けない壁と見なします。

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さて、『部屋タイル』にはオレンジ色のものと青色のものがありますが、どう違うのか気になりますよね?
簡単に言いますと、オレンジの部屋は能動的にアクションで使うもの、青の部屋は該当するアクションが行われたら付随して効果を発揮する受動的なものになります。
『アクションタイル』にはオレンジ色のボックスに1~3までの数字が描かれたものがありまして、これがオレンジの部屋の効果をいくつ使えるか、というアクションになっているわけですね。
「3」と書かれたボックスのタイルを選んだら、3つまでのオレンジの部屋の効果を使用できるというわけです。
ただし、1手番中に同じ部屋の効果は1回しか使うことは出来ません。
なので、一度使用した部屋の上にはⅠ~Ⅳの『アクションマーカー』を置いて使用済みであると示します。

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また、『部屋を作る』のに必要なコストを集めるために、それぞれの品物を増やしていくのも大事なステップです。
色々ある品物の中で最も集めにくいのは、やはり得点にもなる金塊でしょうね。
『エントランスホール』のアクションでも手に入らず、基本的には他の品物と交換で手に入れるしかありません。
しかし、『部屋タイル』の中には効率よく金塊を得る効果を持ったものもありますので、こういった強い部屋を狙うのもアリでしょう。
例えば『金庫』というタイルは3金を支払えば、4金と1食料が出て来るというシロモノです。
正に錬金術!
首尾よく全ての洞窟マスに『部屋タイル』を置くことができた最初のプレイヤーは、『追加の広間タイル』というものをもらうことが出来ます。
これは一部屋分の空きマスになっていまして、さらに『部屋タイル』を置けるボーナスタイルになっています。
単純に部屋の得点を多く持てるので、狙わない手はありませんよ!

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限られたラウンド数の中で、どんな順番でアクションをこなしていくのか、を考えるのが楽しいゲームです。
掘った洞窟の中に、どんな部屋をレイアウトするかで悩むのもワクワクしますね!
『祭壇』や『設備室』、さらには『隠し部屋』や『地下室』なんかを作っていると、なんだか自分専用の秘密基地を作っているような気分にもなれます。
プレイがサクサクと進む割りにはしっかりと頭を使うデザインで、箱庭系の面白さをコンパクトにまとめた良作と言えるでしょう。
『カヴェルナ』のコンポーネントに尻込みした人、手軽に遊べる箱庭ゲーを求めている人などにオススメです!
といった所で、今回のゲームはいかがだったでしょうか?
それでは、また次の機会にお会いしましょう。
ライター紹介
松風志郎(まつかぜ しろう)
ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。
代表作
歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
その他多数。