ボードゲームレビュー第209回「私が夢見るとき」

「私が夢見る時」
作者:クリス・ダーサクリス
メーカー:ホビージャパン
プレイ人数:4~10人
対象年齢:8才以上
プレイ時間:約30分

みなさんおなじみまして、もしくは、はじめまして。作家でフリーライターの、新井淳平です。
担当17回目となる今回、私がご紹介するのは「夢」を題材としたゲーム。
「アメリカン・ドリーム」のほうじゃなくて、寝ているときに見るほうのやつね。
みなさんはどんな夢を見てますか?
……え?「武装したゴリラが行進している夢」?……話が合いますね(笑)

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【ゲーム概要】
タイトルは『私が夢見る時』。……わかりやすいド直球ネーミングっ(ドヤ)
まず、手番となるプレイヤー一人が「夢見る人」になります。……いや、ガチ寝はアカン。要は、目隠しするってことね。
卓の真ん中にお題となるカードを置き、「夢見る人」がそこに書かれたキーワードを当てる。制限時間は、砂時計の砂が落ちきるまでの2分間。
他のプレイヤーは、自分の役に応じて一人ずつ順番にヒントとなる単語を言っていきます。
役は「妖精」「睡魔」「ブギーマン」の3種類あって、『人狼ゲーム』に例えるなら「村人」「狂人」「人狼」みたいな感じ。
つまり「ブギーマン」は、「夢見る人」が混乱するような「嘘ヒント」を言うわけですね。
……あ、ちなみにブギーマンってのは、親が子どもの躾のための方便として話すことのある怪物のことです。
「早く寝ないとブギーマンが来るわよ」みたいな。イングランド発祥らしいですが、まあそこは諸説あり。
……「なるほど、《しまっちゃうオジサン》的なヤツか」と思ったあなた。気が合いますね(笑)
ともあれ、「夢見る人」はキーワードがわかった時点で即回答。それが正解でもハズレでも、そこで次のカードに移ります。
そこからまたみんながヒントを出していって、という同様の流れを繰り返していき、時間切れになったところで終了。
「夢見る人」は基本的に正解数が得点に、「ブギーマン」なら不正解数が得点に、といった具合。
全員が「夢見る人」を1回ずつ担当したらゲーム終了。全ラウンドの合計得点が高かった人が優勝となります。
……You are Dream-King of kings! ……って、英語あってる?(アホ)

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【コンポーネント紹介&ゲームの準備】
まずはお題となる〈夢カード〉(110枚)を、シャッフルして山札にします。
カードは、片面に上下1つずつキーワードが書かれているうえ、裏面も同様の造りなので、上下表裏にもシャッフルが必要です。
キーワードの種類は「110枚×上下2個×裏面2個」で、実質、なななんと440種類。……アメイジング!
これだけあれば、繰り返してのやり込みプレイにも安心ですね☆
絵柄も『ディクシット』を彷彿とさせる幻想的なタッチで、好感です。

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山札は、ゲームボード中央の「ベッド」に置きます。
そこへ「枕」を設置すると、2つあるキーワードの片方が自然と隠れて、お題が決定。
写真のカードなら、「夢見る人」が当てるのはカード下部に書かれた「ヒツジ」というキーワードになります。
ヒントとしては、「動物」とか「毛皮」「もこもこ」なんて辺りが順当でしょうか?
「夢見る人」の回答があったら、他プレイヤーはこのカードを、正解ならベッド左手側の黄色エリアへ、不正解なら右手側の青色エリアへを移動。
続けて、下から出てきた次のカードのキーワードに関するヒントを出していきます。
時間が限られているため、ヒントはポンポンとスピーディかつ直感的に出していきましょう。どうしても思いつかないときは「パス」もアリです。
また、5秒以上出なかったときは、もう飛ばして次のプレイヤーがヒントを言ってOK!……というか、そういうルール(笑)
……テンポが大事。悩まずいこう!
ちなみに、「夢見る人」も「パス」アリです。頭を抱えて唸るよりは、いっそ思い切ってパスしちゃいましょう!
待てば待つほどヒントの量は増えていきますが、1つのお題に貴重な時間を食われるぐらいだったら、さっさと次にいくほうが懸命です。

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山札のセッティングができたら、次は役職を決めます。
手番となる「夢見る人」は、〈夢の精霊カード〉をシャッフルして、他プレイヤーに1枚ずつランダムに配ります。
あ、ちなみにスタートプレイヤーは、最年長者です。
〈夢の精霊カード〉の種類は、冒頭でもご紹介した通り「妖精」「睡魔」「ブギーマン」の3つ。
内訳はプレイ人数に応じて決まっていて、今回は4人プレイだったので「妖精×1/睡魔×2/ブギーマン×1」でした(マニュアル参照)。
……受け取った〈夢の精霊カード〉の内容は、他の人に見られないように気をつけてね☆

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役によって得点の入り方が違うので、結果的にヒントの出し方も変わってきます。ざっとこんな具合。
・妖精:黄色エリアに置かれたカードの枚数(「夢見る人」の正解数)×1点が得点 → 正解するようなヒントを出す。
・ブギーマン:青色エリアに置かれたカードの枚数(「夢見る人」の不正解数)×1点が得点 → 間違うようなヒントを出す。
・睡魔:黄色エリアと青色エリアの枚数を比較して、下記のように得点 → 正解・不正解が均等になるようヒントを出す。
「黄青同数」…黄色(正解数)×1点+ボーナス2点 / 「黄青1枚差」…多いエリアの枚数×1点 / 「黄青2枚以上差」…少ないエリアの枚数×1点
※「夢見る人」は、正解数×1点と、のちほど【ゲームの流れ】で説明する〈夢を思い出す〉に成功すると「+ボーナス2点」です。

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役職も決まったら、ここでついに、このゲームの旗印となる同梱アイマスクの登場(サイズはやや控えめ)。
「夢見る人」がこのアイマスクをつけたら、他の誰かは〈夢カード〉の一番上の1枚を取り、山札の一番下に入れます。
そして、掛け声一閃、砂時計をひっくり返して夢見スタート!

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【ゲームの流れ】
だいたいの流れはすでにお伝えしましたが、ここでわかりやすくまとめてみましょう。
●夜フェイズ
1、役割の決定(「夢見る人」以外のプレイヤーは〈夢の精霊カード〉で「妖精」or「睡魔」or「ブギーマン」の役を決定)
2、夢をみる(砂時計を返して、2分間のヒント出しと回答。時間切れの後、「夢見る人」は最後に一度だけ回答可能)
※ヒントを出す際「キーワードそのまま」や「同音語(正解が「橋」のとき「箸」など)」を言ったらペナルティ。
カードを新しく次のカードにして、「夢見る人」にもカードの更新を伝える。ペナルティを犯したプレイヤーは1回につきゲーム終了時に「−1点」。
●昼フェイズ
1、夢を思い出す(「夢見る人」は、回答した全キーワードを使って物語形式にして、どんな夢を見たか語る。その後、アイマスクをはずす)
2、点数の獲得(※当レビュー前述の通り。「夢見る人」は〈夢を思い出す〉で、正解したカードの全キーワードを言えていたらボーナスの2点もGET)
3、ラウンドの終了(使った〈夢カード〉全部を山札の下に入れ、〈夢の精霊カード〉全部を回収。次の手番の人がアイマスクを持って、次ラウンドへ)
●ゲームの終了(全プレイヤーが「夢見る人」を1回ずつ担当し終えたら)
全ラウンドのポイントを合算。ペナルティ分があれば、その分を引いて、最多得点者が優勝。
もし同点の場合は、ペナルティの少ないほうが勝ち。そこも同じなら……そう、仲良く勝利を分かち合いましょう!ポジピース♪

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【まとめ】
「このゲーム、おっもしれぇっ♪」が第一印象です(笑)
正直、難しい要素はいっさいなく、ヒントも回答も連想するに任せて気軽にポンポン言うだけ。ちびっこでも誰でも楽しめます。
さらに、慣れるとテンポもどんどん良くなっていき、どんどん楽しくなっていきます。
夜フェイズ中は「夢見る人」に正解か不正解かバレちゃいけないんで静かなんですけど、昼フェイズはワイワイ。
「アレ惜しかったよ」とか「そっか、◯◯だったかあ~」などなど、おさらいトーク満開です☆
……これこそ、このゲームの……い~い~と~こ~!
ちなみに勝つためのポイントは……
「夢見る人」担当時に、発言者の役職を見抜くこと、が一つです。
1人だけ違和感のあるヒントを出している人がいたら「ブギーマン」かもしれません。なので、そのヒントは無視ムシ。
他のヒントをまとめ上げて、連想するキーワードを素早く答えましょう。
……って、どの役職が何人いるかもわからないんで、けっこう見抜けないもんなんですけどね(汗)
ポイントのもう一つは、回答するタイミング。
待っていればヒントはどんどん増えていくので、当たる確率もだいたい上がっていきます。
でも時間がなくなっちゃうので、大量正解はできなくなってしまう。折り合いのつけどころですね。
あと、いっぱい回答すると〈夢を思い出す〉のとき苦労します。
私は11個と大量に回答したのですが、3つくらいしか思い出せなくてボーナス取れませんでした(泣)
ちなみに、正答できたのは11個中4つ。
私が「夢見る人」だったときの「ブギーマン」担当者が上手かった。
「中国」「白黒」とヒントが来てからの、「ゲーム」というヒント。私は咄嗟に「オセロ」と答えてしまって間違えました(爆)
このときの正解は「パンダ」。手前2つのヒントで冷静に考えたら当てられたはずなのに……悔し~ぃっo(>_<)o

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あと、ちょっと思ったのですが、初回プレイのときは「夢見る人」担当の手番順が遅いプレイヤーのほうが有利な気がします。
なぜなら、後のほうがみんなヒントの出し方に慣れているから(笑)
今回、私の「夢見る人」担当番は最後だったのですが、ヒントの出てくるスピードが迅速なこと迅速なこと。
プレイ自体は初見でもおもしろいですが、勝負的な観点からすると、きっと2回目からが本番ですね!
ともあれ、目隠しをしてイメージの海を漂う感覚は一種独特。ぜひ体験していただきたい。
みなさんも『私が夢見る時』をプレイして……「いい夢見ろよ!あ~ば~よっ!」
――といったところで、今回はここまで。
以上、「バルタン星人に監禁され燃やされる夢」を見たことがある、新井淳平がお送りしました。ではではまた~。

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【ライター紹介】
新井 淳平(あらい じゅんぺい)
「小説家」兼「フリーライター」。
ゲームシナリオのライティングにも携わる。
ボードゲームのプレイスタイルは、出遅れ追い上げ型。
ダイス運は、最悪だけどドラマティック。
【著書】
『シンデレラゲーム』(オリジナル小説・映画化)
『猫侍 久太郎、江戸へ帰る』(ノベライズ小説)
『猫侍 玉之丞、争奪戦』(ノベライズ小説)