ボードゲームレビュー第210回「フィールド・オブ・グリーン」

フィールド・オブ・グリーン
作者:ヴァンゲリス・バギアルタキス 作
メーカー:アークライト
プレイ人数:2~4人
対象年齢:12才以上
プレイ時間:約45分

 


 

どーも皆さんこんにちは。ライターの松風です。
3月に入りまして、季節はもうじき春。
ということで、春から心機一転、新しい生活をはじめる方もいらっしゃることでしょう。
そんなちょっと新鮮な気分を味わえるようなゲームを遊びたい、という時にオススメしたいのが今回のタイトル。
その名も『フィールド・オブ・グリーン』です!

プレイヤーは都会での生活に疲れ果て、脱サラして田舎に移住し、農家になると決めた人。
政府から農業支援プログラムを受けて一念発起、大農園を作るために奮闘する、といった内容になっています。
「嗚呼、夢のスローライフよ!」って感じでしょうか。
でもこれが口で言うほど楽な生活じゃないのは現実でもゲームでも同じなわけでして……。

ゲームは全部で4ラウンド。
これが政府の支援プログラムを受けられる4年間に相当します。
少ないように思われるでしょうが、1ラウンドが結構時間かかりますので、もしかすると重ゲーの部類に入るかもしれません。
この辺は慣れ次第でしょう。

内容は、ざっくりと言ってしまうと、カードドラフトを行う拡大再生産ゲーという感じですね。
プレイヤーたちは、毎ラウンドの頭に『畑』『家畜』『施設』『建物』と4種類ある『場所カード』を6枚ずつ好きな配分で取ります。
そこから1枚を選んで自分の農場へ配置するのですが、この時取ったカードを破棄してお金に変えたり、『給水塔』や『サイロ』といった施設を取ることも出来ます。
残ったカードは『ラウンド記録タイル』の指示に従って左右どちらかのプレイヤーに渡します。

これを6枚使い切るまで繰り返し、最後に『収穫』フェイズを行えば1ラウンドは終了です。
といった感じで、ルールそのものはものすごく単純ですね。
でもカードが回ってくるたびに、どれを取るかあれこれ悩んじゃいますので、プレイ感覚は割りとガッツリ系。

そうは言っても、最初は何を取っていいか分からないよ、という方向けに、あらかじめカード配分が決まった『簡易モード』も用意されています。
まぁ、何はともあれまずは『畑』カードを多めに取っておくのが、後の展開を考えるとベターな選択でしょう。

『場所カード』を農場に設置するには、既にある自分のカードと隣接する場所に置く、というルールがあります。
各プレイヤーは最初に『給水塔』と『サイロ』を1枚ずつ渡されますので、これを起点にして農場を広げていくわけです。

また、『場所カード』の左上には農場に設置するためのコストが描かれています。
大体は『コイン』を支払うのですが、中には水滴のアイコンや麦のアイコンが描かれている場合もあります。
水滴アイコンはそのカードを設置する時に必要な『水トークン』を、麦のアイコンは同じく『食料トークン』を示しています。
これらを支払うために『給水塔』や『サイロ』に水や食料が残っていないと配置できないわけですね。

そして『水トークン』を必要とする『畑』は、『給水塔』から2マス以内に配置しないといけません。
それ以上の距離に水を引くのは難しいんでしょうね。
必然的に、『畑』が拡がると『給水塔』は一か所だけでなくあちこちに建てることになるでしょう。
ちなみに『家畜』に必要な『食料トークン』を溜めておく『サイロ』には距離の制限はありません。

うまく『場所カード』を配置し終えたら、ラウンド最後に『収穫』フェイズがやってまいります。
カードの右下に『収穫』と書かれている『場所カード』に、コストである『水トークン』や『食料トークン』を支払うことで、カードに書かれた効果を受けることが出来ます。
(ちなみに『即時』と書かれたカードは設置時に1度だけ効果を発揮して、『収穫』フェイズでは無視されます)
上手く行けば、『勝利点トークン』や『コイン』、『食料』などがガッポリ手に入るでしょう。

しかし、もしコストを払えなかったら……残念! その『場所カード』は荒れ果てて、『荒廃地』になってしまいます。
こうなるとカードは裏向きに置かれ、以降ここから恩恵を受けることが出来なくなってしまうのです!
次のラウンド中に、ドラフトで得たカードを捨てて1コインを銀行に支払うことで修復できるのですが、その分だけ手が遅くなってしまうのが痛いですよね。
なので、必要なコストを払えるだけのカード(畑や給水塔など)を揃えておくのがこのゲームの鉄則です。

また、『施設』カードの中には『農業資材』と呼ばれるタイルをゲットできるものもあります。
これは『場所カード』に装備できるアイテムでして、1つの『場所カード』に対して2つまで『農業資材』を装備できます。
『農業資材』の中にはコストを肩代わりしてくれたり、給水距離を伸ばしてくれたりといった強力な効果もありますので、獲得できるチャンスが有れば狙ってみるのもいいでしょう。

こうして4ラウンドをプレイし、最終的に『勝利点』を最も多く稼いだプレイヤーが、優良農園主として政府から表彰されることになります。
『勝利点』は『収穫フェイズ』に稼ぐものの他に、『場所カード』に付属していたり、残った『食料トークン』や『コイン』も換算されます。
変わったところでは、『水トークン』が空っぽの『給水塔』1つにつき1勝利点、なんて条件もあったりするのがあなどれないトコロです。

やはり農園が拡大していくと『場所カード』によるコンボが生まれていくのがアツいポイントですね!
ラウンド開始時にもらえる『コイン』だけでは到底ドラフトで得るカードのコストを賄いきれなくなっていきますので、『収穫』で得られるお金や食料は本当に重要です。
また、『水トークン』も毎ラウンド2個しか得られませんので、一度建てた畑にコストを払うには『給水塔』の建て増しも必須になってくるでしょう。

というわけで、1ラウンド6回という手番の中で、いかに効率よく農場を発展させていくかが非常に悩ましく、また面白いゲームに仕上がっています。
他のプレイヤーを直接妨害する要素などはありませんので、後はもうただひたすら自分の農園を完成させる事に没入していけますよ!
シンプルなルールで遊べる拡大再生産ゲームがお好きなら、一度はプレイしてみてください。
ただちょっとした注意点として、遊ぶ時はなるべく広いテーブルを使われるのがいいでしょう!
『場所カード』は結構奔放に広がっていきますからね!

といった所で、今回のゲームはいかがだったでしょうか?
それでは、また次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。

代表作
歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
その他多数。