ボードゲームレビュー第213回「ドリームホーム」

「ドリームホーム」
制作:クレメンス・カリツキ
メーカー:アークライトゲームズ
プレイ人数:2~4人
対象年齢:7才以上
プレイ時間:約30分

 


 

みなさんおなじみまして、もしくは、はじめまして。作家でフリーライターの、新井淳平です。
2018年も4月に差し掛かり、新生活が始まった方も多いのではないでしょうか?
かくいう私はなんら変わりない生活なんですけど(笑)
でも、初めて一人暮らしを始めた頃なんかは、ワクワクしたものでしたね~。
給料が入るたびに、少しずつ家を自分色にカスタマイズしていって……って、そうそう。
今回は、そーいうゲームなんですよ。
というわけで、担当19回目となるレビュー、スタートです。

タイトルは『ドリームホーム』。

パッケージ下部に「憧れのおうちを夢見よう」とある通り、マイホームを作っていくゲームです。
といっても『キャプテンリノ』(レビュー第193回掲載)みたいに家自体を建てるわけではなく、作るのは内装のほう。
しかも、夢の一軒家……アメイジングっ♪

【ゲーム概要】
プレイヤーはまず、個別ボードとなる〈家ボード〉を受け取ります。
〈家ボード〉には12のマスがあり、ゲームを通じて手に入れた〈部屋カード〉を、1枚ずつここに配置していきます。
また、配置した部屋にはさらに家具などの〈装飾品〉を置くことができて、それにより評価点をアップすることも可能です。
ゲームは全12ラウンド。山札が尽き、ボードの全マスが埋まったところでちょうど終了となります。
出来上がった家に評価=採点が下り、得点の最も高かった人が優勝。……グッドデザイン賞って感じかな?

【セットアップ&ゲームの流れ】
ゲーム盤を卓上中央に置いて、〈資材カード〉48枚を上段に、〈部屋カード〉60枚を下段に、山札にしておきます。
〈資材カード〉を4枚オープンして並べ、その下に、〈部屋カード〉を5枚、オープンにして配置。
これらのカードは上下でワンセットとして、手番のプレイヤーから順に、好きなセットをGETしていくことになります。
なお、〈資材カード〉の山札に一番近い「家マークのマス」は空欄にしておき、ここを選んだ人は次ラウンドでスタートプレイヤーとなる権利が得られます。
……ゲーム開始時のスタートプレイヤーは「最年少の人」ね。
プレイヤー全員がセットの獲得を終えたら、1ラウンド終了。
残ったカードは捨て札にして、〈資材カード〉と〈部屋カード〉を山札から同様の形に補充。次のラウンドに移行します。
……なんと簡潔なゲームの流れっ。
ちなみに、〈資材カード〉は主に、お助け効果や追加得点などの効果のあるカード。
〈部屋カード〉は、自分の〈家ボード〉に配置することで、メインの得点となるカードです。

勝負どころは、なんの部屋をどのように配置するか、です。
例えば〈リビング〉。このカードは1枚では1点ですが、2枚並べる=拡張すると、4点のセットになります。
さらに、3枚並べると、9点セット。つまり、1枚あたり3点の価値になるわけですね。
こうして、カードの組み合わせや並びによって、より高得点=高評価の家を作っていく。
いわゆる「セットコレクション」=カードをうまく集めることが勝利に繋がるゲームです。
ちなみに、拡張扱いになるのは真横に並んだ場合のみ。間に1枚別のカードが挟まってしまうと別室扱いになります。
あと、上下に隣接していてもフロアが違うので1部屋にはならず、拡張にはなりませんので気をつけましょう。
何枚で何点になるかは、各〈部屋カード〉にアイコンで記載されているのでそちらをチェック。
また、部屋の種類によって最大拡張数が決まっていて、それ以上の数は隣接して置けません。
〈リビング〉は3枚が最大拡張数なので、4枚並べては置けない、ということですね。
その他にも設置のルールがいくつかあるのですが、それはのちほどご説明します。

〈部屋カード〉は大きく分けて3種類あります。

・「基本部屋」=〈リビング〉〈キッチン〉〈子供部屋〉など、基本的生活用途の部屋。設置するだけで得点になります。
・「特殊部屋」=〈サウナ〉〈食料品置き場〉〈衣装部屋〉など、いわば贅沢品的な部屋。
設置得点以外にも、記載の特定条件を満たすことで追加得点になります。例えば「浴室の隣に設置すると3点」等。
・「地下室」=〈車庫〉〈作業場〉〈ワインセラー〉など、地下階に適した施設。
……ん? 車庫って地下か?
そこはまあ海外発のゲームですから、あちらの感覚ですよね。……欧米かっ!

【設置のルール】
〈家ボード〉のマスは縦3段になっていて、一番下段の2マスが地下室。上の2段(横5マス×2段)が地上階となっています。
このマス目に獲得した〈部屋カード〉を設置していくわけですが、設置には条件があります。
わかりやすく箇条書きで列記したいと思います。
・「基本部屋」と「特殊部屋」は、地上階(上2段)でないと置けない。「地下室」は、最下段の2マスにしか置けない。
・〈部屋カード〉の最大拡張数以上には並べて設置できない。
・真下のマスが空いている場合、その上段には部屋を設置できない。
これはいわば、1階ができてないうちに2階は作れない、といったことですね。
……現実的に考えると当たり前のことですが、なかなかリアルなことを求めるゲームですな(汗)

この3つ目の縛りがあることで、カードを設置していくおおよその順番が決まります。
まずは中段左側。下段左にはマスがないので、この位置はスタート直後からカードを設置できます。
次はその上、または、下段の地下室。地下室が埋まれば、その上である中段右側も置けるようになります。
ここまでできてようやく設置できるようになるのが、上段右側。
およそこの手順で設置していくことになるので、カードをGETしていく際にも、しっかり考えておかないといけません。
また、一度設置したカードは基本的にもう動かせないので……家づくりは慎重に!

もし、手に入れたカードが、ルール上どこにも置けない場合は、裏面で設置することになります。
これは「空き部屋」といって「0点」。

写真左上の状態が、裏面=空き部屋。

これは、詰まないための救済措置ではありますが、「空き部屋」を作ってしまうと大損。優勝が大きく遠のきます。
高めを狙うのも大事ですが、地に足のついた設計をしないと、足元をすくわれてしまうのでご注意ご注意。
なお、この空室の設置も、3つ目の縛りは適用されますので悪しからず。

【資材カードの種類&ボーナスの達成条件】
〈部屋カード〉と同様に〈資材カード〉にも、大きく分けて4つの種類があります。
・「道具カード」=〈家ボード〉の脇にオモテ向きで置いておき、ゲーム中の任意タイミングで使用。
※「〈ゲーム盤〉に置かれている〈部屋カード〉2枚の位置を入れ替える(手番にカードを取る前に使用)」など。

・「協力者カード」=〈家ボード〉の脇にオモテ向きで置いておき、得点計算のタイミングで使用。
※「自分の〈家ボード〉上の〈部屋カード〉1枚と捨て札の1枚を置き換える(ゲーム終了時、得点計算前に使用)」など。

・「装飾カード」=対応する〈装飾トークン〉を得て、自分の〈家ボード〉上の該当する部屋に設置してもよい。
※「天蓋付きベッド:寝室に設置(2点)」など。
なお、〈装飾トークン〉を一度設置してしまうと、その部屋は完成したとみなされ、それ以上拡張できなくなってしまいます。
例えば、〈寝室〉が1枚のときに上記トークンを置いたら、もうその隣に〈寝室〉を置くことはできなくなる、ということ。
追加得点GETのチャンスですが、〈装飾トークン〉設置のタイミングにも気をつけないといけません。

・「屋根カード」=「赤・茶・橙・紫」の4色が、数枚ずつ存在。各色に「窓付屋根」が1枚あり、それは「+1点」。
GETしたら〈家ボード〉の地下層マスの左側に伏せて置いておき、ゲーム終了時にオープン。
一度伏せたら持ち主のプレイヤー自身も終了時まで内容を確認できません。
オープンしたら、採用する4枚を決めます。何枚持っていても、採用できるのは4枚のみ。
4枚あれば屋根が完成したということで、追加点「+3点」。3枚以下なら追加点はなし。

〈資材カード〉の種類は以上の4種です。
さて次に、ゲーム終了時に達成していたら、ボーナス点が得られる条件3つをご紹介。
・地上1階と2階のそれぞれに〈浴室〉がある → +3点
・〈浴室〉〈キッチン〉〈寝室〉が各1個以上ある → +3点
・〈屋根〉4枚が1色で統一されている → +5点

……おわかりいただけただろうか。
え? 何がって、〈屋根〉の存在がいかに大事か、です~。
4枚あると「+3点」、それが1色統一ならさらに「+5点」。そこに「窓付」が含まれていれば、さらに「+1点」。
つまり、屋根だけで最大9点もGETできてしまうのです!
……ま、それがわかってなかった私は今回、見事に惨敗したのですがね(泣)

【ゲームの終了】
先にも述べた通り、ゲームは12ラウンドプレイしたところで終了。
得点計算して最高点の人が優勝なんですが……もし同点だったら?
ここでの「タイブレイク」も、このゲームのちょっとしたおもしろポイントなんです。
〈部屋カード〉は種類が同じでも、イラストが全部異なっているのですが、中には部屋に「子供」が描かれているものがあります。
この「子供」の数を数えて、多い方が勝ち!
手や足だけ写っている場合もあるので、つぶさに探しましょう。
……まさに、かくれんぼ感覚(笑)
万が一、子供の数さえも一緒だったときは、仲良く勝利を分かち合いましょう♪
……ポジピースっ★

【まとめ】
基本は「セットコレクション」なのですが、設置条件が加わることで、パズル要素が入ってきます。
そこがこのゲームの……いーいーとーこー!
集めるだけでなく、集めていく手順を考えることが重要になるんです。
プレイ自体は単純で誰でも遊べるのに、勝つことを考えると奥が深い。
……これぞ、ゲームとしてベストですよね(あれ?違う?いや、きっとそう!)。
また、ゲームの勝敗とは別に、出来上がった家を眺めてみるのも一興です。
……「自分ち、浴室ばっかやん!」「寝室3つあるのに、リビング狭っ!」「サウナあっても浴室ないやん」なんてね(笑)

考えどころはいろいろあるけど、ゲームの流れが整頓されてるので、プレイはサクサク感覚。
もう一回やってみようか、ってなるくらい気軽に楽しめますよ♪
ぜひ皆さんも『ドリームホーム』で、理想のおうちを作ってみてください。

――といったところで、今回はここまで。
以上、真っ赤なバラと白いパンジー、子犬の横には新井淳平がお送りしました。ではではまた~。

【ライター紹介】
新井 淳平(あらい じゅんぺい)
「小説家」兼「フリーライター」。
ゲームシナリオのライティングにも携わる。
ボードゲームのプレイスタイルは、出遅れ追い上げ型。
ダイス運は、最悪だけどドラマティック。
【著書】
『シンデレラゲーム』(オリジナル小説・映画化)
『猫侍 久太郎、江戸へ帰る』(ノベライズ小説)
『猫侍 玉之丞、争奪戦』(ノベライズ小説)