ボードゲームレビュー第214回「ビザンツ」

「ビザンツ」
制作:エマニュエル・オルネラ
メーカー:ニューゲームズオーダー
プレイ人数:3~6人
対象年齢:8才以上
プレイ時間:45分

※データ・パッケージ写真は新版ビザンツの物ですが内容物の写真は旧版の物です。

 


 

みなさんおなじみまして、もしくは、はじめまして。
作家でフリーライターの、新井淳平です。
担当20回目となる今回のレビュー作品は、こちら。

タイトルは『ビザンツ』。
市場で商品を競り合い、より多くの利益を上げることを目指すゲームです。
コンポーネントはカードのみで、数分程度のインストで気軽にプレイ可能。
ゲームは山札が尽きるまでで、4人プレイの今回は6ラウンドとなります。
……よっしゃ!あきんどのテッペンとったるで~!

 

【ゲームの準備】
まず卓の端に〈市場カード〉2枚を並べて、「市場」を作ります。
続いて逆端に、数字だけが書かれた〈セットカード〉を重ねて設置。

〈セットカード〉は全部で6枚ありますが、使うカードはプレイ人数で決まっています。
4人プレイは2~5の4枚。上から大きい数の順になるよう重ねます。
(今回は、5が一番上で二番目が4、といった具合)

次に、競り合うこととなる〈商品カード〉&〈商人カード〉を合わせてシャッフルします。
そこから各プレイヤーに手札として4枚ずつ配布。
その後、プレイ人数に応じた枚数の間引きを行い、残りを山札にしておきます。
(4人プレイではランダムに12枚を間引いて箱の中へ)
ちなみに、梱包されている〈商品カード〉は全96枚(商品6種類=6色、各16枚)。
上部にある1~4の数字は商品価値で、内訳枚数は各色以下の通り。
1点×6枚、2点×5、3点×3、4点×2枚。
また、〈商人カード〉は0点兼5点で、1種類×16枚あります。――詳細はのちほど。

さて、ここまで準備ができたら。
一番上の〈セットカード〉に記された数字分、山札からカードをオープンして並べます。
4人プレイでは「5」が一番上なので、5枚。
この5枚がワンセットの「競売品」としてオークションにかけられることとなります。
さあ、これで準備は完了。
適当な方法でスタートプレイヤーを決定したら、いざゲームを始めましょう!
……The game is afoot!

【ゲームの流れ-オークション】
●入札
まず、スタートプレイヤーから時計回りの順で、入札を行っていきます。
「入札」っていうのは、つまり「手札を場に出す」ことね。
出したカードに書かれている数字が、そのまま入札額となります。
この際、商品の種類(色)は関係ありません。
また、一度に何枚の手札を出してもOKです。

例えば、「黄1」と「青2」を提示すると、入札額は「1+2=3」となります。
次の番の人は、この数字を上回る額でないと入札できません。
なお、上額で入札できない場合や、落札する気がない場合は、「パス」もできます。
ただし一度パスしてしまうと、競売品が次のセットに移行するまで、もう入札はできません。
1人を除く全員がパスするまで、入札は続きます。
2巡目の手番では、入札額は先ほど出した自分の手札の数字にプラスする形になります。
さっきの例え「黄1+青2」で言うと――
2巡目に「赤3」を出せば、入札額は合計数の「6」となるわけですね。

●落札
こうして入札を続けていき、最高入札額を出している1人を除く全員がパスしたら競りは終了です。
パスした人たちは、入札に使ったカードを全て手札に戻します。
落札した人は、入札に使ったカードを全部「市場」に置きます。
(市場にカードを置くときは、種類(色)ごとにまとめて置くこと)
そして〈セットカード〉の一番上の1枚を取って手元に置きます(今回は「5」のカード)。
次に、競売品のカードの中から要らない1枚を選び、それも市場に置きます。
その後、残った競売品のカードを全部手札に加えます。
なお、手札の上限枚数は7枚まで。
もし8枚以上になったときは即座に「捨てる」or「商品売却」で、7枚以下にしないといけません。
「捨てる」は文字通り手札の破棄。
このゲームに捨て札置き場は存在しないので、捨てたカードは即座に箱にしまいます。
さて、一方の「商品売却」ですが、これが勝利点を得るための大切な行動。

◆商品売却(任意タイミング)
この行動は、手札が上限を超えたとき以外にも、ゲーム中いつでも行うことができます。
まず、売却を宣言し、手札から同じ種類(色)のカード3枚を提示。
次に、その3枚のうち一番数字の大きい1枚を自分の前に伏せて置き、残りの2枚を箱にしまいます。
この伏せたカードの数字が、ゲーム終了時、勝利点になるわけです。
なお、勝利点を稼ぐのはもちろん重要ですが、手札から大きい数字のカードが消えるということは、入札が不利になることをも同時に意味するので、売却のタイミングには気をつけましょう。

また、この商品売却のタイミングで、前述の〈商人カード〉が活躍します。
〈商人カード〉はいわゆるジョーカーで、代替として機能します。
例えば、もし手札に赤カードが2枚しかなくても、もう1枚として〈商人カード〉を出せば、赤の0点として機能。
もちろん青2枚と合わせて出せば、青0点になるわけです。また、青1枚と商人2枚、なんてのもOK。
……こいつは便利!

――そして、さらに。
〈商人カード〉3枚で出すと、手元に伏せる1枚は、なんと5勝利点になります。
〈商品〉では高得点でも4点が限界なので、5点は最高得点。
入札にこそ使えない〈商人カード〉ですが、使い方次第でグッと優勝が近づきます!

●次のオークションの準備
落札処理が完了したら、次のオークションの準備をします。
新たに一番上になった〈セットカード〉の数字分、また山札からカードをオープンにして、競売品として並べます。
次の入札は、落札者の左隣の人からスタート。
なお、もう落札を終えて手元に〈セットカード〉を持っている人は、競りに参加できません。
〈セットカード〉が組みなおされる次のラウンドに移行するまで、ゲームをじっと見守りましょう。
――ちなみに。
入札の際、誰も入札せず全員がパスをした場合。……まあ滅多にないけど。
一番最初にパスをした人が競売品を全部GETできます。
この場合は手札も競売品も、1枚も市場に送らなくてOK。
……わしゃツイとるっ!こりゃ丸儲けやで~!

こうして入札と落札を繰り返していくわけですが……〈セットカード〉が最後の1枚になったとき。
つまり、4人プレイなら〈セットカード〉の数字=競売品の数が「2」のとき。
入札可能なプレイヤーがもう、1人しか残っていないため、その人は入札なしで競売品をGETできます。
ただし、この場合も2枚のうち任意の1枚は、市場に送らないといけません。
……ノーリスク・ローリターン、ですな。
でも実はこのポジション、次に説明する「市場処理」では有利なんです。
……損するだけにはできていない、それがゲームバランスというものですよ(ニヤリ)

【ゲームの流れ-市場処理】
全員が落札を終え、重ねて置いていた〈セットカード〉がなくなったら。
このラウンドの「オークション」は終了。以下の「市場処理」を行います。
各プレイヤーは、「市場」から1種類(色)のカードを選んで、その全部を手札に加える。
持っている〈セットカード〉の数字が小さい人から順に、選ぶ権利を得ます。
つまりコレ、最後まで競り負けた人が、一番望ましい手札を補充できる、ってこと。
――例えば。
市場にあるカードが「黄1,1」「青1,2」「赤2,3,3」「茶1」なら。
これは、誰だって「赤」を取りたいんじゃないかな?
手札が3枚増えるし、そのまま売却して3点にもできるし、入札に使えば8にもなる。
……8入札って、ほぼ絶対落札できるレベルですよ(汗)

市場からカードを得たら、持っていた〈セットカード〉を場に戻します。
「2」から順に、また元通り「5」が一番上になる形で〈セットカード〉が重ねられるわけですね。
全員がこの作業を終えた段階で、もしまだ市場にカードが残っていたら。
それらは全部、箱の中へ。ゲームから取り除いちゃいましょう。
……アリーヴェデルチ! さよならだ。

ここからは2ラウンド目開始。また元の流れです。
競売品をオープンにして並べ、「オークション」。そしてまた「市場処理」。
山札がなくなったら、そのラウンドでゲームは終了。
「市場処理」で手札を増やし、最後に「商品売却」をしたら、得点計算に移ります。

【ゲームの終了-得点計算】
プレイヤーは各自、ゲーム中に自分の前に伏せて置いたカードを全部オモテにします。
カードの数字の合計を算出。最も高得点の人が優勝。
もし同点の場合は、手札の枚数が多いほうが勝ち。
それも同じ場合は、仲良くポジピースに勝利を分かち合いましょうっ☆

【まとめ】
勝つためには、まず同色のカードを効率よく集めることが基本です。
いくら大きい数字が手札にあっても、同色3枚にしなければ得点にできないので(汗)
〈商人カード〉は、3枚使いで5点化を狙いたいのが人情。
でも案外、分けて使うほうが高得点につながることも。
5点より、ジョーカー化して「2点+2点+2点」などにできれば6点ですから。
ただ、3回も「商品売却」しないといけないので、手間はかかってしまいますが。
あとは、オークションの際の出納管理ですね。
何点払って何点バックが見込めるのか。
どこまで入札するのか、見極めが肝心です。
テンポよく進むプレイの裏で、いかに地味な計算ができるか。
まさにこのゲームのテーマである「商人」の適正が問われる感じです。
また、今回は4人=6ラウンドの勝負でしたが、決着タイミングがちょうどよい印象です。
ゲームの内容自体も、プレイした4人全員に好評でした。
好みのゲームタイプが違う面々なので、コレはかなり……アメイジング☆
おすすめ度の高い一作です。

皆さんも『ビザンツ』で、ご自身のあきんど魂を試してみては?
――といったところで、今回はここまで。
以上、「ビザンツ帝国ってなに? おいしいの?」な、新井淳平がお送りしました。ではではまた~。

【ライター紹介】
新井 淳平(あらい じゅんぺい)
「小説家」兼「フリーライター」。
ゲームシナリオのライティングにも携わる。
ボードゲームのプレイスタイルは、出遅れ追い上げ型。
ダイス運は、最悪だけどドラマティック。
【著書】
『シンデレラゲーム』(オリジナル小説・映画化)
『猫侍 久太郎、江戸へ帰る』(ノベライズ小説)
『猫侍 玉之丞、争奪戦』(ノベライズ小説)