ボードゲームレビュー第219回「レイルウェイズ・オブ・ニッポン」

「レイルウェイズ・オブ・ニッポン」
作者:M.ワレス&林尚志&G.ドローパー
メーカー:アークライト
プレイ人数:2~4人
対象年齢:14才以上
プレイ時間:120分

 


 

毎週木曜日はキウイの日~♪
どもども、ご無沙汰しておりました三家原ですー!

皆さん、鉄道に乗るのはお好きですか!?
ってなわけで、今回ご紹介するのはアークライト様より発売中の「レイルウェイズ・オブ・ニッポン」なのですー!

時は文明開化したての明治初頭! まだ鉄道なんてまったく存在しない日本に、プレイヤーは鉄道網を敷いて大儲けしつつ勝利点を稼いで、日本一の鉄道王を目指すゲームなのです!

ゲームデザイナーの一人であるM.ワレス様といえばこのレビューで第163回に紹介した「ヒット・ザ・ロード」も手がけていたのですが、経歴を見てみる鉄道ゲームもかなり出しているお方だったのですねー……むむむ、これは自然と期待も高くなるってもんですよ!

元々はキックスターターから製品化した「レイルウェイズ・オブ・ワールド」のコンパクト化らしいですが……ご安心下さい。プレイ時間はたっぷりボリューミーな120分だー!!

■ゲームの準備

①ゲームボード上の準備
ゲームボードをテーブルの中央に、その側に収入/得点表を置きます。

貨物キューブを貨物袋に入れたら、ゲームボードの各都市マスに記載された数字分だけ貨物キューブをランダムに配置していきましょう。

この貨物キューブの配置が、ゲームの展開に大きく影響してくるのですよ。

新都市タイルをまとめて表向きの山にしたら、機関車カード、線路タイル、債権、紙幣を種類または数字ごとに別けて、ゲームボードのそばへ固めて置きます。

線路タイルは全部で164枚! 真っ直ぐだったり曲がったり、交差したりと様々な線路があるのですよ。

○鉄道事業カードの準備
鉄道事業カードから、「S」マークの入ったスタートカードを全て抜き出したら、残った鉄道事業カードをシャッフルしてプレイヤー人数×2の枚数だけスタートカードと一緒に表向きにしてゲームボードの側に置きましょう。

ゲーム中に達成すると勝利点やボーナスとなるカードです。

○空き都市マーカーの準備
ゲーム終了条件を満たすのに必要な数だけゲームボードの側に配置します。
2人なら10個、3人なら12個、4人なら14個を配置したあと、ゲームボードの左上にある「ゲームフェイズ表」にも一つ配置します。これで、今ゲームがどのフェイズに入っているかが分かるようになります。

明治というよりも、うぇすたん……?

②プレイヤーの準備
各プレイヤーに偉人カードを2枚ずつ配り、その内の一枚を選んで手元に伏せておきます。
残りの一枚は非公開のままゲームから除外します。

日本の鉄道史に関係する偉人がたくさん!

各プレイヤーは4色の中から好きな色を選び、その色の機関車コマを全て受け取ります。
その内の一つは収入/得点表の「1」に配置します。

収入/得点表の「1」に全員集合-!

これで、ゲームの準備は終了です!
ヘビーゲームと聞いていたわりには、結構あっさりと準備が終わったなーっという印象ですね。

いよいよゲーム開始! 鉄道王に俺はなる!!(まてこら)

■ゲームの手順

レイルウェイズ・オブ・ニッポンのゲーム手順は、1ラウンドにつき4つのフェイズで構成されています。

①スタートプレイヤー権の競り → ②プレイヤーのアクション → ③収入と債権配当 → ④終了フェイズ

①スタートプレイヤー権の競り

このラウンドのスタートプレイヤーを決める為のフェイズです。
もっとも若いプレイヤーから時計回りに入札するかパスするかを決めますが……ここで重要な事が一つ!

入札する際は、1000ドル以上なら好きな額まで入れる事は出来ますが、ゲームスタートの時点ではどのプレイヤーも”お金をもっていません”。
そう裸一貫! 無一文からこのゲームはスタートするのですよ!

え? それならどうすればいいかって?
ふふふ、そこで登場するのがこの1枚5000ドル分の価値を持つ債権!

これを一枚ポンと発行することで、プレイヤーはたちまちの内に5000ドルを手にすることが出来るのです!
……つまり借金して始めろという事ですね(汗)

なので、入札を決めた人は支払いに必要な数だけ債権を発行しましょう! 支払いで余った分はそのまま手元に残せるので、たとえば競りで1000ドル払ったら4000ドルをゲットできるのですよ! つまり無一文からいきなり大金持ちになるわけですよ!(錯覚)

このゲーム、ずーっと資金不足に悩まされるのですよ(汗)

②プレイヤーのアクション

こうして競りで順番が決まったら、いよいよ鉄道王への第一歩! アクションの開始なのですよ!
アクションには全部で5種類あって、スタートプレイヤーから時計回りに1回ずつおこない、1ラウンドにつき3回まで行うことが出来ます。

②-1)線路の建設
多分、このゲーム中一番扱うことの多いアクションですね! だって、鉄道ゲームですし!
線路の建設は、ゲームボード上に存在する各都市からスタートして、1回につき最大4つまで建設ができます。

ただし、当然ながら建設にはお金がかかります! 平地なら2000ドル、水域なら3000ドル、山岳なら4000ドルと線路を建設する場所によって価格が違ってくるのですよ。

ガンガン開拓♪ ガンガン開拓♪

都市と都市を無事線路で繋ぐことが出来たら、「完成線路」という扱いとなります。
なので、すぐさまその線路には自分の列車コマを配置して「この線路は俺のモノだ-!」と主張しておきましょう(まてこら)。
繋ぐ都市によっては、すぐさま勝利点になる場所もあるので、該当する箇所を繋いだ際は勝利点の確保もお忘れなく♪

また線路の建設は必ず1回で別の都市に繋がなければならないワケではありません。1回目の建設で繋がないまま終わった場合、その線路は「未完成線路」という扱いとなり、そのラウンド中なら追加工事する事が出来ます。
1ラウンドにつき3回までアクションは行えるので「1回目で途中まで建設して、2回目でさらに建設、3回目で完成させる」というようなやり方で進めていきましょう。

②-2)貨物キューブを運ぶ
都市間を無事線路で結ぶことができたら、いざ輸送開始!
プレイヤーは任意の都市に置かれた貨物キューブを1つ選び、「完成線路」で繋がった同じ色の都市に運ぶことで即座に勝利点を獲得することができます。
ただし、最初に通過する「完成線路」は自分のものでないといけないので、他人の敷いたレールから荷物だけ運ぶなんてプレイは出来ないのですよ。

貨物を運ぶぜい!

このゲームでの収入は、勝利点によって変わるので、”最初のうちは”ガンガン稼いで収入をアップアップさせていくのがいいかも?
また輸送をする際、最初に通過するのは自分の「完成線路」ですが、それ以降は他プレイヤーの線路も利用できます。ただし、その際は……使用料という名の勝利点を相手に渡さなければなりません。

なので、自分の線路をたくさん敷いていれば、自分や他の列車が一つ通過する毎に1点また1点と勝利点を稼げることになるのですよ!
つまり! このゲームは線路をたくさん敷いたものが勝つのです!!

……え? そんな資金がない? ふふふふ、大丈夫♪

お金なら……刷っちゃえ刷っちゃえ~♪

こうして無事に届けた貨物キューブを貨物袋に戻した後、貨物キューブを全て使い切った都市があった場合、ゲームボードの側に置いている「空き都市マーカー」を設置しておきましょう。

……とはいえ、いくら線路を拡張しても貨物が遠くまで運べないと意味がないのですよ!
ってなわけで、次は貨物を輸送する列車のアップグレードについてなのです!

②-3)列車をアップグレードする
線路が完成して、各都市への移動も可能になってきても、貨物キューブを輸送できる「完成線路」をいくつ移動出来るかは列車のグレードに左右されます。
スタート時は「完成線路」1つ分しか移動できませんが、列車をグレードアップさせることによって、最大8まで移動可能になるです!

最初は5000ドルでアップグレードできるけど、どんどんと金額が上がっていくのですよ。

もちろん、アップグレードにはお金が……え? そんな資金がない? ふふふふ、大丈夫大丈夫♪

お金なら……刷っちゃえ刷っちゃえ~♪

とはいえ、たくさん線路を繋いで移動出来るようになっても、ゲームボード上には貨物キューブの色に該当しない灰色の都市がたくさんありますよねー。
そんな困った場所を有効活用出来るようになるのが、次にご紹介する「都市化」なのですー!

②-4 都市化
ゲームボード上に存在する灰色の都市は、貨物の輸送は出来ますけど配送することはできません。
だけど、「せっかく線路でつなげたのだから、この灰色都市にも配送したい!」「他のプレイヤーにあの色の都市を独占されてくやしい!」と思ったら、この都市化を選択しましょう!

これで灰色都市にも、貨物キューブが運べるようになるのです!

たったの10000ドルで、指定された灰色の都市を……え? そんな資金が(略)

……ごほん、まあ10000ドルは大金ですからね、収入に余裕がある時におこなうといいと思うのですよ。
またこの「都市化」は、貨物キューブを使い切って「空き都市マーカー」が設置された都市にも使用できます。その際は、「新都市タイル」と貨物袋からランダムに取り出した貨物キューブ2つを都市に配置し、「空き都市マーカー」は取り除かれます。

もしも、都市にキューブが残っていた場合は、新しい追加された貨物キューブ2つと一緒に「新都市タイル」の上に置いておきましょう。

②-5)鉄道事業カードを1枚選択する

公開されている鉄道事業カードの中から1枚を選択します。
鉄道事業カードには、即時効果のあるものから、特定の条件を満たした時にボーナスが発生したり、ゲーム終了まで持続するものまであるので、ゲットする前にその効果をしっかり確認しておきましょう!

鉄道事業カードは無料でもらえる上に、ゲームが有利になるものが多いのですよ!

以上の5種類のアクションを各自3回ずつ行うと、そのラウンドは終了となって、収入と債権の配当へと進みます。

③収入と債権の配当

全員のアクションが終了したら、収入/得点表に置かれている自分の列車コマを確認しましょう!
勝利点の横に記載された$×1000が、そのプレイヤーの収入となります。

嬉しい楽しい収入……だけど。

そして、収入を得た次にやってくるのが……債権の配当、つまりこれまでに発行してきた債券に対して配当金を払わなければならないのですよ。
この配当は、持っている債権1枚につき、1000ドルなので……枚数を重ねれば重ねるほど、その支払いは大きくなっていくのです!!

……え? 配当する資金がない? ふふふふ、大丈夫大丈夫大丈夫♪

お金なら……刷っちゃえ刷っちゃえ~♪

……冗談みたく聞こえますけど、本当に支払えない場合は債権を発行することで払ってもらうことになります(汗)
しかもこのゲーム、最大収入が2万ドル……しかも勝利点を一定以上越えると、収入が下がっていくという仕様になっている上に、借金の返済ができないので、あっという間に借金が雪だるま式に膨らんでいくという悪夢が……!

いやー、本当ご利用は計画的にしないとダメですね(汗)

この処理の最後にゲームボード上に残っている「未完成線路」は全てゲームから取り除きます。
そう、戻って来ないのですよ。つまり、ガンガン無駄な工事をしていたら、あっという間に線路タイルが底を突く恐れもあるのですよ……!!

④終了フェイズ

各自の収支と債権の配当が終了したら、このラウンドはほぼ終了となります。
次のラウンドに向けて、「鉄道事業カード」を山札から一枚表向きにして補充し、ゲームフェイズ表を一番左へと移動させます。

○ゲーム終了と勝利条件

線路を敷いて荷物をガンガン運んでいると、徐々に空き都市が増えていくと思います。
そして、本作は「空き都市マーカー」を全て使い切った次のターンでゲーム終了となります。

ゲームが終了したら、さっそく得点計算をしてみましょう。
まずプレイヤーは、保有している偉人カードを公開し、そこに書かれている条件を達成しているかどうか確認します。
もしも達成していれば、カードに記載されている数字分だけ勝利点を獲得します。

次に債権の枚数を数え、その分だけ勝利点をマイナスに……ふふふ、ゲーム中に足を引っ張るだけでなく、ゲーム終了時にも足を引っ張ってくれるのですよ(吐血)

こうして合計して、一番勝利点の高いプレイヤーがこのゲーム勝者。栄えある鉄道王となるのですよ!

いっぱい線路が敷けました~!

■総評

鉄道王になるつもりが、見事な借金王になってしまったですよ(遠い目)

遊んでみた感想としては、びっくりするくらいの王道鉄道ゲームでしたねー。
鉄道の敷き方、貨物運搬、列車のグレードアップなどをコツコツ真面目にやった人が勝てるんだって事を、私にたっぷりと教えてくれました。

あと、プレイ中に好きなだけ重ねられる借金の返済方法がないので、どれだけの借金なら許せるかという収支のバランス感覚も大事ですね(笑)

こういうのは、最初にがっつり借金&先行投資で鉄道網をガンガン造ればいいと思ってプレイしてたので、ゲーム終了の頃には15万ドルの……あれ? 思ったより借金してない?(まてこら)
でも、毎ラウンド3万ドルの利子ですからね……やっぱりかなりの借金だったですね。

それにしても、これがコンパクト化したというのなら、元のゲームはどれだけのボリュームだったんでしょうねー……と思って調べてみたら、120~180分と本作より+60分ですか……ふふふ、やはり大物は違いますね(まて)

偉人や鉄道事業カードの影響は多少あっても、最後に堅実な経営が勝利へと繋がるのですよ。

鉄道ゲームをそれほど多くプレイしてきたワケではないですけど、これぞ「THE鉄道経営」と思わせるいいゲームだったなーと思いますね。
ゲーム展開に変化球はありませんけど、収支計算とにらめっこしながらコツコツと何かを育てるのが好きな人にはピッタリかもです♪

ご興味のある方は、是非是非遊んでみてくださいねー!

 

ライター紹介

三家原優人(みけはら ゆうと)
ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
ゲームシナリオライターだけでなく、映画会社にて長編映画の脚本や出演など多岐に渡って活動中。
趣味はガジェット集め。国内・国外問わずの気になるガジェットを集めては愛でる日々。
実は某公国の爵位を持っていたりする。

代表作
歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ。
恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」。
長編ホラー映画「腐女子」。
その他多数。