ボードゲームレビュー第22回「カシュガル」

カシュガル(Kashgar)
発売元:KOSMOS/日本語翻訳:メビウスゲームズ
作者:ゲルハルト・ヘフト
プレイ人数:2~4人
対象年齢:12才以上
プレイ時間:約45分


 

どもどもっ、三家原です。
やっと寒さも一段落してきた感じで、このまま暖かくなって欲しいものですねー。

さてさて、そんな春の兆しが見え始める今日この頃にご紹介するのは、コスモス社様より発売中の「カシュガル」なのですー!!

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「カシュガル」というのは、中国から地中海を繋ぐ交易路。
かつてシルクロードの要衝として栄え、現在も中国最大のモスクやバザールなどの観光スポットとして賑わう魅力的な街の名前なのですよ。

……はい、ということで今回ご紹介する「カシュガル」は、スパイス商人になったプレイヤーがシルクロードにキャラバンを派遣し、入手する人物と交易品を活用して契約を成立させていく交易ゲームなのです!

面白いのは交易を題材にしているゲームですが、プレイヤー同士で交渉や売買をするのではなく、自分のキャラバンをデッキとして構築していくゲームということですね。

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カードを大まかに分けると、まずキャラバン隊に加わって様々な能力を持っている人物カード。
スタート時に配られるスタートカード。使用する事で交易品が入手出来たりする通常カード。通常よりも強力な能力を持っている特殊カード。そしてポイントの役割を果たす一番重要な契約カードの計5種類。

そしてコマですが、当時のシルクロードで交易されていた生姜や胡椒などの5つのスパイスとお金、荷を運ぶラマを示す計7色の7種類。
あとスパイスやお金、ラマの所持数を示すゲージが表記された、交易品ボード。

この5種類のカードと7種類のコマ、交易品ボードで遊ぶのが、カシュガルなのです。

ではまず各プレイヤーは交易品ボードの3の所に1つずつ、全ての色のコマを置いて初期の資産を作り、族長とスタートカード1枚を加えたキャラバン隊を3列作ってゲームスタートとなります。

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カシュガルの勝利目標は、契約カードや保有する人物が持つポイントを合計して、先に25ポイントを稼ぐことです。

各プレイヤーのスタート時は交易品も能力もほとんどないので、族長や人物の能力を使ってどんどん人材を補充し、キャラバン隊を強化して契約を成立させるのを目指していきます。

補充したカードは常に使用したキャラバンの列の一番下へ追加し、使用したカードもまた一番下へと移動します。つまり1列のカードが、ぐるぐると回っていく感じですね。
なので自分の持つ、3つのキャラバン隊の順番を考えて行動するのが大事になってきます。

またその時は使用したくないけど、下に使いたいカードがある場合。
1ターン消費しますが、パスという選択肢もあります。ただしパスできないカードも存在するので、気をつけないといけないですよ!

あとカードは山札から引くので何がくるのか分かりません。良いカードも悪いカードも来る可能性があります。
なので安易に人物をキャラバンにバンバンと加えると、一体何を目的に結成されたキャラバンなのか分からないという状況になったり……。

その一方でキャラバンから離脱させる事で効果を発揮するカードや、指定したカードを離脱させる「献酌侍従」というカードも存在するので、ある程度貯まってきたらキャラバンをスマートにする事も可能なのですよ。
ただ、ライバルに時間を与える事となってしまうので、どこでスリム化を計るかが悩ましい所ですねー。

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ちなみに、指定したカードを離脱させる対象は族長も含まれるので、族長が離脱したキャラバンでは以後のカード追加はできなくなるけれど、例えばメンバーが一人しかいないから常にそのメンバーの能力を使えるキャラバン隊なんて特化型のデッキを作ったり。
一方でキャラバン隊の列を増やす「女貴族」なんてのもあったり、ゲームの幅がとても広いのです。

族長の能力で人物を増やし、人物の能力で交易品は増えていきます。
交易品が貯まってきたら、いよいよ契約でポイントを稼いでいくのですよ!
でも残念な事に契約は、交易品があるだけでは契約成立とはなりません。

契約を成立させる為には、ちゃんと契約を結ぶ人物を保有しておかないといけないのですが、その人物にはマイナスポイントがついているので、あまり持っていると契約はいっぱいできたのにポイントが低いなんて罠も。いつその人物を離脱させるかが重要だったり。

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契約にも大契約、小契約、特殊契約と3種類あって、当然契約条件の大きいもの程ポイントが高く割り振られている一方で、特殊契約を成立させ、それを複数持っているとポイントが増える「農夫」というのがあったり、ポイントを稼ぐ方法も結構あったりするのが面白いですねー。

やってみた感じだとドミニオンを彷彿とさせてくれるのですが、ドミニオンは1つのデッキを構築していくワケですけど、このカシュガルは基本3つのデッキを如何にして構築していくかが肝になっていて、その点では一点に特化したデッキを作ったり、それを補佐するデッキを作ったりできるのが新しい醍醐味です。

プレイヤーのキャラバン隊は公開情報なので、相手が何を狙ってキャラバンを組んでいるのか分かるところが実にいいですねー。
他のプレイヤーを攻撃できる人物カードなどもあるので、程よく相手を攻撃しつつ如何にして先に契約を成立させるかと、思考をグルグルさせちゃうのですよ。

またカシュガルは自分の手番で何ができるか、分かった状態でアクションを起こしていくので、手札が出なかったからできなかったという事はなく、本当に計画を立ててゲームを進めていける感じがします。まさに緻密な戦略ゲームといった感じでしょうか。

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ドミニオンの良い所と、交易ゲームの良い所を合体させて作られた感じがあって、キャラバン隊の編成も出てくるメンツによって如何にアドリブを利かせつつ計画的に進めていくかというところで面白くなっていくなーっと思います。

ただゲームの楽しみ方が幅広いため、最初の内は長考によってゲームスピードが落ちてしまうところもあります。慣れるまでは、じっくり遊ぶと良いかも。

ちなみにこの「カシュガル」を制作されたゲルハルト・ヘフト様。
こんな意欲的な作品を作られているので、他にどういった作品を作られているのかなーっと思ってお調べしてみたのですが、この「カシュガル」以外はまだお作りになられてないみたいですねー。ちょっと残念。
ぜひこの方が作る新作も遊んでみたいですねー。

さあ、そんな訳でデッキ構築型交易ゲーム「カシュガル」いかがでしょうか?

どこでプレイする? キウイでしょうー!!

 

ライター紹介

三家原優人(みけはら ゆうと)
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ゲームシナリオライターだけでなく、映画会社にて長編映画の脚本や出演など多岐に渡って活動中。
 趣味はガジェット集め。国内・国外問わずの気になるガジェットを集めては愛でる日々。
 実は某公国の爵位を持っていたりする。

代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ。
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」。
 長編ホラー映画「腐女子」。
 その他多数。