ボードゲームレビュー第224回「メナラ」

「メナラ」(原題:MENARA)
作者:オリヴァー・リヒトベルグ
メーカー:ツォッホ/日本語翻訳:メビウス
プレイ人数:1~4人
対象年齢:8才以上
プレイ時間:約45分

 


 

はいどーも、皆様こんにちは。ライターの松風でございます。
今回は手軽に遊べる協力ゲーとして、『メナラ』をご紹介いたしましょう!

タイトルにもなっているメナラとは、マレーシアの神殿の塔のこと。
プレイヤーたちは探検家として、メナラの丘の奥地に不思議な形をした古代遺跡を発見しました。
しかし、それは風化して崩れてしまっていて原型がよくわかりません。
というわけで、みんなで神殿を再建してみよう! というのがゲームの趣旨になります。

コンポーネントを見ると、なんだかカラフルな棒と奇妙な形をしたタイルがいっぱい……つまり積み上げていって倒したら負けのバランスゲームって事ですね!?
しかし、倒した人が一人負けする他の多くのバランスゲームに対し、この『メナラ』は協力ゲー!
つまり誰かの失敗は全員の失敗なのです!

ではゲームの準備に取り掛かりましょう。
まずは色とりどりの『柱』を付属の布袋に全部入れ、そこから適当に6本抜き出し『キャンプ』と呼ばれる棒を立てるスタンドに差しておきます。

次に、なんだかヘンテコな形をした『神殿の床タイル』をランダムに積み重ねて山にします。この山を『石切場』と呼びます。
そして『石切場』から3枚のタイルを取って、卓の真ん中にそれぞれ2点で接するように配置しましょう。
『神殿の床タイル』には明るい表面と暗い裏面があって、それぞれ描かれている内容が違うのですが、この時に限ってタイルは表裏どっち向きで置いても構いません。

それからタイルの近くに『階層カード』を一列に並べます。
『階層カード』は、ゲーム終了時に必要な階層の数を示しています。
簡単なら3枚、難しいなら5枚となっていますので、プレイによって好きに決めてください。
最初はまず3枚からプレイするのがおすすめです。

ついでにもう一つ、『建設計画カード』を裏面の文字の色ごとに分けてシャッフルし、3つの山を作ります。
最後に各プレイヤーは決められた数の『柱』を袋から抜き取って自分の前に置いたら準備完了!(この数は人数と難易度によって変わります)
それほど複雑な手順はありませんね。

えー、「最近ビルの最上階に行った人」をスタートプレイヤーにして時計回りでプレイは進行します。
自分の手番で出来ることは全部で4つ!
順番にこなしていきましょう。

1.キャンプで柱を交換する
2.建設計画カードを1枚めくる
3.めくられたカードに従って柱を建設する
4.柱の本数を補充する

まずは1から行きましょう。
キャンプにある『柱』と自分の手元にある『柱』を見て、好きな数だけ交換することが出来ます。
要は色の調整ですね。
『神殿の床タイル』には、そこに置ける『柱』の色が指定されています。
なので、手持ちとキャンプをよーく見比べて、足りない色を補充したり、あるいは次以降の人のために使いそうな色をキャンプに入れておく等のプレイが推奨されます。

お次は2の『建設計画カード』を1枚めくる、です。
3つあるカードの山のうち、好きな色の山からカードを1枚めくります。
ただし『建設計画カード』は、青は簡単、黄色は少し難しい、赤は難しいといった具合に、色によって難易度が分けられています。
多くの場合、カードはゲーム終了までに全部使い切ることになると思います。
なのでどのタイミングで赤のカードを選んでいくか、が重要なポイントになってきます。

しかし、階層が低いうちに赤を使い切ろうと思っても、初期段階ではクリアできないお題が書かれている場合がある、というのが難しいトコロ。
多くのカードは「指定された本数の柱を建てる』といったものなんですが、難しいお題では「指定された本数の柱をより高い階層に移動させる」というものがあるのです。
まだ上の階層が作れていないゲーム序盤では達成できませんよね。
かと言って、ほとんどの『柱』や『床タイル』を置ききった後では、『柱』を置き直すのはあまりにも危険です。
このタイミングを見極めるのが非常に難しいといえるでしょう!

ちなみに達成できなかった『建設計画カード』は『階層カード』の列に並ぶことになります。
つまりクリア条件が遠のいてしまうわけですね。

さて、3つめは実際に『柱』を建てるフェイズです。
この時、使える『柱』は自分の手元にある分だけです。
他人に譲ってもらったりは出来ませんし、キャンプにある『柱』も使えませんのでご注意を。

『柱』は前述したとおり、タイルに描かれた色マスと一致する色を置かなければいけません。
それさえ守っていれば、どこのマスに置いても構いません。
1枚のタイルにあるマスが全部埋まったら、その上に新しい『神殿の床タイル』を置くことが可能になります。
『建設計画カード』の指示の途中であっても、マスが埋まった時点でタイルは即座に追加してください。
裏表どちらの面で置くかは『建設計画カード』に示されています。

もし安定性が悪いと思ったら、基礎の部分(テーブルに接している床タイル)を増やすことも出来ます。
ただし、基礎を拡張した場合、『階層カード』を1枚追加しなければなりません。
『階層カード』が増えるということは……そう、クリア条件がまた遠のくわけですね。
なかなか痛いペナルティですので、できれば使いたくないのが人情ですが、床を不安定にして崩してしまうよりはマシとも言えますので……悩む所ですね。

最後に4の『柱』の補充です。
カードに従って使った分の『柱』を布袋からランダムに引いてください。
以上の手順を繰り返していくことになります。

ゲームは床がどこか一部でも崩れたら即終了です。
また、設置している最中の『柱』がポロリと落ちるのはまだセーフですが、それを置き直せなかったらやっぱりゲームオーバーです。
他にも、「手番終了時に十分な柱を補充出来なかった時」「建設計画カードを全部使い切った時」「神殿の床タイルを全部置ききった時」もゲーム終了です。
例え『床タイル』を全部置ききったとしても、必要な階層に達していなかった場合、ゲームは負けになります。

つまり、柱かカードかタイルを使い切った上で、必要な高さの階層を作れていれば勝利! というわけですね。
あれ、難しくね!?

というわけでこのゲーム、ルールは簡単ながら、全員の協力なくしてはすぐに詰んでしまいます。
『キャンプ』を利用して、『柱』の色はできるだけ全員均等に持つようにしたいものです。
幸い、相談はいくらしてもオッケーですので、数ターン先まで見越した戦略が立てられるようにしたいですね。
ルールのヒントには「赤のカードはなるべく序盤に達成しましょう」みたいな事が書いてあるのですが、それすら難しい状況が多いのが悩ましいです。
やっぱり最初の床タイルはなるべく広めのものをチョイスさせて欲しいですね。

とはいえ、やはりこの手のバランスゲームはプレイ中のドキドキ感が他のゲームとは違います。
緻密に戦略を立てても、指先の震えで一瞬にして台無しになるかもしれないという緊張感はこのジャンルならではと言えるでしょう。
『ジェンガ』や『キャプテン・リノ』のようなノリで、もうちょっと頭を使ったゲームがしたい時などにいかがでしょうか?
小さいお子さんのステップアップにもいいと思いますよ!

と言ったところで、今回のゲームはいかがだったでしょうか?
それでは、また次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。

代表作
歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
その他多数。