ボードゲームレビュー第225回「ノアの箱舟」

「ノアの箱舟」
メーカー:ホビージャパン
プレイ人数:2~6人
対象年齢:6才以上
プレイ時間:約10~20分

 


 

みなさんおなじみまして。もしくは、はじめまして。
作家でフリーライターの、新井淳平です。
担当25回目となる今回のレビュー作品は、こちら。

 

『ノアの箱舟』。
カートゥーンみたいで可愛らしいパッケージですね。
サブタイトルには「船を揺らさないで!」とあります。、
そう。お察しの通り、お子様とも気軽に遊べるバランスゲームです。
題材は、旧約聖書「創世記」にある「ノアの方舟」。
念のため、その辺のくだりをざっくり説明すると――

遥か昔、神様は、地上の堕落した人々を一掃するため大洪水を起こすと決めた。
神は正しい人間「ノア」にはそのことを伝え、方舟を造るよう告げる。
ノアは命じられた通り、家族と各動物たちをつがいでこの船に乗せ、大洪水の難を逃れたのだった。

というわけで、動物たちをどんどんこの〈箱舟〉に乗せていこう! というゲーム。
……『リ〇ダキューブ』を連想してしまうのは私だけでしょうか?(汗)

 

【コンポーネント紹介】
こちらがゲームの核となる〈箱舟〉。
……この星の生物たちを助けてくれる、救いの船じゃ!
手前に写っている黒い棒の上に乗せて、セット完了。
棒の先端にある球の部分に噛ませる形になっているので、案外しっかりしてます。
ただ、一点だけで支えてるところに、バランスの危うさがあるわけですね。

 

ゲームに登場する動物は、全部で15種類30体。
「つがい」なので、オスメス1体ずつで各種2体、というわけ。
トラやキリンなどメジャーどころから、カモノハシなんてマニアックなやつまでいろいろいます。
ちなみに、フィギュアの見た目は基本的にオスメスによる違いはありません。

……実はライオンだけ「たてがみの有無」という違いがっ!
でもそこはゲーム上、特に意味はありませんので、悪しからず。

動物に対応する〈動物カード〉15種類30枚は、シャッフルして山札に。
これでセットアップは完了です。
一番年下の人がスタートプレイヤーとなって、ゲームを始めましょう。

 

【ゲームの流れ】
山札から1枚〈動物カード〉を引き、出た動物のフィギュアを〈箱舟〉の上に乗せます。
このとき、船や、すでに乗っている動物に手が触れてしまわないように気をつけましょう。
なお、手にしている動物で乗っている動物を押したりするのはOK。

もし、自分の手が、船か乗船動物に触ってしまったときは、ペナルティを受けます。

・船に触れた場合
→持っていた動物を自分の手元に置いて、手番終了。

・乗っている動物に触れた場合
→その動物は「落ちた」扱いで、自分の手元へ。持っていた動物も手元に置いて手番終了。

そう、乗っている動物を落としてしまったら、自分の手元にくるのです。
そして次の手番では、カードを引かず、手元の動物のうち1体を船に乗せることに。
引いたカードの枚数が勝敗を分けたりもするので、なるべく落とさないようがんばりましょう。
……きみは船に動物を乗せるのが得意なフレンズなんだねっ☆

動物を落とすことなく無事に乗せられたら、手番終了。
時計回りで次の人がまた山札を引き、同様に動物を乗せる、を繰り返していきます。

【ゲームの終了】
ゲームが終わるパターンは、大きく分けて2つ。
全動物が落ちてしまった場合と、山札が尽きた場合、です。

・全動物が落ちてしまったら
その時点で〈動物カード〉を一番多く持っている人が優勝。
もし同数なら、手元にいる動物が少ない方が勝ちとなります。
それも同じときは仲良く勝利を分かち合いましょう。……ポジピース☆

・山札が尽きたら
手元にいる動物をいち早く置ききった人が優勝。
その人が、動物たちを大洪水から救った一番の功労者となります。

【まとめ】
直感で理解できる簡単ルールは、さすがバランスゲー。
動物ごとに重さが異なるので、そこがおもしろポイントです。
「ワニ」や「カモノハシ」なんかは軽いので、どこに置いても割と安全。
しかし、重い動物は中央付近に置かないと一発で船のバランスが崩れてしまいます。
中央がすでに混み合っている中盤以降に「ゾウ」なんて引こうものなら……ジーザス!
あるいは「Oh my GOD!」と叫びたくなります(汗)

山札が尽きるところまでたどり着くのは、至難の業かもしれません。
今回、私たちは4人プレイで3回遊んでみましたが、一度もそこまで行きませんでした。
1体でも船の上に残っていればゲーム続行なのですが、いかんせん。
安定感のある状態でも、中盤で重いやつを乗せることになり一撃ゲームオーバー多発。
油断なりません。
「ゾウ」以外にも「パンダ」や「ホッキョクグマ」「ゴリラ」辺りの中堅どころは要注意です。

ゲーム内容以外でも良い点があるのは、まず収納。
空洞になっている船の中に全動物フィギュアが仕舞えるので、かさばらない。
底フタもあるし、外箱なしでも簡単に持ち運べて、外出先でも遊びやすい造りになっています。

もう1つの良い点は、テキストブック。
ルールは1ページなのですが、以降のページがなんと、簡易的な動物図鑑になってるんです。
本物の動物の写真や、学名や寿命、原産地などの情報が載っていたりして。
……カモノハシの平均寿命が10年とか初めて知ったぞ。……アメイジング!
パッケージの「子供から大人まで学びながら楽しく遊べるゲーム」の一文に偽りなし。

お子さんのいらっしゃる方はもちろん、夏休みで甥っ子や姪っ子と遊ぶ機会がある方もぜひ。
大人だけのプレイでも、重ゲーの合間など箸休め的に活躍すること請け合いです。
直感的に遊べてワイワイみんなで盛り上がれるゲーム。
皆さんも『ノアの箱舟』で、動物たちを洪水の危機から救い出してみてはいかがかな?

――といったところで、今回はここまで。
以上、「サチコでどうだ!!」新井淳平がお送りしました。ではではまた~。

【ライター紹介】
新井 淳平(あらい じゅんぺい)
「小説家」兼「フリーライター」。
ゲームシナリオのライティングにも携わる。
ボードゲームのプレイスタイルは、出遅れ追い上げ型。
ダイス運は、最悪だけどドラマティック。
【著書】
『シンデレラゲーム』(オリジナル小説・映画化)
『猫侍 久太郎、江戸へ帰る』(ノベライズ小説)
『猫侍 玉之丞、争奪戦』(ノベライズ小説)