ボードゲームレビュー第23回「グリモリア」

グリモリア
発売元:アークライト
作者:木皿儀準一
プレイ人数:2~5人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:約30分


 

まいどどうも、こんにちは。松風志郎でございます。
だんだんと季節が春めいて来るとともに、花粉症に悩まされる日々がまた始まりました。
毎年のこととはいえ、若干憂鬱です……。

そんな事はさておき、今回ご紹介するのは「グリモリア」でございます。
発売元はドイツなのにデザイナーは日本人という、ちょっと変わった経緯を持ったゲームのようです。

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プレイヤーはそれぞれ魔術師となって、魔導書に書かれた呪文を駆使し、魔術合戦の末に勝利を目指します。
ですが、「ファイヤー」だの「サンダー」だのといったありがちな攻撃呪文をぶつけ合うゲームではありません。

プレイヤーはまず自分の色を選び、それぞれの色の魔導書としおり、魔術師コマ等を受け取ります。
ミニサイズとはいえ、コンポーネントの魔導書がかなりしっかりした作りなのがちょっとうれしいですね!

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ゲームボード上には冒険カードを山札にして置き、人数に合わせて決められた枚数を配置します。
冒険カードには必ず一枚、裏向きのカードがあるところがポイントですね。
同様に、魔力レベルを表す魔力マーカーも、プレイ人数によって初期レベルが決まります。

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勝敗は、ゲーム終了時に一番多くの勝利点(VP)を獲得していた人の勝ちです。わかりやすい!
VPはターレルと呼ばれるコインや、冒険カードの仲間や領地、財宝カードなどを集めることで増えていきます。

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ゲームの手順も実に簡単。
1ラウンドは魔導書フェイズ、冒険フェイズ、撤収フェイズの3フェイズで進みます。
まず最初の魔導書フェイズでは、全員が自分の魔導書を読み、使いたい呪文を決めます。
決まったら、そのページにしおりを挟んで一旦置いておきましょう。
この時、ボード上の魔力マーカーが置かれている数字より上の呪文は使えません。
全員が呪文を選び終わったら、一斉に魔導書を公開します。
そして呪文に書かれた数字の小さい順に、次のフェイズの行動順が回ってくるのです。

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次は冒険フェイズです。
順番が早かったプレイヤーから、それぞれ3つのアクションを行います。
一つ目は、選んだ呪文の効果が発動します。
二つ目は、すでに獲得している冒険カードの内、仲間カードの能力が使用されます。
同じ仲間カードを複数持っていたら、枚数分だけ重複して効果を受けられますので、なるべく一緒の仲間を集めると強力です。
三つ目は、ボード上にある冒険カードを1枚獲得します。

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最後に撤収フェイズ。
全員が冒険フェイズを終えたら、場に残った冒険カードは捨て札となり、山札から冒険カードを置き直します。
それから魔力レベルを右に1マス上昇させたら、1ラウンドは終了です。
そうして、魔力マーカーが右端の赤いマスに到達したら、最終ラウンドを行ってゲーム終了です。

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とまぁ、ゲームの流れはかなりシンプルな感じですが、このゲームの面白さはズバリ読み合いにあります!
数字の小さい呪文は早く行動できる代わりに、効果もさほど強くありません。
しかし、場に出ている冒険カードに欲しいものがあったら、他のプレイヤーより早い手番を獲得しなければならないのです。
この呪文も効果は様々で、相手を妨害するものや、場にある冒険カードを操作するもの、捨て札を再利用するものなど、バラエティに富んだ呪文が揃っています。
高レベルになると使える攻撃術には、相手を狙って一発逆転を狙える呪文もありますが、それに対抗する防御呪文も存在していて、ここでも読み合いが発生します。
ゲームが終盤に近づくほど、この読み合いは白熱してくることでしょう!

また、仲間カードの効果も重要です。
最も早い順、あるいは最も遅い順になるとターレルを得る者や、誰かが黒魔術に成功する度にターレルを得られる者など、強力な効果を持つカードが大勢います。

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ターレルをいっぱい集めて「国王」でボーナスポイントを狙ったり、領地を集めて「女王」のボーナスを狙ったりするのもいいですし、「黒魔術師」でターレルを荒稼ぎするのもおいしいです。
呪文で引ける財宝カードは、ほとんどが0点のハズレカードですが、「鍛冶屋」がいればそれらが一気に得点源として立ち上がってきます。
また、ターレルを持たずに「徴税人」をがっつり集めるスタイルもかなり強いです。
この場合、余分なターレルは呪文のコストにして払ってしまうと無駄がありません。
「所持金を半分奪われる」という攻撃呪文で狙われる危険もなくなります。
こういった効果を複数織り交ぜて、互いを出し抜いていくのが、このゲームの醍醐味と言えるでしょう。

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個人的に、ゲームの勝ち筋が複数あるのがとっても面白いと思います。
プレイスタイルに合わせていろんな戦術が取れるというのが素晴らしい。
実際に魔導書をめくって呪文を選ぶという、なりきりっぽい要素もバッチリ再現してくれるコンポーネントも見事です。
ルールのシンプルさや、プレイ時間の手頃さなども、オススメしたいポイントですね。
魔術師達の虚々実々の駆け引きを、ぜひ味わってみてください。

さて、今回のゲームはいかがだったでしょうか?
それではまた次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
 アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
 世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。

代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
 大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
 大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
 その他多数。