ボードゲームレビュー第237回「汽車は進むよ」

「汽車は進むよ」(原題:jedzie Pociag z daleka)
作者: ジェフリー・D・アラーズ
メーカー:Nasza Ksiegarnia /日本語翻訳:engames
プレイ人数:1~4人
対象年齢:6才以上
プレイ時間:約20~45分

 


 

毎度どーもこんにちは。ライターの松風です。
ところで皆さんは列車での旅はお好きですか?
気の向くままに列車に揺られ、どこか遠くを目指す日々……ロマンですね。
さて、そんな旅愁を満たしてくれるかどうかはさて置いて、今回ご紹介するのはこのゲーム。

タイトルは『汽車は進むよ』です!

なんだか素朴で可愛らしいアートワークです。
デザイナーは『ニューアムステルダム』や『ニューヨークスライスピザ』などのジェフリー・D・アラーズ氏。
となれば、このどこかホンワカした雰囲気のアートデザインにも氏のこだわりが感じられて納得が行きますね。

ゲームは簡単。
プレイヤーは『線路タイル』を配置していき、その上を走る『汽車コマ』が『駅舎』に到達すれば得点をゲット。
全プレイヤーの全ての持ち駒がゴールしたらゲームは終了し、合計得点の高い人の勝ちです。
と、これだけ見ればとてもシンプルなゲームに思えますね。

もう少し詳しく見ていきましょうか。
まず各プレイヤーに色分けされた『個人ボード』を配ります。
これはタイルを置く枠になっていて、出発地点と駅舎もここに描かれています。

プレイヤーは、自分の『個人ボード』と同じ色の『線路タイル』と『人物トークン』、それに4色ある『汽車コマ』をそれぞれ受け取ります。
『線路タイル』はシャッフルして山札にしておき、『汽車コマ』は『個人ボード』上にある同じ色の汽車の絵の上に置いておきましょう。
『人物トークン』はとりあえずボードの脇にでも置いておきます。

あとはプレイ人数に応じた『得点ボード』を卓の真ん中に置いたら準備は完了です。
サクッと簡単にセットアップできるのも嬉しいですね。

さて、このゲームは1ラウンドに3つのフェイズがあり、各フェイズで全てのプレイヤーが同時に行動を行います。
まずはフェイズ1『タイルを取る』。
プレイヤーは全員、自分の『線路タイル』の山札の上から1枚引きます。
まぁ、ここはこれだけなのでサクサク次に行きましょう。

次にフェイズ2『線路を引く』。
手に取った『線路タイル』を『個人ボード』のどこに配置するか考えます。
ただしゲーム開始時には、まず『汽車コマ』が置かれた『車庫』に隣接するように置くことになります。
また、少なくとも1つは汽車を動かせるようにしないといけない事には注意しましょう。
ちなみにタイルの向きは好きに決められます。
置く位置を決めたら、全員で元気よく「建設!」と宣言してタイルを配置しましょう。

最後にフェイズ3『汽車を動かす』。
線路がつながったなら、汽車はその線路の途切れているところまで進みます。
複数の汽車が動けるなら、その全てを動かします。
これをうまく誘導して駅舎に向かうのがこのゲームの主目的なのです!

さて、ではカーブした線路の先で汽車同士がぶつかってしまったら?
はい、残念ながら衝突事故を起こして両方の『汽車コマ』がゲームから取り除かれてしまいます。
汽車がなくなると到達する駅舎の数も減ってしまうということで、得点源がグッと減ってしまうのです。
なので、ぶつからないようにうまく線路を敷くようにするのが戦略性になっているというわけですね。

実はもう一つ、このゲームの戦略性に影響する要素が存在します。
それがズバリ『駅舎』でもらえる得点です。
『得点ボード』を見てもらえばわかるように、各駅舎には縦に数字が並んでいますね。
実はコレ、到着順に得られる点数を表していて、早いもの勝ちで獲得できる得点が変わってくるのです。
誰かが駅舎に到着するたびに、その色の駅舎に『人物トークン』を置いて数字を塞いでいきます。
もし同じラウンドに同じ駅舎に到達したプレイヤーが複数いた場合、その全員がボード上の同じ場所にトークンを置くことができます。

当然といえば当然なのですが、最初の『車庫』から遠い場所にある『駅舎』ほど点数が高くなっています。
だからと言ってより近い『駅舎』を後回しにしていると、得られる点数はガクッと下がっていくのですよ!
狙ってた『駅舎』がほとんど得点にならないと分かれば、すぐさま臨機応変に他の駅へ汽車を誘導していきましょう。
どの『駅舎』を優先するか、取捨選択しながら線路もキッチリ敷いていかなければならないこのジレンマ。
可愛らしいアートにほっこりするかと思えば、どうしてなかなか良くできたルールじゃないですか!

全ての汽車が、駅舎に到着したり衝突して取り除かれたりして動かせなくなったら、あるいは『個人ボード』の枠内が全て『線路タイル』で埋まってしまったら、そこでそのプレイヤーはゲーム終了です。
まだ残ったプレイヤーだけでゲームは進行し、全プレイヤーのプレイが終わったらゲームは終了します。
『人物トークン』が置かれた場所の得点を合計して、最も高かったプレイヤーの勝利となります。

人物の代わりに『動物トークン』を使って最長路線を競う追加ルールを使用すれば、プレイ感覚は全く別のゲームに様変わり。
さらに、通常ルールと追加ルールを組み合わせて遊べば、より複雑なゲームを楽しむこともできます!

一見して子供向けかと思うようなアートワークの作品ですが、ルール自体は意外なほど深いゲーム性も持ち合わせています。
コンポーネントもスッキリまとまっていてセットアップも手軽なので、ボードゲーム初心者の方から手慣れた方まで幅広い層にオススメです。
決してガチゲーではありませんが、だからといってヌルくもないこの手軽さと戦略性は結構クセになりますよ!

といったところで、今回のゲームはいかがだったでしょうか?
それではまた次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。

代表作
歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
その他多数。