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ボードゲームレビュー第238回「チケット・トゥ・ライド:ニューヨーク」

「チケット・トゥ・ライド・ニューヨーク」
作者;アラン・R・ムーン
メーカー:ホビージャパン
プレイ人数:2~4人
対象年齢:8才以上
プレイ時間:約10~15分

 


 

どーも皆さんこんにちは。ライターの松風です。
さて今回ご紹介するのは、あの名作『チケット・トゥ・ライド』シリーズの新作『チケット・トゥ・ライド ニューヨーク』です。
『チケット・トゥ・ライド』といえば、マップによっては世界中を線路だらけにするくらいのボードゲームですが、ニューヨークってずいぶん規模小っちゃくない……?
いえいえ、そこはご安心ください。
この『チケット・トゥ・ライド ニューヨーク』は、言ってみれば軽量版。
短い時間で、少人数でも楽しめる事を念頭に置いた一作なのです。

『チケット・トゥ・ライド』を知らないという方にご説明しますと、プレイヤーは鉄道王となり、都市から都市へと線路を結んで自分の鉄道網をつくろう!というのが目的のゲームです。
十数年前にドイツ年間ゲーム大賞にも選ばれ、世界各地を舞台にしたヴァリアントも色々発売されております。(それぞれ微妙にルールも違ってたりするのがミソ)
中にはモンスター(エイリアンと怪獣)と戦いながら線路を敷いていく変わり種の拡張セットなんかもあって、ボードゲームとして息の長いシリーズとなった感がありますね。

今回取り上げる『ニューヨーク』版は従来の鉄道網ではなく、バスやタクシーを乗り継いで観光ルートを設定する、という趣向。
なるほど、これなら線路の代わりになりますね!

ボードもとってもコンパクト。
ですが『チケット・トゥ・ライド』のテイストはしっかりと味わえます。
セットアップもとっても簡単。
ボードを卓に広げたら、選んだ色の『タクシーコマ』を受け取り、『乗り物カード』と『行き先チケットカード』をシャッフルしてそれぞれ山を作ります。
『乗り物カード』を上から5枚、表向きにして山札の横に並べ、『行き先チケットカード』を各プレイヤーに2枚ずつ配ります。
プレイヤーはこの『行き先チケット』を2枚とも保持しても良いですし、片方を山札の下へと返しても構いません。
これにてゲームの準備は完了。
元の『チケット・トゥ・ライド』の頃から手軽でしたが、ニューヨークはそもそもコマの数が少ない分、さらに手軽になっています。

プレイヤーは手番が回ってきたら、3種類のアクションから1つだけ選んで実行します。
そのアクションとは「乗り物カードを引く」「ルートをつなぐ」「行き先チケットを引く」の3つです。
順番に行きましょう。

「乗り物カードを引く」
『乗り物カード』はゲームボードに示されている6色のルートと対応しています。
それ以外に、オールマイティとして使える多色の『タクシーカード』も混じっています。
このアクションでは、プレイヤーは『乗り物カード』を2枚引きます。
場に並んでいるカードから取ってもいいですし、山札から引いてもOK。
場に並ぶカードが減ったら即座に山札をめくって場に補充します。
自分の持ってる『行き先チケット』と相談して、なるべく同じ色を揃えていきましょう。

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ただし、場札から『タクシーカード』を取ると2枚めは取れません。
あるいは1枚目に何かのカードを取ったら、2枚めに場札の『タクシーカード』を取ってはいけません。
『タクシーカード』は何色のカードとしても使える強いカードですので、ゲットする時に制限があるというわけですね。
また、場にカードが補充されて、3枚以上が『タクシーカード』になってしまったら、場にある5枚を全て捨て札にして新たに5枚引き直します。
山札は無くなると捨て札をシャッフルし直して山を作り直されます。

「ルートをつなぐ」
ボード上で名前が付いている観光名所のマスからマスへは『ルート』と呼ばれるマスで繋がっています。
このアクションでは、選んだ『ルート』と同じ色の『乗り物カード』を『ルート』と同じ枚数捨て札にすることで、自分の『タクシーコマ』を配置できます。
下の写真でいうと、ブルックリンからチャイナタウンまでの『ルート』は赤3枚かオレンジ3枚の『乗り物カード』を使用することで開通します。

観光名所が2つ以上の『ルート』で繋がっていても、1プレイヤーが繋げる『ルート』はどちらか片方だけです。
他のプレイヤーを妨害するためにどっちの『ルート』も塞いでやる! なんてことは出来ませんのであしからず。
ちなみに灰色の『ルート』は、同じ種類であれば何色のカードででも繋ぐことができます。
また、繋ぐ『ルート』は既に繋いだ『ルート』と隣接していなくても構いません。
そして一手番中に繋げる『ルート』は1つだけです。

「行き先チケットカードを引く」
このアクションでは、『行き先チケットカード』の山札から2枚引いて、1枚は山札の下に戻すか、両方保持するか選べます。
『行き先チケットカード』には2つの観光名所と点数が描かれています。
そこに書かれた名所同士を自分の『タクシーコマ』で繋げられたら、ゲーム終了時に点数分の得点になるというわけです。
「それなら点数高いカードばっか集めりゃいいんじゃね?」と思われたでしょう。
しかし! 達成できなかった『行き先チケットカード』は、そこに書かれた点数分、最終得点がマイナスになってしまうのです!
基本的に、名所同士が遠ければ遠いほど点数が高くなっていますので、途中で他のプレイヤーに塞がれてしまう可能性が高いんですねー。
そしてこのゲームが割とサクサク終わってしまう事を忘れてはいけません。
あまり欲をかきすぎると悲惨なことになりますので、チケットを引く時はよーく考えましょう。
ちなみに『行き先チケットカード』の内容と、チケットが達成できたかどうかはゲーム終了時まで明かされません。
他の人がいっぱいチケット持ってるからと言って、点数が引き離されてるとは限らないワケです。

誰か一人の手元にある『タクシーコマ』が2個以下になったら、各プレイヤーは最後に一回ずつ手番を行ってゲームは終了します。
あとは楽しい楽しい得点計算です。

最初に、各プレイヤーは『ルート』のマス別得点表を参照して、自分が繋いだ『ルート』の得点を得ます。
次に、保持している『行き先チケットカード』を公開して、達成できているカードの点数を獲得します。
先述した通り、出来ていなかったらもちろんマイナスです。
最後に、自分が繋いだルートにある観光名所1つにつき1点を獲得します。
これらを合計して総合得点が最も多いプレイヤーの勝利となります。

ルールとしてはいつも通りの『チケット・トゥ・ライド』であり、安心を覚えるほどのシンプルさです。
ただ、マップが小さいのでゲームスピードは従来の比ではありません。
『チケット・トゥ・ライド』の面白さはそのままに、短時間でサクサク遊べるゲームになっています。
持ち運びもかさばりませんし、スキマ時間でも遊べる手軽さですので、ちょっとしたゲーム会に持っていくにはピッタリですね!
ボードゲーム初心者の方は、これを入門編として各種『チケット・トゥ・ライド』シリーズへと挑戦してみるのもいいでしょう。
ぜひ、シンプルかつ奥が深い名作の息吹が味わってみてください。

といったところで、今回のゲームはいかがだったでしょうか?
それではまた次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。

代表作
歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
その他多数。