ボードゲームレビュー第24回「タシュ=カラール」

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 タシュ=カラール 伝説の闘技場
 発売元:ホビージャパン
 作者:ヴラーダ・フヴァーティル
 プレイ人数:2~4人
 対象年齢:13歳以上
 プレイ時間:30分


 

 

 皆様、初めまして。もしくはお久し振りです。
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」代表の綺月と申します。

 今回は斬新なカードシステムが面白い対戦ゲーム、「タシュ=カラール」をご紹介します。
 魔法とモンスターで戦うファンタジー世界の闘技場を舞台にした「タシュ=カラール」は、いくつもの遊び方ができる意欲作。
 ユニットの配置や移動、破壊が独特で、カードコストなどに斬新なアイディアがたくさん盛り込まれています。
 それでいてゲーム中にプレイヤーが行う事は4つにまとまっており、戦略や戦術に集中できるゲームに仕上げられていて。
 慣れれば慣れるほどに奥深く楽しむ事ができる、実に趣深く競技性の高い良作なのです。

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 まずはコンポーネントを、ご紹介しましょう。
 ボードは2種類。
 ゲームボード。縦横最大9マスの盤で、ゲームの舞台となる闘技場。裏表で異なりますし、四隅の3マスがなく、円形に近い作りにご注意。

 各プレイヤーの得点を記録し、戦いの終了と勝者を決める得点ボード。こちらも表裏で内容と使い方が代わります。一枚二役の無駄のない作りです。
 カードは3種類に分かれます。

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 4つの流派に分かれ、各プレイヤーのデッキとなる4色のクリーチャーカード。
 青と赤は同じ内容で、分かりやすいカードがそろっています。黄色はコストが重いですが、破壊力に富んだクリーチャー揃いです。緑も変則的、スロースターターですが盤上を神出鬼没に翻弄します。

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 同じくクリーチャーカードなのですが、共通のデッキとして誰もが等しく呼び出すチャンスがあり、必殺の威力を発揮する伝説カード。伝説級ユニットを召喚できるカードです。
 不利な戦況を覆す、焔カード。効果は2種類書かれていますが、条件を満たしていればどちらも使えるので、一気にゲームを逆転させる可能性を秘めています。
 そして書かれた条件を満たしたプレイヤーに、得点を与えるタスクカード。

 最後にチップ。
 一般級ユニットのチップには、裏により強い英雄級ユニットを表わすアイコンが書かれてます。もう一つが伝説級ユニットのチップ。この2種類が、流派ごとに4色です。
 アップグレードされたユニットとルールに表記されますが、一般級を1レベル、英雄級を2レベル、伝説級を3レベルだと考えれば、分かりやすいでしょう。
 このレベル差は、ユニットを破壊できるかできないかに深く関わるので、注意すべき要点です。
 特に伝説級ユニットは伝説カードによる召還時に強力な効果を発揮するだけでなく、破壊が難しくて盤上を占領してしまう強力なユニットです。しかも配置すれば点数が獲得できるのも重要です。
 このチップの盤上の配置が、クリーチャーカードや焔カードを使うためのコストになります。

 以上を駆使して、闘技場の勝者を目指すのが「タシュ=カラール」。とても多彩な遊び方ができるゲームです。
 単純にユニットの召喚や撃破を競う「デスマッチ」、タスクカードを用いて戦略を競う「クラシック」。
 この二つを、さらに複数のプレイヤーがチームを組んで戦う「チーム戦」か、全てのプレイヤーが相対する「乱戦」で遊べるのです。

 では基本的なゲームの遊び方を、ご紹介しましょう。
 ルールブックには「最初のルール」が書かれていますが、これは「遊び方を学ぶためのルール」なので、ゲーム終了までプレイしなくても問題ないと思います。
 基本的な遊び方が分かったら、改めて次の「完全ルール」で、好きな遊び方を遊ばれると良いでしょう。

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 まずは「クラシック」を、二人で遊ぶのを説明します。
 まず各プレイヤーは好きな流派を選び、その色のクリーチャーカード、一般級と伝説級のユニットのチップを受け取ります。
 そして自分のクリーチャーカードをよくシャッフルして裏向きに積んで自分の山札とし、そこから3枚を引いて手札にします。
 次にゲームボードを「クラシック」側を表にしておき、その横に伝説カードと焔カードをよくシャッフルして山札にして置きます。

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 タスクカードは4枚が公開され、そのうち3枚は条件を満たせば獲得できます。1枚は予告です。
 得点ボードのうち2枚が、タスクカード置き場になっています。獲得可能な3枚と予告1枚を表向きに、そして予告分の下にタスクカードの山札を裏向きに積みます。

 伝説カードと焔カードは、二人とも引ける共通の山札です。各プレイヤーは伝説カード2枚と焔カード1枚を山札から引いて、手札に加えます。
 そして残りの得点ボードを各プレイヤーがそれぞれ受け取り、その0点のマスの上に一般級ユニットのチップを1枚置きます。
 クリーチャーカード3枚と伝説カード2枚、焔カード1枚、計6枚の手札を持ち、得点ボードの準備ができたら、ゲーム開始です。

 プレイヤーは、自分の手番(ターン)にアクションを行います。
 ゲーム開始直後の初手プレイヤーは1アクションしか行えませんが、以後はどのプレイヤーも自分の手番に2アクションを行えます。またカードの効果で、その手番のアクションが増える事があります。
 アクションは「一般級ユニット1体の配置」「クリーチャーの召喚」「手札を1枚、捨てる」の三つです。
 また自分の手番に「焔カードを使う」こともできます。「焔カードを使う」はアクションとは数えません。
 三つのアクションをどの順番で行うかは、その手番のプレイヤーの自由です。また「焔カード」の使用も、アクションの処理中に割り込むのでなければ、手番中いつでも使えます。
 こうして手番で得た数のアクションを終えたら、得点ボード上の獲得可能なタスクカード3枚と盤上の状態を確認します。そして条件を満たしたタスクカードがあれば、その中から1枚を選び、獲得します。
 そして手番の最後は、得点ボード上のタスクカードを補充し、自分の手札をクリーチャーカード3枚と伝説カード2枚、焔カード1枚、計6枚に各山札から補充するのです。
 補充を終えたら、次の人に手番を回します。

 特に派手なのは、「クリーチャー召喚」です。
 盤上の自分のユニットの配置が、手札内のクリーチャーカードの使用条件を満たしている場合、そのクリーチャーを指定マスに召喚し、同時にそのカードの効果を発揮するのです!
 その結果、ユニットがガンガン移動したり、多数のユニットを一気に破壊できたり、より強力なユニットを大量に配置できたり。

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 例えば「大砲」ですが、この通り青の3ユニットを撃破!
 この「クリーチャー召喚」を楽しく活用するのが、本作の主題でしょう!

 また本作の妙である注目点は、ユニットの「召喚」と「移動」による「ユニット破壊」です。
 盤上に配置したユニットは、クリーチャーカードや焔カードの効果でのみ、「移動」が可能になります。それ以外では、配置された場所から動けません!
 なのでユニットを配置する位置が重要なのですが、「召喚」での配置には、驚くべき攻撃力があります。
 「クリーチャー召喚で配置指定したマスに、召喚ユニット以下のレベルのユニットがあれば、そのユニットを破壊して召喚ユニットを配置できる」のです!!
 これで敵ユニットを駆逐したり、不要な自分のユニットを排除する事も可能。こうして敵ユニットを撃破する事ができます。
 なおクリーチャー召喚など多くの場合、特に指定がなければユニットは、レベル以下のユニットの代わりをする事ができます。英雄級ユニットは、一般級ユニットとしても扱えるという事です。カード使用の場合、指定がないか注意して下さい。
 
 次にユニットの「移動」も、4種類あります。
 「通常移動」は、対象に指定したユニットを、縦横斜めの隣接8マスに「移動」して配置します。そのマスに移動ユニットより低いレベルのユニットがあれば、破壊して配置できます。
 「戦闘移動」だと、移動ユニット以下のレベルのユニットを破壊して、「移動」できるのです!
 「通常跳躍」では盤上のどこか空いているマスか、移動ユニットより低いレベルのユニットがいるマスに「跳躍」し、そのユニットを破壊して配置できます。
 「戦闘跳躍」すれば、移動ユニット以下のレベルのユニットを破壊して、そのマスへ「跳躍」できるのです!!
 最初はユニットがアクションで移動できないのを、もどかしく思うかも知れません。
 しかしこの「ユニット破壊」を伴う「配置」と「移動」こそ「タシュ=カラール」の醍醐味であり、戦略性や戦術性を激しく競い合える注目点だと思います。

 以上の手番を繰り返して上手く得点を稼ぎ、目標点数に達した人が勝者です!
 二人での「クラシック」の場合、盤上にある自分の伝説級ユニットは1点と数えます。獲得しているタスクカードの点数と合わせて、9点以上を獲得したプレイヤーが勝利するのです!!

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 これが基本的な遊び方で、「デスマッチ」の場合はタスクカードを使用せず、撃破したユニットが点数となります。
 また焔カードの使用が相手プレイヤーに点数を与えるなど、大きく様相が変わるでしょう。
 全てのプレイヤーが戦う「乱戦」では、特定のプレイヤーを狙っても勝利できず、全ての敵から得点を得る必要がある独特のルールがあります。

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 「チーム戦」では、同じチームのプレイヤーで山札を共有し、手番も融通しあえる「協力」がルール化されていて、互いの「協力」がプレイの中心となります。

 このように「タシュ=カラール」は、対戦ゲームとして懐の深い、長く遊べて噛めば噛むほど味わいの増す、息の長いゲームだと思います。
 もしボードゲームをよく遊ぶ機会があるなら、このゲームを皆で競い合うと良いのではないでしょうか?
 競技性が高く、多彩な遊び方ができて、拡張性も高い「タシュ=カラール」。
 新たな流派の参戦など、今後の展開が実に楽しみです。
 異世界の闘技場を熱狂させる、伝説のチャンピオンをぜひ目指して下さいませ!!

 

ライター紹介

綺月鏡水(きづき きょうすい)
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」代表。
 ゲームシナリオライター・プランナー・シナリオディレクター
 専門学校講師「ゲームシナリオ・ゲーム企画等」
 アナログ、デジタルを問わずゲーム好き。
 メカアクションやファンタジー、戦記物、ラブコメなどのゲームシナリオを主に執筆。

代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ。
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」。
 対戦立体パズル「コンボる?」
 対戦カードゲーム「ぺあぺあ☆エクスチェンジ!」
 その他、多数。