ボードゲームレビュー第255回「インヴィクタス・ザ・ファラオ」

「インヴィクタス・ザ・ファラオ」
作者:ナイトウ・ソウヤ
メーカー:ヘムズユニバーサルゲームズ株式会社
プレイ人数:2人
対象年齢:13才以上
プレイ時間:約5~30分

 


 

「西洋、東洋ときて、次は……エジプト!?」

というわけで、みなさんおなじみまして。もしくは、はじめまして。
作家でフリーライターの、新井淳平です。
私の担当するボードゲームレビューも、ついにキリ良く40回目。
そんな、勝手に記念となる今回取り上げる逸品は――
来る5月25日・26日に開催される「ゲームマーケット2019春」にて登場する新作。
これを発売に先駆け、ひと足お先にご紹介したいと思います。

『インヴィクタス・ザ・ファラオ』。
そう、前回ご紹介した『インヴィクタス・ザ・将軍』の続編となるゲームです。
と言っても拡張版ではなく新バージョン。前作を持っていなくても単品で遊ぶことができるので、ご安心ください。
ルールは、1作目『キング』と2作目『将軍』と同様。異なるのはフレーバーと〈兵士カード〉の内容です。
――というわけで、今回は。
3バージョン混ぜて遊べる「多国籍軍ルール」での遊び方と、4人プレイ「連合軍ルール」をご紹介したいと思います。
まだ通常の2人対戦ルールをご存じない方は「レビュー第245回」をチェックしてみてねっ☆
……見よ兵士らよ! ピラミッドの上から4000年の歴史が諸君らを見下ろしている! byナポレオン

【多国籍軍ルール】
これは『インヴィクタス』シリーズの複数バージョンのカードを混ぜて遊ぶルールです。
今回のプレイでは、せっかくなので『キング』『将軍』『ファラオ』の3作全部を使ってプレイしてみました。
……これぞ、デッキ構築システムがあるゲームならではの醍醐味ですよね。
準備の流れとしては、通常ルールと同じく、まず「王将」にあたる〈リーダーカード〉を2枚配り、うち1枚を採用。
今回は3作混ぜているので「キング×5+将軍×5+ファラオ×5」の15枚から配られることになります。
……各バージョンのプロモカードも含めてプレイする場合は「18枚」から、だね。
その後、どの〈兵士カード〉を何枚ずつ採用するかを選択。
「リーダーカード1枚+兵士20枚」のデッキを構築するのですが――
ここで「多国籍軍ルール」の特徴が発揮されます。
1バージョンだけでは選べる〈兵士カード〉の種類が5つのところ、15種類から選べちゃうんです。
――ただし!
デッキに入れて使う〈兵士カード〉の種類は、色ごとに1種類に絞らなければいけません。
例えば、赤は『キング』の〈アーチャー〉、紫は『将軍』の〈忍者〉といった具合。
〈アーチャー〉を使う場合、同じ赤色で兵種の違う〈銃兵〉と〈スリンガー〉はデッキに入れられません。
「3択×5色分」ということですね。

●兵士カードの種類
さて、ここで気になってくるのが今作『ファラオ』で新たに登場する〈兵士カード〉の内容。
3作目ともなると、強力でテクニカルな効果が導入されています。
でも、後発のほうが一概に強い、というわけではないのが、この『インヴィクタス』シリーズの……いーいーとーこー!
……TCGだとよくありますからね、新作カードがゲームバランスを一気に崩壊させちゃったりすること。
とまあ、それはさておき。
ではでは、前2作の〈兵士カード〉の効果とも比べつつ、今作のカードを1枚1枚丁寧に見ていきましょう。
(新作『ファラオ』に含まれるカードは、冒頭「☆」マーク付きのものです)

《水色》近接戦闘・火力系
☆コマンダー…『ファラオ』:攻撃力2/体力2(1)/自分の戦場内の兵士カードを全て縦向きにする(自分②の際)
・侍-サムライ-……『将軍』:攻撃力1/体力2(1)/次に攻撃する兵士カードの攻撃力を「+3」(自分②の際)
・ウォーリア……『キング』:攻撃力X/体力2(1)/自分の全カードの攻撃力を「+1」(自分②の際)
※攻撃力X=手札枚数

コマンダーの支援効果、強力です。戦場の兵士カード全てを未行動のアンタップ状態にしてくれるとは。

店長註:ただしリーダーカードは縦向きにできないので、注意が必要。
(指揮官ごときが、王に指示を出す事などできないのです。)

つまり、全員1度攻撃した後にこの効果を使えば、全員もう1回ずつ攻撃が行える。これはぜひ使いたい。
いや、でもでも、戦場の枚数が少ないと真価が発揮できない。
その点〈侍〉の支援効果なら、戦場に1枚しかいなくても一撃必殺の威力が出せるのが魅力的。
でも、敵の数が多いときは?
そう考えると〈ウォーリア〉の支援効果で波状攻撃を狙うのがいいような……。
必ずしもどれが一番いい、ということはないため、どれを採用するかは悩ましいところ。
……悲しさは世界共通。笑いは文化によって異なる。byクレオパトラ


《緑》守備・ガード系
☆メジャイ……『ファラオ』:攻撃力1/体力2(3)/相手の攻撃を防ぎ、攻撃対象のカードを手札に戻す(敵②の攻撃対象宣言の際)
・武者-ムシャ-……『将軍』:攻撃力1/体力3(1)/相手の攻撃を防ぎ、前後のカードの位置を任意で入れ替える(敵②の攻撃対象宣言の際)
・ガーディアン…『キング』:攻撃力1/体力3(2)/相手の攻撃を防ぐ(敵②の攻撃対象宣言の際)
※〈武者〉の支援効果は、前列にしかカードがないなど入れ替えが不可能な場合、攻撃を防ぐ効果も発動できない。
※〈メジャイ〉の支援効果は自分の戦場に1枚しかカードがないときには使用不可。攻撃を防ぐ効果も発動できない。

支援効果の使い勝手がいいのはもちろん〈ガーディアン〉。条件なしに攻撃を防げます。
しかし、条件がある分、使いこなすと強いのが〈武者〉と〈メジャイ〉。
〈武者〉はこのゲームで容易に行えない場所替えを行うことができます。
そして〈メジャイ〉は、場のカードを手札に戻すことで後方支援の活性化を図れる。
選択はプレイスタイルに大きく左右されるでしょう。


《赤》遠距離射撃・砲撃系
☆スリンガー…『ファラオ』:攻撃力1/体力2(1)/相手の戦場の前列中央マスのカードに「2ダメージ」与える(自分②の際)
・銃兵-ジュウヘイ-『将軍』:攻撃力2/体力2(1)/相手の戦場の後列にあるカード1枚に「2ダメージ」与える(自分②の際)
・アーチャー……『キング』:攻撃力1/体力2(1)/相手の戦場のカード1枚に「1ダメージ」を与える(自分②の際)

支援効果の汎用性が高いのは〈アーチャー〉。敵がどの位置にいてもダメージを与えることができます。
ただし、他の2種もハマれば強い。〈銃兵〉の支援は、火力の出る近接系の攻撃が届きにくい後列を狙えるのが魅力。
〈スリンガー〉の支援は、マスまで限定されている代わりに2ダメージ。前線の火力不足を補い、トドメを狙えます。


《黄》アシスト・テクニカル系
☆アヌビス……『ファラオ』:攻撃力2/体力2(2)/自分の墓地から1枚選び、自分の戦場の空マスに置く(自分②の際)
・虚無僧-コムソウ-『将軍』:攻撃力2/体力2(2)/次に攻撃する兵士カードの攻撃範囲を、自分のリーダーカードと同じにする(自分②の際)
・プリースト……『キング』:攻撃力1/体力2(2)/自分の戦場のカード1枚を別マスに移す(自分②の際)

驚きました、〈アヌビス〉の支援効果。
まさかの墓地蘇生とは、さすがはエジプト神話の冥界神。……アメイジング!
しかも、アンタップ状態で[戦場]に呼び戻すため、蘇ったカードで即座に攻撃を行うことも可能です。
〈虚無僧〉の支援効果は、油断している相手の不意を突くのに最適。
プリーストの支援効果は貴重な移動効果。逃げに攻めにと使い勝手がよく、こちらも不意打ちが狙えます。
どれを採用するかは、いよいよプレイヤーのセンス次第になってきますね。
……どれを使おうか、考えてるだけでワクワクしてきます。


《紫》アシスト・ブロック系
☆ソーサラー…『ファラオ』:攻撃力1/体力1(1)/相手の《緑・黄》以外の後方支援を防ぎ、自分の王国から1枚を手札に加える(敵が後方支援のためカードを置いた際)
・忍者-ニンジャ-…『将軍』:攻撃力2/体力1(1)/相手の手札からカードを2枚選び、相手の待機列に置く(自分②の際)
・ウィザード……『キング』:攻撃力1/体力1(1)/相手の後方支援を防ぐ(敵が後方支援のためカードを置いた際)
※〈忍者〉の支援効果は、相手の手札が1枚以下の場合、発動できない。
※〈ソーサラー〉の支援効果は、自分の王国にカードがない場合、発動できない。

〈ソーサラー〉の支援効果を使うと、捕虜にした敵デッキのカードを自軍のものとして使うことも可能。
ただし、この効果を活かすためには、常に[王国]の枚数を充実させておく必要があります。
さらに、[戦場]を有利に進めることに気を取られていると、うっかり[王国]で4ポイント取られてしまう危険も。
その場合は敵の「建国」成功によって、敗北となってしまいます。
……優秀な効果だけど、一ヶ所に気を取られて視野が狭くなってしまう私には向かないかな(汗)
〈忍者〉は前回レビューでも書いた通り、相手の後方支援を牽制する側面があります。
5マスしかない[待機列]がいっぱいでカードが置けなくなると、後方支援もできなくなりますから。
さらに、[待機列]に敵の意図せぬ順番でカードが置かれるため、後々の[戦場]支配にも影響が出てくることでしょう。
ただ、この2種はどちらも条件を満たせないとブロック効果も発動できない。
しかもブロックも〈ソーサラー〉に至っては完全ではなく限定的なものです。
そこいくと、純粋にブロックのみに特化したウィザードが一番扱いやすいかもしれません。
なお、これらの「後方支援を防ぐ後方支援効果」は、敵に防がれ返されることがありません。


ちなみに〈リーダーカード〉の後方支援は、自分のデッキに含まれるどのカードの支援効果としても使えます。
また、ここまでに記したカード情報以外にも、実際のカードには「攻撃範囲」の情報が描かれています。
これも、どの兵種をチョイスするか考えるうえで、重要なポイントになってくるでしょう。
例えば、〈アヌビス〉は中央列にいるとまるで攻撃が当てられない範囲になっていたり。
〈スリンガー〉は自分の正面の列に攻撃ができなかったり。
とまあ、そんなこんなで。
じっくり時間をかけて多国籍混合デッキを作ったら、あとは通常ルールと同様。
――いざ、緊迫の知略戦を楽しみましょう!

これまでのレビューでご紹介したように、単一バージョンでの対戦なら、枚数構成こそ違えど兵種構成は同じだったところ。
「多国籍軍ルール」では相手が色ごとにどの兵種を採用しているかわからない分、より複雑な戦いとなるでしょう。
……「しまった〈スリンガー〉だったかっ!」
今回、そう叫んでしまったのは誰あろう私。前列中央に〈リーダーカード〉を配置した途端のことです。
敵は〈スリンガー〉の後方支援2連発で我が王に4ダメージも食らわし、攻撃でサクリとトドメを刺しやがりました。
王の死=敵による「追放」達成。一発で敗北確定です。
……なんて日だっ!!
何が出てくるか読めない難しさ。しかし、それでこそおもしろい。
……負けたのは悔しいけどね(笑)

【連合軍ルール】
話は変わりまして、こちらは、公式サイトに掲載されている4人プレイ用のルール。
基本的なルールは変わらないのですが、バトルはタッグマッチ的な様相になります。
そして、デッキの枚数は「ショートマッチ」と同じ「リーダー1枚+兵士10枚=11枚」。
通常デッキの半分の枚数ですね。
なので、この「連合軍ルール」は『ファラオ』だけなど1バージョンしか持っていなくても遊べちゃう。
……ザッツ親切設計! だったらやってみない手はありません。
では、順を追って「連合軍ルール」のポイントを見ていきましょう。

●チーム分け
ゲームは、プレイヤーA&C=「チームα」対「チームβ」=プレイヤーB&D、での対戦となります。
まずはみんなで相談して、チーム分けを決めましょう。

●デッキ構築
〈リーダーカード〉は2枚から選ぶ形ではなく、ピンポイントで1枚引いて採用決定。
〈兵士カード〉は各色5枚ずつに分けて、各プレイヤーが持ちます。
1種類につきデッキに入れられる最大枚数は5枚、ということですね。
これは複数バージョン混ぜた「多国籍軍ルール」と併用して「連合軍ルール」を遊ぶときでも同様の縛り。
なお、デッキを組む際にはチームメイトとの相談ができます。
……「おまえ、それ入れるのか。じゃあ、俺はこれを多めにするよ」
という感じで、両デッキの連携がうまく機能するよう心がけましょう。
……「きみ、そのデッキ構成は無茶だろ。もう少しこっちを増やしたほうがいいって」
デッキを作るのは通常プレイでもお馴染みですが、話し合いながら、というのはまたひと味違った楽しさがあります。
互いに助言しあったりしつつ、さまざまな状況を想定してバランスよくデッキを組みましょう。
……じっくり考えろ。しかし行動する時が来たなら考えるのをやめて、進め。byナポレオン

●セットアップ
全員自分のデッキが完成したら、各自デッキの〈兵士カード〉10枚を山札にしてシャッフル。
その後、各自自分の〈リーダーカード〉を全プレイヤーに公開します。
ジャンケンなどでチームの先攻後攻を決め、さらにチーム内での登板の前後も決定します。
ターンの流れは以下の通り。
プレイヤーA(チームα)→プレイヤーB(チームβ)→プレイヤーC(チームα)→プレイヤーD(チームβ)
Aのアクションに対するリアクションはBが行い、Bのアクションへの対応はCが行う、といった形。
――ここ、重要です。
もしAが敵Bの後方支援をブロックするカードを持っていたとしても、動けるのはCのみ。
Aがそれを行えるのは、敵Dが行動しているターンのみ、なんです。……ジレンマですねぇ。
さらに、タッグマッチの様相といえど、この「登板順の決定」以降は、仲間同士でも相談ができなくなります。
[戦場]とそこにいる〈兵士〉、そして[待機列]と[墓地]は共有しているけれど、あくまで連合軍。
[王国]と手札は別々だし、いわば指揮系統は一つではないのです。

さて、全員の登板順が決まったら、各自自分の山札から2枚を引いて手札にします。
もしその内容が気に入らなかった場合、1度だけ引き直すことも可能。
その場合は引いたカードを山札に戻してリシャッフル。その後、改めて2枚を引き直します。
こうして確定した2枚に自分の〈リーダーカード〉を加え、初期手札3枚の用意が完了。
ここから、順番に手札を1枚ずつ各場に設置していくこととなります。
通常ルールでは先攻後攻交互に、[戦場][待機列][王国]にカードを置いていくことになりますが、「連合軍」ではここも分担。
まず、Aが自チーム[戦場]の任意のマスに、続いて、敵Bが同じく[戦場]に、手札のうち1枚を設置。
次に、Cが自チーム[待機列]に手札から1枚を設置。敵Dも同様に[待機列]にカードを設置。
最後に、ABCDの順に、各自手札から1枚を自分の[王国]に設置。
これは「自チーム」ではなく「自分」の[王国]です。
あくまで[王国]は4人別々ですからね。混同しないように注意してください。
なお、[王国]で決着がつく「建国」を達成するための戦いは、A対B、C対D、の構図になります。
AがBに王国で3ポイント負けていても、CがDに4ポイント勝てば、チームαの勝利となりゲームは終了。
勝敗はチーム共通。でも[王国]のポイント争いは、チーム合計ではなく個人戦、ということ。

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●プレイ感
根底となるルールこそ通常と変わらないものの、プレイ感はだいぶ異なります。
まず[戦場]への〈兵士〉の展開が速い。序盤は、次の自ターンが回ってくるまでに2、3枚増えていることもザラです。
また、実質個人戦となる[王国]よりも、[戦場]での戦いが圧倒的メインになります。
あと、これは私に限った場合かもしれませんが――
私は自分で戦略の指針を決定するのが不得手なのですが、チーム戦では相棒の行動を見て動くことで、自然と指針が定まりました。
その代わり、相棒の足を引っ張るわけにはいかない、というプレッシャーも。
この2点があることが、私にとっては個人戦よりも好みでした。
今回は「連合軍」と「多国籍軍」ルールを併用して4人で遊んでみたのですが、結果は見事、自チームの勝利。
〈コマンダー〉と〈侍〉の近接タッグが、戦場で大立ち回りを繰り広げました。
……「全能の神よ、我が業を見よ! そして平伏せよ!」

ただ、決着がついた後でフタを開けてみると――
こちらの連携がうまくいったのも然ることながら、相手プレイヤーDのデッキが偏屈な構成になっていたことが一番の勝因と判明。
まさかの2色限定構成。しかも《緑》と《紫》が1枚もない。つまり、こちらの攻撃や支援をブロックする手段が皆無なんです。
……これはさすがに冒険しすぎでは(唖然)
「だって、この《赤》特化デッキにしたかったんだもん」――とD氏。
……うん。ならしょうがない。やりたいようにやるべきだ。
だって、ゲームは楽しまなくっちゃ意味がないですからね。
でも、勝つためには多少ストイックに臨むことも必要、ということかな。
勝ちにいくのか、はたまた、自由なプレイを楽しむのか。……TCGでもよく発生するジレンマですね。
チーム戦ではそういったスタンスの面も、デッキ構築以前に忌憚なく話し合えるといいですよね。
……悪い連隊はない。悪い大佐がいるだけだ。byナポレオン

ちなみに、これは蛇足ですが。
勝敗を離れたイチ光景として戦場を見てみると、ちょっとおもしろいものがありました。
……「侍vsファラオ」って、ラノベでも見たことない斬新なバトルですぞ。

【ゲームの終了】
4種の勝敗決着パターンだけ、最後におさらいしておきたいと思います。
……前2作のレビューを読まれた方には、釈迦に説法ですが(汗)

●追放:一方の〈将軍〉が「破壊」or「捕獲」されたとき。「破壊」または「捕獲」を達成したプレイヤーの勝利で、ゲームセット。
●建国:一方が[王国]で4ポイントを獲得したとき。ゲームはその瞬間に終了。4ポイントをGETしたプレイヤーの勝利となります。
●滅亡:「徴兵」を行わなければならないプレイヤーが、[戦場]にカードを2枚置けなかったとき。徴兵できなかったプレイヤーの敗北で、ゲームは終了となります。
●終戦:先攻プレイヤーのターン開始時に山札がないとき。通常のターンは行わず、[王国]でのポイントが多いほうの勝利で、ゲーム終了。
同数なら、[王国]にあるカードの枚数が多いほうの勝ち。
それも同数なら、[墓場]にある枚数が少ないほうの勝ち。
それさえも同数なら、ついに引き分けとなります。……ポジピース☆

【まとめ】
これで3作目を数える『インヴィクタス』シリーズも、通常プレイには慣れていた昨今。
ところが、今回のバージョン『ファラオ』を加えた「多国籍軍」プレイで、また一気に奥行きが増しました。
選択肢の幅が増えたことで、より一層自分好みのデッキを組むことが可能に。楽しさ倍増です。
さらに、「連合軍」ルールも白熱。今までの2人対戦とはひと味違ったおもしろさがあります。
自分のパートナーが何を考えてどう行動するか。
敵の行動だけでなく、そこさえも予想しなければいけない、という。
協力プレイといえど、ひとたびゲームが始まってしまうと意思疎通できないのがミソです。
……確かに、連合軍って完全な一枚岩ではないですもんね。

なお、『ファラオ』単品で遊んでみた際の特徴は――
場を跨いだカードの移動が頻発します。
〈アヌビス〉の支援では[墓地]から[戦場]に、〈ソーサラー〉では[王国]から手札に。
そして〈メジャイ〉では[戦場]から手札に、カードが動く。
どこから何が飛び出すか、何がどこへ引っ込むか――いろいろな展開が発生し、そうそう思い通りにはいきません。
あと特徴的なのは、やはり〈アヌビス〉の支援能力です。
これまでのバージョンでは、討ち取られたらそれまででしたが、これで戦場に蘇らせることができる。
〈アヌビス〉ありきでデッキを組むと、破壊されそうな〈兵士〉はあえて討ち取らせてしまう、という戦術もアリです。
その場合、〈メジャイ〉や〈ソーサラー〉の後方支援=ブロック効果は、〈ファラオ〉を守ることを中心に使う。
〈ファラオ〉の死だけは〈兵士〉の死と違って、取り返しがつきませんからね。
ただ、〈アヌビス〉は攻撃手としては期待薄なので、〈コマンダー〉や〈スリンガー〉との併用が望ましいところ。
また、単品プレイでは「前列中央マス」にカードを配置することは極力避けたほうがいいかもしれません。
そこにいると、どうしても〈スリンガー〉の支援射撃で畳みかけられる危険が伴いますので。
もし設置するなら、手札に〈ソーサラー〉を最低1枚は持っておきたいところです。

いやぁ、今回ご紹介した2種類の拡張ルールプレイで、新しい境地が開けました。
そして、これだけカードの種類が増えても、一向にゲームバランスを損なっていないのがスゴイ。
どれを使うかは、あくまで平等な選択肢。
どんなデッキにするかは、あなたの好み。そして、プレイスタイル次第です。
……これはまだまだ遊べるぞ、インヴィクタス。
気になった方は「ゲームマーケット2019春」で、そして街のショップで、要チェック!

皆さんも『インヴィクタス・ザ・ファラオ』で――
そして『キング』と『将軍』も合わせて、ぜひ「多国籍&連合軍」で遊んでみてください。
これぞ『インヴィクタス』シリーズの真骨頂。単品通常プレイの数倍は盛り上がること請け合いです。
――といったところで、今回はここまで。
以上、「そう私はカルネ、千年の愛を持つ男」こと、新井淳平がお送りしました。ではではまた~。

【ライター紹介】
新井 淳平(あらい じゅんぺい)
「小説家」兼「フリーライター」。
某専門学校のノベルス文芸学科で授業も受け持つ。
ボードゲームのプレイスタイルは、出遅れ追い上げ型。
ダイス運は、最悪だけどドラマティック。
【著書】
『シンデレラゲーム』(オリジナル小説・映画化)
『猫侍 久太郎、江戸へ帰る』(ノベライズ小説)
『猫侍 玉之丞、争奪戦』(ノベライズ小説)