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ボードゲームレビュー第259回「新ベルサイユ宮殿 ~ルートヴィヒの新たな夢~ 完全日本語版」

「新ベルサイユ宮殿 ~ルートヴィヒの新たな夢~ 完全日本語版」
デザイナー:テッド・アルスパッチ
メーカー :アークライト
対象年齢 :13歳以上
プレイ人数:2~4人
プレイ時間:75分

 


 

レッツ・違法建築☆

はいっ、ってなわけで毎週木曜日はキウイの日!
どもども、三家原ですー。

今回ご紹介するのは、アークライト様より発売中の「新ベルサイユ宮殿 ~ルートヴィヒの新たな夢~ 完全日本語版」なのですー!
何かを建てたり破壊したりといえば、やっぱりボードゲームの王道ですよね。

箱もでっかいどー!!

こいつぁもうすでに重ゲーの香りがぷんぷんしてくるってもんですよ!
実はこの作品、過去にこのレビューでもご紹介した「ノイシュヴァンシュタイン城」の続編なんだとか……でも、私は前作やっていないので、比較抜きの純粋プレイでお送りいたします。

今回プレイヤーはかの有名な「ベルサイユ宮殿」再建の為に呼ばれた建築家なのですが……ところで、この中で「ベルサイユ宮殿」の中を知っている人って居ます?

「……知らん」「……さあ?」「……きっと、依頼主のルートヴィヒさんも知らないよ!」

よし! 方向性は決まった! 間違いなく今日集まった建築家チームで再現は無理だ!(笑)

更地過ぎて、手がかりすらない……。

とはいえ、国王に面と向かって「無理!」というわけにはいかないので、再建の名のもとに”協力しあって”、好き勝手建築しちゃいましょう!(まてこら)
そうそう、費用は全部王様持ちだもの。ちょっとくらい水増ししてもばれないばれない♪ 建築法完全無視な、僕らにとって素敵な宮殿を好き勝手作るのだー!!

……ってなノリが当時あったかどうかは不明ですが、我ら建築隊は完全にノリと直観でこの宮殿づくりに挑戦することになったのですよ!

●ゲーム準備

①各プレイヤーは設計図ボードを1枚ずつ受け取り、自分の前に配置しましょう。また受け取った設計図ボードと同じ色のマーカーもすべて受け取り、白い面を上にして自分の前に置きます。

設計図ボード! 左右に凸凹がありますが、後々この辺りは説明するのですよ。

色マーカー、色毎に王冠だったり鍵だったり書いてある絵が違うのですよ。

②庭園ボードをテーブル中央付近に配置します。配置の際は、湖が描かれている方がテーブルの外側になるように配置しましょう。

③「お掘りタイル」「部屋タイル」「階段タイル」「王の歓心タイル」「広間タイル」を庭園ボード上の各マスに山札として配置し、「部屋のタイル」と「王の歓心タイル」については下部のマスに山札から配置しておきましょう。

タイルの山でいっぱい! このゲームは反対側に大量のタイルを配置するので、できるだけテーブル端にした方がいいのですよ。

リビングや地下室など様々な種類の部屋があるけど、これらをまとめてゲーム中では「一般部屋タイル」と呼称しているのですよ。

そして「一般部屋タイル」「階段タイル」「広間タイル」といった、宮殿建設に使用されるタイルをまとめて「部屋タイル」と呼称しています。ちょっとややこしい?

④「広間タイル」の山から3枚引いて、庭園ボードに描かれた道から繋がるよう、1列に並べましょう。

この3つの広間が、これから建築されていくベルサイユ宮殿の基礎となるのですよ。

⑤白鳥トークンを湖の上に、秘密の白鳥トークンは裏向きにして橋の上に並べます。

白鳥がいっぱい! なんか公園とかでこういう光景見ますよね(笑)

白鳥は色分けする必要はないので、適当にバラバラ~っと優雅に配置しましょう。

⑥各プレイヤーは「王の歓心タイル」の山札から3枚引き、その内の1枚を設計図ボード左右にあるタイルスロットの1箇所に水平に配置することができます。選ばなかった2枚あるいは3枚は、「王の歓心タイル」の山札の底へ裏向きに戻します。

⑦スタートプレイヤーをランダムで一人決めましょう。

以上がゲームの準備となります。
建設ゲームの割に、大半をタイルが占めている為か、そんなにあれこれ準備が大変って感じはなかったり。

あと、湖に配置した白鳥が圧巻ですねー。
この色とりどりの白鳥は、ゲーム内において通貨の役割を果たしているんですけど、使用されない時は景観の一部になっていてなんだか優雅な感じなのです。

●プレイ手順

さあさあ、いよいよ宮殿建設の始まりなのですよ!
各プレイヤーは自分の手番が来たら、以下の4つのアクションから1つを選んで1回実行します。

1)宮殿に「一般部屋タイル」を1枚配置する。
2)宮殿に「広間タイル」もしくは「階段タイル」
3)自分の設計図ボードのタイルスロットに「部屋タイル」を1枚配置する。
4)自分の設計図ボードのタイルスロットに「王の歓心タイル」を1枚配置する。

1)宮殿に「一般部屋タイル」を1枚配置する。

庭園ボード上の部屋の列から、「一般部屋タイル」を1枚選びます。右から2つまでは無料、それ以降は庭園ボードに描かれた白鳥アイコンの数だけ、保有する白鳥トークンをコストとして支払います。

特に色指定はないので、必要ないと思った色の白鳥を支払えばOK。支払った白鳥はそのまま湖に離しちゃいましょう。

ほ~ら、湖におかえりぃ~~っ!(ジャラジャラ)

選んだ部屋は、宮殿に配置していくのですが、ここでいくつかの注意事項があります。

・注意1 配置する時は「宮殿」に少なくとも1辺が接している。

このゲームでは、庭園ボードの道から繋がる部屋タイルのまとまわりを「宮殿」と呼んでいます。
新たに部屋を配置する際は、この「宮殿」と最低でも1辺接し、なおかつ出入口が一箇所以上接続しなければなりません。

どんどん「宮殿」を大きくしていこう。

まあ、実際の建物でもどことも繋がっていない部屋なんてありませんもんね。あったらちょっとホラーっぽい(汗)

なので、配置する時は庭園ボードの道から各部屋の出入口を経由してその部屋に行けるかどうかがポイントとなるのですよ。

玄関から部屋まで繋がっていればOK!

そして逆に言えば、その一箇所さえちゃんと繋がっていれば、周囲の部屋の出入口を塞ぐような配置をしても構わないということにもなるのですよ(にやり)

ただし、「地下室タイル」のような地上ではないタイルを配置する際は、後述する「階段タイル」を先に設置しておかなければならないのです。
このタイルは「暗い方」が下り先となるので、そっちを繋がっていないと配置できないのですよ。

こうして「部屋タイル」を配置した際には、自分のマーカーを1枚、縁が白い方を上にして乗せましょう。
これによって、その部屋の保有者が自分であることを示しています。

食べ物関係ばっかり緑の羽根が……きっと緑プレイヤーは食いしん坊に違いない(まて)

2)宮殿に「広間タイル」もしくは「階段タイル」を1枚配置する。

「部屋タイル」にいいのがなかったら、さらなる「宮殿」の拡張を見越して全方向に繋がりを持てる「広間タイル」。

「地下室タイル」を配置する為の「階段タイル」を配置するという手段もあります。

これらは1枚しか配置できないものの、常に白鳥なしで利用できるのですよ。

設置の際は庭園ボードの道から繋がっているのは当然のことながら「階段タイル」などは「暗い方」と「暗い方」をくっつけて謎のV字階段といった建築は出来ませんのでご注意ください。

また「広場タイル」はオールマイティーな部屋ではありますけど、1階扱いとなるので、地下に設置したりしないようにしましょう。

「広場タイル」「階段タイル」を配置した際も、「一般部屋タイル」の配置同様、自分のマーカーを配置します。
その後、プレイヤーは「部屋タイル」の列から1枚選んで、捨て札置き場に捨てることができます。

ただし、建設時同様に白鳥が描かれていたらその分白鳥トークンを支払わなければならないのですよ……まあ、相手にとられるくらいならというお邪魔行為みたいなものですかね?

●白鳥の調和
この2アクションがプレイヤーの行える建設部分なのですが、部屋を配置する際、隣接する部屋と接続した出入口の白鳥が一致したことを「調和」と呼び、その2枚のタイルの保有プレイヤーは、「調和」した色の白鳥トークンを1個ずつ獲得します。

灰色はどの色とも「調和」出来るオールマイティーなので、好きな色を取りましょう。

ただし、この「調和」で得られるトークンは1プレイヤーにつき1個までですが、1つの部屋で複数「調和」が発生した場合はその分トークンを獲得できます。

なので、同時にいくつも「調和」が発生する可能性がある部屋を設置すると有利なのですよ。

●部屋の完成

部屋に存在する全ての出入口が他の部屋の出入口と接続出来た瞬間、そのタイルは「完成」となります。
部屋が完成したら、以下の処理を行います。

1)マーカーをひっくり返す。
部屋の完成した事を示すため、配置していたマーカーをひっくり返します。

宮殿が大きくなるにつれて、完成する部屋も増えていくのですよ。

2)報酬の受け取り
完成した部屋が「寝室」「ダイニングルーム」「広場」のいずれかだった場合、部屋の保有者は部屋に示された報酬をただちに受け取る。

3)お掘りタイルの配置
完成するように部屋を置いたプレイヤーは、「お掘りタイル」を配置ましょう。

この「お掘りタイル」は、配置されればされるほど、ゲーム終了が近づいてくる恐ろしいタイルなのですよ。

配置する数は、「一般部屋タイル」の山の消費量に比例するので、ゲームが進めば進むほど、お掘りの埋まる勢いが増していきます。

「お掘りタイル」は「宮殿」の左右から外周を囲うように配置されていきますが、これも常に庭園ボードから繋がっているようにしなければなりません。

最初は宮殿の左右から、ゆっくりとやってくるのですよ。

四方の「部屋タイル」が壁だった場合、そこに「お掘タイル」を流し込む事も可能。ちょっとオシャレな池みたいな感じですね。

部屋の配置で凹みたくなっている場所にも、容赦なくお掘りが流れ込んでくるのですよ。

部屋の配置は、その後にやってくる「調和」や「部屋の完成」だけでなく、「お掘りタイル」に影響出てくるので、先を見越して時間が稼げるような配置をしていくのも結構大事だったりするのですよ。

「とにかく時間を! 時間を稼ぐために伸ばすのですよ!」とやった結果、ますます違法建築臭のする宮殿に(笑)

3)自分の設計図ボードのタイルスロットに「一般部屋タイル」を1枚配置する。

このアクションは、保有する白鳥トークンを好きな組み合わせで3個支払うことで実行できます。

「一般部屋タイル」の列から1枚選び、それを裏向きにして設計図ボードの両端の空きスロットの1箇所に斜めに配置します。

ガッチョーン!!

この配置をすると、建設ボード上に書かれている以後能力を
継続して使用することが可能になります。

継続能力には建設コストを減らすものや、迫り来るお掘を移動させるなんて能力もあるので、配置前にしっかりとチェックしておきましょう!。

4)自分の設計図ボードのタイルスロットに「王の歓心タイル」を1枚配置する。

このアクションも、保有する白鳥トークンを好きな組み合わせで3個支払うことで実行できます。

こちらは「王の歓心タイル」の山札の上から3つ取り、そのうちの1つを選んで、裏向きにして設計図ボードの空きスロットへ水平に配置します。

斜めに差しちゃ駄目ですよー。まあ、裏の柄が違うので、間違っていてもすぐ分かるのですが。

「一般部屋タイル」の配置が、設計図ボードに書かれた継続能力を発動させるの対し、こちらは継続能力が発動しない代わりに、ゲーム終了時に配置した「王の歓心タイル」の効果を発揮させるのですよ。

「王の歓心タイル」は、書かれた条件を満たせば高い特典をゲットできるものが多いので、最終計算時にドカンと稼ぎたいと思っている人は、このアクションをガンガン利用するといいのですよ!

果たして、すべて満たせば何点になってしまうのか……!?

あと、これは結構大事なことなのですが、「一般部屋タイル」も「王の歓心タイル」も配置する際は、設計図ボードのスロットが空いていないと実行出来ません。

なので3と4のアクションは1ゲームにつき6回までしか出来ないし、一度配置してしまうと入れ替えや除去といった処理も行えないのですよ……。

設計図ボードのスロットは、左側がゲーム中に発動する「継続能力」、右側がゲーム終了時に発揮する「終了時能力」と別れているので、「王の歓心タイル」は基本的に右側の能力を上書きするみたいな感覚で配置するといいかもですねー。

継続能力を重視するのか、それとも歓心を重視するのか、それともバランスを取るのか……配置の仕方次第で全然違った戦略になっていきます。

こうして、以上の4つのうちから1つを実行すると、プレイヤーの手番は終了となります。
この時点で、部屋の列に空きがある場合、タイルを右にずらして空きを詰め、左側の空きは山札から補充となります。

果たして、次はどんな部屋が現れるのか……!?

●ゲーム終了条件

以下の条件の内、1つでも満たされたら、その時の手番となっているプレイヤーの行動終了と同時に、ゲームも終了となります。

1.「宮殿」が「お掘タイル」で覆われた。
2.全ての「お掘りタイル」が設置されて、山札が枯渇した。
3.庭園ボード上の「部屋」の山札が枯渇した。

ゲームが終了となったら、各プレイヤーは得点計算を行います。
得点は設計図ボードから得られるもの、各タイルや白鳥トークンから発生するもの、「王の歓心タイル」の条件を満たすことによって発生するものなどがあり、それらを合算して一番得点の高いプレイヤーがこのゲームの勝者となります。

偉大な建築家はオレだぁぁぁ――――――ッ!!

●総評

宮殿を建築する、という題材なので当然重いゲームなんだろうなーっとは思ったですが、実際にプレイしてみると、意外にサクサク進む感じでしたねー。

どう見ても宮殿というよりも、掘っ立て小屋感……。

とはいえ、「王の歓心」や「設計図ボード」などちゃんと内容を理解しておかないと得点に繋がらない要素も結構あるので、その点ではがっつり系ではありました。

最初は皆、協力しあってあれこれ有効的な施設を建築しようとするんですけど、段々と自分の趣味に走るような配置になっていって、徐々に歪な宮殿へと変貌していく過程がとんでもなくて面白い!
途中から建築と同時に周囲を掘りで埋められていくので、以下にして自分の建築場所を守っていくかの蹴落とし合いが発生して、ますます建物の構造がおかしなことになっちゃって……(汗)

流れ込むお掘の恐怖……。

派手な打ち合いみたいなゲームじゃないですけど、チマチマとパズルを組み立てたり、建築されていく宮殿で過ごす王様の「誰がこんなトコに〇〇を建てやがったんだー!」と絶叫する姿を想像して楽しんだり、そういうツボがある人は結構ハマっちゃうゲームじゃないかと思います。

ってなわけで、ご興味のある方はぜひぜひ遊んでみてくださいねー!

 

ライター紹介

三家原優人(みけはら ゆうと)
ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
ゲームシナリオライターだけでなく、映画会社にて長編映画の脚本や出演など多岐に渡って活動中。
趣味はガジェット集め。国内・国外問わずの気になるガジェットを集めては愛でる日々。
実は某公国の爵位を持っていたりする。

代表作
歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ。
恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」。
長編ホラー映画「腐女子」。
その他多数。