ボードゲームレビュー第26回「宝石のきらめき」

宝石のきらめき(原題:splendor)
メーカー:SPACE Cowboy/日本語翻訳:ホビージャパン
作者:マーク・アンドレ
プレイ人数:2~4人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:約30分


 

毎度どうも、皆さんこんにちは。松風でございます。
近頃はずいぶんと暖かくなって、過ごしやすい毎日が続いています。
おかげで、陽気にお出かけするとつい余計に買い物をしてしまったりという事も。
新作のゲームなんかも色々あって、どれを買うか目移りしてしまいますね。

というわけで、今回ご紹介するのは『宝石のきらめき』というゲームです。

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プレイヤーはルネッサンス期の宝石商となって、手広く商品を扱い、大商人となるのが目的です。
とはいえ、ルール自体はすっきりシンプルで、遊びやすいものになっています。

まずはゲームの準備として、発展カードをレベル別に山札にして、表向きに4枚並べます。
次に、貴族タイルをシャッフルし、場に並べます。
さらに、宝石トークンをそれぞれの山に分けて置いておきます。
プレイ人数によって、宝石トークンの数と貴族タイルの数は増減します。

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宝石トークンは、ダイヤモンド、エメラルド、ルビー、サファイア、オニキスの5種類に加えて、オールマイティとなる黄金の計6種類あります。
トークンには本格的なポーカーチップが使われていて、手触りや重量感もばっちりです。

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このゲームのメインとなる発展カードには、まず右上に宝石のアイコンが描かれています。
カードを購入することによって、この宝石をより扱えるようになっていきます。
左上には空白になっているか、もしくは1~3までの数字が書かれています。
この数字は威信ポイントと呼ばれ、これを貯める事がゲームの目的になります。
左下の方に描かれている色と数字の組み合わせは、そのカードを購入するためのコストです。

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個人的にはイラストの端正さにも注目していただきたいですね。
カードにはレベルごとに、宝石が採掘されてから市場に並ぶまでの過程が描かれています。
落ち着いた感じのアートが実に雰囲気を醸し出していて、それがまたこのゲームの渋さに一役買っている気がします。

ゲームの勝敗は、最初に15点の威信ポイントを集めた人が出たらそのラウンドを最後まで行い、最もポイントの多かったプレイヤーの勝利です。

そしてここからがゲームの本流です。
プレイヤーは1ラウンドの手番に、以下の4つの行動から1つ選んでプレイします。

・異なる色の宝石トークンを3個得る。
・同じ色の宝石トークンを2個得る。
・発展カード1枚を手札に確保して黄金トークン1個を得る。
・発展カードを購入する。

同じ色の宝石トークンを得る場合、その色のトークンが場に4個以上ないと選べません。
これはおそらく、トークンを買い占めることによってゲームが停滞するのを防ぐためかと思われます。

発展カードを確保する場合、基本的には場にあるカードを選ぶんですが、イチかバチかで好きな山札の上からカードを取る事もできます。
手札の上限は3枚までとなっていまして、任意に捨て札にする事はできません。
つまり、手札をすでに3枚持っていたら、この行動は取れないと考えていいでしょう。

発展カードを購入する場合、購入できるのは場に表向きになっているカードか、手札として確保しているカードのみになります。
カードの左下の方に描かれているコストと同じ分のトークンを払えば、その発展カードを獲得することが出来ます。
この時、既に購入している発展カードがあれば、そこに描かれた宝石アイコンは同じ種類の宝石トークン1個分として換算できます。
どんどんカードを集めれば、それだけ次の購入が楽になるわけです。

そしてさらに手番終了時、手元に購入済みの発展カードが一定数あれば、それに見合った貴族タイルを得ることが出来ます。
おそらく、手広く商売をしていれば貴族の御用達となって、商人としての箔がつくといった感じでしょうね。
貴族タイルは1枚3点ですが、これが結構あなどれない得点源になっています。

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というわけで、こういった行動を繰り返してゲームは進んでいきます。
序盤はおそらくトークンを集めてレベル1のカードを取るのにも苦労すると思います。
レベル1のカードにはほとんどの場合、威信ポイントもついてませんが、ここで集めた発展カードが後の布石になってくるでしょう。

レベル2以降のカードには、だいたい威信ポイントがついてきます。
なるべくなら3ポイントのカードをゲットしていきたいところですが、大体高得点のカードは獲得するための宝石が偏っている場合がほとんどです。
ルール上、宝石トークンは、黄金を含めて全部で10個までしか手元に置いておけません。
なので、どの宝石を握っておくかは、かなり重要なファクターになります。

レベル3のカードを狙う頃には、手元に獲得済みのカードも増えている事と思います。
充分な数の発展カードが揃っていれば、トークンを一切払わずに新しいカードを購入する事も可能です。
しかし、レベル3のカードは今まで以上にコストが重いものが多いので、ここでも選ぶのに頭を使う事になるでしょう。

私見ですが、序盤は色んな色の宝石を手広く獲っていった方が、後々選択肢が広がっていいと思います。
また、特定の色の宝石トークンを手元に集めて他のプレイヤーの購入を邪魔するスタイルもアリですが、反面、自分の手も遅くなってしまいます。
序盤ならともかく、中盤以降は割とリスクとの兼ね合いが難しいでしょうね。

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このような感じで、派手な部分は無いものの、考える要素は色々あって、シンプルながらよく考えられたゲームだと思います。
いかに少ないコストでポイントを稼ぐか、という意味ではパズルっぽいかもしれません。
カツカツなやりくりというよりは、どんどん手を広げていくタイプのリソース管理ゲームと言ってもいいでしょう。
カードが揃い始めるとバタバタとポイントが増えていく様は結構エキサイティングですよ!
ゲームの流れが理解できれば、割とサクサク進められるので、プレイフィールも手軽です。
ターン数を測って、いかに少ないターンで15点揃えられるか競ってみたりするのも面白そうですね。
華麗なルネッサンス時代を舞台に繰り広げられる宝石商人たちの駆け引きに、是非あなたも参加してみてください。

といったところで、今回のゲームはいかがだったでしょうか?
それでは、また次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
 アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
 世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。

代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
 大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
 大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
 その他多数。