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ボードゲームレビュー第260回「GUNDAM THE GAME -機動戦士ガンダム:ガンダム大地に立つ- 」

「GUNDAM THE GAME -機動戦士ガンダム:ガンダム大地に立つ- 」
メーカー:アークライト
プレイ人数:1~4人
対象年齢:15才以上
プレイ時間:約30分~

 


 

「宇宙世紀0079、地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた」

というわけで毎度どうも、ライターの松風です。
前置きでお察しの方もいらしゃるかもしれませんが、今回のタイトルは『GUNDAM THE GAME -機動戦士ガンダム:ガンダム大地に立つ-』です。
タイトル長ぇ……というのはともかく「あのガンダムのボードゲームの新作が出る!」ってんで、期待されていた方も多いんじゃないでしょうか。

実はガンダムのボードゲームって(超有名タイトルだけあって)昔から結構いろいろ出てまして、ツクダホビーのウォーゲームシリーズとかいっぱい出てましたよねー。(遠い目)
とはいえ、それらは2~4人くらいの対戦型ゲームである事がほとんどでした。
しかし今回の『GUNDAM THE GAME』はなんと協力型、しかも原作再現ゲームなのが大きな特徴なのです!

ではさっそくその中身を見ていきますと……ずっしり重い箱を開けたら、中にはカードの束、束、束!
実はこのゲーム、原作1話~10話までを扱っているのですが、それぞれのストーリーが再現されたフェイズごとに、使うカードのデッキやキャラクターのボードも変わってくるのです!
コマの数も結構多いので、箱の中身はコンポーネントがギッシリ詰まってる感がありますね。

まずは適当な場所に『ホワイトベースメーター』を置き、『ストーリーパネル』で指示された位置に『ホワイトベース表示コマ』を乗せます。
ゲーム中、ラウンドが進行するたびにこのメーターの数字が減っていき、0になるとゲームオーバーです。

メーターの隣に「フェイズ1」と書かれた『ストーリーパネル』と呼ばれるカードの山札と、『アイテムカード』の山札を配置します。
この『ストーリーパネル』はストーリーの流れが順番に書かれていますので、シャッフルしたりしないようにしましょう。(アイテムカードの山はシャッフルします)
そしてAと書かれた『ストーリーパネル』をめくり、予告を読み上げたり指示に従ったりします。

ここで各プレイヤーはキャラクターを選択して、『キャラクターシート』とそのキャラのコマ、そしてキューブ3個を受け取ります。
『キャラクターシート』にはHPとAP、『レベル能力』、そして『特殊技能』が書かれています。

HP(ヒットポイント)はゼロになるとキャラが脱落します。特定の行動でしか回復できないので注意しましょう。
AP(アクションポイント)は何か行動をする時に消費するポイントのことです。これは毎ラウンド回復するので大胆に使い切っても大丈夫。
『レベル能力』とは、ゲーム中に訓練をすることで伸ばせる能力で、レベルが上がるとゲーム進行が容易になっていったりします。
『特殊技能』とは、そのキャラが得意な分野を表していて、ゲーム中で対応する探索ポイントで有利になったりします。

3つあるキューブを、『キャラクターシート』の所定の初期位置に置いたらセットアップは完了です。
このセットアップは数多あるボードゲームの中でも超カンタンな部類だと思います。

ではここからゲーム開始です!
ラウンド進行は、まず『ホワイトベースメーター』を1つ下げ、全キャラのAPを回復させ、『ストーリーパネル』にラウンド開始時の指示がある場合はそれに従います。
あとはスタートプレイヤーから順に手番を行うだけ。
手番で出来るアクションは5つあり、所定のAPを支払うことでアクションを行います。

・探索:自キャラのコマがいるエリア上に『探索』や『探索ミッション』という項目があれば、ダイス1個を振って判定することができます。このゲームのメイン行動と言っても過言ではありません。
6面体ダイスを1個振って、書かれている目標値以上が出れば成功! もし対応する特殊技能を持っていれば8面体や10面体のダイスで判定を行えます!

・移動:自キャラのコマを隣のエリアに移動させます。めくられた『ストーリーパネル』はどんどん繋がっていくんですが、たとえ隣接していてもルートが繋がっていないエリアへは移動できません。

・訓練:自キャラが持つ『レベル能力』を成長させる事ができます。能力を成長させると振れるダイスの面が大きくなったり、新たな能力に目覚めたりするので、隙を見てやっておくといいかもしれません。

・アイテムカードの使用:ミッション成功などで入手した『アイテムカード』を1枚使用します。アイテムの所持上限は2枚と少なめですので、使うタイミングを見極めるのが重要です。

・レベル能力の使用:自キャラの持つ『レベル能力』を使用します。使用タイミングなどはキャラごとに異なっていますので、よく確認しておきましょう。

APを支払えなくなったら手番を終えて次のプレイヤーに回し、全員が手番を終えたらラウンドは終了です。
『ホワイトベースメーター』がゼロになる前にフェイズをクリアしないといけないため、あまり寄り道をしている暇はなく、結構バランス自体はカツカツだと思います。
まぁ原作第1話にあたるフェイズ1のデッキはジオン軍に急襲されたサイド7を脱出するミッションですので、急がねばならないのは当然とも言えるのですが!

フェイズ2も前半は1と同様に『ストーリーパネル』をめくっていくのですが、後半に入るといよいよモビルスーツ同士の戦闘が発生します。
まずは『ストーリーパネル』の指示に従って『戦闘エリア』を作ります。
いわゆる戦場マップですね。

配られた『メカニックカード』に各機体の初期配置も書かれていますので、対応する番号に『メカニックコマ』を配置します。
さて、ここで重要なのは誰がどの機体に乗るかという問題なのですが、前半でとあるミッションを達成していないと、搭乗機体がランダムになってしまうのです!
ランダム抽選の結果、我々の卓ではフラウ・ボゥがガンダムに乗って出撃し、アムロはコアファイターで援護するというIF展開に。
果たしてフラウ・ボゥはシャアを退け、ガデムの猛攻に耐えられるのか!?
このフェイズの勝利条件は「補給艦パプワの撃破」です!

『メカニックカード』には移動や回避、攻撃などの項目に、使用するAPが書かれています。
武器に関しては射程やダメージも記載されていますので、『戦闘エリア』での位置取りはなにげに重要ですよ!
プレイヤーサイドは基本的に移動か攻撃をAPを消費して行っていきます。
APを使い切ったら次のプレイヤーに手番を回し、全プレイヤーが手番を終えたら敵側の行動に移ります。
手番中には『アイテムカード』や『レベル能力』も使用できますので、タイミングを見極めて使っていきましょう。

敵側のモビルスーツに関しては、『敵行動カード』というデッキからカードを引くことでアクションを決めていきます。
ジオン側の『メカニックカード』に書かれた行動順に沿って『敵行動カード』を適用していくことになります。

注意しなければいけないのは、敵のモビルスーツにはHPを持つ機体と『装甲値』を持つ機体がある事ですね。
HP制の機体は全員で累積ダメージがHPを越えれば撃破できるのに対し、『装甲値』を持った敵は「1人の手番中に装甲値を上回るダメージを与えなければ」撃破できないのが難点。

フェイズ2ではシャア専用ザクⅡやジオン側の戦艦がHP制、ガデムの旧ザクが『装甲値』を持っています。
しかも途中から増援として登場するガデムの旧ザクは、『戦闘エリア』に存在する限りパプワにダメージが通らなくなってしまいます!!
効率よくガデムを倒すにはやはりガンダムの火力が頼もしいのですが・・・・・・

やっぱりフラウ・ボゥには無理だったのか・・・・・・。
ガデムの旧ザクを倒すのに手こずっている間、ホワイトベースに接近したシャアがキック連打でホワイトベースを撃沈。
あえなくゲームオーバーになってしまいました。
いくら原作ストーリーのIFが楽しめるといっても限度があったみたいです。
実際はダイス目が腐りまくったせいなんですが、やはりどんな判定でも6面ダイス1回振りで成功せねばならないというのはかなりシビアだと言えるでしょう。

本作は原作TVアニメをなぞりつつ、そこに協力ゲー要素を持ち込んだのが目新しいと言えますね。
原作を知らない方はストーリーを体験でき、原作を知っている方はシーン毎の役割の違いにニヤリとする楽しみ方ができるでしょう。
『ホワイトベースメーター』という明確なタイムリミットに追われることになりますので、プレイには常に緊張感が付きまといます。
ボードゲーム的に複雑なルールやギミックなどはありませんのでヘビーゲーマーには物足りないかもしれませんが、原作通り次から次に現れる困難をくぐり抜けるやり応えは味わえます。
ガンダム好きの方にはもちろん、ライト感覚で遊べる協力ゲーを求めている方にも一度はプレイしてもらいたいタイトルです。
ワイワイと大らかにIF展開を楽しみましょう。
出来るならば原作のラストまでゲーム化してもらえる事を期待したいですね。

「君は生き延びることができるか」

と言ったところで、今回のゲームはいかがだったでしょうか?
それでは、また次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。

代表作
歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
その他多数。