ボードゲームレビュー第261回「禁断の島」

「禁断の島」
作者:マット・リーコック
メーカー:アークライト
プレイ人数:2~4人
対象年齢:10才以上
プレイ時間:約30~40分

 


 

毎度どーも、ライターの松風です。
もうすぐ夏ですね! 南の島にでも行ってちょっと宝探しでもいかがでしょう?
そんな訳で、今回ご紹介するタイトルは『禁断の島』です!(強引?)

作者のマット・リーコック氏はかの名作ゲーム『パンデミック』のデザイナーでもあります。
『パンデミック』同様に、この『禁断の島』も協力ゲーとなっていますが、こちらの方がよりライトな感覚でプレイできる作品になっています。
ゲームが最初に発売されたのは2010年と少し古いのですが、今回ようやく完全日本語版となって発売されました!
以前海外版を遊んだことがある方も、初めて聞いたという方も、遊んでみるにはいいタイミングかもしれませんね。

禁断の島……それはアーキアという名で知られる神秘の古代帝国が残した遺産が眠る地。
かつて四大元素を支配することで栄えたというこの謎の帝国は、その秘密が他国の手に渡ることを恐れ、元素を操る神器をとある島に隠したのです。
やがてアーキア帝国は崩壊し、何世紀もの間この島の存在は誰も知る者はないままでした。
そう、あなた方が来るまでは!

プレイヤーたちはこのトラップが仕掛けられた島にやってきた調査チームです。
うかうかしていると島は次々に崩壊していき、その上にいる者ごと海に沈んでしまいます。
果たしてプレイヤーたちは隠された4つの財宝を手に入れて、無事に迎えのヘリコプターに乗って脱出できるのでしょうか?

てなわけで、まずは舞台となる『禁断の島』を作っていきましょう。
最初に島の各名所(?)が描かれた『島タイル』をシャッフルし、以下のように並べて島の全景を作ります。
これがゲーム盤になるわけですね。

島の周囲には4つの神器を示す『財宝コマ』を置いておきます。
これらの財宝を手に入れるには、各財宝に対応する『島タイル』の上で、同じく対応する『財宝カード』を4枚破棄する必要があります。

このゲームには『財宝カード』、『浸水カード』、『冒険者カード』の3種類のカードがあり、それぞれの山札を作っておきます。
そのうち、ゲーム開始前に『浸水カード』の山から6枚引いて、あらかじめ浸水したタイルを決定します。
カードに対応した『島タイル』を裏返して青っぽい面にしましょう。
この裏面になったタイルを『浸水状態』と呼びます。

『浸水状態』とは、島のトラップが発動し、崩れ始めた箇所から海水が流れ込んできたという緊迫した状況を表しています。
ゲーム中に『浸水カード』が引かれたとき、『浸水状態』のタイルと同名のカードが引かれてしまうと、そのタイルは完全に水没した事になり、ゲームから取り除かれてしまいます!
つまりそこそこピンチな状況であると思っていただければいいでしょう。

各プレイヤーは『冒険者カード』の山からランダムに1枚引いて、担当する冒険者を決めます。
『パンデミック』でもありましたが、冒険者はそれぞれ得意分野の能力を持っています。
最初のうちは自分でやりたい職業を選ぶのもアリでしょうね。

次に『財宝カード』の山から2枚づつ各プレイヤーに配ります。
これらは各自の手札になりますが、基本的にオープン情報ですので公開しちゃってOKです。

最後に『水位ボード』に『水位マーカー』をセットし、遊びたい難易度に合わせた目盛りに合わせます。
初めのうちは一番下に合わせておけばいいでしょう。
これでセッティングは完了です。

スタートプレイヤーを決めたら、あとは時計回り順に手番を行っていきます。
このゲームで手番は3つのフェイズに別れています。
順に見ていきましょう。

■アクションを3回まで行う
プレイヤーが行えるアクションは以下の4種類あります。

1)移動……自分の『冒険者コマ』を、隣接するタイル1マス分移動させます。
斜め移動はできませんし、既に取り除かれたタイルのあった場所にも侵入できません。

2)排水……自分のいるタイルか、それに隣接するタイル1枚の『浸水状態』を解除して表返します。
『浸水状態』のままならまだ不都合はありませんが、タイルが水没してしまうとそこに対応する財宝は得られなくなりますし、そこから移動出来なかった冒険者は水没に巻き込まれて死んでしまいます!
誰か一人でも死亡すると全員がゲームオーバーとなってしまうので注意してください!
なので、やはりこまめな排水が勝利の鍵と言えるでしょうね!

3)カード提供……同じタイル上にいる他の冒険者と手持ちの『財宝カード』を1枚渡すことができます。
注意点は、このアクションで相手のカードを受け取る事は出来ないってところですね。
あくまで手番プレイヤーの手札を相手に渡せるだけですし、『財宝カード』の中に混じっている『特別アクションカード』を渡すことも出来ません。
財宝獲得の条件である「同じ財宝カード4枚揃える」というのは一人ではなかなか達成しづらいです。
要所要所でこのアクションを利用していきましょう! ただし手札上限には気をつけて!

4)財宝獲得……自分の冒険者コマがいるタイルにいずれかの財宝のアイコンが描かれているなら、同じ絵柄の『財宝カード』を4枚揃えて破棄することで財宝をゲット出来ます。
獲得した財宝コマは自分の手元に誇らしげに置いておく事ができます!
『財宝コマ』4つすべてをプレイヤーが獲得したらエンディングはもうすぐです!

手番プレイヤーはこの内、3つまでを選んで実行していくことになります。
同じアクションを何度も実行しても構いませんし、2回以下しか行動しなくても構いません。
各プレイヤーが最適な行動を取れるように、プレイヤー間で行動方針を話し合う事はルールでも推奨されています。
ただし意見を押し付けるのはNGですよ! 協力ゲーなんですから、チームワークを心がけましょう!

■財宝カードを2枚引く
アクションを実行し終えたら財宝の山からカードを2枚引いて手札に加えます。
この時、1枚づつ引いていきましょう。
『水位上昇!カード』が出たらそれは手札に加えず、すぐさま『水位マーカー』を1目盛り上昇させる処理を行います。

なお、手札の上限は5枚となっております。
6枚以上になる時は、手札から選んでカードを捨て札にし、5枚になるように調整しなければいけません。
もし使える『特別アクションカード』があれば、このタイミングで使ってしまうのがいいでしょう。

■水位に応じて浸水カードを引く
手札調整が終わった後、手番の最後に『水位ボード』を確認して、マーカーの位置に応じた枚数の『浸水カード』を引きます。
前述の通り、『浸水カード』に描かれた箇所の『島タイル』が『浸水状態』になってしまうというイベントが各員の手番の最後に絶対来るんですねー。
つまり、結構な頻度で『島タイル』は浸水してしまうわけなんです!

『浸水状態』のタイルのカードがさらに引かれてしまったらそのタイルは水没するのも前述した通りですが、この時タイル上にいた『冒険者コマ』は隣接するタイルに避難することができます。
しかし、隣接する場所にタイルがなければ、哀れその冒険者は沈没する島と運命を共にしてしまいます。
タイルは財宝獲得ポイントであり移動経路でもあるので、やはりこまめな排水は欠かせませんね。
ちなみに『愚者の発着場』タイルは脱出のために絶対必要になるタイルですので、ここが浸水したらいち早く排水する事をおすすめします!

ゲーム中に行う事をまとめますと、「3回行動する」「手札を引く」「浸水するタイルを決める」だけですので、難しいポイントはほとんどないと言ってもいいでしょう。
この辺が『パンデミック』よりも取っ付き易く、ゲーム初心者の方にもおすすめしやすいポイントですね。

さて、ゲームに勝利するためにはいくつかの条件をクリアしなければいけません。
まず1つ目が「4つの財宝を集めること」、2つ目が「全員のコマが『愚者の発着場』にたどり着くこと」。
そして最後が「誰かが『特別アクションカード』の『ヘリコプター』を使用すること」です!
全員無事に脱出するまでが遠足……もとい冒険です!!

逆に敗北条件は──
◆「誰かが財宝を手に入れる前にその財宝に対応したタイルがすべて水没する」
◆「『愚者の発着場』が水没する」
◆「誰かが水没に巻き込まれる」
◆「『水位マーカー』が『水位ボード』上にあるドクロマークに到達した時」
の4種類です。わかりやすいですね!

プレイ感覚はあくまでライトながら、難易度調整もできて、なおかつ冒険者の組み合わせでも色々楽しめるので、何度もプレイしたくなる作品ですね。
協力ゲーらしい焦燥感がきっちり表現されているのも、さすがは『パンデミック』のデザイナーと言ったところです。
サクサクと協力ゲーの醍醐味を味わいたい方、複雑なルールは敬遠したい初心者の方などにオススメします!
ぜひ名作のエッセンスを味わってみてください!

といったところで、今回のゲームはいかがだったでしょうか?
それでは、また次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。

代表作
歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
その他多数。