ボードゲームレビュー第262回「プラネットメーカー」

「プラネットメーカー」
制作:アーティス・サリンスカス
メーカー:アークライトゲームズ
プレイ人数:2~4人
対象年齢:8才以上
プレイ時間:約30分

「こぶた、たぬき、きつね、ね~こっ」
というわけで、みなさんおなじみまして。もしくは、はじめまして。
作家でフリーライターの、新井淳平です。
担当42回目となる今回のレビュー作品は、こちら。

『プラネットメーカー』。
タイトルの通り、惑星を作るゲームです。
ゲームの目的は、より多くの動物たちを自分の惑星に呼び込むこと。
動物たちは、自分によりよい環境の惑星にやってきます。
なのでプレイヤーは、その好みを見越して惑星の地形をデザインしていくことに。
勝負は〈惑星コア〉の全面が埋まるまでの全12ラウンド。
それまでに〈目的カード〉に描かれた地形と、勝利点となる〈動物カード〉を、より多く獲得しましょう。
目指すは――動物たちでいっぱいのアニマル惑星だ!

【コンポーネント紹介&セットアップ】
まず、各プレイヤーはマグネットの内蔵された12面体の〈惑星コア〉を持ちます。
写真手前は〈親マーカー〉。最初は、スタートプレイヤー=「一番若い人」が持っておきましょう。

こちらは〈地形タイル〉。
全50枚をウラ向きでシャッフルし、5枚ずつ10個の山にします。
山ができたら、それを卓上に横一列で並べましょう。
ゲームでは、手番順に場の〈地形タイル〉を1枚ずつ取り、自分の惑星の面に付けていくことになります。
なのでこれは、1つ目の山が1ラウンド目にドラフトする5個、隣りの山が2ラウンド目の5個、というわけ。
なお、誰にもドラフトされず残ったタイルは、11ラウンド目、12ラウンド目の山になっていきます。

こちらは〈動物カード〉。
全45枚を、ウラ向き=惑星が描かれている面でシャッフル。
1枚ずつオープンして、それを〈地形タイル〉の山の脇に並べていきます。
1ラウンド目と2ラウンド目は0枚。
3~5ラウンド目が1枚ずつ、6~9ラウンド目が2枚ずつ、10ラウンド目が3枚。
11、12ラウンド目は、まだタイル山はないですが、あるものと仮定。
同じように、3枚ずつ〈動物カード〉を脇に並べておきます。
余った25枚の〈動物カード〉は使用しないので、箱に仕舞っちゃいましょう。

次は〈目的カード〉。
全5枚をウラ向きでシャッフルし、プレイヤーに1枚ずつランダムに配ります。
余りは使わないので、これもすぐに箱の中へ。
プレイヤーは、受け取った〈目的カード〉オモテ面の内容を、自分だけ確認します。
他のプレイヤーに教えたり見せたりするのはルール違反なので、気をつけましょう。ゲーム終了時に自分の〈目的カード〉の条件を達成できていれば、勝利点を得られます。
カードに描かれているのは、森林、山岳、砂漠、海洋、氷河、いずれかの地形と数字。
三角形に描かれている数字は、惑星のエリア数。その下の数字が、達成で得られる点数です。
例えば――写真左上の〈目的カード:山岳〉の場合。
ゲーム終了時に、自分の惑星に山岳エリアが13あれば2点、15あれば4点GET、という具合。
ちなみに、累積ではなく、該当点のみが得られるシステム。
なので、描かれてはいませんが、14エリアの場合は、13以上15未満なので、2点GETとなります。
地形によってエリア数にバラつきがあるのは、そもそもの絶対数が違うため。
絶対数の少ない氷河は、11エリアで2点になりますが、絶対数の多い海洋は18エリアでやっと2点。
なお、〈目的カード〉から得られる勝利点は「最大10点」と均一になっています。

【ゲームの流れ】
●フェイズ1:タイルの分配
山にしてある該当ラウンド分の〈地形タイル〉5枚を、オープンして卓上に並べます。
ドラフトは、〈親マーカー〉を持っているプレイヤーから時計回りの順。
1人1個ほしいタイルを取り、自分の〈惑星コア〉の好きな面に、好きな向きでくっつけます。

……マグネットになってるので、気持ちよく「ピタッ!」とくっつくよ☆……アメイジング!
なお、一度付けたらゲーム中に付け替えることはできないので、慎重に考えましょう。全員が1個ずつタイルの獲得とくっつけを終えたら、フェイズ1は終了。
場に残った全ての〈地形タイル〉は、お流れとなって、のちのラウンドの山になります。
最初のうちは11ラウンド目のタイル山に。
11ラウンド目が5個になったら、以降は12ラウンド目の山に。
12ラウンド目も5個になった場合、それ以降の〈地形タイル〉はゲームから除外。箱に仕舞います。
……今回は4人プレイだったので、除外なしのピッタリ数でした。

●フェイズ2:動物の繁殖判定
該当ラウンドにセットされている動物が誰の惑星に行くか=〈動物カード〉を誰が得るか、判定を行います。
なお、このフェイズを行うのは3ラウンド目から。1、2ラウンド目は「フェイズ2無し」です。
〈親マーカー〉を次の人に回して、すぐ次のラウンドを始めましょう。
……1、2ラウンド目は、脇に〈動物カード〉をセットしてないもんね。
ちなみに3ラウンド目以降、動物が複数セットされている場合は、タイル山に近いほうから1枚ずつ処理。
獲得の条件は〈動物カード〉にアイコンで描かれています。
パターンは、大きく分けて以下の3種類。①単純最多地域数
例えば、写真左上「シロクマ」の獲得条件は――氷河地域が最も多いプレイヤー。
同様に、写真上中「パンダ」は――森林地域が最も多いプレイヤー。
写真右上「コブラ」は――砂漠地域が最も多いプレイヤー

②隣接最多地域数
写真2段目左「セイウチ」は――森林に隣接している氷河地域が最も多いプレイヤー。
同中「キツネ」は――氷河に隣接している森林地域が最も多いプレイヤー。
同右「キリン」は――森林に隣接している砂漠地域が最も多いプレイヤー。

③非隣接最多地域数
写真下段左「ヘラジカ」は――砂漠に隣接していない氷河地域が最も多いプレイヤー。
同中「リス」は――氷河に隣接していない森林地域が最も多いプレイヤー。
同右「フェネック」は――山岳に隣接していない砂漠地域が最も多いプレイヤー。

というわけで、各プレイヤーは自分の惑星の地形状況を逐一確認することになります。
――ここで重要になってくるのが「エリア」と「地域」の違い。
「エリア」というのは、三角形1マスの単位を言います。
つまり、写真正面に見えている面は「海洋1エリア・氷河4エリア」ということ。

「地域」という場合は、隣接している同一地形エリア全体を一括りにして数えます。
つまり、同写真正面の面は「海洋1地域・氷河1地域」となるわけですね。
なお、繋がっている別面も隣接している扱いになります。
なので、この氷河地域は、左上面の「山岳」にも、上面の「森林」にも隣接している状態。
……う~む、ここら辺はちょっと複雑ですね~。
〈動物カード〉の獲得条件達成を確認する際は、地域。
〈目的カード〉の点数条件を確認する際は、エリア。
ここのところ、数え間違いが発生しないよう、くれぐれも注意しましょう。
……なお、どちらの場合も「面の数」は関係ありませんので、悪しからず。

該当ラウンドにセットされている全〈動物カード〉の獲得処理が終了したら、このフェイズは終了。
〈親マーカー〉を次のプレイヤーに回して、またフェイズ1から次のラウンドを始めていきましょう。

【ゲームの終了】
12ラウンド目が終了したら、ゲームは終了です。
まず、各プレイヤーは自分の〈目的カード〉をオープン。
自分の惑星の該当エリア数を確認し「0~10」の得点をGETしましょう。
次に、GET済みの〈動物カード〉を得点に換算します。
フチの色が〈目的カード〉のフチ色と同じ動物は「1点」、異なる動物は「2点」となります。
……目的地形の動物はGETしやすいから、ポイントもちょっと低いんだね。
得点計算は以上です。
上記の点を全部足して、最も多かった人が優勝。
……動物を愛し、動物に愛された男――もしくは女。サンシャイン創世神だ! イエーイ!もし、最多得点者が複数いた場合は「〈動物カード〉の保有枚数が多いプレイヤー」の勝ち。
それも同じだったときは、仲良く勝利を分かち合いましょう。……ポジピース☆

【まとめ】
単純明快なルールですが、一概に勝ちが狙えないところにおもしろさがあります。
〈動物カード〉の獲得は地域数によるため、基本的には地域数を多くすることが必要。
それってつまり、なるべく同じ地形エリアを隣接させないこと。
地形をバラバラに配置する意識が大事になってきます。
ただし、ここで厄介なのが、〈動物カード〉の中には非隣接条件を持つものもいる、ということ。

例えば、この写真を見てください。
2種類の動物は、どちらもGETするためには砂漠地域を多く持っている必要があります。
ただし、下のカードは、山岳と隣接していないとダメ。
上のカードは、海洋と隣接していてはダメ。相反するような条件にあるわけです。
……極論、真逆の条件を持つカードも?
基本的に、エリアをバラけさせればさせるほど、別地形と隣接する確率は高くなっていく。
すると、隣接条件のカードは獲得確率が上がる。
でもそれは反対に、非隣接条件のカードを獲得しにくくなることにもなるわけです。
……これが「ハリネズミのジレンマ」ってやつか(……違います)。

ただ単純に砂漠エリアの多い〈地形タイル〉を集めているだけでは勝てないのです。
あくまで、あとあとにどんな条件の動物が待っているかを意識して、細かく配置を考えていくことが大事。
とは言っても、ワーカープレイスメントなどのような複雑さはないので、プレイ感は軽やか。
イラストに描かれた動物たちの可愛さも相まって、和気あいあいと楽しめます。
……キューブを使うところが、知育玩具みたいでおもしろいよね。また、このゲームにはご紹介した以外にも、2つの選択ルールが用意されています。
1つ目は〈目的カード〉を使用しない「初心者ゲーム」。
最大10得点にもなる〈目的カード〉は、達成状況によって大きく勝敗を左右します。
計画性もだいぶ求められるため、お子さんとプレイするときなどは「初心者ゲーム」がおすすめ。
一方、2つ目は「謎の動物」と題された上級者向け。
ざっくり言うと、準備の際にセットする〈動物カード〉のうち約半数を伏せ札にするルールです。
伏せ札の動物は、GETの条件が直前までわからないため、より複雑な対戦になること受け合い。
……通常プレイに慣れてきたら、ぜひこっちも挑戦したいね。

皆さんも『プラネットメーカー』で、Let’sディバイン・デザイン!
――といったところで、今回はここまで。
以上、「tell me, oh, silent breeze」新井淳平がお送りしました。ではではまた~。

【ライター紹介】
新井 淳平(あらい じゅんぺい)
「小説家」兼「フリーライター」。
某専門学校のノベルス文芸学科で授業も受け持つ。
ボードゲームのプレイスタイルは、出遅れ追い上げ型。
ダイス運は、最悪だけどドラマティック。
【著書】
『シンデレラゲーム』(オリジナル小説・映画化)
『猫侍 久太郎、江戸へ帰る』(ノベライズ小説)
『猫侍 玉之丞、争奪戦』(ノベライズ小説)