ボードゲームレビュー第270回「ギズモ」

「ギズモ」 
作者:フィル・ウォーカー=ハーディング
メーカー:アークライトゲームズ
プレイ人数:2~4人
対象年齢:14才以上
プレイ時間:約40~50分

 



 ハイどーも、毎度おなじみライターの松風です。はじめましての方ははじめまして。
今回ご紹介するゲームはこちら、『ギズモ』です。
グレムリン? と思った方は歳がバレますね。

 ギズモとは、英語で「ちょっとした装置」とか「何とかいうアレ」みたいな、取るに足りないモノを意味する言葉です。
そこから転じて「小型化されたイケてる機械」を差したりもするようです。
このゲームでプレイヤーが作るのは、まだ誰も開発に成功していない夢の新型エンジン!
『熱』『電気』『原子力』『電池』の4つのエネルギーを効率よく制御できる最高のエンジンを作って、発表会で大賞を取ろう! というのがゲームの主旨ですね。
ゲームのタイプとしては最近流行りの拡大再生産ゲームとなっております。
 では早速セットアップから見ていきましょう。
テーブルの中央に『エネルギー生成器』をでで~んと配置します。

 パッと見、ガチャガチャの機械(正確にはカプセルベンダー)に見えるかもしれませんが、あくまで『エネルギー生成器』! エネルギーを生成する機械です!
中には4つのエネルギーに対応した4色の『エネルギー球』をザラっと投入しておきます。
すると生成器の前方にある口の部分から球が6個ほどランダムに出てくる仕組みになっているわけです。
やっぱりガチャやんけ!
この6個出た『エネルギー球』の並びを『エネルギー列』と呼びます。

次に各プレイヤーは『計器盤』と呼ばれるバーを配ります。これはいわゆる個人ボードですね。
中に1本だけ茶色の『計器盤』が混じってまして、これを引いたプレイヤーがスタートプレイヤーになるという仕組み。分かりやすい!
『計器盤』は6つのエリアに分かれているのですが、それぞれのエリアにはアイコンとアクションの説明が書かれていますので、とても見やすくなっています。

 同時に各プレイヤーは『貯留リング』と、『計器盤』に初期配置する『装置カード』も1つずつ受け取ります。
『貯留リング』は獲得した『エネルギー球』を置いておく場所を表しています。
初期カードの内容は全プレイヤー共通で、『計器盤』の『ファイリングアクション』の場所にセットします。

 見た感じ、手元がかなりシンプルな形になっているのが分かりますね。
 それから残りの『装置カード』をレベルごとに分けて3つの山札を作り、レベル3の山からランダムに20枚を箱に戻します。
各山から決まった枚数分のカードをめくり、列を作ります。
こうして公開されたカードの場を『ディスプレイ』と呼びます。
基本的にレベルが高いほど効果が強く、その分コストも重くなっていきます。

 最後に『勝利点トークン』を適当な場所にまとめて置いたらゲームスタートです!
 手番が来ると、プレイヤーは4つのアクションから1つを選んで実行していきます。
1.ファイリングアクション
2.エネルギー取り出しアクション
3.設置アクション
4.開発アクション
 それぞれを順に見ていきましょう。
まずは『ファイリングアクション』から。
このアクションでは、『ディスプレイ』にあるカードを1枚選んでゲットして『アーカイブ』に加えます。
『アーカイブ』というのは『計器盤』の右脇にあって、まだ『計器盤』にセットできていないカードを一時的に置いておくスペースだと思ってください。
つまり「欲しい効果だけどリング内に必要な球がない」時に、他人に取られないようキープしておくための場所というわけですね。

 ここで初期配置したカードの出番です!
『計器盤』にセットされたカードは、それが置かれたエリアのアクションが実行されると、連鎖して効果を発揮するのです!
初期カードの効果は「ファイリングアクションが行われるとランダムでエネルギー球1個を獲得」というものです。
プレイヤーは『エネルギー生成器』に手を突っ込んで、中を見ずに適当に球を1個取り出し、自分の『貯留リング』に入れましょう。
ある意味、『エネルギー列』にある球を取るよりガチャっぽいですよね……。
最後に、『ディスプレイ』に減った分のカードを補充するのも忘れずに!

 2つ目は『エネルギー取り出しアクション』です。
このアクションでは、『エネルギー列』にある6つの『エネルギー球』の中から1個選んで、自分の『貯留リング』に獲得します。
シンプルですね。

 3つ目が『設置アクション』です。
これは『ディスプレイ』あるいは『アーカイブ』にあるカードを1枚選び、『計器盤』にセットするアクションになります。
カードには当然、設置コストが存在します。
『装置カード』の左下にはそのカードをセットするのに必要な『エネルギー球』の種類と個数が書かれています。
これをぴったり支払えるように『貯留リング』の中の球を消費する必要があるのです。
消費した球は『生成器』の中に戻します。

 4つ目は『開発アクション』です。
これは1~3まである各山札から、そのときの自分の『開発上限』と同じ枚数をめくって、うち1枚を『アーカイブ』に送るかそのまま設置できるアクションになります。(当然コストは必要です)
『計器盤』の一番左端にはこの『開発上限』と『アーカイブ上限』、『貯留上限』を表す『アップグレード装置スロット』があります。
ここを拡張していけば、山札をめくれる枚数やアーカイブしておける枚数、エネルギー球を持てる個数が増えていくわけです。
余裕があれば積極的に拡張用のカードを取っていきたいですね。
『開発アクション』は『ディスプレイ』に欲しいカードが無かった時に活用していきましょう。

 『設置アクション』や『開発アクション』で設置されたカードは各エリアごとにどんどん増えていきますので、効果が見えるように重ねて置いていきます。
カードにはおおむね3種類ありまして、「アクションに対応してアクションを発生させるもの」「各上限をアップグレードするもの」「常時効果を発揮するもの」が存在します。
バランス良く伸ばすか、一点特化するかでもずいぶん戦法は変わってきますね。
 カードは基本的に集めれば集めるほどアクションに応用が効くようになって、プレイが有利になっていきます。
しかし、中にはマイナスの効果を受ける代わりに勝利点が高いなんてものもあったりするのが憎らしいところ。
利便性を取るか勝利点を優先するか、実に悩ましい!

 例えば上の写真の『計器盤』。
『エネルギー変換装置』で全ての球を任意の種類に変換できる上、『熱』と『原子力』については1つで2個分と換算できるようになっています。
また、『ファイリングアクション』を行うたびに『エネルギー列』から選んで1個、『生成器』からランダムで1個の球をそれぞれ得られます。
『エネルギー取り出しアクション』では『電気』か『熱』の球を得たら、追加でランダムに1個の球が。
『設置アクション』では『原子力』『電気』『電池』の枠がついたカードを設置すると『勝利点トークン』がもらえる仕組みになっているのです。
このように、基本となるアクションをトリガーとしてカード効果を連鎖させていくのがこのゲームの醍醐味となっているわけですね。
 最終的に、いずれかのプレイヤーがカードを16枚設置するか、レベル3のカード4枚を設置すればゲーム終了です。
カードについている勝利点と、『勝利点トークン』の数を合計して、一番高かった人の勝利!
簡単ですね。

 『ドミニオン』のヒット以降、拡大再生産ゲームは実に様々な種類がたくさんのメーカーから発売されているわけですが、この『ギズモ』はカード購入のコストとなるものを球にしたあたりが面白いポイントですね。
カードを集めていけば特定の『エネルギー球』を選んで取ることもできますし、ランダムに取ることもできるようになります。
このほどよいランダム性がいいスパイスになっていて、ゲームを盛り上げてくれるんです!
他人を直接妨害する要素もありませんので、ひたすら自分のエンジンを作り上げていく事に専念できるのもいいですね。

 ガチャガチャの機械のようなコンポーネントがひと際目を引きますが、ゲームとしてもよく出来ていて初心者から上級者まで楽しめる一作になっています。
ちょっとコンポーネントに凝った拡大再生産ゲームがしたい、なんて時にぜひ一度遊んでみてください。

 といったところで、今回のゲームはいかがだったでしょうか。
それでは、また次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
 アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
 世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。
代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
 大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
 大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
 その他多数。