ボードゲームレビュー第30回「ポートロイヤル」

ポートロイヤル(原題:PortRoyal)
メーカー:Pegasus Spiele/日本語翻訳:ホビージャパン
作者:アレクサンダー・プフィシュター

プレイ人数:2~5人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:約30分


 

 毎度どうも、松風でございます。
 今回はイチかバチかに命を懸ける、そんな男らしいカードゲーム「ポートロイヤル」をご紹介しましょう。

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 元々は「カリブの海賊」という名前で出ていたこのゲームですが、対応人数が5人にまで増え、装いも新たに帰ってまいりました。
 発売元は、以前ご紹介した「炭坑讃歌」などでもお馴染みのペガサスシュピーレです。

 さて、ポートロイヤルといえば、カリブ海はジャマイカに実在する都市。
 17世紀ごろは海運業が盛んで、海賊たちが一手に集まる交易都市だったそうです。
 そういえば大ヒット映画「パイレーツ・オブ・カビリアン」でも、ここから物語が始まりました。
 まぁ、それだけ「海賊といえばポートロイヤル、ポートロイヤルといえば海賊」と言えるくらいの一大拠点だったわけです。
 プレイヤーはここを根城にする海賊となって、人生を賭けた商売に打って出ることになります。

 ゲームの準備は超簡単。
 まず全部のカードをシャッフルし、山札にしてテーブルの中央にドン! と置きます。
 初期の所持金として、プレイヤーごとにカードを裏向きで三枚受け取ると、もう準備は終わりました。
 この手軽さも「チマチマ準備するのなんざ性に合わねぇ! とっとと始めようぜ!」といった男らしい豪快さを感じさせてくれます。
 5人でプレイする場合、1枚だけ裏の図柄が違う探検命令カードが入りますが、細かいことは気にしねぇ大らかな精神で行きましょう。
 実際、プレイには何ら問題ありません。

 ゲームの勝敗もすっきり明快。
 影響力と呼ばれるポイントを12点稼いだプレイヤーが出たら、そのラウンドを最後まで行って、最も影響力の大きかったプレイヤーの勝利です。

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 では、ここでざっとカードの種類をご説明いたしましょう。
 まず基本となるのが『船』カードです。
 大航海時代でおなじみのピンネースからガレオンまで5種類の大きさの船があり、それぞれ色分けされています。
 船カードには色の他にコインの枚数と戦闘力が描かれています。
 主にコインの収入源となる重要なカードと言えるでしょう。

 次に多いのが『人物』カードです。
 必要な枚数のコインを払えば、様々な能力をもった人物を雇う事ができます。
 一度配下になった人物は、手元にいればずっと能力を発揮してくれますし、少ないながら影響力もついてますので、勝つためには多くの部下を集めるのも大事です。

 そして先程もちらりと出ました『探検命令』カード。
 これは特定の能力をもった人物を解雇(破棄)することで任務達成となり、影響力とコインをたくさん得ることが出来ます。
 王様からの依頼を受けてあちこちに探検に行き、名声を高めるというわけですね。

 最後に『増税』カード。
 これがめくられた時に、12枚以上のコインを持っていれば強制的に徴収されて半分になってしまうハズレカードです。
 一応2種類あって、戦闘力が最も高いか、影響力が最も低いプレイヤーがコイン1枚得ることが出来るという効果もついてます。
 納税したあとの還付金なんでしょうか?

 カードの総枚数は120枚と多いですが、種類はこれだけのたった4種類。
 人物カードの能力も、あんまり覚える要素は少ないので、小さいお子さんでもすぐに理解できるでしょう。

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 このゲームの1ラウンドは、大きく分けて二つのフェイズで進行します。
 まず第一フェイズでは、手番プレイヤーが山札をめくっていきます。
 めくる枚数に制限はありませんので、良いカードが出たと思うまで度胸一発、欲望の赴くまま好きなだけめくってください!
 めくられたカードはその場に置かれ、『港』に集まっているものとして考えます。
 この時点では、まだカードはプレイヤーのものではありません。
 『探検命令』だけは港ではなく少し離れた場所に置き、達成されるまで全員の共通カードになります。
 『増税』は、めくられた時点で効果を解決し、終わったら捨て札置き場に置かれます。

 これは! と思うカードが出たらそこで止めてもいいですし、まだまだイケる! と思うならめくり続けても構いません。
 ただし、「すでに港にある船と同じ色の船カード」が港に出たら、その船を撃退しない限り、港にあるカードが全て捨て札となり手番終了です!
 「男は度胸!」と大物を狙うか、「ヤバい橋は渡らねぇ」と手堅いところで止めにするか、男の引き際が試される瞬間です。

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 船を撃退するには戦闘力を持った人物カードが必要です。
 配下の人物カードの戦闘力の合計が船カードの戦闘力以上ならば、見事撃退に成功します。
 しかし、中には絶対に勝てない船もいますので、無限にカードをめくることは出来ないようになってます。

 第一フェイズを止めて港にカードが残っていると、第二フェイズに入ります。
 第二フェイズでは、船カードを得る「交易」と、人物カードを得る「雇用」が行えます。
 交易の場合、選んだ船カードを捨て札にして、山札から船に描かれていたコインの枚数と同じだけカードを裏向きでもらいます。
 雇用の場合、カードに印されたコインの枚数だけ、手持ちのコインを捨て札に支払う事ができれば、その人物を手元に置くことができます。

 このゲーム、カードの裏面がコインとなっていて、他にトークンなどを使う必要がありません。
 それがコンポーネントの圧縮とランダム性の加速に繋がっていて、素晴らしいデザインだと思います。

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 手番プレイヤーは港に集まった船の色の数によって、取れるカードの枚数が変わってきます。
 色が多ければ多いほどカードを多く獲得出来ますが、同じ色の船カードが出るリスクとお見合いになるのも実に悩ましいポイントですね。

 手番プレイヤーがカードを獲得し終わったら、手番以外のプレイヤーも1枚づつ(港にカードが残っていれば)カードを得ることが出来ます。
 ただし、その場合手番プレイヤーにコインを1枚支払わなければいけません。
 全員がカードを取る選択をし終えたら、港に残ったカードは全て捨て札となって、次のプレイヤーのラウンドに入ります。

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 とまぁ、ルールとしては至極簡単な部類のゲームですが、運と度胸を頼りに勝負をかける一瞬にカタルシスの詰まった、面白いゲームになっています。
 人物カードの能力やコインのやり取りによって生まれる他のプレイヤーとの駆け引きも熱く、見た目以上に奥深いゲーム性も兼ね備えています。
 プレイヤーが海賊、というのもいいフレーバーとして機能していて、自分がどこの国に仕える海賊なのか、といったロールプレイを楽しんでもいいでしょう。
 プレイフィールもサクサクで、お値段も手頃なので、気軽にワイワイプレイする分にはコストパフォーマンスも優秀だと断言できます!
 「一攫千金」という言葉が大好きなあなた! ぜひ、海千山千の荒くれ海賊となって、カリブの海に覇を競ってみませんか!?

 といったところで、今回のゲームはいかがだったでしょうか?
 それではまた次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
 アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
 世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。

代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
 大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
 大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
 その他多数。