ボードゲームレビュー第44回「ダンジョンファイター」

「ダンジョンファイター」(原題:Dungeon Fighter)
発売元:ハイデルベルガー出版、クラニオ・クリエイション/日本語翻訳:ゲームストアバネスト
作者:A.ブオンフィーノ、L.シルバ、L.T.ソレンティーノ
プレイ人数:1~6人用
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:45-60分


 

キミは股下からダイスを投げた事があるか……!?

どもども、三家原です。
最近、朝起きても蝉の声が聞こえなくなってきて、夏も段々と終わりに近づいて来てくれたかなぁと感じる今日この頃ですが……蝉さんよりも燦々と降り注ぐ太陽と暑さが早くどこかへ行ってくれないですかね~(汗)

さてさて、今回ご紹介するのはそんな燦々と降り注ぐ太陽とは無縁のダンジョン物!
ハイデルベルガー出版様&クラニオ・クリエイション様から発売中の「ダンジョンファイター」なのですー♪

kiwi_blogreview051_photo01F_140819b

そうそう、ボードゲームのRPGといえばダンジョンですよねっ、超超有名なダンジョン&ドラゴンズとかありますもんね!

やはりRPGといえば囚われの姫をレスキューしたり、ダンジョンの奥地に潜むドラゴンにアタックしたり、財宝をゲットしたりとドキドキハラハラな展開が楽しいですよねー。

さあ、この「ダンジョンファイター」は一体どんな冒険譚を繰り広げて……。

もはや純粋なヒーローなどいない時代がやってきた(説明書より)

え……どういう時代ですか?(汗)

腑抜けたくわせ者と無学なごろつきがぜーぜー言いながら荒れ果てた王国をうろつき、嘘っぱちの英雄譚を語っては人々のなけなしの金を巻き上げていた(説明書より)

なんて悪い奴等なんでしょう!
むむむっ、か弱き人々から金銭を巻き上げるなんて許せませんね。

そこで王様は信頼のおける偵察を派遣し、領内で最も危険なダンジョンを発見させた。それから王様はすべての自称ヒーローを捕らえ、彼の前に引っ立てた(説明書より)

ん? あれれ?(滝汗)

こうしてヒーローにほかならないあなたはこれを聞いて驚いた。ウーディードゥー! 戦うか、もしくは餌になるのか?(説明書より)

なん……です……と……!?(驚)

な、なんか最初のイメージからかなりかけ離れたスタートとなりましたが、プレイヤーはそういう理由によってダンジョンに挑む事になった自称ヒーローなんだそうです(苦笑)

ゲームの目的は、ダンジョンの最奥に潜むラスボスを倒すという純粋なRPGなんですが……。

kiwi_blogreview051_photo03F_140819a

kiwi_blogreview051_photo02F_140819a

……うん、揃いも揃って見事にうさんくさい連中ですね(苦笑)
プレイヤーは数多あるうさんくらい連中の一人となってダンジョンに挑戦します。

まずゲームの準備は下記の通り。

①ターゲットボードの組み立てる。
このゲームで一番活用するのが、このターゲットボードなのですよ。
写真でも分かる通り、結構大きいです。なぜ大きいのかは……ふふふ、冒険が始まればすぐに分かるのです。

②ダンジョンの構築
ダンジョンの構築、なんて書くと難しそうなイメージがありますけど、本作は簡単。
なんと構築するマップは全部で7枚。まず最初にラスボスが潜む4枚のラスボスマップボードから1枚を引き、引かれなかったラスボスマップボードと2枚のダンジョンマップボードの内2枚引いて、入り口と出口の印がつながるように置いたら、ダンジョンの完成なのでーす!

kiwi_blogreview051_photo04F_140819a

③ラスボスの召還
さあ、こうしてダンジョンが完成したら、4枚あるラスボスカードから1枚をランダムに選び、これで冒険の舞台は準備完了!

kiwi_blogreview051_photo16F_140819a

④ヒーローの選択
攻め込むダンジョンが決まったら、次はプレイヤーの分身となるヒーローを選択するのですよ!
キャラクターによって能力や体力に差があるので、バランスよく組みたい所ですね。

⑤難易度の挑戦
モンスターカードを配合して、難易度を調整するのです。簡単だとレベルⅠからⅢがメインになって、一番難しいのだとⅣがメインになる感じですね。
調整が完了したモンスターカードは、組み立て式の塔に別けて差し込めば準備完了なのです。

⑥他のコンポーネントの準備
ゲーム中に使用するコインやトークンを指定の場所に配置したら、色分けされた3個のヒーローダイスと、軍資金である2ゴールドと白ダイス1個を宝箱ボードに設置します。

kiwi_blogreview051_photo05F_140819a

⑦リーダーの指名
やっぱりRPGといえば、リーダーの存在が大事ですよねー!
リーダーが決まったら、リーダーの証であるパーティーリーダートークンを“勝ち”の面を向けて設置し、ヒーローダイスを手にして……さあ、いよいよお待ちかね! 冒険の始まり始まりなのですよー!

ゲームを開始すると、パーティーは3つの行動を行いながら、最奥に潜むラスボスを目指します!

1.移動
基本中の基本行動ですね。
プレイヤーのいる部屋から、通路で繋がっている部屋を選択して移動となります。
パーティーは固まって移動となりますので、みんなで仲良く決めるもよし、リーダーが「俺を信じてついて来い!」と強引に決めるも良しなのですが、移動は矢印の通りにしかできませんからご注意を。
また部屋によっては「お店」があったり、「回復の泉」があったりとプレイヤーにメリットのある部屋もありますが、同じくらいにデメリットな部屋も当然ありまして……その詳細は次のフェイズにてご紹介なのです。

2.遭遇と戦闘
さあさあさあ! これこそRPGの醍醐味! 戦闘ですよー!!
このモンスターとの遭遇は部屋の種類に関係なく、常に敵が出現します。
モンスターは塔のもっとも高い層……レベルⅠから1枚引いていき、先に進めば進むほど敵のレベルが上がっていくのですよ。

ついにモンスターに遭遇しましたら、戦闘といきましょうかー!!
この「ダンジョンファイター」は、実にユニークな戦闘方法を採用しています。プレイヤーはスタートプレイヤーから時計回りに、ヒーローダイスを振ってモンスターを攻撃していく……と、ここまでは一般的なRPGと変わらないのですが、ここからが特徴的なのですよー。

まず3色の内、1色を選びます。
この色はヒーローシートの左右と中央にあるマークに関係していて、左の能力を使いたかったら青を、中央は緑、右側は赤という風になっているのですよ。

例えば、このランドルフさんの場合だと……。

kiwi_blogreview051_photo03F_140819a

「青」なら投げたダイスを「振り直し」、「緑」なら「宿命」と呼ばれる特定のモンスターに対してだけ攻撃にボーナスを得る事ができたり、「赤」なら「変身」でモンスターをカエルに変身させて、受けるダメージを2軽減させるなんて事も可能なのですよ。
ただしこの能力を発動させるには、ダイスに刻まれた「目のマーク」が出ないと発動しません。

そして選んだダイスをその場で振るのではなく、ターゲットボードに向かって投げるのです!

kiwi_blogreview051_photo07F_140819a

このターゲットボードには数字が書かれていて、この数字こそが攻撃した際にモンスターに与えるダメージとなっているのです。
つまり……ターゲットボードにダイスが乗らなければ、無情にも攻撃失敗。
そして攻撃失敗となればモンスターはお返しとばかりに反撃し、手番プレイヤーがダメージを喰らって次のプレイヤーに出番が回ります。

え? ターゲットボードに乗せるだけなら簡単?
ふふふ、そう思うでしょう? でも、これがくせ者なのですよ~。

実はターゲットボードに投げ込む際、ダイスは「必ずワンバウンドしなければならない」というルールがあるのです!!

しかもターゲットボード内にある穴に落ちたり、骨の部分に乗った場合も失敗と見なされ、ダメージをもらっちゃいます。
この必ずワンバウンドをするが為に、ダイスが思わぬ方向へ飛んでいってしまう事が続出しまくるのですよ……(汗)

でもワンバウンドくらいなら、馴れればどうって事ないと思ったそこのアナタ。
そう! そうなんですよ!!
ワンバウンドしてターゲットボードに投げ込むくらいなら、慣れれば決して難しくないんです!!
しかしそうは問屋が卸してくれない、実に本作らしい醍醐味がもう一つありまして……。

モンスターカードには名前、HPが記載されている他に「特殊能力」があります。
この特殊能力には様々なものがありますが、例えばこのイノシシみたいなモンスターだったら。

kiwi_blogreview051_photo06F_140819a
「遠投」:立ってテーブルから1~2歩離れ、そこから投げます。

当然、ワンバウンドしてターゲットボードに入らなければ攻撃失敗、もれなく反撃されてダメージを喰らっちゃいます。
ええ、そうなんです!
このゲームの破天荒な魅力は、敵の特殊能力で「ダイスを振るスタイルが指名される」事なのですよ!!!
しかも、この「遠投」などまだまだ序の口。
壁に当てて乗せる「壁投」や、手の甲にダイスを乗せて指ではじく「クロスボウ投」などのテクニック技や、鼻に乗せて投げるネタ技「鼻投」、ジャンプして着地までに投げる「ジャンプ投げ」など身体を張ったスタイリッシュ技など、全22種類もあるのですよ……!!

kiwi_blogreview051_photo09F_140819a
また途中、武器や防具といった強力なアイテム類が入手するチャンスもありますが、そのアイテムにも投げ方の指示が!!

kiwi_blogreview051_photo10F_140819a
股の間から投げてターゲットボードに乗せる程度だったらまだ使いやすいアイテムなんですけどねー(棒読み)

kiwi_blogreview051_photo15F_140819a
ワンバウンドでも大変なのに、ツーバウンドなんてめちゃくちゃ難しいのですよっ(迫真)

そして様々なスタイルで投げ込んだダイスが無事にターゲットボードに乗っても乗らなくても、使用したダイスは使えないので、誰がどの色のダイスを使用するのかも重要になってきます。

え? それだと、最大3回しか攻撃ができないじゃないか? ふふふ、その通りなのですよ。

毎回3回内で、戦闘が終わるとは限りませんよね?
なのでもしも3回戦って敵が生き残っていた場合、4人目のプレイヤーは二つの選択が可能です。
1つはダメージを受けてダイスを3個回復させる。そしてもう一つは宝箱ボードに保管しているダイスを使用しての攻撃です。

kiwi_blogreview051_photo05F_140819a

もしも、敵が瀕死……もしくはプレイヤー側がダメージを追えば全滅確実という場面では、この宝物ボードのダイスが活躍するのですよ。

ちなみにこの戦闘、敵を倒すか全滅するかまで続きます。
そう、どちらかが倒れるまで……(遠い目)

こんな曲者なバトルシステムなので、私たちのパーティーは最初のゴブリン相手に半殺しの目に合う人が続出したのですよ……(吐血)

3.整理
さあさあ、無事にモンスターとの戦いに勝利したら、整理のお時間。

まずはバトルに使ったダイスを、左隣のプレイヤーに手渡します。
そう、次のバトルは、このダイスを受け取ったプレイヤーから始まるのですよ。

そして倒したモンスターからコインをぶんどり、もしも戦闘で気絶していたヒーローは復活します。
しかしモンスターに倒されたヒーローはトラウマを抱えてしまい、「赤」「青」「緑」の特殊能力の内一つが、傷トークンと呼ばれるトークンで覆われてしまい、使用不可になってしまいます。

そう、やられればやられる程、後半のゲームにどんどんと不利になるだけでなく、傷トークンを3つ手にしたプレイヤーは「天使のヒーロー」に昇格という名の脱落に至ってしまうのですよ……(滝汗)

とまあ、他にも細かなルールはありますけど、大まかな流れはこんな感じですねー。

プレイしてみた感じとしましては、やっぱり投げる方法の豊富さと豊富さ故の予想外の戦闘展開に笑いが止まらなかったですねー。
TRPGやボードゲームのベテランさんが揃っているメンツなのに、ダイスに翻弄されて最初のモンスターでほぼ全員半殺しになるとか誰が予想したでしょう……!!(笑)

でも、その一報で上手く投げられない人への救済措置があったり、パーティーのメンバーの連携が上手く行った時の爽快感など結構楽しめる要素もしっかりと盛り込まれていて好感触♪

そして結構侮れないのが、このゲームの取り扱い説明書!
冒頭の物語説明だけでなく、本文所々でああいうユニークな語りを入れてくれているので、読み物としても楽しめてしまうのです。
こんな面白可おかしいゲームなのに説明書まで楽しいので、もっと盛り上がりますよね♪

kiwi_blogreview051_photo01F_140819b

さあさあ、果たしてキミは生き残る事ができるのか!?
ご興味を持ったそこの冒険者っぽいアナタ! 次はアナタがダンジョンにゴーする番なのですー!

 

ライター紹介

三家原優人(みけはら ゆうと)
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ゲームシナリオライターだけでなく、映画会社にて長編映画の脚本や出演など多岐に渡って活動中。
 趣味はガジェット集め。国内・国外問わずの気になるガジェットを集めては愛でる日々。
 実は某公国の爵位を持っていたりする。

代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ。
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」。
 長編ホラー映画「腐女子」。
 その他多数。