ボードゲームレビュー第56回「グランオクトパスの夜」

「グランオクトパスの夜」(原題:Night of Grand Octopus)
発売元:iello/日本語翻訳:ホビージャパン
作者:フレデリック・モラード
プレイ人数:3~5人用
対象年齢:7歳以上
プレイ時間:20分

 


秋の夜長、隣は何をする人ぞ。
……その隣が人であればいいですね(まて)

どもども、三家原です。
ふふふ、そんな不吉な冒頭でお迎えするのには、ちゃんと理由があるのですよ。

さてさて、今回ご紹介するのは、iello様より発売されて、ホビージャパン様より日本語訳されて日本にやってきた「グランオクトパスの夜」なのですー!

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iello様といえば、東京を舞台に怪獣が大暴れしまくる「キング・オブ・トーキョー」(最近、ニューヨーク版も発売して、世界を巻き込んでおります)や、このブログでも紹介させてもらった「スチームパーク」も、この会社様より発売されているのですよ~!

さてさて、そんなご縁のあるiello様の「グランオクトパスの夜」はどんな物語かというと……。

遙かな太古、神の力を持つ宇宙生命体”グランオクトパス”が、世界の支配者として君臨していた……諸々の状況の厄介な巡り合わせの末に、大洋の底に幽閉されるまでは。

うん? あれ? なんだろう、この懐かしい響き……。
とりあえず、グランドオクトパスというすげー強いやつが封印されちゃったらしいです。

君はこれら選ばれし者の一人であり、グランオクトパスの栄光を称えるため信者を集めカルト教団を結成した。

えーっと、つまり、プレイヤーはカルト教団の教祖というワケですね。

そんあわけで今夜、儀式を完遂させるのに必要な魔法の素材を探しに、君は英国のとある、若き魔導士のための名門大学に忍び込まなければならない。なぜなら、今宵こそ『グランオクトパスの夜』だからだ!

大洋に沈められた、神の力を持つ宇宙生命体……。

プレイヤーが率いるカルト教団……。

そして、英国にあるという有名大学……。

これってク○ゥルフ……?
クトゥ○フなの?
多分、これ、○トゥルフですよね!?

明記されていないので、事実を確認する事は出来ませんが、きっとそうに違いないという要素がたっぷりなのですよ!!

おフランスのゲームなんですけど、向こうでもクトゥル○は人気なのですかね?

そんなささやかな疑問はさとおき、話を進めましょう♪

ゲーム目的は、マップ上に置かれている魔法の素材を4つ揃えたら勝者となり、グランオクトパスの恩寵を受けるそうですが……なんか、どんな恩寵受けるのか怖いんですけど(まて)

さてさて、そんな雰囲気は大体分かったところで、ゲームの準備なのです。

まずは、ゲームの舞台となるゲームボードを中央に置きましょう。
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これが、プレイヤー達の活動するゲームボード(英国の有名大学)なのです。

大学の中央にある図書館には、カルト教団の教祖であるプレイヤーを示す“カルティスト”を配置します。

次に“外部ロケーション”を呼ばれる、特殊な効果を発揮する円形のマップを1つ選んで、ゲームボードの側に配置します。

さらに、短刀の形をした“ダガー・オヴ・パワー”もゲームボードの側に配置し、プレイヤーの人数+1つ分のマーカーを設置します。
このマーカーが、ゲーム中のプレイヤーの体力を示します。

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さあ、設置が終わったら、大学内の各部屋に魔法の素材を配置しましょう。
配置の数は、プレイヤーの人数-1なので、間違えないように。
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素材は全部で7種類。どれを取ってもOKなので、とにかく早く4種類を揃えるのがとっても大切。

最後にプレイヤーの手元に“コマンド・クロック”と“落とし仔”と呼ばれる大きなコマを持ったら、準備完了なのですっ!

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準備が終了すると、いよいよ恐怖の夜の始まり始まり。

このゲームは大きく分けて、5つのフェイズで構成されています。

1)選択フェイズ

このフェイズでは、手元にあるコマンド・クロックを利用します。
他の人に見られないよう、プレイヤーは、自分の落とし仔とカルティストの2つをどこへ配置するか決めるのです。
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大きなディスクは落とし仔、小さなディスクはカルティストの派遣先を示しています。

ただし落とし仔とカルティストを、同じ場所へ派遣する事はできません。代わりに「ある事」が起きてしまいます。そう、不思議な「ある事」が!

またカルティストは校内を、階段に沿ってしか移動できないので、間違って移動不可能な場所に派遣しないように注意しましょう!

もしも移動不可能な場所を指定してしまった場合は、移動失敗となって体力を1失ってしまい、その場に居ない扱いとなってしまいます。そのカルティストのコマは、このターン行動不能という事で倒されます。
つまり1ターン、無駄にしてしまうのですよ(汗)

さて、こうしてセットが終了したら、伏せてテーブルの上に置いてフェイズは終了です。

2)公開フェイズ

全員がコマンド・クロックを伏せたら、このフェイズに移ります。
このフェイズが開始されたら、全員一斉にコマンド・クロックを全員に見せるように公開します。
そして公開が終わったら、順番にカルティストと落とし仔を移動させます。

またここでポイントとなるのが、カルティストと落とし仔を一緒の場所に指定した「ある事」です。いったい何が起こるのかというと……。

そのプレイヤーのカルティストは、なんとボード外の異空間「外部ロケーション」へと移動するのです!

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「外部ロケーション」は全部で4種類。それぞれに特徴があるので、選んだロケーションによって、ゲームの遊び方がグルッと変わる可能性があるのですよ。

また外部ロケーションから大学内に戻る場合は、好きな場所に移動できるので、2ターンでは移動できない所へ移動をするなど、テクニカルな動きができるかも……!?

ただし外部ロケーションへ移動するのはカルティストだけです。落とし仔はどこにも配置されないので、要注意なのです。

3)解決フェイズ

全員の移動が終了したら、このフェイズに入ります。

①部屋にカルティストが一個だった場合。

そのプレイヤーは、部屋に置かれた魔法の素材を1つ入手します。
ただし、もしも同じ素材を既に持っていた場合は、何も起きません。
また、カルティストが倒れていた場合も、何も起きません。だって、居ない子扱いですから(笑顔)

②部屋に落とし仔が一個だった場合。

何も発生しません。

③部屋に1つ以上のカルティストと落とし仔がいた場合。

カルティストと落とし仔の戦闘が発生し、カルティストを配置していたプレイヤーは1ダメージを受けます。
しかも、この場合、魔法の素材を入手出来ず、ダメージだけもらってしまうのです。

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この場合だと、黒と赤のカルティストの人が1ダメージを受けます。

でも、カルティストが倒れていた場合は、そのプレイヤーには何も起きません。だって、居ない子扱いですから(笑顔)

④部屋にカルティストだけが複数いた場合。

もしも、他のカルテットコマと同じ部屋になってしまった場合、3つの選択肢を“交渉”によって選ぶことになります。

④-① 何も発生しない
誰も魔法の素材を取らず、ケンカもしない。
一番安全で平和な解決方法。最初の内は、けっこう発生する選択かもです。

④-② 誰か一人が、素材を1個入手する
その場の誰が、得をする方法。
弱味(あと1ダメージで死亡等)でも握られてないと、そうそうなる選択肢じゃないかと。
だって、相手に塩を送る行為ですからね~。そうなる位なら、何も発生させなかったり、相手と殴り合った方がずっと有利になるんじゃないかと(まて)

④-③ 抗争
交渉が決裂した場合、問答無用でこれになります。
みんなで殴り合ってしまった結果、全員が1ダメージずつ受けます。
一見、ただ不利な選択のように思えますが……相手が、あと1ダメージで葬れるのなら、もう説明は無用ですよね?(まて)
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激しい殴り合いが生じて、みるみると減っていくパワー。

またこれらの交渉も、カルティストが倒れていた場合は(以下略)

4)判定フェイズ

このフェイズで、もしも4つ目の素材を入手している場合、勝者となります。

ただし、もしも複数いた場合は、素材である“魔道書”を持っている人が勝者!!

しかし相手も同じ素材を持っていた場合は、石像→髑髏→秘薬→星図→植物→銀の鍵の順で判定します。

でも、それでも決まらない場合は、体力の多い方が勝者となのです!!。

5)撤収フェイズ

まだ誰も勝者になっていない場合は、このフェイズが開始されます。
各プレイヤーは落とし仔を回収し、カルティストはそのままにしておきましょう。

以上が、大まかなゲームの流れですねー。

ゆっくりと、踏みつぶされないように注意しながら進めばいいかといえば、そういうワケにも行かず。
魔法の素材も、プレイヤー人数から1枚引いた量しか配置されないので、慎重過ぎると出遅れてゲットできないなんて事もあったり。

なので、うまくカルティストのコマを動かして、踏みつぶされたり、他の教団とバッティングせず、素材を獲得していくのがポイントです。

しかもこのゲームの面白いところは、対話を推奨している所ですねー。
そう、この対話もゲームの重要要素なのですよ。

○に行きたい、だけどバッティングするのは怖い。
そう思った時に、さりげなく「○○に派遣しちゃおうかな~」と言ってみたり「○○には行かない方がいいよ? ふふふ……」と意味深に笑ってみたりと、相手を迷わせるような戦術がOKという事なのですよ(まて)

さてさて、本日ご紹介しました「グランオクトパスの夜」はいかがだったでしょうか?

プレイしてみた感想としては、以前にレビューさせてもらった「クシディット王国記」と同じプロッティングゲームなんですが、プロッティングを簡易版にしてプラス対話という要素が加わった事によって違った面白みがありましたねー。

それに「クシディット王国記」の方は、一度に6ターン分決めちゃうので、一つズレると被害が甚大でしたけど、こちらは1ターン毎ですから、被害は最小限で済むから心臓にお優しいのですよ(笑)

プレイ時間がたったの20分ということですが、コンポーネントもしっかりとしていて好印象なのです。

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来ると怖いけど、見た目は可愛い“落とし仔”

プレイ時間の短さとは裏腹に、頭脳戦を楽しめる一品なので、がっつりとやる前の準備運動などにいかがでしょう?

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ご興味のある方は、ぜひぜひ一度遊んでみてください♪

 

ライター紹介

三家原優人(みけはら ゆうと)
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ゲームシナリオライターだけでなく、映画会社にて長編映画の脚本や出演など多岐に渡って活動中。
 趣味はガジェット集め。国内・国外問わずの気になるガジェットを集めては愛でる日々。
 実は某公国の爵位を持っていたりする。

代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ。
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」。
 長編ホラー映画「腐女子」。
 その他多数。