ボードゲームレビュー第89回「パンデミック:接触感染」

「パンデミック:接触感染」
発売元:ホビージャパン
作者:キャレイ・グレイソン
プレイ人数:2~5人
対象年齢:13才以上
プレイ時間:約30分

 


どもども、三家原です。
さて、我々はこれから、人類の脅威となる凶悪なウィルスを駆逐する為、各人がそれぞれエキスパートとなってウィルス撃破に……え? 脚本が違う? えっと、え、こっち? こっちなの? 本当に!?

……ごほんっ。

ケケケケケケケ――ッッ! ついに! ついにこの時が来たのですよ!
今こそウィルスが勝利する時! 人類は滅ぶべし!! 目指せ、全人類滅亡ーっ!!

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そんな今回ご紹介するのはホビージャパン様から発売中の「パンデミック:接触感染」なのであーる!

ワレワレは憎き人類を滅ぼす為、立ち上がったウィルスであーる!!
ふふふっ、か弱き人類はワレワレに対抗せんと策を練っているようだが、治療法はまだない!!
つまり! ワレワレの暴れたい放題なのだ! この勢いのまま進めば、人類滅亡は約束されたも同然!
今こそ人類をやっつけるべし! ワレワレの新世界を築くのであ-る!!

……ということで、パンデミックシリーズといえば、治療や通信関係のエキスパートになって、協力しながら未知のウィルスと戦っていくゲームでしたが、本作はいつも敗北させられている未知のウィルスとなって人類を滅ぼすという逆襲版となっております(笑)

まあ、パンデミックは何回か遊んだ事ありますが、ウィルスに勝った事ないんですけど(汗)

そんな本作のデザインを担当されたのは、アメリカ人のキャレイ・グレイソン様。
てっきりパンデミックシリーズを担当されているのかなーっと思ったんですが、こちらは同じアメリカ人のマット・リーコック様で、この方はパンデミック以外にも「禁断の島」や「禁断の砂漠」という30~40分レベルの脱出協力ゲームを作られるんですねー。
どうも作っているラインナップを見てみると、リーコック様は、協力ゲームがお好きみたいです。
一方で本作のグレイソン様は、ヘックス型鉄道経営ゲームにダイスの要素を加えた「レイルウェイズ・エクスプレス」をリリースしたり、オレゴン州のポートランドを舞台に八本の橋をいち早く渡って自分の色に旗を塗り替えていくレースゲーム「ブリッジタウン・レース」をリリースしたり、結構対戦要素の強いゲームをメインに制作されているご様子。

果たして、協力ゲームの名作である「パンデミック」を、どのように料理してくれるのか!?
これからご紹介していきたいと思うのですよ。

1)ゲームの準備

まずは各プレイヤーの色を決めたら、その色のペトリ皿、得点マーカー、病原体コマ15個を受け取ります。
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ペトリ皿はプレイヤーボードの穴のところにぴったりと入るのですよ。

得点マーカーは、得点ボードの近くにセットしたらOK。

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間違って1点のマスに置いていたの図(笑)

与えられたプレイヤーボードの各変異のレベル1に、自分の病原体コマを1個ずつ設置します。
これが現在の自分のステータスとなります。
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上から、潜伏、感染力、抵抗力の3種類。

次に、シャッフルした接触感染カードの山札から、四枚ずつ受け取ります。
色は全部で6種類なのですよ。

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シャッフルした都市カードの山札から、プレイヤーに応じてテーブル中央に表向きに配置していきます。
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3人の場合だと8枚、4人なら9枚、5人なら10枚の都市が、ウィルスの脅威に晒されるのですよ。

こうして、ウィルスの脅威に晒される舞台が整ったら、最後のプレイヤーから反時計回りに、各プレイヤーは病原菌コマを1個ずつ表向きにされた都市カードに置いていきます。

そして、最後にイベントカードとWHOカードを別々にシャッフルしたら、表を向けずに3枚ずつ取り除き下図のように12枚のイベントを作成します。

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このカードはプレイヤーが一巡するたびにめくられて、最後の一枚がめくられたらゲーム終了となります。
つまり、このゲームは全12ターンで終了となるのですよ。

2)ゲームの手順

このゲームの目的はただ一つ! 人類をウィルスの脅威で滅亡させること!

なので、プレイヤーが行う行動も、それにつながる恐ろしい行動ばかりなのですよ。
でも、人類だってただウィルスに襲われているだけではありません。
パンデミックシリーズのプレイヤーがそうだったように、人類はウィルスを殲滅せんと躍起になって攻撃をしてきます……まっ、無駄な抵抗なんですけど(まてこら)

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今までは味方だったWHOが、敵に回るという新鮮な感じ……。

各ターンの開始時には、この人類の抵抗であるイベントカードを1枚オープンしていきます。
このイベントカードには、プレイヤー側を有利になったり、不利になるようなイベントも存在するので、めくるのがドキドキ。

一方でWHOは危険です。絶対にこちらが不利になるイベントが起こるのですよ。
だから、4ターンに1回やばいのが来るので、プレイヤーはそれに備えて色々と準備をしておかないといけないのです。

ふふふっ、まあイベントは怖いですけど、それが去ったらあとはこちらのもの!
さあ、じゃんじゃんと人類を恐怖におののかせてやるのですよーっ!! そんなワレワレが出来る行動は以下の3種類。

1:カードを引く
接触感染カードの山札から、潜伏レベルと同じ枚数のカードを引くことが出来ます。最大9枚まで保持することが出来ます。
たくさん持てば、それだけ都市への攻撃も可能になるので、出来るだけ多く持つのが一番なのですよ。

2:1都市を感染

1つの都市を選択して、自分の感染力と同じ個数まで自分の病原体コマを配置することが出来ます。
なので、感染力が2なら2個、3なら3個と増えていきます。

ただし、感染させるには、接触感染カードが必要となります。
すでに感染させている都市なら、都市と同じ色の接触感染カードを1枚消費して感染。
また新しい都市に感染させる場合なら、都市と同じ色の接触感染カードを2枚消費して感染なのです。

でも、もしも同じ色をもってなかった場合はどうなるのか? ふふふっ、そこはちゃんと救いの方法があるのですよ。
その場合は、いずれかの色の接触感染カード2枚を好きな色の接触感染カード1枚として利用することが出来るのです。

だから、もしも1枚足りなかった場合だと、2枚捨てれば感染させる事が可能となるのですよ。
なので、地味に接触感染カードの枚数が、大事になってくるんですよね。

また、もしも先に都市に感染させているプレイヤーが居た場合は、2列目になるよう配置します。
この列の順番は得点計算の時に重要となってくるので、ごっちゃにならないように気をつけましょう。

1つの都市には最大4人まで感染させる事が可能ですので、最大4列まで出来る事になります。

3:自分の病原体の変異

自分のウィルスを強化していく為の行動です。
自分の持っている接触感染カードをコスト分捨てることで、病原菌を強化することが出来ます。

強化が出来るのは、以下の3種類。

潜 伏
「カードを引く」の引ける枚数を増やす。
一番重要だと思います! なんたって、都市を感染させるのにも、強化するのにも、この接触感染カードが必要になりますから。

感染力
「1都市を感染」させる際に、置ける病原体コマの数を増やす。
病原体コマは置ければ置けるほど有利となりますので、出来るだけ増やしておいた方がいいですね。

抵抗力
イベントやWHOカードで出た不利な状況(病原体コマを減少させるなど)を1つ消費する事で、緩和させる事が出来る。
イベントが発生した時、地味に痛い目を見るので、それが嫌な人は上げておいた方がいいですね。
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病原体コマの下に描かれている数字が、コストなのですよ。

個人的には、最初のうちは潜伏をあげて、次に感染力ですかねー?
とにかく、このゲームでは潜伏感染カードがないと何も出来ませんからね。
ガンガン稼いでいかないとなのですよ!

以上の行動の内、好きなのを2回行う事で、プレイヤーの行動は終了となります。

3)得点計算

このゲームで得点が入るタイミングは、2つあります。

1:死者発生による得点

まず最初は、イベントカードによって発生するパターン。
これは、イベントカードに描かれているドクロマークが合計2つ目(または4つ目、6つ目)になったら発生します。
発生したら全ての都市が対象となり、その都市でもっとも病原体コマを置いているプレイヤーに、得点が発生します。

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3つある数字の一番下が得点となりますので、この場合だと紫色のプレイヤーに4点、黄色に4点入る事になります。

2:都市の全滅

各都市カードに表示されている一番上の数字は、1=100万人を表し、その都市の人口を表していると同時に得点となっています。
病原体コマは1個につき、100万人を感染させた事を表しますので。

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このボゴタの場合だと、1100万人が居るという計算になります。
そして赤の病原体コマが2個あるので、200万人が感染しているという計算になりますね……こ、こわっ!

そして、ボゴタの場合だとあと9個病原体コマが置かれたら、全員感染……つまり都市の全滅となります!
全滅となってしまったら、早速得点計算となります。その都市でもっとも病原体コマを置いたプレイヤーと2番目、3番目に置いていたプレイヤーはそれぞれ得点を獲得します。

ボゴタの場合だと、1位は11点、2位は7点、3位は4点の計算ですね。

しかも、ここでボーナスチャンス!
全滅した都市へ最後に病原体コマを置いたプレイヤーは、その都市カードを手に入れる権利を手に入れます。

このカードの特殊能力が結構強力で、即効性のものから自分の好きなタイミングで出せる物から様々です。
ボゴタの場合だと、その場接触感染カードを2枚引くという物ですが、カード不足になりやすい人にはまさに救いのあるカードですね。
この他にも、追加で1アクション増える、好きな都市1つに病原体コマを1個置ける、などとゲームの状況を変えられる物が多いですね。
得点は低いけど強力な特殊能力があるから、強引に全滅させてゲームを有利になんてプレイもあったり、色々と戦略を考えさせられるのですよ。

4)ゲーム終了

ゲーム終了条件は、2つありまして。
1つは、イベントカードにあるWHOカードが全て公開された場合。
もう1つは、表向きになっている都市カードが、2つだけになった時なのですよ。

このどちらかが満たされたら、ゲーム終了となり、最後の得点計算を行います。
最後の得点計算では、まず全ての都市カードの死傷者発生による得点計算を行います。
そして、もう一つは、プレイヤーがその時点で達成している各変異レベルを合計した数が、得点として加算されます。

この最後の計算を終えて、一番高い得点を獲得した人が、最強のウィルスとして勝利するのです!

なので、高得点の都市の感染をさせるのも大事ですけど、変異レベルもしっかりと上げておかないといけないのですよ。

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プレイした感想としては、パンデミックの舞台にしながらも、いつも駆逐するはずのウィルス側という全く違う切り口で、お手軽かつ面白かったなーっと思いましたねー。

覚えるアクションが少ない割に、色々とあれこれとシミュレーションする辺りはパンデミックっぽいなーっと思ったのですが、一方でちょっと寂しかったのはパンデミックでいつも大惨事となる「アウトブレイク」がなかったことですね。
この辺、ローカルルールでやってもいいのかなーっと思うんですけど、やったらゲームバランスが偉いことになりそう(笑)

何にしても、30分というお手軽さはいいですね。
パンデミックみたいに大きなマップもないので、小さなテーブルでも遊べるのですよ。

いつもやっているパンデミックとは一味違う体験がしたい、人類を救うのにはもう飽きた(!?)という方にはオススメだなーっと思う一品なので、ご興味のある方はぜひぜひ一度遊んでみてくださいませなのですー♪

 

ライター紹介

三家原優人(みけはら ゆうと)
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ゲームシナリオライターだけでなく、映画会社にて長編映画の脚本や出演など多岐に渡って活動中。
 趣味はガジェット集め。国内・国外問わずの気になるガジェットを集めては愛でる日々。
 実は某公国の爵位を持っていたりする。

代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ。
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」。
 長編ホラー映画「腐女子」。
 その他多数。