ボードゲームレビュー第9回「マスカレイド」

「マスカレイド」 (原題:Mascarade)
発売元:ホビージャパン/REPOS Production(ベルギー)
作者:ブルーノ・フェイドゥッティ(代表作:あやつり人形)  
対象年齢:10歳以上  
プレイ人数:2~13人
プレイ時間:30分


 

<ご挨拶>
 皆様、はじめまして。
 高円寺と申します。

 今回、あるご縁からキウイゲームズ様のブログにアナログゲームのレビューを書かせて頂く事になりました。

 実は、これまでの僕の人生においてアナログゲームと呼ばれるものは、都市伝説ぐらいの距離感にしか存在しませんでした。

 実際に仕事でコンシューマのゲームソフト作成に携わっていただけに、その考えは皆様より大きかったと言えるでしょう。

 俺氏「アナログゲームには華というものがない……」

 ―――そう思っていた時期が俺にもありました。  
 実際に正面から触れてみるとアナログゲームというのものは大変よくできており、どのゲームにも「うまい」「すごい」という感動が味わえる、本当に不思議な代物だったのです!

 さて今回、様々なアナログゲームの中から僕がご紹介するのは「マスカレイド」という作品です。

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<概要>
 マスカレイド(仮面舞踏会)の名前から浮かび上がるように中世ヨーロッパを彷彿とさせるキャラクターの能力と『隠蔽』による『推理』と『騙し合い』を真髄するカードゲームです。

 各プレイヤーは伏せたキャラクターカードを一枚ずつ持ちます……が、このマスカレイドのゲーム中では、頻繁にこのキャラクターカードは交換されます。

 つまり安全圏のない、どのプレイヤーにとっても宮廷の人間関係さながらの危険が待ち受けているのです。

<セットアップ>
 まずプレイヤーの人数に合わせたキャラクターカードと裁判所ボードを用意します。

 ※6人プレイにおける使用例。  
 6枚のキャラクターカードと右にあるのは『罰金』を集めるための『裁判所』です。

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 伏せられたキャラクターカードを所持したら、それぞれのプレイヤーに『銀行』から6金分のコインが配られます。

 これが所持金です。この所持金をキャラクターカードの能力を使用することで蓄財していき、 所持金が13金に到達するとゲームに勝利することができます。

 また、所持金が0金になると 『破産』が確定し、その時点でゲーム終了となり所持金が最も多いプレイヤーの勝利となるの です。

 勝利条件、敗北条件はいたってシンプル。

 では一体、何がこのカードゲームを『マスカレイド』たらし めているのか、実際にプレイの流れに沿って、ご紹介したいと思います。

<ゲーム進行>
 ゲームの最初の4ターン、つまり最初の4人の第1ターンは 準備のターンで、ゲームに不確定要素を導入します。

 最も若い先手プレイヤーから時計回りの方向に続く3人のプレイヤーが順番に自分のターンを消費して、伏せられた自分のキャラクターカードと他のプレイヤーのカードをテーブルの下で交換するのです。(この時、 ブラフで交換するふりも可)

<ゲームスタート>  
 さあ、ゲームの開始です!!各プレイヤーは自分のターンを消費することで、以下の3つのアクションのうちいずれかを行動できます。

・(テーブルの下で)自分のキャラクターカードを伏せたまま他のプレイヤーのものと交換する(または交換のふり)。
・伏せられた自分のキャラクタ ーカードを確認する。
・自分のキャラクターを宣言する。

 この3つです。

行動が終了した時点で、ターン終了となり、時計回りで次のプレイヤーのターンとなります。

<キャラクター宣言>
 キャラクター宣言は、この『マスカレイド』の肝となるアクションです。
 プレイヤーはターンが回ってきた時、自分のキャラクターを「○○である」と宣言し、そのキャラクターの持つ能力を発動することができます。

 例)King/王  王は、『銀行』からコインを3金受け取ることができる。    

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 ここまでくれば、ゲームの全体像が見えてきたと思います。

 そう、キャラクターカードはゲーム中、常に伏せられている上に、最初の4ターンでさらに不確定要素が導入されています。

 あるプレイヤーが「○○だ」 と宣言しても、はたして本当にそのキャラクターであるのか確証はどこにもありません。

 つまり、バレなければ別のキャラクターの能力を宣言しても、 それは有効となってしまうのです!! (ただし、プレイ中に使用されているキャラクターの能力のみ、 になります)

<ちょーっと待ったぁ!>
 もし宣言したプレイヤーのカードが違うものであると読んだ 場合、他のプレイヤーは「自分も同じキャラクターである」と宣言することができます。

 このように宣言が複数重複した場合、宣言したプレイヤー全てが、伏せられた自分のキャラクターカードをオープンことで、 はじめてその真偽を確認することができるのです。

 この時、宣言とキャラクターが実際に一致していれば、そのプレイヤーはキャラクターの能力を発動することができます。
 ただし宣言とキャラクターが異なった場合は中央に配置された『裁判所』に『罰金』として1金を納めることになります。

 ※なお『裁判所』に積まれた これらの『罰金』はキャラクターカード 『Judge/判事』   によって回収することができます。

<テクニック>

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 この『マスカレイド』というカードゲームにおいて、最大の鍵となるのは、「いかに自分のキャラクターを確認するか」ということになります。 
 所持金が貯まり、勝負の時が 迫ってきているのに、ターンを消費してカードを確認するのは、致命的なロスになりかねません。

 時にはあえて罰金1金を支払ってでも、真偽の確認のプロセスを利用して、伏せられたキャラクターを確認するというのも一つの戦術になります。

<最後に>  
 さて、ざっとご紹介させていただいたこの『マスカレイド』、いかがだったでしょう?

 皆様の中には自分の手役を相手に見せないことによって、心理戦をしかけるトランプゲーム『ポーカー』を思い浮かべた方もいらっしゃることでしょう。

 実際、よく似ていると僕は思います。ただし、『ポーカー』のようなゲームには一つ、大きな問題を抱えています。

 そう、『ポーカー』における問題とは、最終的に勝負は勝利条件に近い者同士の決戦になってしまい、勝利条件から遠いプレイヤーは、置いてけぼりで観戦のみという、いわゆる『負け抜け』ルールになっていることです。

 ただこの『マスカレイド』においては、キャラクター能力の活用において、その劣勢をはね除けることができるのです。

 例)キャラクターカード 『Witch/魔女』
  魔女は、他のプレイヤーを選び、そのプレイヤーの所持金と自分の所持金を交換   することができる……という『まさに外道カード』

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 これだけではありません。
 その他にも『農夫』『女王』『詐欺師』『密偵』『司教』『道化』『審問官』『未亡人』『泥棒』などなど。

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 さらに『銀行』に蓄積された金の数は196枚!
 最大プレイ人数13人というアナログゲ ームでも稀な規模と言えるでしょう。

 推理と駆け引き、最後まで大逆転があり得る絶妙なバランス。  
 数々のキャラクターが織り成す宮廷バトルロワイアルを、皆 様もぜひ体験してみませんか?

 

 ライター紹介

高円寺 克洋(こうえんじ かつひろ)

 コンシューマゲームのシナリオライターやプランナーを経て、現在はゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ハードボイルド作品や時代小説をこよなく愛するヘビースモーカー。

代表作
 シミュレーションRPG「ベルウィックサーガ」
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
 その他多数。