ボードゲームレビュー第92回「カカオ」

「カカオ」(原題:Cacao)
発売元:Abacus spiele/日本語翻訳:メビウスゲームズ
作者:P.ウォーカー=ハーディング
プレイ人数:2~4人
対象年齢:8才以上
プレイ時間:約45分

 


そういえば、昔、カカオ95%っていうお菓子を食べた事があるんですが。
当時は「カカオ=甘い」と思っていまして、だから95%も含まれていれば、それはそれはもう甘いものなんだろうと思って食べた直後、床に転がって悶絶する羽目になってしまった事がありましたね(汗)。

そんなほろ苦い思い出も、今ではよい思い出! どもども、三家原ですっ!
なんでまたそんな思い出がよみがえって来たのかといいますと、もちろん、今回ご紹介する作品に、カカオが含まれているからなのですよ(笑)。

ってなわけで! 今回ご紹介するのは、メビウスゲームズ様より発売中の「カカオ(Cacao)」なのですーっ!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ね? まんまでしょ?(笑)。

「カカオ(Cacao)」のデザイナー様は、オーストラリアのP.ウォーカー=ハーディング様っ♪
2010年にコマを指で弾いて他のコマをぶつけていく「Flicochet」を皮切りに、発掘現場で秘宝を見つけて一攫千金を狙うという「考古学カードゲーム(原題:Archaeology: the card game)」で2008年度のオーストラリアボードゲーム賞のベストオーストラリアゲーム賞を受賞したり、今回ご紹介する「カカオ(Cacao)」ではドイツ年間ゲーム大賞2015にノミネートしたりと、まさに実力派のデザイナー様なのですよっ!
あと、面白いなーっと思ったのが、映画を題材にしてる作品もリリースされてるんですよね、たとえばジョニー・デップが出演していた「ローン・レンジャー」を題材にした「The Lone Ranger: Shuffling the Deck Card Game」や、日本でも大ヒットした怪獣とロボットが熱く戦う「パシフィック・リム」を題材にした「Pacific Rim: Shuffling the Deck」だったり、果たしてどんな風に作られているのか興味津々なのですが、残念ながら日本にリリースはされてないご様子(寂)。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
まんまなカカオの実。

ちなみに、ゲームの題材であるこのカカオと呼ばれる実の語源は、ミヘ・ソケ語族の「カカワ」からきているそうな。
有名な話ですが、元々は砂糖や香辛料を入れた飲料として流行し、のちにこれを固めたものがチョコレートとなったり。
当時カカオを生産していた現地では貴重品だった為、通貨として使われていたそうです。でも、カカオが通貨って、持ち運ぶのも大変そうですし、あんまり長期保存していたら腐ってしまいそうで管理が大変ですよね(苦笑)。

そんな当時の貴重だったカカオさんを、部族の長である各プレイヤーはマップを拡大させながらカカオを育てたり、売却することで部族の名声と富を拡大し、最終的に一番の大金持ちになるのが、このゲームの目的となります。

ってな訳で、早速ゲームの準備にとりかかってみましょうーっ♪

まずプレイヤーはそれぞれ色を決めたら、労働者タイル、水運びコマ、村ボードの3つを手元に置きます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
選べる四種類。ちなみに、これが水運びコマなのです。

また労働者タイルは、プレイする人数によっては一部のタイルを抜き出したりしないといけないので、取説をしっかりと読みましょう♪

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
四方向に一人ずつ労働者がいるオールマイティー型。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
上下に一人、右に二人タイプ。枚数的には一番多いタイプなのですよ。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
上に一人、右に三人の全力タイプ1。1枚しかないので、使いどころを考えないとなのですよ。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
下に一人、右に三人の全力タイプ2。これも1枚だけなので、いざという時に効果的に使うのがオススメなのですよ。

抜き終わったら、よ~くシャッフルしてから裏向きにして山を作ったら、この山の上から3枚引いて、これが最初の手札として利用します。

最後に、村ボードの水路マスの「-10」のところに、水運びコマを置いたら、プレイヤーの準備は完了なのです♪

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
これが村ボード。ボード上には、水路マス、太陽石置き場、カカオ倉庫の3カ所が描かれているのですよ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
スタート時は全員「-10」からスタート。

次に準備するのは、ゲームの舞台となるジャングルタイルなのです。

最初に設置するのは決まっていて、カカオを1つ採取出来るプランテーションと、カカオ1つにつきコイン2枚で売却が出来る市場を1枚ずつ抜き出して、スタート時のタイルとして斜めに接するようにテーブルの中央に設置します。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
こんな感じに設置するのですが、うっかり市場の価格を間違って3にしていました(吐血)。

また、残ったジャングルタイルはよ~くシャッフルしたら、裏向きの山札にしてたら、一番上の2枚だけ表向きにして置きます。この表向きにしたのを、ストックと呼びます。
最後に、カカオ豆、太陽石、コインをそれぞれまとめて置いたら、これでゲームの準備は完了なのですっ♪

準備が出来たら、早速ゲームを開始する訳ですが、手順は結構簡単です。

プレイヤーは手番になると、手持ちの労働者タイルから1枚を選択し、設置されているジャングルタイルの上下左右の最低でも1辺に隣接するように設置します。
この時、労働者タイルを回転させて設置する事も可能です。

そして、労働者タイルを設置したら、次にジャングルタイルのストックから一枚選んで、好きなところに設置する事が出来ます。
ただし、この時の注意として、ジャングルタイルは最初に設置した時同様、ジャングルタイル同士を隣接させて置くことは出来ません。常に、斜めに接するように設置しなければならないのです。

だから、スタートがこれだとしたら……。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

市場の横に労働者タイルを設置して、その下に新しいプランテーションを設置する。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

という置き方なら、設置が可能ということです。
常に、この状態でタイルは設置することになるので、マップは労働者とジャングルによる市松模様になっていくのですよ。

そして、設置が終了したら、アクションが発生します。
このアクションは、労働者タイルに描かれている数だけ、ジャングルタイルと隣接していた時に発動します。
なので、たとえば、さっきの設置の例でいくと……。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

上のプランテーションに労働者が1人なので、カカオが1個ゲット。
下のプランテーションに労働者が1人なので、カカオを1個ゲット。
右の市場に労働者が2人なので、最大2個までカカオを売却出来る、となります。

カカオを2個ゲットしているので、そのまま市場で2個売却すると、6ゴールドをゲットする事が出来るのです。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
(注意:本当は初期に設置する市場の売却価格は2なので、4ゴールドになります)

ただし、市場には売却価格が違うところもあるので、あえてここで売却せず、カカオを保持する事も可能です。
その際は、村ボードのカカオ倉庫にカカオを保管します。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
これがカカオ倉庫なのですよ。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
カカオの絵の上に、カカオを置いて保管した事になります。

ただし、このカカオ倉庫は、最大5個までしか保管出来ないので、出来る時にガンガン売却するのがいいかなーっと思います。
だって、ゲーム終了時、カカオを保持してても得点になりませんから、持ち腐れになっちゃう可能性が高いんですよね(汗)。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
マックス・カカオ~。これを一気に売却出来たら、ウハウハなのですよ~。
もちろん、売却出来れば、の話ですが(吐血)。

また、ちょっとしたテクニックとして、ジャングルタイルは基本1枚しか置けないのですが、実は2枚置ける方法があったり。
たとえば、下記のような状態の場合。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
プランテーションの上下に労働者タイルが置かれているような状態。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ここで、右側に労働者タイルを設置します。

すると、通常ならタイルは1枚しか配置出来ませんので、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

このように設置し終わったら、通常の流れならアクション発生となるのですが、下の部分みたいに他のプレイヤーの労働者タイルと、新規で置いた分とで、労働者が2つ箇所にある場合、自動的にここにもタイルを配置しなければならないのです。
つまり、たった一回のターンで2枚も置けてしまうというお得な結果に!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

そして、アクションの発生は、新規設置した紫だけでなく、赤と白にも発生して、みんながウハウハになるという結果になるのですよ。
なので、設置するときは、他の労働者タイルにもよ~く目を配っておくと思わぬ大収穫や、逆に相手に塩を送ってしまう事があるのです。

労働者タイルと、ジャングルタイルの設置が終了し、アクションを行ったら、プレイヤーは労働者タイルを山札から1枚引き、ジャングルタイルの山札から使用したタイルの枚数分ストックに補充して、ターン終了となります。

こうして、労働者とジャングルタイルを配置していって、ゲームマップをどんどんと拡げ、カカオを売り買いしていくことで巨万の富を得ていくのですが。
このジャングルタイルにも色々と種類があって、全部で5種類あります。

まずは、もうご存じ、ゲームで重要となるカカオを採取出来るプランテーション。

これは2種類あって、上は1労働者につき1個採取出来るもの、そして下は1労働者につき2個採取出来る優秀なプランテーションなのですよ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
労働者一人につき、一個なので、最大で三個カカオゲットのチャンスがあるのですよ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
こちらは最大で六個とオーバーカカオ出来てしまう優秀っぷり! ただし、カカオは最大五個までしか保有出来ないので、一個消滅してしまう悲しい事に。
なので、一気に稼ぎたいからといって、労働者三人を配置するのはちょっともったいないかも?

2つ目は、手に入れたカカオをお金に換える大事な市場。
これも1個につき買い取り価格が2ゴールド、3ゴールド、4ゴールドの3種類あって。枚数的に3ゴールドの市場が多く、4ゴールドは1つしかないので、4ゴールドの市場の時に全力で売却したいですねー。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
3つ目は、金鉱。
これは隣接した労働者の数だけ、ゴールドを発生させることが出来ます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
個人的な感想としては、あまりうま味を感じないマップですね。
でも、ぎりぎりの接戦を繰り広げている時は、ここでのゴールド獲得が勝利の鍵になったり。

4つ目は、泉。
これは隣接した労働者の数だけ、水運びコマを時計回りに移動させる事が出来ます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
この水運びですが、ゲーム終了時にゴールドに換算されるので、出来るだけ+のマスにに近づけるのが一番です。
なんたって、最大だと16ゴールドに化けますからねー。
ちなみにマイナスだった場合は、その分ゴールドが減額されるのですよ……って事は、最大10ゴールド減るって事なので、かなりの痛手になりますねー。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

あと、この泉、全部で4つしかないので、見つけたら労働者一人でもいいから設置するのをオススメします。

5つ目は、太陽の礼拝所。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

これは、隣接した労働者の数だけ、太陽石を獲得します。
入手した太陽石は、村ボードの太陽石置き場に設置出来ます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ただし、太陽石は最大3つしか確保出来ないのですよ。

でも、この太陽石って何に使うの? という方、ふふふ、説明しましょう。
この太陽石は、ゲーム終了間近に、ジャングルタイルがなくなって、ジャングルタイルに隣接するのが難しくなった時に、この太陽石を1枚利用することで、自分が過去に設置した労働者タイルの上に、重ねて設置することが可能になるのですよ!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
うー、ここにもう一回アクション発生したいよ~! そうだ、こんな時はあれを使うのですよ-!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
いでよ! 太陽石ー!! どどーん!!

……と、こうして設置したおかげで、プランテーション・金鉱・泉のアクションを行う事が可能になるのですよ。
ただし、この「重ね置き」は一カ所につき一回しか行えないので、使いどころをよく考えないといけないのですよ。

そして、最後の6つ目は、神殿なのですっ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

この神殿、ゲーム中には全く何も発生しませんが、ゲーム終了時に隣接する労働者の数がもっとも多いプレイヤーに6ゴールド、2番目のプレイヤーに3ゴールドが与えられるボーナスマスみたいなものなのですよ。

ただし、同率1位が居た場合、6ゴールドを分けて、端数は切り捨てとなり、2位はコインを獲得出来ません。
逆に、2位同率だった場合は、1位は6ゴールド、2位の3ゴールドを分けあって端数切り捨てとなります。

この6種類のジャングルタイルと、労働者を上手く利用して、プレイヤーは次々とゴールドを稼いでいきます。
そして、全てのプレイヤーが労働者タイルを設置し終わったら、ゲームは終了となります。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

そう、ジャングルタイルが尽きても、ゲーム終了じゃないんですよ。
だから、どんどん旨みのある設置箇所も減ってくるので、「重ね置き」出来る太陽石の確保が地味に効いてくるんですよね。
でも、この「重ね置き」出来る場所も、自分の元々置いてあった場所限定なので、後々に「重ね置き」をすると予定を立てておかなかったりしないといけないので、先見性が必要になってくるんですよねー。

さて、ゲーム終了となったら、いよいよお待ちかねの得点計算♪

まずは神殿の順番を計算して、次に太陽石を1つにつき1ゴールドで換金します。
その後に、所持しているコインの合計と、水運びコマの置かれている水マスのポイントを合計し、一番所持金の多いプレイヤーが勝利となるのです!
ただし、もしも同一があった場合は、保有しているカカオの数が多い方が勝ちということで、ここでカカオが意外な活躍を見せたり(笑)。

ゲームをプレイしてみた感想としては、2015年度のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートしただけの事はあって、やることは簡単なのに奥深いゲーム展開が熱くて面白かったですねー。何よりもほぼ全ての要素が、無駄ではないのがいいですね。
マップの拡大していくのが結構ランダム要素なので、その場その場で変わっていく状況に対して、最良の労働者を派遣して利益を確保していく訳ですけど、もしかしたらあそこに良いのが来るかも!? それなら、ここはしゃがんで……とか思ってたら、予想外なタイルや他のプレイヤーに横取りされてしまって、計算が狂ってしまったりとワタワタしてしまうのも良い感じなのです(笑)。

なので、個人的には、カカオがゲーム終了時に何の価値もない……いや、同点だった場合は多い人が勝利になるんですけど……ので、変にため込まず、売れるときは売る! 水を確保出来る時は全力で! あと「重ね置き」は最大限利用するのを心がけるみたいな感じで、ガツガツ攻めていくと、良い感じにポイントを稼げるなーっと思いましたね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

マップがどんどんと拡大していくので、大きなテーブルが必須ですが、みんなでわいわいと遊ぶのにはちょうど良いなーっと思う一品なのですよ。
ご興味のある方は、ぜひぜひ一度プレイしてみてくださいませなのですー♪

 

ライター紹介

三家原優人(みけはら ゆうと)
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ゲームシナリオライターだけでなく、映画会社にて長編映画の脚本や出演など多岐に渡って活動中。
 趣味はガジェット集め。国内・国外問わずの気になるガジェットを集めては愛でる日々。
 実は某公国の爵位を持っていたりする。

代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ。
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」。
 長編ホラー映画「腐女子」。
 その他多数。