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ボードゲームレビュー第267回「ジャイプル」

「ジャイプル」
作者:セバスティン・ポーコン
メーカー:ホビージャパン
プレイ人数:2人
対象年齢:12才以上
プレイ時間:約30分

 



 毎度どーも、ライターの松風です。
最近ちょっと重めのゲームばかり紹介していたので、ここらでいっちょ軽めのゲームも紹介しておきたい!
ってなわけで、今回ご紹介するのはお手軽2人用対戦カードゲーム『ジャイプル』です。
決して新作というわけではないのですが、温故知新といった感じに過去の名作に触れてみるのも良いものですよ!

 さて、このゲームのタイトルにもなっているジャイプルとは、インドのラジャスタン州にある都市の名前です。
プレイヤーは大富豪であるマハラジャの御用商人になるべく、どちらがより儲けられる有能な商人かを競い合います。
コンセプトがわかりやすい! それ大事!

 売り物になる『品物カード』は6種類。
革(茶)、胡椒(緑)、布(紫)、銀(灰)、金(黄)、ダイヤ(赤)の順に価値が高くなっていきます。
布よりも革が安いあたりが土地柄でしょうか。
これに『ラクダカード』を混ぜた7種類のカードで山札を作ります。

 まずは3枚の『ラクダカード』を抜き出しておき、中央に並べます。
山札をよくシャッフルしたら、各プレイヤーに手札として5枚ずつ配り、2枚を表向きにめくって『ラクダカード』の横に並べます。
この3枚の『ラクダカード』と2枚の『品物カード』の並びが初期の『市場』になります。

 その後、プレイヤーは手札を見て『ラクダカード』があれば、自分の手元にオープンして並べて置けます。
これを『家畜』と呼びます。
 そして各品物に対応した『品物トークン』を種類ごとに分け、書かれた数字が大きいものが上に、小さいものが下に来るように重ねます。

 同様に『ボーナストークン』も種類ごとに分け、こちらはシャッフルして別々の山を作っておきます。

 あとは先攻プレイヤーを適当に決めたらゲーム開始です!
トークン類を並べるのに一手間必要ですが、難しいことはなんにもありません。
 さて、このゲームでは手番で出来ることは2つだけ。
「カードを取る」か「カードを売却する」かのシンプルな二択です。
ですが、それぞれのアクションにはもうちょっとだけルールが付きます。
 まず「カードを取る」アクションから行きましょう。
このアクションでは『市場』にあるカードを取って手札に加えていくわけですが、選択肢は3つあります。
 1つ目、「1枚だけカードを取る」場合。
カードはそのまま手札に入ります。
空いたスペースには山札から『品物カード』を補充しましょう。
ちなみに手札の上限は7枚で、それ以上持つことはできません。
 2つ目、「複数枚のカードを取る」場合。
プレイヤーは『市場』から好きな枚数のカード(2枚以上)を取ることができます。
ただし、手札から同数のカードを『市場』に戻さなければいけません。
2枚取ったら2枚戻す。3枚取ったら3枚戻す。言ってしまえばこれだけです。
組み合わせは自由ですし、『家畜』のラクダも戻す枚数に含められます。
また、『品物カード』と『ラクダカード』を同時に取ることと、『市場』から取ったカードと同じ品物を手札から戻すことはできません。
 3つ目、「ラクダを取る」場合。
『市場』にある『ラクダカード』を全て取り、自分の『家畜』のスペースに加えます。
空いた『市場』のスペースには即座に山札からカードを補充しましょう。
 「1枚だけ」はノーリスクですが手が遅いアクションなので、やはり「複数枚」取ってカードを一気に揃えたいところ。
しかし既に手札に揃っているカードは返したくない……そうだ、ラクダを使おう! というのがここでのギミックになっているわけですね。

 次に「カードを売却する」アクションです。
プレイヤーは手札の中から1種類の『品物カード』を選び、好きな枚数だけそれを『捨て札置き場』に置きます。
そうすると、捨てたカードと同じ品物、同じ枚数の『品物トークン』がもらえます。
セットアップで書いたとおり、『品物トークン』は上にあるほど価値の高いものになっていますので、なるべく早くたくさん売るのが高得点を稼ぐセオリーです。
さらに、3枚以上一気に売却した時には、枚数に対応した『ボーナストークン』までもらえてしまうのです。お得!
 ただし、貴重品である金、銀、ダイヤの3種類の品物に関しては、最低でも2枚以上同時に売却しないといけません。
この3つはカードの枚数自体も少なめになっていますので、1枚だけを持て余してしまう事が結構あるのですよね。

 こうして「品物トークンが3種類なくなった時」か「市場に補充するカードが足りなくなった時」、即座にラウンドは終了です。
得点計算を行って、より獲得した点数の高いほうが『優秀の証』をもらえます。
この時、『家畜』のラクダが多い方のプレイヤーに5点のボーナスが入ります。これ、結構大きいですよ!

 この『優秀の証』をいち早く2枚集めたプレイヤーがゲームに勝利します。
つまり最低2ラウンド、最高3ラウンド、プレイを行うわけですね。
 やはり手札の上限を無視しつつ支払いコストの肩代わりができる『ラクダカード』の使い方がキモになってきます。
全ての支払いをラクダで行うと、次の手番には高確率で相手に大量のラクダを取られてしまうことになります。
そうなると、より高い価値の品物が並んだときに悔しい思いをするかもしれませんし、得点計算時の5点ボーナスを取られるかもしれません。
高価なダイヤや金などで5枚ボーナスを狙いたくなるのが人情ですが、揃うかどうかは山札の引き運次第。
下手をするとずっと売却できずに手元で腐り続け、7枚上限の手札を圧迫してしまうことでしょう。
その間に安い品物を買い占められて、速攻でラウンドを終わらせられてしまうかも……?
「『市場』にあるカードは常に5枚」「カードを取る際の制限」「トークンの価値は早いもの順」といった要素が絶妙に混じり合い、程よいジレンマを生み出しているのが見事ですね。

 てな感じで、見た目以上に運と読み合いが複雑に絡み合う、ハンドマネージメントの名作です。
パッケージの地味さでスルーせずに、ぜひ一度はプレイしてもらいたいゲームですね!
プレイ時間は短く、ルールも簡単。しかし読み合いはどこまでも深く。
一度遊べば、このゲームの魅力にきっとあなたは膝を打つでしょう。
 といったところで、今回のゲームはいかがだったでしょうか?
それではまた、次の機会にお会いしましょう。

 

ライター紹介

松風志郎(まつかぜ しろう)
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ゲームシナリオライターだけでなくゲームのシステムデザインなども手がける。
 アナログゲームとの関わりは古く、幅広いジャンルをたしなむ。
 世界観にとっぷりと入り込めるゲームが好き。
代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ
 大戦シミュレーションゲーム「萌え萌え2次大戦(略)」シリーズ
 大戦シミュレーションゲーム「出撃!乙女達の戦場」シリーズ
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」
 その他多数。